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マチルダーズ連合黎明編
推定LV320のミストジャイアントマンティスと推定LV390のスケルトンドラゴン
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オレの就寝はバニラさんのベッドな訳だが、その決戦前夜の夜半過ぎ。
ピピピッと翼をペチペチするピピーに叩き起こされた。
何?
オレが見るとピピーが片翼でオレの装備をビシッと指し示した。
「着替えろって事?」
ピヨピヨ。
そうだよ、とピピーが師匠面で頷いてくる。
明日、いや、もう今日か、夜明け前に南門前広場に集合で、日の出と同時にローセファース霧平原に遠征なんだけどな~、オレ~。
まあ、いいか。
2時間の寝不足くらい大丈夫だろ。
オレは苦笑しつつ、ファイアハイウルフシリーズの装備に着替えた。
「何をやってるの?」
さすがにバニラさんも起きてくる。
バニラさんの方は常在戦場なので黒のセクシードレスだ。
魔術師ローブとヒールブーツを履けば外に出れる。
「ちょっと、お出かけしてくるね」
「ローセファース霧平原への遠征が怖くて夜逃げするんじゃないわよね?」
「まさか。うちの精霊獣に付き合うだけだよ」
ピピーの名前は内緒にしてある。
ってか、真名って奴らしくて精霊獣の名前は気軽に他人に教えたらダメらしい。
まあ、オレのピピーは特別だからな。
名前を教えても大丈夫だとは思うが、特別なのも隠してる訳で普通の精霊獣のふりで真名を隠していた。
「それじゃあ、出掛けてくるね、バニラさん」
「夜明け前に南門前に集合よ、アラン。時間厳守だから。遅れたら置いていくから遅れないようにね」
「うん、分かった」
オレはそう笑うと金貨500枚以上が入ったリュックを背負ったのだった。
クラン【氷の百合】の屋敷には人が一杯だ。
廊下を歩いて玄関を出る時に、
「ええっと、今時分どちらに?」
【狼牙三星】の一番下のエリオと出会った。と言うか寝てたのに慌てて部屋から起きてきた。この時間に出発するオレをかなり怪しんでる。
「気分転換かな? ああ、バニラさんの許可は取ってあるから安心して」
「本当に許可があるんですね?」
「うん。屋敷の警備、御苦労さま」
「いえ、仕事ですから。ってか遠征用の料理の仕込みを料理長が今してますから何か作って貰いますか?」
「大丈夫大丈夫、料理長が作ってくれた熊肉の燻製がたくさんあるから。じゃあ、行ってきま~す」
オレは玄関を出て、門扉を潜って外に出た。
「どこに行きたいの?」
オレが問うと、ピヨピヨッとピピーが片翼を差した方向は南だった。
オレは歩く。
夜のローセファースの街だが、この区画は広いお屋敷が並ぶ高級住宅街だ。
飲み屋もエッチなお店もなくて治安が良い。
まあ、そもそも酔っ払いの姿はーー夜明け前から遠征なので今夜は少ないはずだが。
ピピーの指し示す通りに進んだら、結局は南門前の広場に到着してしまった。
朝の遠征に備えて、既に準備がされてる。
広場は兵士だらけだった。
「次はどこ?」
オレが問うと、ピピーがピヨピヨッと城壁に登れる階段を片翼で差した。
「よし、行こう」
オレは城壁を上った。
早朝の遠征に関係なく警備の兵士達が居たので、
「こら、ボーズ、ここは登っちゃダメだぞ」
「いえいえ、ローセファース霧平原の様子を城壁の上から確認してこいって師匠に言われたもので」
「師匠ってどこの誰だ?」
「【氷の百合】のクラン長ですよ。ほら、あのアースビッグタートルのーー」
オレが南門前の横に置かれてる死骸を指差そうとした時、
ゴギャアアアアアアアアアアアアっ!
との空気が振動する咆哮を聞いてオレは緊張した。
近い。
オレが視線を上げると、そこでは30メートル級のカマキリと同じく30メートル級の恐竜の骨格の標本が激しく戦っていた。
いや、違う。
ミストジャイアントマンティスと海タイプのスケルトンドラゴンがだ。
ピピッ。
倒しちゃえ、と頭の上に乗るピピーがオレに言ってきて、オレと同時に視認した兵士達が、
「な、何だ、あれ?」
「た、大変だっ!」
次の瞬間にはカンカンカンッと警鐘を鳴らして、街全域に知らせたのだった。
南門前の広場で準備をしていた兵士達が城壁に上ってくる。
既に城壁の上に居るオレは2体を観察した。
ミストジャイアントマンティスはかなり負傷している。下半身の先っぽが噛まれていてないし、右鎌と左の後ろ脚もない。
スケルトンドラゴンの方も骨が傷んでた。
スケルトンドラゴンがローセファース霧平原に居たなんて初耳だ。
つまりはよそから流れてきた?
もしかしてサンドワームの死骸目当てで移動してきたモンスターか?
その途中でローセファース霧平原で主のミストジャイアントマンティスと遭遇してやりあってる?
ローセファースの街の近くに居るのはミストジャイアントマンティスの方が劣勢で逃げてきたから?(0.1秒)
「ふむ」
このまま戦わせて双方を弱らせて漁夫の利をせしめるのが一番賢いやり方だが、世の中にはしがらみというのが山ほどある。
ここではミストジャイアントマンティスは倒せない。
倒していいのはスケルトンドラゴンだけだろう。
さて、どうしたものかな。
もう少しスケルトンドラゴンがミストジャイアントマンティスを負傷させるのを待つか。
ピヨピヨ。
早くやっちゃえ、とピピーが頭の上で誘惑してくる。
もうピピーの言う通り、人が集まる前にやっちゃうか。
方針を固めたオレは、
聖なる女神よ、光明よ。
天空より地上の邪なる存在を討ち祓う聖なる剣を貸しあたえたまえ。
我は聖なる女神に願う。地上に蔓延る悪しき存在への断罪を。
我は聖なる女神に願う。地上の闇の眷族達の駆逐を。
我は聖なる女神に願う。聖なる剣の地上への降臨を。
我は聖なる女神に願う。地上に楽園の構築を。
聖なる女神よ、今ここに我が願いを聞き入れたまえ。
「天空より大地に突き刺さる聖なる女神の裁きの剣」
オレは呪文を詠唱して聖魔法を使った。
シーン。
だが魔法は発動しなかった。
ピヨピヨ。
使える訳ないでしょ、あんな雑魚に、とピピーが言ってるっぽい。
ってか、本意気で呪文を長々と詠唱してドヤ顔を決めたオレ、かなり恥ずかしいんだが。
いや、かなりどころか凄く恥ずかしいんだが。
決めポーズまでしてるし。
恥ずい恥ずい恥ずい。
ダメだ。考えるな。
異世界ファンタジーではただの魔法が不発しただけなんだから。
別に厨二病でも何でもないから。
クソ、ダメだ。恥ずい。
耳まで真っ赤になってるような気がする。
無理にでも別の事を考えろ、オレ
邪な存在にスケルトンドラゴンはカテゴライズされてないなんてな。
本当に雑魚なの?
仕方がない。
次だ、次。(0.1秒)
オレは強引に思考を切り替えて、
聖なる女神よ、光明よ。
竜を滅する聖なる力の槍を与えたまえ。
我が眼前の竜を屠る槍を与えたまえ。
「竜を屠る聖なる槍」
今度はちゃんとオレの頭上に20メートルサイズの聖なる槍の魔法が出現する。
それを30メートルサイズのスケルトンドラゴンに発射した。
150メートル以上は離れてるが、ミストジャイアントマンティスの左鎌を切断しながらも、
ギュゴォォォォォォンっ!
ちゃんとスケルトンドラゴンに直撃して、効果も抜群だったのか、オレの竜を屠る聖槍魔法の一撃で骨格を粉々に砕いて滅殺したのだった。
何か違うな。
確かにこの魔法も凄いが、オレとしてはあのデッカイ剣を降らしたかったのに~。
おっ、スケルトンドラゴンが滅殺された事でミストジャイアントマンティスが背中を向けて霧平原に逃げようとしてる。
フラフラで、もう余裕で倒せそうなんだけどな~。
ここの閣下との裏取引もあるし、逃がしてやるか。
でも本当に逃がしていいのか、これ?
両鎌を失ってるとはいえ、あのサイズのモンスターを。(0.1秒)
「よくやったわ、アラン」
オレの横からそう声が聞こえて振り向けば、いつの間にかバニラさんが居た。
「後は任せなさい」
そう言ってバニラさんが呪文を詠唱して、
「焦土の炎魔球」
と魔法を放って、瀕死のミストジャイアントマンティスにとどめを刺して一番オイシイところを持っていったのだった。
アラン・ザク。14歳。LV352→372。
ジョブ:棒使い、精霊獣使い、聖天魔術師
スキル:【殺虫スプレー】(33)(33)(33)(33)ノズルタイプ(30)(30)cold(30)(30)ムカデ専用(30)蜘蛛専用(30)蜂専用(33)蟻専用(30)
称号:【貴族名鑑】【神童】【格上潰し】【英雄の雛】【精霊獣の契約者】【聖雛を連れて歩く者】【蜂殺し】【聖天を司る者】【女神の裁きの代行者】【古代種殺し】【白霧の狩人】【打の極みへの道】【無傷の強者】【弱きを貪る者】【剥ぎ職人】【虫殺し】new【骨竜殺し】
【骨竜殺し】骨竜に対して攻撃力、防御力、魔法2倍。恐怖、生命弱体化無効。
取得条件:LV400以上の骨竜へのラストアタック。
おっ、LVが20上がってる。
ってか、2匹倒して20だけなの、上がったの?
もしかして見かけ倒しなだけで弱かったのか、あの2匹?
それはないか、称号【骨竜殺し】の取得条件にLV400以上ってあるし。
あのスケルトンドラゴンはLV400以上は確実っと。
でも、その割にはLVが20しか上がってないんだけど?
誰かと経験値を分け合った?
いや、今はそれよりも。
「このタイミングで登場って、屋敷からオレの後を透明になって付けてきたでしょ、バニラさん」
「まさか、仲間のアランに対してそんな事する訳ないでしょ」
「嘘ばっかり。まあいいけど。それよりもいいの、ミストジャイアントマンティスを倒しちゃって?」
「街が襲われたのよ? 倒すしかないでしょ」
バニラさんはそう爽やかに笑ったのだった。
当然、夜明けからの本日の遠征は中止となった。
ピピピッと翼をペチペチするピピーに叩き起こされた。
何?
オレが見るとピピーが片翼でオレの装備をビシッと指し示した。
「着替えろって事?」
ピヨピヨ。
そうだよ、とピピーが師匠面で頷いてくる。
明日、いや、もう今日か、夜明け前に南門前広場に集合で、日の出と同時にローセファース霧平原に遠征なんだけどな~、オレ~。
まあ、いいか。
2時間の寝不足くらい大丈夫だろ。
オレは苦笑しつつ、ファイアハイウルフシリーズの装備に着替えた。
「何をやってるの?」
さすがにバニラさんも起きてくる。
バニラさんの方は常在戦場なので黒のセクシードレスだ。
魔術師ローブとヒールブーツを履けば外に出れる。
「ちょっと、お出かけしてくるね」
「ローセファース霧平原への遠征が怖くて夜逃げするんじゃないわよね?」
「まさか。うちの精霊獣に付き合うだけだよ」
ピピーの名前は内緒にしてある。
ってか、真名って奴らしくて精霊獣の名前は気軽に他人に教えたらダメらしい。
まあ、オレのピピーは特別だからな。
名前を教えても大丈夫だとは思うが、特別なのも隠してる訳で普通の精霊獣のふりで真名を隠していた。
「それじゃあ、出掛けてくるね、バニラさん」
「夜明け前に南門前に集合よ、アラン。時間厳守だから。遅れたら置いていくから遅れないようにね」
「うん、分かった」
オレはそう笑うと金貨500枚以上が入ったリュックを背負ったのだった。
クラン【氷の百合】の屋敷には人が一杯だ。
廊下を歩いて玄関を出る時に、
「ええっと、今時分どちらに?」
【狼牙三星】の一番下のエリオと出会った。と言うか寝てたのに慌てて部屋から起きてきた。この時間に出発するオレをかなり怪しんでる。
「気分転換かな? ああ、バニラさんの許可は取ってあるから安心して」
「本当に許可があるんですね?」
「うん。屋敷の警備、御苦労さま」
「いえ、仕事ですから。ってか遠征用の料理の仕込みを料理長が今してますから何か作って貰いますか?」
「大丈夫大丈夫、料理長が作ってくれた熊肉の燻製がたくさんあるから。じゃあ、行ってきま~す」
オレは玄関を出て、門扉を潜って外に出た。
「どこに行きたいの?」
オレが問うと、ピヨピヨッとピピーが片翼を差した方向は南だった。
オレは歩く。
夜のローセファースの街だが、この区画は広いお屋敷が並ぶ高級住宅街だ。
飲み屋もエッチなお店もなくて治安が良い。
まあ、そもそも酔っ払いの姿はーー夜明け前から遠征なので今夜は少ないはずだが。
ピピーの指し示す通りに進んだら、結局は南門前の広場に到着してしまった。
朝の遠征に備えて、既に準備がされてる。
広場は兵士だらけだった。
「次はどこ?」
オレが問うと、ピピーがピヨピヨッと城壁に登れる階段を片翼で差した。
「よし、行こう」
オレは城壁を上った。
早朝の遠征に関係なく警備の兵士達が居たので、
「こら、ボーズ、ここは登っちゃダメだぞ」
「いえいえ、ローセファース霧平原の様子を城壁の上から確認してこいって師匠に言われたもので」
「師匠ってどこの誰だ?」
「【氷の百合】のクラン長ですよ。ほら、あのアースビッグタートルのーー」
オレが南門前の横に置かれてる死骸を指差そうとした時、
ゴギャアアアアアアアアアアアアっ!
との空気が振動する咆哮を聞いてオレは緊張した。
近い。
オレが視線を上げると、そこでは30メートル級のカマキリと同じく30メートル級の恐竜の骨格の標本が激しく戦っていた。
いや、違う。
ミストジャイアントマンティスと海タイプのスケルトンドラゴンがだ。
ピピッ。
倒しちゃえ、と頭の上に乗るピピーがオレに言ってきて、オレと同時に視認した兵士達が、
「な、何だ、あれ?」
「た、大変だっ!」
次の瞬間にはカンカンカンッと警鐘を鳴らして、街全域に知らせたのだった。
南門前の広場で準備をしていた兵士達が城壁に上ってくる。
既に城壁の上に居るオレは2体を観察した。
ミストジャイアントマンティスはかなり負傷している。下半身の先っぽが噛まれていてないし、右鎌と左の後ろ脚もない。
スケルトンドラゴンの方も骨が傷んでた。
スケルトンドラゴンがローセファース霧平原に居たなんて初耳だ。
つまりはよそから流れてきた?
もしかしてサンドワームの死骸目当てで移動してきたモンスターか?
その途中でローセファース霧平原で主のミストジャイアントマンティスと遭遇してやりあってる?
ローセファースの街の近くに居るのはミストジャイアントマンティスの方が劣勢で逃げてきたから?(0.1秒)
「ふむ」
このまま戦わせて双方を弱らせて漁夫の利をせしめるのが一番賢いやり方だが、世の中にはしがらみというのが山ほどある。
ここではミストジャイアントマンティスは倒せない。
倒していいのはスケルトンドラゴンだけだろう。
さて、どうしたものかな。
もう少しスケルトンドラゴンがミストジャイアントマンティスを負傷させるのを待つか。
ピヨピヨ。
早くやっちゃえ、とピピーが頭の上で誘惑してくる。
もうピピーの言う通り、人が集まる前にやっちゃうか。
方針を固めたオレは、
聖なる女神よ、光明よ。
天空より地上の邪なる存在を討ち祓う聖なる剣を貸しあたえたまえ。
我は聖なる女神に願う。地上に蔓延る悪しき存在への断罪を。
我は聖なる女神に願う。地上の闇の眷族達の駆逐を。
我は聖なる女神に願う。聖なる剣の地上への降臨を。
我は聖なる女神に願う。地上に楽園の構築を。
聖なる女神よ、今ここに我が願いを聞き入れたまえ。
「天空より大地に突き刺さる聖なる女神の裁きの剣」
オレは呪文を詠唱して聖魔法を使った。
シーン。
だが魔法は発動しなかった。
ピヨピヨ。
使える訳ないでしょ、あんな雑魚に、とピピーが言ってるっぽい。
ってか、本意気で呪文を長々と詠唱してドヤ顔を決めたオレ、かなり恥ずかしいんだが。
いや、かなりどころか凄く恥ずかしいんだが。
決めポーズまでしてるし。
恥ずい恥ずい恥ずい。
ダメだ。考えるな。
異世界ファンタジーではただの魔法が不発しただけなんだから。
別に厨二病でも何でもないから。
クソ、ダメだ。恥ずい。
耳まで真っ赤になってるような気がする。
無理にでも別の事を考えろ、オレ
邪な存在にスケルトンドラゴンはカテゴライズされてないなんてな。
本当に雑魚なの?
仕方がない。
次だ、次。(0.1秒)
オレは強引に思考を切り替えて、
聖なる女神よ、光明よ。
竜を滅する聖なる力の槍を与えたまえ。
我が眼前の竜を屠る槍を与えたまえ。
「竜を屠る聖なる槍」
今度はちゃんとオレの頭上に20メートルサイズの聖なる槍の魔法が出現する。
それを30メートルサイズのスケルトンドラゴンに発射した。
150メートル以上は離れてるが、ミストジャイアントマンティスの左鎌を切断しながらも、
ギュゴォォォォォォンっ!
ちゃんとスケルトンドラゴンに直撃して、効果も抜群だったのか、オレの竜を屠る聖槍魔法の一撃で骨格を粉々に砕いて滅殺したのだった。
何か違うな。
確かにこの魔法も凄いが、オレとしてはあのデッカイ剣を降らしたかったのに~。
おっ、スケルトンドラゴンが滅殺された事でミストジャイアントマンティスが背中を向けて霧平原に逃げようとしてる。
フラフラで、もう余裕で倒せそうなんだけどな~。
ここの閣下との裏取引もあるし、逃がしてやるか。
でも本当に逃がしていいのか、これ?
両鎌を失ってるとはいえ、あのサイズのモンスターを。(0.1秒)
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オレの横からそう声が聞こえて振り向けば、いつの間にかバニラさんが居た。
「後は任せなさい」
そう言ってバニラさんが呪文を詠唱して、
「焦土の炎魔球」
と魔法を放って、瀕死のミストジャイアントマンティスにとどめを刺して一番オイシイところを持っていったのだった。
アラン・ザク。14歳。LV352→372。
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スキル:【殺虫スプレー】(33)(33)(33)(33)ノズルタイプ(30)(30)cold(30)(30)ムカデ専用(30)蜘蛛専用(30)蜂専用(33)蟻専用(30)
称号:【貴族名鑑】【神童】【格上潰し】【英雄の雛】【精霊獣の契約者】【聖雛を連れて歩く者】【蜂殺し】【聖天を司る者】【女神の裁きの代行者】【古代種殺し】【白霧の狩人】【打の極みへの道】【無傷の強者】【弱きを貪る者】【剥ぎ職人】【虫殺し】new【骨竜殺し】
【骨竜殺し】骨竜に対して攻撃力、防御力、魔法2倍。恐怖、生命弱体化無効。
取得条件:LV400以上の骨竜へのラストアタック。
おっ、LVが20上がってる。
ってか、2匹倒して20だけなの、上がったの?
もしかして見かけ倒しなだけで弱かったのか、あの2匹?
それはないか、称号【骨竜殺し】の取得条件にLV400以上ってあるし。
あのスケルトンドラゴンはLV400以上は確実っと。
でも、その割にはLVが20しか上がってないんだけど?
誰かと経験値を分け合った?
いや、今はそれよりも。
「このタイミングで登場って、屋敷からオレの後を透明になって付けてきたでしょ、バニラさん」
「まさか、仲間のアランに対してそんな事する訳ないでしょ」
「嘘ばっかり。まあいいけど。それよりもいいの、ミストジャイアントマンティスを倒しちゃって?」
「街が襲われたのよ? 倒すしかないでしょ」
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