異世界転生したら両腕を前に上げてノロノロ歩くゾンビだった

竹井ゴールド

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【閑話】最初に天使を拾ったのは

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 聖マーケスト国の支配者階層の白い翼持ちの者達の種族は天使である。

 天使は神の使いだが、このファンタジー世界の天使は無慈悲だった。

 かなりの嫌われ者だが、圧倒的な力を持つ。

 『リスカの悪魔』が天使を倒せたのは夜襲の不意討ちが運良く成功したからに他ならない。

 真っ向勝負なら、あの俗物にも負けていた。

 それが天使という圧倒的な種族なのだ。

 その天使の1人の死骸がエスカン王国側の国境の地面に落ちてた訳だが、

 それを最初に発見したのは蝙蝠だった。

 正確にはヴァンパイアが化けた蝙蝠だ。

 ヴァンパイアがこの付近を捜索していたのはヴァンパイアの少年を喰らった狼3匹を始末する為の追跡中だったからなのだが、

 そこで天使の死骸を発見した。

「信じられん。天使が死んでるだと? それもまだ新しい」

 ヴァンパイアはその行幸に思わず絶句した。

 天使の死骸は利用価値が多々あるのだ。

 一番は天使の力の獲得だったが。

 天使は強過ぎてヴァンパイアごときでは倒せない。

 なのに天使の死骸が落ちている。

 その後、ヴァンパイアは同胞殺しの狼の追跡など放り出して天使の死骸を背負って飛行で帰っていったのだった。
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