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白羽家と聖ミカエル女子大学高等部
初日の夜
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さすがは白羽財閥の大豪邸だ。
開業医以上の医療器具を揃えており、エリート風の30代のお色気ムンムンの女医までが夕食後の時間に居た。
『何事にもテストはある』とアリスは割り切ってメディカルチェックとやらを受診したが、産婦人科は初めてだったので、さすがに精神的にダメージを負う事となった。
器具をデリケートゾーンに突っ込まれて開かれたので。
その代償として、アリスが得たものは、
「なるほど、分かった・・・ジュン、今夜からアリスちゃんとしていいぞ」
報告を聞いた学のお墨付きだった。
「だから、しないって」
赤面しながらジュンは答えたが、
「そんな事言ってるから好きな女の唇を他の男に先に奪われる事になるんじゃよ。女のOKサインを見逃す男は自然界でも生き残れんぞ」
学は焚き付けたが、
「五月蠅いな。さっさとどっかに行ってよ、祖父様。オレはこれからアリスが明日転校する学校の制服のサイズが合うか確認するんだから」
「明日から転校なの?」
聞き咎めたアリスが問い、
「そうだよ」
勝手に決めたジュンがさらりと答えた。
「まあ、いいけど。でも私の学力にあったところにしてね」
「ただの女子校だから安心して」
そのジュンの言葉にアリスが、
「えっ、ジュン君と一緒の学校じゃないの? てっきり心機一転、違う高校でイチャイチャな高校生活が送れるとばかり・・・」
そう言うと、学が、
「ん? 知らんのか、アリスちゃんや? ジュンは15歳でアメリカの大学を飛び級で卒業しているから今更日本の高校になんぞ通学はしないぞ?」
「なら、何で大鳳学園に居たんです?」
「アリスちゃんの尻を追い掛けたんじゃよ」
「それで1学年目で同じクラスにならないって・・・1年間無駄にしちゃったの?」
「ないない。速攻で九州に引っ越した事にして2年の4月に舞い戻ったから」
と学が内幕を説明し、アリスが、
「ジュン君、白羽家の事を隠す余り、白羽家が持つ権力を上手く使えてないんじゃないの?」
そうジュンのポンコツ具合を心配すると、学が、
「そうじゃろう、そうじゃろう。もっと言ってやってくれ、アリスちゃんや」
2対1の構図となり、
「いいのっ! アリスを屋敷にちゃんと迎えられたんだからっ!」
自分でも自覚があるのか、劣勢のジュンは少し大声で主張したのだった。
「さてと、ワシは自室に向かうかのう。若さに任せて朝までヤルとかはなしじゃからな。屋敷の朝食時間は7時じゃから遅れぬように」
そう言って学は桐屋らを引き連れて廊下を歩いていき、
「それじゃあ、制服の確認をしようか」
とジュンに言われてアリスは別室に向かった。
◇
アリスが纏った制服は、黒色のワンピースタイプのセーラー服に、オレンジ色のスカーフだった。
夏服なので半袖だったが。
都内在住なのでアリスもこの制服のカラーがどこの女子校か知っており、
「待ってよ、ジュン君。これのどこがただの女子校なのよ? 日本一のお嬢様学校の聖ミカエルなんて無理に決まってるじゃないの。私は庶民なんだから」
「大丈夫だって。似合ってるよ」
「もしかして聖ミカエルの女子高生との制服プレイが夢で、それで私にこの制服を着せたの?」
「どうしてそういう発想になるかな」
「えっ、否定しないの、ジュン君?」
「全然違うって。そもそもオレの夢はウエディングドレスをきたアリスちゃんを・・・コホン、今のナシ」
フェチを披露したジュンが咳払いをする中、アリスが、
「じゃあ、初エッチはそれにしましょうね」
気軽に言うと、欲望に正直というか眼を輝かせたジュンが、
「いいの?」
「ええ」
と約束した後、
「でもさ。真面目な話、聖ミカエル女子の生徒とは会話も成立しないと思うわよ。大鳳学園にもお嬢様が結構居たけど、時々会話が理解出来なかったから。私はハイブランドは分かるけど、ジュエリー系はまだ興味がないし。株の話なんてカラッキシだから」
「大丈夫だって」
そうジュンは励まし、
「本当かしら」
とアリスも前向きになり、明日から聖ミカエル女子に通う事となった。
◇
夜だ。
アリスも入浴した。
風呂場でメイドさん2人に身体を磨かれたのは初めてだったのでさすがに緊張したが。
正直に告白すれば、アリスは今夜ジュンを相手にロストヴァージンするものだと思っていた。
入浴時にメイドさん2人も隅々までアリスの身体を磨いてくれたので。
だが、アリスの寝室のドアの前で、ジュンが、
「じゃあ、お休みね、アリス」
チュッとお休みのキスをして廊下を歩いていこうとしたので、アリスの方が、
「ええっと、それだけ? 私は覚悟してたんだけど?」
「ウエディングドレスがまだ用意出来てないからね」
真顔でジュンが答え、アリスが、
「本当に初めてはそれでするのね」
「うん」
満面の笑顔で肯定したジュンは廊下を歩いていき、アリスはあてがわれた寝室のふかふかのベッドで眠ったのだった。
開業医以上の医療器具を揃えており、エリート風の30代のお色気ムンムンの女医までが夕食後の時間に居た。
『何事にもテストはある』とアリスは割り切ってメディカルチェックとやらを受診したが、産婦人科は初めてだったので、さすがに精神的にダメージを負う事となった。
器具をデリケートゾーンに突っ込まれて開かれたので。
その代償として、アリスが得たものは、
「なるほど、分かった・・・ジュン、今夜からアリスちゃんとしていいぞ」
報告を聞いた学のお墨付きだった。
「だから、しないって」
赤面しながらジュンは答えたが、
「そんな事言ってるから好きな女の唇を他の男に先に奪われる事になるんじゃよ。女のOKサインを見逃す男は自然界でも生き残れんぞ」
学は焚き付けたが、
「五月蠅いな。さっさとどっかに行ってよ、祖父様。オレはこれからアリスが明日転校する学校の制服のサイズが合うか確認するんだから」
「明日から転校なの?」
聞き咎めたアリスが問い、
「そうだよ」
勝手に決めたジュンがさらりと答えた。
「まあ、いいけど。でも私の学力にあったところにしてね」
「ただの女子校だから安心して」
そのジュンの言葉にアリスが、
「えっ、ジュン君と一緒の学校じゃないの? てっきり心機一転、違う高校でイチャイチャな高校生活が送れるとばかり・・・」
そう言うと、学が、
「ん? 知らんのか、アリスちゃんや? ジュンは15歳でアメリカの大学を飛び級で卒業しているから今更日本の高校になんぞ通学はしないぞ?」
「なら、何で大鳳学園に居たんです?」
「アリスちゃんの尻を追い掛けたんじゃよ」
「それで1学年目で同じクラスにならないって・・・1年間無駄にしちゃったの?」
「ないない。速攻で九州に引っ越した事にして2年の4月に舞い戻ったから」
と学が内幕を説明し、アリスが、
「ジュン君、白羽家の事を隠す余り、白羽家が持つ権力を上手く使えてないんじゃないの?」
そうジュンのポンコツ具合を心配すると、学が、
「そうじゃろう、そうじゃろう。もっと言ってやってくれ、アリスちゃんや」
2対1の構図となり、
「いいのっ! アリスを屋敷にちゃんと迎えられたんだからっ!」
自分でも自覚があるのか、劣勢のジュンは少し大声で主張したのだった。
「さてと、ワシは自室に向かうかのう。若さに任せて朝までヤルとかはなしじゃからな。屋敷の朝食時間は7時じゃから遅れぬように」
そう言って学は桐屋らを引き連れて廊下を歩いていき、
「それじゃあ、制服の確認をしようか」
とジュンに言われてアリスは別室に向かった。
◇
アリスが纏った制服は、黒色のワンピースタイプのセーラー服に、オレンジ色のスカーフだった。
夏服なので半袖だったが。
都内在住なのでアリスもこの制服のカラーがどこの女子校か知っており、
「待ってよ、ジュン君。これのどこがただの女子校なのよ? 日本一のお嬢様学校の聖ミカエルなんて無理に決まってるじゃないの。私は庶民なんだから」
「大丈夫だって。似合ってるよ」
「もしかして聖ミカエルの女子高生との制服プレイが夢で、それで私にこの制服を着せたの?」
「どうしてそういう発想になるかな」
「えっ、否定しないの、ジュン君?」
「全然違うって。そもそもオレの夢はウエディングドレスをきたアリスちゃんを・・・コホン、今のナシ」
フェチを披露したジュンが咳払いをする中、アリスが、
「じゃあ、初エッチはそれにしましょうね」
気軽に言うと、欲望に正直というか眼を輝かせたジュンが、
「いいの?」
「ええ」
と約束した後、
「でもさ。真面目な話、聖ミカエル女子の生徒とは会話も成立しないと思うわよ。大鳳学園にもお嬢様が結構居たけど、時々会話が理解出来なかったから。私はハイブランドは分かるけど、ジュエリー系はまだ興味がないし。株の話なんてカラッキシだから」
「大丈夫だって」
そうジュンは励まし、
「本当かしら」
とアリスも前向きになり、明日から聖ミカエル女子に通う事となった。
◇
夜だ。
アリスも入浴した。
風呂場でメイドさん2人に身体を磨かれたのは初めてだったのでさすがに緊張したが。
正直に告白すれば、アリスは今夜ジュンを相手にロストヴァージンするものだと思っていた。
入浴時にメイドさん2人も隅々までアリスの身体を磨いてくれたので。
だが、アリスの寝室のドアの前で、ジュンが、
「じゃあ、お休みね、アリス」
チュッとお休みのキスをして廊下を歩いていこうとしたので、アリスの方が、
「ええっと、それだけ? 私は覚悟してたんだけど?」
「ウエディングドレスがまだ用意出来てないからね」
真顔でジュンが答え、アリスが、
「本当に初めてはそれでするのね」
「うん」
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