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アポリス王国鮫覇編
誤情報のコンペイガル島
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コンペイガル島。
ジムーズ海の浮かぶ島の1つ。
海岸線からの距離から考慮して人類未踏の大地とまでは言わないが、それでも飛獣が無ければ到着出来ない場所だ。
舟でのモンスターの居るジムーズ海の移動は自殺行為なので。
そして民間の冒険者達に特権階級が独占する飛獣を手に入れる術はない。
つまり何が言いたいかと言えば、冒険者ギルドの情報なんてこれまで誰も確認していなかったって事だ。
オレ達が確認をする最初の人間となった訳で、
◇
コンペイガル島に到着したオレ達が待っていたのはマーマンやマーメイドではなかった。
ドラゴン・リザードマンが30匹程居ただけだ。
ドラゴン・リザードマンが完全に巣窟化しており、他の海洋系モンスターは1匹もいなかった。
一応断っておくと、オレが問答無用で攻撃した訳ではない。
戦闘の経緯としては、オレ達がコンペイガル島にワイバーンに近付いた時点で、
ドラゴン・リザードマンにも色々居るらしく、翼持ちなんかが居たので空でもソイツラが近付いてきて、
「人間ども、おまえら知らねえのか? この島に近付いたら殺されても文句が言えない事を?」
「はあ? 知らないわよ」
アンリの言葉に、
「ならーー死ねっ! あべばああ」
翼持ちのドラゴン・リザードマンが舐めた言葉を吐いたのと勤勉なる我が透明分身が棒で殴ったのが同時で、それで戦闘となり、そいつらを撃破した後、島に着地したら他のドラゴン・リザードマン達も襲って来て、
「聖なる光よ、100本の矢となり我が敵を倒せ、聖なる矢」
で倒した訳だ。
そして現在に至る。
「これってドラゴン・リザードマンよね? マーマンなんて居ないじゃないの?」
アンリがただの屍となってるドラゴン・リザードマンを爪先で触りながら尋ねてきた。
ってか、行儀というか礼儀。死者に対する。
まあ、モンスターだけどさ~。
「オレに聞かれても」
「まあ、お父様達を殺したドラゴン・リザードマンが他にも居てそれを始末したんだからそれでよしとしますか」
「だね」
「島を調査されますか?」
そう質問したのは親衛隊長のルナレシアさんだ。
「まさか、帰るわよ。抜け出して来てるのに」
こうしてオレ達はバジーナード宮殿へ帰る事となったが、
◇
時間にすれば昼食時間なのだが。
やっぱり抜け出したのがバレてて、バジーナード宮殿の飛獣発着場には三公爵が揃い踏みで、
「陛下、並びに王配殿下、どちらに行かれてたのですかな?」
分かってる癖に聞いてきた。
「無論、コンペイガル島までだ」
堂々と居直るのがアンリの性格だ。
「外出は禁止だと言いましたよね?」
「その前に。コンベイガル島にマーマンは居なかったぞ」
「おや、そうなので?」
「うむ。ドラゴン・リザードマンが30匹程居ただけだった」
「ほう、そうですか。後ほど詳しい情報をお願いします。それはそうと、外出に対するお説教を始めさせていただきたいと思いますので別室にどうぞ」
その後、三公爵から散々お小言を喰らう事となったのだった。
まさかの夕方までお小言を喰らう破目になるとは。
まだ続いており、アンリでさえウンザリして、
「もう抜け出したりしないから」
「当然です」
「例え抜け出しても最悪、王配殿下は連れて行って下さいね」
「後、危険な場所は厳禁ですぞ。今回で言えばジムーズ海です。陛下は泳げないのですから」
「分かったわよ」
「王配殿下もですよ」
「うん」
「後継者の誕生は王家の待望でもありますので昼間からの寝室の御利用は構いませんがそれを抜け出しに使うのだけは認めませんからな」
ったく、クラン【氷の百合】だったらお小言を言うのもバニラさんだったから苦に思わなかったけど、オッサンのお小言って本当に時間の無駄だよな。
もう二度と抜け出しはするまい。
そう心に固く誓って、
「は~い」
と答えたのだった。
ジムーズ海の浮かぶ島の1つ。
海岸線からの距離から考慮して人類未踏の大地とまでは言わないが、それでも飛獣が無ければ到着出来ない場所だ。
舟でのモンスターの居るジムーズ海の移動は自殺行為なので。
そして民間の冒険者達に特権階級が独占する飛獣を手に入れる術はない。
つまり何が言いたいかと言えば、冒険者ギルドの情報なんてこれまで誰も確認していなかったって事だ。
オレ達が確認をする最初の人間となった訳で、
◇
コンペイガル島に到着したオレ達が待っていたのはマーマンやマーメイドではなかった。
ドラゴン・リザードマンが30匹程居ただけだ。
ドラゴン・リザードマンが完全に巣窟化しており、他の海洋系モンスターは1匹もいなかった。
一応断っておくと、オレが問答無用で攻撃した訳ではない。
戦闘の経緯としては、オレ達がコンペイガル島にワイバーンに近付いた時点で、
ドラゴン・リザードマンにも色々居るらしく、翼持ちなんかが居たので空でもソイツラが近付いてきて、
「人間ども、おまえら知らねえのか? この島に近付いたら殺されても文句が言えない事を?」
「はあ? 知らないわよ」
アンリの言葉に、
「ならーー死ねっ! あべばああ」
翼持ちのドラゴン・リザードマンが舐めた言葉を吐いたのと勤勉なる我が透明分身が棒で殴ったのが同時で、それで戦闘となり、そいつらを撃破した後、島に着地したら他のドラゴン・リザードマン達も襲って来て、
「聖なる光よ、100本の矢となり我が敵を倒せ、聖なる矢」
で倒した訳だ。
そして現在に至る。
「これってドラゴン・リザードマンよね? マーマンなんて居ないじゃないの?」
アンリがただの屍となってるドラゴン・リザードマンを爪先で触りながら尋ねてきた。
ってか、行儀というか礼儀。死者に対する。
まあ、モンスターだけどさ~。
「オレに聞かれても」
「まあ、お父様達を殺したドラゴン・リザードマンが他にも居てそれを始末したんだからそれでよしとしますか」
「だね」
「島を調査されますか?」
そう質問したのは親衛隊長のルナレシアさんだ。
「まさか、帰るわよ。抜け出して来てるのに」
こうしてオレ達はバジーナード宮殿へ帰る事となったが、
◇
時間にすれば昼食時間なのだが。
やっぱり抜け出したのがバレてて、バジーナード宮殿の飛獣発着場には三公爵が揃い踏みで、
「陛下、並びに王配殿下、どちらに行かれてたのですかな?」
分かってる癖に聞いてきた。
「無論、コンペイガル島までだ」
堂々と居直るのがアンリの性格だ。
「外出は禁止だと言いましたよね?」
「その前に。コンベイガル島にマーマンは居なかったぞ」
「おや、そうなので?」
「うむ。ドラゴン・リザードマンが30匹程居ただけだった」
「ほう、そうですか。後ほど詳しい情報をお願いします。それはそうと、外出に対するお説教を始めさせていただきたいと思いますので別室にどうぞ」
その後、三公爵から散々お小言を喰らう事となったのだった。
まさかの夕方までお小言を喰らう破目になるとは。
まだ続いており、アンリでさえウンザリして、
「もう抜け出したりしないから」
「当然です」
「例え抜け出しても最悪、王配殿下は連れて行って下さいね」
「後、危険な場所は厳禁ですぞ。今回で言えばジムーズ海です。陛下は泳げないのですから」
「分かったわよ」
「王配殿下もですよ」
「うん」
「後継者の誕生は王家の待望でもありますので昼間からの寝室の御利用は構いませんがそれを抜け出しに使うのだけは認めませんからな」
ったく、クラン【氷の百合】だったらお小言を言うのもバニラさんだったから苦に思わなかったけど、オッサンのお小言って本当に時間の無駄だよな。
もう二度と抜け出しはするまい。
そう心に固く誓って、
「は~い」
と答えたのだった。
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