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ショートメール
嘘告と無理矢理のキス
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結論から言うと体育館の裏ではなかった。
南校舎の非常階段に放課後にアリスは呼び出されてしまったのだから。
クラスメイトの女子に呼ばれて出向いたら、2階と3階の間の踊り場に権藤ショウが待っていて、
「悪いな、平良さん。呼び出して」
と時々学園内で見かけるキラキラした外見で普通に話しかけてきた。
別に緊張した様子もない。
女子に慣れてる以前に、嘘告だから緊張していないのかもしれない。
「ええっと、権藤先輩とは喋った事ありませんよね?」
アリスはそう質問した。
「ああ、喋るのは初めてだな」
ショウはそう言い、
「なあ、平良は恋人は居るのか?」
(いきなり呼び捨てだし)
「はい、居ますよ」
さらっとアリスは嘘を言った。
想定外の返事だったのかショウが、
「えっ? 誰?」
と質問したが、アリスはさらっと、
「言う訳ないでしょ。この学園の男子じゃありませんから、どうせ先輩には分かりませんよ」
と答えたのだった。
「もういいですか、じゃあ」
アリスはさっさと退散しようとしたが、
「待った」
手首を掴んでショウがアリスを引き止めた。
「何ですか? 初対面で馴れ馴れしくないですか、先輩?」
握られた手首にアリスが怪訝な視線を向けてると、ショウがさらっと、
「そいつと別れて、オレと付き合ってくれ」
と告白してきた。
全然、照れてもいない。
嘘告の悪戯メールが無くても『嘘告だ』と見抜けるくらいの『どうでもいい感じ』の告白だった。
(『彼氏がいる』って言ってるのに(嘘だけど)『別れて付き合え』ってどれだけ自分に自信があるのよ)
と思いながらも、
「嫌に決まってるじゃないですか。じゃあ、そういう事で」
アリスはちゃんと断ったのだが、
「そう言わずに」
「先輩、日本語が通じないんですか? 嫌だって言いましたよね、私? 嫌がる女子に言い寄るなんてカッコ・・・・・・」
『悪いですよ』という言葉はアリスの唇にショウがキスをしたので続ける事が出来なかった。
「んんっ!」
無理矢理キスされたアリスが驚く中、ショウに5秒間もキスされて、キスを終えたショウが、
「オレの女になれ。いいな」
と言った訳だが、対するアリスの答えは、
ビシっ!
というビンタだった。
「最低っ! 無理矢理キスしてくるなんてっ! この事は先生達に言わせて貰いますからっ!」
「痛ァ・・・」
と頬を叩かれたショウは勝ち誇った顔で、
「どうせ誰もおまえの言う事なんて信じないよ。オレの親父がいくら学園に払ってると思ってるんだ?」
最低ヤロー発言だった。
「もう喋る事はありませんから、淫行王子先輩」
そう言うとアリスは非常階段から逃げていったのだった。
南校舎の非常階段に放課後にアリスは呼び出されてしまったのだから。
クラスメイトの女子に呼ばれて出向いたら、2階と3階の間の踊り場に権藤ショウが待っていて、
「悪いな、平良さん。呼び出して」
と時々学園内で見かけるキラキラした外見で普通に話しかけてきた。
別に緊張した様子もない。
女子に慣れてる以前に、嘘告だから緊張していないのかもしれない。
「ええっと、権藤先輩とは喋った事ありませんよね?」
アリスはそう質問した。
「ああ、喋るのは初めてだな」
ショウはそう言い、
「なあ、平良は恋人は居るのか?」
(いきなり呼び捨てだし)
「はい、居ますよ」
さらっとアリスは嘘を言った。
想定外の返事だったのかショウが、
「えっ? 誰?」
と質問したが、アリスはさらっと、
「言う訳ないでしょ。この学園の男子じゃありませんから、どうせ先輩には分かりませんよ」
と答えたのだった。
「もういいですか、じゃあ」
アリスはさっさと退散しようとしたが、
「待った」
手首を掴んでショウがアリスを引き止めた。
「何ですか? 初対面で馴れ馴れしくないですか、先輩?」
握られた手首にアリスが怪訝な視線を向けてると、ショウがさらっと、
「そいつと別れて、オレと付き合ってくれ」
と告白してきた。
全然、照れてもいない。
嘘告の悪戯メールが無くても『嘘告だ』と見抜けるくらいの『どうでもいい感じ』の告白だった。
(『彼氏がいる』って言ってるのに(嘘だけど)『別れて付き合え』ってどれだけ自分に自信があるのよ)
と思いながらも、
「嫌に決まってるじゃないですか。じゃあ、そういう事で」
アリスはちゃんと断ったのだが、
「そう言わずに」
「先輩、日本語が通じないんですか? 嫌だって言いましたよね、私? 嫌がる女子に言い寄るなんてカッコ・・・・・・」
『悪いですよ』という言葉はアリスの唇にショウがキスをしたので続ける事が出来なかった。
「んんっ!」
無理矢理キスされたアリスが驚く中、ショウに5秒間もキスされて、キスを終えたショウが、
「オレの女になれ。いいな」
と言った訳だが、対するアリスの答えは、
ビシっ!
というビンタだった。
「最低っ! 無理矢理キスしてくるなんてっ! この事は先生達に言わせて貰いますからっ!」
「痛ァ・・・」
と頬を叩かれたショウは勝ち誇った顔で、
「どうせ誰もおまえの言う事なんて信じないよ。オレの親父がいくら学園に払ってると思ってるんだ?」
最低ヤロー発言だった。
「もう喋る事はありませんから、淫行王子先輩」
そう言うとアリスは非常階段から逃げていったのだった。
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