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マチルダーズ連合奇縁編
各国から色々な人物が
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銀陸王の二つ名を持つアースドラゴン。
それは200年近くその地方に君臨した有名なドラゴンで、その銀陸王を倒したオレは凄くカッコイイ訳だが・・・
名前が売れるとその名前が売れた奴を倒して自分の名前を上げようと考えるアホな奴はどうしても現れる訳で・・・
◇
ローセファースの街のクラン【氷の百合】の拠点に真っ先にやってきたのはレコアーヌ公国の東側に位置するライラン王国の将軍バラッサムという獣人の爺さんだった。
10人くらいでワイバーン5匹で表庭に着地しての御登場だ。
国旗は黒地に金刺繍のスカイドラゴン。
その所為か、鎧のカラーは金縁入りの黒光り。
お陰で悪者風である。
獣人だからか爺さんなのにまだまだマッチョなバラッサムさんが、
「おまえさんが銀陸王を倒したアランという少年か? お手合わせ願おう」
「いやいや、銀陸王は魔法で倒したのであって近接戦闘はーー」
「そこを曲げて頼む」
頭を下げられた。
稀に見るまともな人格者だな~。
そこまで頼むのなら、
「まあ、いいですけど」
そして当然、木製の模擬刀だが、
「ヘブギャアアアアアアア」
バラッサムさんを胴払いでくの字にぶっ飛ばして、
「将軍閣下っ!」
「治癒術師、早く治癒をーー」
「貴様、相手は御高齢だぞ、手加減しろよっ!」
取り巻きの連中がナイスリアクションを取った後、バラッサムは治癒魔法で復活して、
「ありがとよ、少年。これは些少だが取っておいてくれ」
金貨100枚(1000万円)を面会料として置いてワイバーンで帰っていった。
金貨を100枚もくれるなんて。
やはり、いい人だったか。
次にオレに面会を求めてきたのはワイバーンでやってきたレコアーヌ公国の子爵と名乗ったマズレフ・バードだった。
30代のナルシスト風で、鎧のカラーは緑。
「お手合わせ願おう」
「いやいや、銀陸王は魔法で倒したのであってオレ、剣の腕はカラッキシで・・・」
謙遜じゃなくて、相手にするのが面倒いからそう逃げようとしたのだが、何故か悪そうにニヤリとして、
「公子殿下に勝つくらい強いのであろう。逃げずに戦え」
あっ、勘違いしてるな、コイツ~。
「ったく、怪我しても文句を言わないで下さいね」
コイツは何かムカついたので、
「華麗なる秘儀、金玉バット」
股間を守る前掛け鎧の下から木製の摸擬刀でコキン。
「・・・」
悲鳴も上げさせずに泡を吹いて気絶させてやり、数人の見届け人が、
「大丈夫か、バード卿?」
「貴様、金的は反則だろうがっ!」
「貴族の風上にも置けぬ奴めっ!」
何やらナイスリアクションをしていたが、
「皆さんも勝負されますか?」
「するかっ!」
「帰らせて貰うっ!」
そう言って気絶してる貴族様を担いでワイバーンに乗って帰っていった。
3人目はアポリス王国の千騎長のアルベドと名乗った、男の眼鏡など需要がないのに無駄に眼鏡イケメンの24、5歳の男で、
「お手合わせ願おう、伯爵殿」
「いやいや、面倒臭いんですけど~」
「私もですよ。『本当に強いのか確かめて来い』と言われてまして」
「えっ、誰に? 陛下にですか?」
「いえ、アンリ姫の兄君、王太子殿下です」
「? どうしてです?」
「陛下が詐欺師に引っ掛かっていないのか心配されてるのでしょう」
「詐欺師ね~。まあ、いいですけど」
何かムカついたのでこのアルベドは横っ面を木製の摸擬刀で、
「アベジュバアアアアアアアアアアア」
殴って、吹き飛ばしてやったのだった。
ふっ、決まった。
カッコイイな、やっぱりオレって。
ピヨピヨ。
ピピーもオレを褒め称えてくれる。
でもバキッと木製の模擬刀が折れたから。
そんな中、
「うわああ、殿下ぁぁぁぁぁ」
えっ、殿下?
「治癒師、早くぅぅぅっ!」
「貴様、何という事を――」
お付きの人達がナイスリアクションを取っていたが、オレはその言葉を聞き咎めて、
「あの~、殿下というのは?」
「第2王子のリオン殿下だろうがっ! 我が国の貴族ならば知っておけっ! ってか、最初の男爵受勲の謁見の時に王族席に居たであろうがっ!」
居たっけ?
「いやいや、眼鏡の奴なんて居ませんでしたって」
「この眼鏡は変装用だろうがっ! そもそも王妃殿下と貴様の仲をどうにか仲裁しようとやってきた殿下を半殺しにする奴がーー」
その後も親衛隊の魔法騎士のお姉さんに説教を喰らう破目になった。
ったく、何なん?
アポリス王国の王族って?
ロクなのが居ないんだけど~。
だが、クランの拠点の庭にワイバーンで降り立った3人はまだまともな方でーー
それは200年近くその地方に君臨した有名なドラゴンで、その銀陸王を倒したオレは凄くカッコイイ訳だが・・・
名前が売れるとその名前が売れた奴を倒して自分の名前を上げようと考えるアホな奴はどうしても現れる訳で・・・
◇
ローセファースの街のクラン【氷の百合】の拠点に真っ先にやってきたのはレコアーヌ公国の東側に位置するライラン王国の将軍バラッサムという獣人の爺さんだった。
10人くらいでワイバーン5匹で表庭に着地しての御登場だ。
国旗は黒地に金刺繍のスカイドラゴン。
その所為か、鎧のカラーは金縁入りの黒光り。
お陰で悪者風である。
獣人だからか爺さんなのにまだまだマッチョなバラッサムさんが、
「おまえさんが銀陸王を倒したアランという少年か? お手合わせ願おう」
「いやいや、銀陸王は魔法で倒したのであって近接戦闘はーー」
「そこを曲げて頼む」
頭を下げられた。
稀に見るまともな人格者だな~。
そこまで頼むのなら、
「まあ、いいですけど」
そして当然、木製の模擬刀だが、
「ヘブギャアアアアアアア」
バラッサムさんを胴払いでくの字にぶっ飛ばして、
「将軍閣下っ!」
「治癒術師、早く治癒をーー」
「貴様、相手は御高齢だぞ、手加減しろよっ!」
取り巻きの連中がナイスリアクションを取った後、バラッサムは治癒魔法で復活して、
「ありがとよ、少年。これは些少だが取っておいてくれ」
金貨100枚(1000万円)を面会料として置いてワイバーンで帰っていった。
金貨を100枚もくれるなんて。
やはり、いい人だったか。
次にオレに面会を求めてきたのはワイバーンでやってきたレコアーヌ公国の子爵と名乗ったマズレフ・バードだった。
30代のナルシスト風で、鎧のカラーは緑。
「お手合わせ願おう」
「いやいや、銀陸王は魔法で倒したのであってオレ、剣の腕はカラッキシで・・・」
謙遜じゃなくて、相手にするのが面倒いからそう逃げようとしたのだが、何故か悪そうにニヤリとして、
「公子殿下に勝つくらい強いのであろう。逃げずに戦え」
あっ、勘違いしてるな、コイツ~。
「ったく、怪我しても文句を言わないで下さいね」
コイツは何かムカついたので、
「華麗なる秘儀、金玉バット」
股間を守る前掛け鎧の下から木製の摸擬刀でコキン。
「・・・」
悲鳴も上げさせずに泡を吹いて気絶させてやり、数人の見届け人が、
「大丈夫か、バード卿?」
「貴様、金的は反則だろうがっ!」
「貴族の風上にも置けぬ奴めっ!」
何やらナイスリアクションをしていたが、
「皆さんも勝負されますか?」
「するかっ!」
「帰らせて貰うっ!」
そう言って気絶してる貴族様を担いでワイバーンに乗って帰っていった。
3人目はアポリス王国の千騎長のアルベドと名乗った、男の眼鏡など需要がないのに無駄に眼鏡イケメンの24、5歳の男で、
「お手合わせ願おう、伯爵殿」
「いやいや、面倒臭いんですけど~」
「私もですよ。『本当に強いのか確かめて来い』と言われてまして」
「えっ、誰に? 陛下にですか?」
「いえ、アンリ姫の兄君、王太子殿下です」
「? どうしてです?」
「陛下が詐欺師に引っ掛かっていないのか心配されてるのでしょう」
「詐欺師ね~。まあ、いいですけど」
何かムカついたのでこのアルベドは横っ面を木製の摸擬刀で、
「アベジュバアアアアアアアアアアア」
殴って、吹き飛ばしてやったのだった。
ふっ、決まった。
カッコイイな、やっぱりオレって。
ピヨピヨ。
ピピーもオレを褒め称えてくれる。
でもバキッと木製の模擬刀が折れたから。
そんな中、
「うわああ、殿下ぁぁぁぁぁ」
えっ、殿下?
「治癒師、早くぅぅぅっ!」
「貴様、何という事を――」
お付きの人達がナイスリアクションを取っていたが、オレはその言葉を聞き咎めて、
「あの~、殿下というのは?」
「第2王子のリオン殿下だろうがっ! 我が国の貴族ならば知っておけっ! ってか、最初の男爵受勲の謁見の時に王族席に居たであろうがっ!」
居たっけ?
「いやいや、眼鏡の奴なんて居ませんでしたって」
「この眼鏡は変装用だろうがっ! そもそも王妃殿下と貴様の仲をどうにか仲裁しようとやってきた殿下を半殺しにする奴がーー」
その後も親衛隊の魔法騎士のお姉さんに説教を喰らう破目になった。
ったく、何なん?
アポリス王国の王族って?
ロクなのが居ないんだけど~。
だが、クランの拠点の庭にワイバーンで降り立った3人はまだまともな方でーー
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