オレはスキル【殺虫スプレー】で虫系モンスターを相手に無双する

竹井ゴールド

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マチルダーズ連合新星編

桁違いの億万長者

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 アースドラゴンは強敵だ。

 オレは余裕だったが、世間一般では討伐も稀で素材が出回る事は滅多にない。

 つまり素材が出回った時に購入しないと、欲しい時にいくら探しても在庫がなく購入出来ない。

 だからか、僅か3日でアースドラゴン(赤)は売れた。

 その額、金貨410万枚(4100億円)。

 ったく、前回、売却前にアースドラゴンの素材をパクられた首都モスへンバウワーのルイタフ代表は何をやっていたんだか。

 それはさておき。

 4100億円の億万長者になってやったぜ~。

 ハァーッハッハッハッ。

 まあ、1割をクラン【氷の百合】が徴収なんだけどね~。

 マジで?

 10%の金貨41万枚(410億円)も上納って。

 どんな極悪企業だよ。

 それだけで金貨が369万枚(3690億円)に減ったから~。

 まあ、それでも億万長者には変わりないんだけど~。(ニヤニヤ)





 今回は金もある。

 いや物品か。

 まずは金貨7万枚(70億円)の【アイテムボックス】の魔法の腕輪。

 これによりようやくリュックを、まあ、卒業してないんだけどね~。

 だってアースドラゴンの素材だから。
 
 その上、破損したら困るので予備にもう2個の魔法の腕輪(132億円)。

 魔法の腕輪3個で金貨20万2000枚(202億円)だし~。

 おお、完全に無駄なお買い物。

 さすがはお金持ちだぜ。





 そして、飛獣は例え凄腕冒険者でも民間人は購入出来ないので駆け鳥だ。

 お値段、金貨5万枚(50億円)。

 何、その値段?

 F1カーかよっ!
 
 ああ、オレももう免許は貰ってるから。





 他にもローセファースの魔術師ギルドの魔道具ショップにある魔法のアクセサリーを高いのから順に50点、御購入で500億円(本当はそんなキッチリではなく520億円ちょっとだったんだけど店側がおまけして。それでも儲けがあるって事は最初から高く設定してたって事)。

 ハイポーション100本(1本20万円で2000万円)。

 マナハイポーション100本(1本40万円で4000万円)。

 オレの武器の棒や杖に嵌める魔石を加工した魔法玉8個(10億円分)。





 後は金塊よりも高いミスリル塊20個(2000億円分)。

 金塊1億円のが20個(20億円)。

 金塊1000万円のが50個(5億円)。





 そしてマチルダーズ連合の商業ギルド発行の魔法処置が施された50億円の引き換え羊皮紙債権が10枚(500億円)。





 これでも使った額は3287億6000万円(つまりは金貨328万7600枚)。

 残りの残金は402億4000万円(金貨40万2400枚)。





 その中から100億円(金貨10万枚)を信じられない事にノルメ閣下に貸していた。

 マジで?

 2回しか喋った事のない相手に100億円も貸したんだぜ、オレ~。

 それも無担保、無利子、無期限で。

 何やってんの、オレ~。

 後から考えてもこの行動だけはマジで訳が分からんから~。

 ノルメ閣下が死んだら、いや失脚しただけで回収は不可能なのに~。





 「貧乏人が分に過ぎた金を持つと良くない」という教訓話だろうか、これは?





 遣い道のない残る302億円なんて、オレが討伐したアースドラゴンの素材(竜鱗、竜皮、竜肉)を買い戻すという訳の分からん事をやってしまったし~。

 金塊で持つよりはいい、と言うバニラさんの言われるがまま買ってしまった訳だが。





 で、端数の2億8000万円(金貨2800枚)は魔法の腕輪の中。





 こんな風にパーッと使ったのだった。





 ああ、そうそう、言い忘れてたのでちゃんと誤解がないように言っておくけど。

 オレの手取りの4100億円はマチルダーズ連合が税金として50%持っていった後の額だからな。

 そう、マチルダーズ連合は半分の4100億円を既に持って行ってるからっ!

 それだけはちゃんと覚えておくように。





 ◇





 さあ、クラン【氷の百合】の活動再開だーーとはならなかった。

 バニラさんが勝手にクランの増員を進めてしまい、その最終選考に付き合わされて。

 最終選考まで残ったのは8人で部屋にその8人が居た訳だが、そしたらまたピピーさんがになられた訳なのだよ。

 ピピピッ。

 何と5人も御指名だ。

 大柄の戦士男。

 善良そうな女治癒師。

 蓮っ葉な女戦士。

 凄腕風の魔術師。

 名家育ち風の聖職者。

 他人のフリをしてるこの5人を指名して「スプレーを使えサイン」をしてきた訳で、

「は~」

 オレは溜息をついた。

 マジかよ。

 ローセファースの街まできやがったのか、もしかして?

 それも5人も?

 暇か?

 それともオレを脅威に思って?

 これまでの経験上、「ピピーの間違い」って事はないよな~、さすがに。

 バニラさんもピピーが視えてるのに知らんぷりの名演技でオレの溜息に対して、

「どうしたの、アラン?」

「ううん、何でもーー」

 と言った瞬間、無印スプレー二刀流でシューッと部屋に集まったピピーが指名したその5人にスプレーを吹き掛けたのだった。

「グアアアアアア」

「ゲホゲホーー」

「クソッタラァァァァァァァ」

「コリャ、無理ダロウ。変化ガ解ケルゥゥゥゥゥ」

「ギザマァァァァァァァ」

 5人全員が人型モンスターの正体を現したのだったが、また5匹ともがムカデだった。

 つまりはセンティピード・アラクネー。

 どんだけ居るんだか。

「ーー無駄なんだよ~、虫けらどもがっ!」

 ムカデ専用スプレーの二刀流に持ち替えたオレがシューッと吹き掛け、サクッと無双する。

 5匹は何も出来ずに息絶えたのだった。

「バニラさん、ちゃんと審査してよ~。どうなってる訳?」

「ええっと、ごめんなさいね。強そうなのを選んだんだけど」

「でも変ですね。センティピード・アラクネーの襲撃部隊なら6匹1組シックスマンセルなのに5匹なんて」

 と呟いたのは残る3人の1人の魔術師のお姉さんだった。

 そう言えばションドバーズの時も6匹だったっけ。

「バニラさん、使用人も増員したの?」

「ええ」

 と答えるバニラさん。

 オレの頭の上のピピーはドアをビシッと片翼で指してる。

 つまり居る訳ね、屋敷内に。

「ちょっと確認してくるね」

 オレは部屋を出て廊下を歩き、ピピーが、コイツだ、と指名したのでソイツも無印確認の後、ムカデ専用スプレーを吹き掛けて倒したのだった。





 ったく、家の中に入り込む虫ってマジでムカつくよな~。

 前世でもあったが。





 因みに残る3人は採用となった。





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