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マチルダーズ連合撤退編
銀行の資金回収担当になった気分
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アポリス王国で倒したスカイドラゴンの素材25%のお値段、3000億円。
レコアーヌ公国で倒した銀陸王(アースドラゴン)の素材20%のお値段、7400億円。(倍近いサイズだったからね~)
カクリ・コンゼート樹海の樹上街エアロットスで倒したオールホワイトサーペントの素材10%の予定売却額、9600億円(10%でも、200メートルの上、属性が全部のレアだったからね~)
◇
「突然、全額を求めるとは代表が死んだマチルダーズ連合の選挙に介入する気か、おまえさん?」
「さあ、そこまでは。でも何かあった時に動かせれる資産が必要ですので」
アポリス王国のスカイドラゴンの分はオレ担当のモスラドさんから、
「どうぞ、お納めください、英雄様」
「無理を言って申し訳ありません、公王陛下」
レコアーヌ王国の銀陸王の分は老王から回収出来た。
だが、問題は樹上街エアロットスだ。
まだ日数が経っていない。
いや、正確には日数は経過しているのだが、まだ解体作業が終わっておらず、出向けば80%以上が残っていた。
まあ、解体が終わっていないのも当然だけど。
まずはサイズ。
200メートル級のサーペントだからね~。
しかし、それ以上に解体が進んでいない原因は場所がエルフ族の里だからだった。
つまりは部外者の来訪はお断り。
オレはどうも特例で許可が下りてるらしかったが。
その上、エルフも死にまくってて、何より解体作業担当の数が元々少ない。
里の全員でさっさとやってよ~。
このままだと国境の古代種のサンドワームみたいに腐るんじゃないの、これ~?
と思いつつ、一応尋ねてみると、
「素材代だと? アレを見て良くそんな事が言えるな、これだから欲深い人間は。当分、無理に決まってるだろうが」
オレとの専属折衝係でもある自警団の幹部らしき、前にオレが襟首キャッチしたイケメンエルフ、レーモンドツールさんが不信感丸出しの視線をオレに向けてきた。
オレ、地面に叩き付けられそうになったレーモンドツールさんと丸呑みにされた奥さんの両方の命の恩人だよね~?
なのに、何、その上からのリアクション?
「オレがブツ切りに解体しましょうか?」
「ダメに決まってるだろ。零れ落ちた体液が樹木を溶かしたら洒落にならないからな。この下に何があると思ってるんだ?」
「? 樹上街エアロットスの下に何かあるんですか?」
「言う訳ないだろっ! まさか、偵察に来たのか、人間?」
何、コイツ?
「はあ? 自分から話を振っておいて何ですか、それは? オレが興味があるのはこっちの素材だけですよ。先に10%分を貰うなんて事は可能ですか?」
「おまえがもう里に来訪しなくなるのだから、こちらとしてはそれも選択肢の一つだと思ったが、巫女様が『ダメだ』とおっしゃられてな」
遭った事もない巫女様ね~。
「ならば、本日の分だけでもーー」
「ダメに決まってるだろうが。さっさと帰れ」
「ええ~、せっかく足を運んだのに無駄足なんですか~? そうだ、何か掘り出し物のエルフの薬とかはありませんか? 交易用に作ってるんでしょ?」
「今回はエアロットスの矢の出来はいいらしいぞ」
「矢じりが魔石で魔法が発動する使い捨ての癖に滅茶苦茶高価な?」
「それだ」
「さすがに買えませんって。弓使いでもないのに」
なんて話をしたが、やっぱり資金の回収は無理だった。
クッソ~。
「おっぱい貯金」ならともかく、ただの資金の回収の為にどうしてオレが出向かないとダメなんだ~。
このレーモンドツールさんがずっと張り付いてるからエルフのお姉さん達との出会いもないし~。
足を運んで損した~。
◇
ローセファースの街のクラン【氷の百合】の拠点のクラン長室の机の上にクランの運営費という名の10%上納金を金塊ならぬミスリル塊で並べたオレは、
「という訳でエルフの樹上街エアロットスからの回収は無理でした~」
バニラさんに説明した。
ホント、10%のクラン運営費って問題だよね~?
だってドラゴン2匹で、740億円がオレの上納金なんだから~。
いくらバニラさんのおっぱいを毎晩楽しんでるからって、これって少しボッタクリ過ぎなんじゃないの~?
いい加減、クランも潤ってるでしょ?
そう思ったが、バニラさんが、
「アラン、アナタ、これからモスヘンバウワー宮殿に出向いて選挙の日まで居座ってちょうだい」
「何をやらせるつもりなんですか?」
「代表陣営の立候補者、トミナの護衛よ」
「本当にトミナさんが立候補するの?」
「するでしょ、LVが500手前なんだから」
「へ~」
選挙の投票日は10日後。
投票権を持つ議会の議席持ち24人による1回勝負。
とは言っても、何人が欠席する事になるのやら。
それで30年間君臨するマチルダーズ連合の代表が決まる、と。
前世の日本ではやたらと選挙をやってる印象があったが、この1発勝負の選挙も問題だよな~?
1回勝負で30年先までが決定って~。
「分かりました、出向きます」
オレはそう答えたのだった。
レコアーヌ公国で倒した銀陸王(アースドラゴン)の素材20%のお値段、7400億円。(倍近いサイズだったからね~)
カクリ・コンゼート樹海の樹上街エアロットスで倒したオールホワイトサーペントの素材10%の予定売却額、9600億円(10%でも、200メートルの上、属性が全部のレアだったからね~)
◇
「突然、全額を求めるとは代表が死んだマチルダーズ連合の選挙に介入する気か、おまえさん?」
「さあ、そこまでは。でも何かあった時に動かせれる資産が必要ですので」
アポリス王国のスカイドラゴンの分はオレ担当のモスラドさんから、
「どうぞ、お納めください、英雄様」
「無理を言って申し訳ありません、公王陛下」
レコアーヌ王国の銀陸王の分は老王から回収出来た。
だが、問題は樹上街エアロットスだ。
まだ日数が経っていない。
いや、正確には日数は経過しているのだが、まだ解体作業が終わっておらず、出向けば80%以上が残っていた。
まあ、解体が終わっていないのも当然だけど。
まずはサイズ。
200メートル級のサーペントだからね~。
しかし、それ以上に解体が進んでいない原因は場所がエルフ族の里だからだった。
つまりは部外者の来訪はお断り。
オレはどうも特例で許可が下りてるらしかったが。
その上、エルフも死にまくってて、何より解体作業担当の数が元々少ない。
里の全員でさっさとやってよ~。
このままだと国境の古代種のサンドワームみたいに腐るんじゃないの、これ~?
と思いつつ、一応尋ねてみると、
「素材代だと? アレを見て良くそんな事が言えるな、これだから欲深い人間は。当分、無理に決まってるだろうが」
オレとの専属折衝係でもある自警団の幹部らしき、前にオレが襟首キャッチしたイケメンエルフ、レーモンドツールさんが不信感丸出しの視線をオレに向けてきた。
オレ、地面に叩き付けられそうになったレーモンドツールさんと丸呑みにされた奥さんの両方の命の恩人だよね~?
なのに、何、その上からのリアクション?
「オレがブツ切りに解体しましょうか?」
「ダメに決まってるだろ。零れ落ちた体液が樹木を溶かしたら洒落にならないからな。この下に何があると思ってるんだ?」
「? 樹上街エアロットスの下に何かあるんですか?」
「言う訳ないだろっ! まさか、偵察に来たのか、人間?」
何、コイツ?
「はあ? 自分から話を振っておいて何ですか、それは? オレが興味があるのはこっちの素材だけですよ。先に10%分を貰うなんて事は可能ですか?」
「おまえがもう里に来訪しなくなるのだから、こちらとしてはそれも選択肢の一つだと思ったが、巫女様が『ダメだ』とおっしゃられてな」
遭った事もない巫女様ね~。
「ならば、本日の分だけでもーー」
「ダメに決まってるだろうが。さっさと帰れ」
「ええ~、せっかく足を運んだのに無駄足なんですか~? そうだ、何か掘り出し物のエルフの薬とかはありませんか? 交易用に作ってるんでしょ?」
「今回はエアロットスの矢の出来はいいらしいぞ」
「矢じりが魔石で魔法が発動する使い捨ての癖に滅茶苦茶高価な?」
「それだ」
「さすがに買えませんって。弓使いでもないのに」
なんて話をしたが、やっぱり資金の回収は無理だった。
クッソ~。
「おっぱい貯金」ならともかく、ただの資金の回収の為にどうしてオレが出向かないとダメなんだ~。
このレーモンドツールさんがずっと張り付いてるからエルフのお姉さん達との出会いもないし~。
足を運んで損した~。
◇
ローセファースの街のクラン【氷の百合】の拠点のクラン長室の机の上にクランの運営費という名の10%上納金を金塊ならぬミスリル塊で並べたオレは、
「という訳でエルフの樹上街エアロットスからの回収は無理でした~」
バニラさんに説明した。
ホント、10%のクラン運営費って問題だよね~?
だってドラゴン2匹で、740億円がオレの上納金なんだから~。
いくらバニラさんのおっぱいを毎晩楽しんでるからって、これって少しボッタクリ過ぎなんじゃないの~?
いい加減、クランも潤ってるでしょ?
そう思ったが、バニラさんが、
「アラン、アナタ、これからモスヘンバウワー宮殿に出向いて選挙の日まで居座ってちょうだい」
「何をやらせるつもりなんですか?」
「代表陣営の立候補者、トミナの護衛よ」
「本当にトミナさんが立候補するの?」
「するでしょ、LVが500手前なんだから」
「へ~」
選挙の投票日は10日後。
投票権を持つ議会の議席持ち24人による1回勝負。
とは言っても、何人が欠席する事になるのやら。
それで30年間君臨するマチルダーズ連合の代表が決まる、と。
前世の日本ではやたらと選挙をやってる印象があったが、この1発勝負の選挙も問題だよな~?
1回勝負で30年先までが決定って~。
「分かりました、出向きます」
オレはそう答えたのだった。
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