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マチルダーズ連合新星編

億万長者なのだが

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 オレはもう大金持ちである。





 ホワイトスネーク2匹、金貨1万4000枚(14億円)。

 アーマーピルバグ22匹、金貨1100枚(1億1000万円)。

 アーマービッグピルバグ3匹、金貨1万2000枚(12億円)。

 レッドプラウン1匹、金貨70枚(700万円)。

 フォレストビッグベアーの魔石1個、金貨400枚(4000万円)。





 センティピード・アラクネー6匹討伐の報奨金、金貨600枚(6000万円)。

 暗殺集団【闇牙】5人組の懸賞金、金貨241枚(2410万円)。

 センティピード31匹の討伐報奨金、金貨500枚(5000万円)。





 算盤少年のオレからしたら余裕で計算出来て、2万8911枚だ。

 10%をクラン【氷の百合】の運営費として徴収されても2万6020枚。

 つまりは26億200万円。

 ハァーッハッハッハッ。

 億万長者だ~。

 成り上がってやったぜ~。





 もちろん、それだけではない。





 アースドラゴン1匹、金貨320万枚(3200億円)。

 センティピード31匹、金貨15万5000枚(155億円)。





 これら桁の違う値段の素材もある。

 まあ、値段が値段だ。

 売却金はまだオレの手元に届いてなかったがね。

 待ち遠しいぜ~。

 ハァーッハッハッハッ。





 そんな訳で、大金持ちのオレの買い物も当然、豪遊だ。

 魔道具ショップで念願の【アイテムボックス】の魔法の腕輪、金貨7万枚(70億円)のをーー

 当然、買えませんでした~。

 アホかっ!

 高過ぎるわっ!

 あ~、早くアースドラゴンと31匹のセンティピードの素材売却金、オレの手元に届かないかな~。

 早くしてね~、マチルダーズ連合~。





 なんてお気楽に考えてたんだけどーー





 ◇





「い、今なんて?」

 ローセファースの庁舎の一室に呼び出されて売却金の一部が貰えると思ってたオレはそうノルメ閣下に質問せずにはいられなかった。

「だから、その、何だ」

 言いにくそうにノルメ閣下が、

「アランが狩ったアースドラゴンの素材だが、どうも全部盗まれたらしい」

「そういう冗談はいいですから」

「冗談ではないぞ。今、その件で首都モスヘンバウワーは大騒ぎでな」

 へ~。ドジな連中だな~。

「まあ、売却金の金貨320万枚を貰えたら、オレは別にーー」

「貰える訳ないだろ。売却前の査定の段階で保管してたアースドラゴンの素材が盗まれたんだから」





 ナ・ニ・ヲ・イッ・テ・ル・ン・ダ、コ・イ・ツ・ハ。





「御冗談を」

「本当だからアランに話してる」

 オレは3秒後、本当にマチルダーズ連合に支払う意思がないと理解して、





「はぁぁぁぁぁぁぁ?」





 そう絶叫したのだった。

「嘘ですよね? オレはマチルダーズ連合の代表を信頼してアースドラゴン1匹の素材を丸々引き渡したって言うのにっ? ってか、代表は? どうして本人が謝罪に来ないんですかっ? まさか、嘘をついて売却金を支払わないつもりじゃ――」

 との結論に達したオレは、

「待った。もしかしてセンティピード31匹の方も・・・」

「ああ、そっちは大丈夫だ」

「売却金の支払いは?」

「10日後には約束通り4匹分、金貨2万枚が支払われるはずだ」

「よかった~」

 と安堵したが、

「って、そんな訳あるかっ! ドラゴン素材の売却金、金貨320万枚が貰えないのにっ! ーーどこの馬鹿です、オレのアースドラゴンの素材を盗んだの?」

 怒りがぶり返してノルメ閣下に尋ねた。

「証拠はまだないが、そんなの――」

「代表と敵対してる連中ですよね?」

「だろうな」

「全員、闇討ちで潰し回っていいですか?」

「いい訳あるか。次代の代表選出選挙の2年前なのに」

「なら連合内に居るドラゴンの情報を下さい。倒してきますから」

「ん? ドラゴンの素材を追わないのか?」

「素人のオレに追跡とか出来る訳がないでしょ。損失の補填が最優先です」

 それに・・・

 今思えば緑色だったからな、あのドラゴンの色。

 量産型のカラーなんて、ーーけっ。

 そうだ、これは「緑なんてダメよ」という神様、いや、この異世界ファンタジーでは女神様か、その采配かもしれない。

 そもそも誰かの思惑に乗って堪るかっての。

 オレはオレでやらせて貰うぜ。

 こうしてオレはノルメ閣下からマチルダーズ連合内のドラゴン情報を貰ったのだった。





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