75 / 140
マチルダーズ連合奇縁編
各国から色々な人物が
しおりを挟む
銀陸王の二つ名を持つアースドラゴン。
それは200年近くその地方に君臨した有名なドラゴンで、その銀陸王を倒したオレは凄くカッコイイ訳だが・・・
名前が売れるとその名前が売れた奴を倒して自分の名前を上げようと考えるアホな奴はどうしても現れる訳で・・・
◇
ローセファースの街のクラン【氷の百合】の拠点に真っ先にやってきたのはレコアーヌ公国の東側に位置するライラン王国の将軍バラッサムという獣人の爺さんだった。
10人くらいでワイバーン5匹で表庭に着地しての御登場だ。
国旗は黒地に金刺繍のスカイドラゴン。
その所為か、鎧のカラーは金縁入りの黒光り。
お陰で悪者風である。
獣人だからか爺さんなのにまだまだマッチョなバラッサムさんが、
「おまえさんが銀陸王を倒したアランという少年か? お手合わせ願おう」
「いやいや、銀陸王は魔法で倒したのであって近接戦闘はーー」
「そこを曲げて頼む」
頭を下げられた。
稀に見るまともな人格者だな~。
そこまで頼むのなら、
「まあ、いいですけど」
そして当然、木製の模擬刀だが、
「ヘブギャアアアアアアア」
バラッサムさんを胴払いでくの字にぶっ飛ばして、
「将軍閣下っ!」
「治癒術師、早く治癒をーー」
「貴様、相手は御高齢だぞ、手加減しろよっ!」
取り巻きの連中がナイスリアクションを取った後、バラッサムは治癒魔法で復活して、
「ありがとよ、少年。これは些少だが取っておいてくれ」
金貨100枚(1000万円)を面会料として置いてワイバーンで帰っていった。
金貨を100枚もくれるなんて。
やはり、いい人だったか。
次にオレに面会を求めてきたのはワイバーンでやってきたレコアーヌ公国の子爵と名乗ったマズレフ・バードだった。
30代のナルシスト風で、鎧のカラーは緑。
「お手合わせ願おう」
「いやいや、銀陸王は魔法で倒したのであってオレ、剣の腕はカラッキシで・・・」
謙遜じゃなくて、相手にするのが面倒いからそう逃げようとしたのだが、何故か悪そうにニヤリとして、
「公子殿下に勝つくらい強いのであろう。逃げずに戦え」
あっ、勘違いしてるな、コイツ~。
「ったく、怪我しても文句を言わないで下さいね」
コイツは何かムカついたので、
「華麗なる秘儀、金玉バット」
股間を守る前掛け鎧の下から木製の摸擬刀でコキン。
「・・・」
悲鳴も上げさせずに泡を吹いて気絶させてやり、数人の見届け人が、
「大丈夫か、バード卿?」
「貴様、金的は反則だろうがっ!」
「貴族の風上にも置けぬ奴めっ!」
何やらナイスリアクションをしていたが、
「皆さんも勝負されますか?」
「するかっ!」
「帰らせて貰うっ!」
そう言って気絶してる貴族様を担いでワイバーンに乗って帰っていった。
3人目はアポリス王国の千騎長のアルベドと名乗った、男の眼鏡など需要がないのに無駄に眼鏡イケメンの24、5歳の男で、
「お手合わせ願おう、伯爵殿」
「いやいや、面倒臭いんですけど~」
「私もですよ。『本当に強いのか確かめて来い』と言われてまして」
「えっ、誰に? 陛下にですか?」
「いえ、アンリ姫の兄君、王太子殿下です」
「? どうしてです?」
「陛下が詐欺師に引っ掛かっていないのか心配されてるのでしょう」
「詐欺師ね~。まあ、いいですけど」
何かムカついたのでこのアルベドは横っ面を木製の摸擬刀で、
「アベジュバアアアアアアアアアアア」
殴って、吹き飛ばしてやったのだった。
ふっ、決まった。
カッコイイな、やっぱりオレって。
ピヨピヨ。
ピピーもオレを褒め称えてくれる。
でもバキッと木製の模擬刀が折れたから。
そんな中、
「うわああ、殿下ぁぁぁぁぁ」
えっ、殿下?
「治癒師、早くぅぅぅっ!」
「貴様、何という事を――」
お付きの人達がナイスリアクションを取っていたが、オレはその言葉を聞き咎めて、
「あの~、殿下というのは?」
「第2王子のリオン殿下だろうがっ! 我が国の貴族ならば知っておけっ! ってか、最初の男爵受勲の謁見の時に王族席に居たであろうがっ!」
居たっけ?
「いやいや、眼鏡の奴なんて居ませんでしたって」
「この眼鏡は変装用だろうがっ! そもそも王妃殿下と貴様の仲をどうにか仲裁しようとやってきた殿下を半殺しにする奴がーー」
その後も親衛隊の魔法騎士のお姉さんに説教を喰らう破目になった。
ったく、何なん?
アポリス王国の王族って?
ロクなのが居ないんだけど~。
だが、クランの拠点の庭にワイバーンで降り立った3人はまだまともな方でーー
それは200年近くその地方に君臨した有名なドラゴンで、その銀陸王を倒したオレは凄くカッコイイ訳だが・・・
名前が売れるとその名前が売れた奴を倒して自分の名前を上げようと考えるアホな奴はどうしても現れる訳で・・・
◇
ローセファースの街のクラン【氷の百合】の拠点に真っ先にやってきたのはレコアーヌ公国の東側に位置するライラン王国の将軍バラッサムという獣人の爺さんだった。
10人くらいでワイバーン5匹で表庭に着地しての御登場だ。
国旗は黒地に金刺繍のスカイドラゴン。
その所為か、鎧のカラーは金縁入りの黒光り。
お陰で悪者風である。
獣人だからか爺さんなのにまだまだマッチョなバラッサムさんが、
「おまえさんが銀陸王を倒したアランという少年か? お手合わせ願おう」
「いやいや、銀陸王は魔法で倒したのであって近接戦闘はーー」
「そこを曲げて頼む」
頭を下げられた。
稀に見るまともな人格者だな~。
そこまで頼むのなら、
「まあ、いいですけど」
そして当然、木製の模擬刀だが、
「ヘブギャアアアアアアア」
バラッサムさんを胴払いでくの字にぶっ飛ばして、
「将軍閣下っ!」
「治癒術師、早く治癒をーー」
「貴様、相手は御高齢だぞ、手加減しろよっ!」
取り巻きの連中がナイスリアクションを取った後、バラッサムは治癒魔法で復活して、
「ありがとよ、少年。これは些少だが取っておいてくれ」
金貨100枚(1000万円)を面会料として置いてワイバーンで帰っていった。
金貨を100枚もくれるなんて。
やはり、いい人だったか。
次にオレに面会を求めてきたのはワイバーンでやってきたレコアーヌ公国の子爵と名乗ったマズレフ・バードだった。
30代のナルシスト風で、鎧のカラーは緑。
「お手合わせ願おう」
「いやいや、銀陸王は魔法で倒したのであってオレ、剣の腕はカラッキシで・・・」
謙遜じゃなくて、相手にするのが面倒いからそう逃げようとしたのだが、何故か悪そうにニヤリとして、
「公子殿下に勝つくらい強いのであろう。逃げずに戦え」
あっ、勘違いしてるな、コイツ~。
「ったく、怪我しても文句を言わないで下さいね」
コイツは何かムカついたので、
「華麗なる秘儀、金玉バット」
股間を守る前掛け鎧の下から木製の摸擬刀でコキン。
「・・・」
悲鳴も上げさせずに泡を吹いて気絶させてやり、数人の見届け人が、
「大丈夫か、バード卿?」
「貴様、金的は反則だろうがっ!」
「貴族の風上にも置けぬ奴めっ!」
何やらナイスリアクションをしていたが、
「皆さんも勝負されますか?」
「するかっ!」
「帰らせて貰うっ!」
そう言って気絶してる貴族様を担いでワイバーンに乗って帰っていった。
3人目はアポリス王国の千騎長のアルベドと名乗った、男の眼鏡など需要がないのに無駄に眼鏡イケメンの24、5歳の男で、
「お手合わせ願おう、伯爵殿」
「いやいや、面倒臭いんですけど~」
「私もですよ。『本当に強いのか確かめて来い』と言われてまして」
「えっ、誰に? 陛下にですか?」
「いえ、アンリ姫の兄君、王太子殿下です」
「? どうしてです?」
「陛下が詐欺師に引っ掛かっていないのか心配されてるのでしょう」
「詐欺師ね~。まあ、いいですけど」
何かムカついたのでこのアルベドは横っ面を木製の摸擬刀で、
「アベジュバアアアアアアアアアアア」
殴って、吹き飛ばしてやったのだった。
ふっ、決まった。
カッコイイな、やっぱりオレって。
ピヨピヨ。
ピピーもオレを褒め称えてくれる。
でもバキッと木製の模擬刀が折れたから。
そんな中、
「うわああ、殿下ぁぁぁぁぁ」
えっ、殿下?
「治癒師、早くぅぅぅっ!」
「貴様、何という事を――」
お付きの人達がナイスリアクションを取っていたが、オレはその言葉を聞き咎めて、
「あの~、殿下というのは?」
「第2王子のリオン殿下だろうがっ! 我が国の貴族ならば知っておけっ! ってか、最初の男爵受勲の謁見の時に王族席に居たであろうがっ!」
居たっけ?
「いやいや、眼鏡の奴なんて居ませんでしたって」
「この眼鏡は変装用だろうがっ! そもそも王妃殿下と貴様の仲をどうにか仲裁しようとやってきた殿下を半殺しにする奴がーー」
その後も親衛隊の魔法騎士のお姉さんに説教を喰らう破目になった。
ったく、何なん?
アポリス王国の王族って?
ロクなのが居ないんだけど~。
だが、クランの拠点の庭にワイバーンで降り立った3人はまだまともな方でーー
296
お気に入りに追加
635
あなたにおすすめの小説

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる