【完結】「嘘告されるわよ」というショートメールがきて執着系の御曹司に溺愛されてた事に気付きました

竹井ゴールド

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白羽家と聖ミカエル女子大学高等部

エピローグ、白塗りのロールスロイス

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 その日、(アリスの花嫁衣装用のティアラの件等々で)外出していたジュンが戻ってきたのはレイコが帰った20分後だった。

「またオバサンが来てたんだって? 変な事されなかった?」

 心配したジュンがハグしてきた。

「ええ、大丈夫よ。喋ってただけだから。迷惑な聖ミカエルの先輩達も追い払ってくれたからね」

 そうアリスが答え、そのまま2人が甘い雰囲気になると思いきや、

 桐屋が、

「ジュンお坊ちゃま、帰宅後の手洗いとうがいがまだのはずですが?」

「もう。分かってるよ」

 一旦離れて、手洗いとうがいをした後、

 ジュンとアリスは長ソファーに座りイチャイチャしながら、

「何やら大変な結婚をされてるそうね、レイコ様は」

「朱橋家?」

「ええ。虐げられてるんですって、義理のお母様に。さすがにそこまではあり得ないと思うけど、快適ではなさそうだったわ」

 アリスがそうしみじみと言って、

「確かに馴染んではないね」

 ジュンが相槌を打ってから、探るように、

「アリスはオバサンの事をどう思う?」

「一生の付き合いになりそうだから仲良くなりたいと思ってるわよ」

「好きか嫌いかで言ったら?」

「まだ判断するまで深く知らないけど、わたし的には『嘘をつかない』ぶん、好きかしら?」

「なるほど」

 などと喋ったのだった。





 ◇





 翌朝、聖ミカエルの正門を潜ったのはリムジンではなく白塗りのロールスロイスだった。

 その車だと玄関ロータリーの校舎前まで見事に横付け出来、その後部ドアから出てきたアリスが、

「いってきます、長谷川さん」

 と登校すると、数名の生徒から、

「ごきげんよう、平良さん」

「ごきげんよう」

 と声を掛けられるようになった。

(『ごきげんよう』って、さすがはお嬢様学校ね)

 そう思いながらアリスも、





「ごきげんよう」





 と答えて登校したのだった。
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