邪神軍ガルバ将軍麾下第3師団方面軍第2大隊第5遊撃小隊隊長ライザス

竹井ゴールド

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王都モスカード決戦における援軍合流阻止戦

本隊6000人が到着

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 トマリア渓谷から王都モスカードを目指すラスタロス王国の援軍6000人が到着した。

 今度のは質が高そうだ。

 今までは陸軍しか居なかったが、グリフォンを駆る空騎士が居るから。

 全部で10頭だが、1頭で200人分の働きはするからな。

 オレが小悪魔族のままだったら、空騎士を見た瞬間に撤退命令を出してる。

 現に副長のアドが、

「逃げるんですよね?」

「待て。ルパーゾ、一応聞いておくがアイツラを倒せるのか?」

「あの高度は無理だ。地上に降りてきたら別だが」

「具体的にはどうやって?」

「オレは弓矢も得意だからな」

「本当だな? 信じるぞ」

 オレは作戦を立てた。

 他の連中はアジトに帰す。

 その後、オレはトマリア渓谷の岩陰から火炎球魔法を乱発した。

 この距離で魔法が当たる訳がない。

 目的はグリフォン騎士の誘引だ。

 誘引に成功して、グリフォンを駆る空騎士4頭が様子を見に先行してくる。

 高度を下げた時、ルパーゾが弓矢を放った。

 本当だ。騎手の騎士の首に矢を当てていく。

 4人全員を倒した。

 ヒュ~、やるじゃん。

 グリフォンだけは逃げていったが問題ない。

 グリフォンに騎乗を認められるのには時間が掛かるからな。





 さてと。

 オレが火炎球魔法を使った事で、本軍6000人も進軍を停止した。

 だよねぇ~。

 陣を張ってる。

 やる気だ。

 迂回するつもりはないらしい。

 だよな。

 時間の無駄だから。

 だが、このトマリア渓谷は通行止めなんだぜ。

 オレはラスタロス王国軍6000人の兵と対峙した。





 6000人が到着して最初の夜になった。

 敵も夜襲を警戒してるので『ダメだ』と言ったのに、ルパーゾのバカが気付けばアジトの洞窟から居なくなってた。

 敵の陣に突入したらしい。

 助けてやる義理はない。

 ・・・と思うだろ?

 だが軍隊ってところは特殊でな。

 『いざという時、助けてくれないんだぁ~』とか部下に思われる訳だよ、見捨てたら。

 なので仕方なく、オレだけが助けに出向く破目になった。





 オレが出向いた時にはラスタロス王国軍の陣は大混乱だった。

 影巨兵が暴れてて。

 ん?

 戦術級の大規模麻痺魔法を使っていない?

 使わない意味が分からない。

 ルパーゾの奴、何を考えてる?

 もしかして事前の準備が必要なのか、あれって?

 それともアイテムの補助、もしくは条件が揃わないと使えない?

 クソ、詳しく聞いておけば良かった。





 人間族に【変身】出来ると実に潜入が楽だ。

 兵士に変身して大混乱の陣の中に潜り込んだ。

「ダークエルフが捕まったってよっ!」

 とか兵士達が興奮気味に喋ってる。

 ったく、あのバカ。

 仕方ない。

 爵位級大悪魔族の力を見せてやるか。

 オレは全長10メートル級の【火炎巨人】をラスタロス王国軍の陣のど真ん中に召喚した。

 そして暴れさせる。

 簡単にラスタロス王国軍6000人は崩壊した。

 1000人が逃げおおせたが、他は戦死。

 魂3500個を回収した。





 因みにダークエルフ族のルパーゾは死んでいた。

 焼け焦げて。

 オレがやった・・・っぽいが、まあ、それは内緒だ。





 ルパーゾの遺体を回収してアジトに戻り、

「・・・人間どもめ、許さんぞっ!」

 と部下思いなところを見せておいた。
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