異世界転生したら両腕を前に上げてノロノロ歩くゾンビだった

エピローグ

　川に出来た１万人規模の巨大な難民キャンプは魔物の群れに襲われた翌日。

　難民キャンプはお通夜ムードとはならず、まだまだ活気に満ちていた。

　何せ、被害にあったのは難民キャンプは川下の区画だけ。

　水門傍の上流の区画は被害がゼロなのだから。

　その為、活気が衰える事はなかった。





　それにしても魔物どもめ。

　オレの狩り場に侵入してくるとは。

　やはり美味しくいただいた後の食べ残しを土の中ではなく、鉄柵を壊して川に流してたのは失敗だったな。

　まさか、血の匂いを嗅ぎ付けて上流に上ってくるとは。

　ふむ、どうするか。

　一々数えてないが、もう１０００人は軽く美味しくいただいたからな。

　魔物の襲撃で警備も更に厳重になる事が予想される。

　オレの勘ではまだまだ魔物の襲来はある。

　昨日の襲ってきた魔物は小型ばかりだった。

　夜に魔物の死骸置き場で海老系と蟹系と蛙系の魔物が美味しくいただけるか確認の為に出向いたから間違いない。

　大物が川を上ってきたら、この難民キャンプはおしまいな訳だが。

　大物の魔物が襲うまで居座り続けるか。

　それとも場所を他に移すか。

　よし、場所を移そう。

　大型のアメリカザリガニはゾンビのオレでも喰えそうだったし。





　問題はどちらに行くかだ。





　手前側のアテミス領。

　それとも川を越えた新天地か。





　当然、オレが選んだのはアテミス領だった。

　大都市アテミスからは７万人の住民が難民となっているのだ。

　まだまだ難民は居るはずだからな。

　オレはこうして難民キャンプから新たな場所へと旅を続けたのだった。





　おわり。