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大也、お預けを喰らう
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大也はラブホテルの一室に居た。
夜鶴が照れながら、
「シャワーを浴びてくるわね」
とバスルームに向かう中、ベッドに座った大也はウキウキを抑えられずにいた。
今夜こそヤレる。
それも後腐れなくヤレる。
夜鶴がシャワーから出てくるのを待った。
5分が経過して10分が経過した。
シャワーにこんなに時間が掛かるものだろうか?
いや、女だから色々と用意があるのだろう。
そう思ったが15分が経過した時、さすがに変だと大也も思い始めた。
シャワーの音は聞こえてる。
スケスケの樹脂製のバスルームのドア前まで移動した大也はバスルーム内をドア越しに確認した。
確かにいる。
だが動きがない。
「入るよ、ヨヅさん(本人にそう呼ぶように言われたので)?」
バスルームのドアを開けると夜鶴が頭を壁に預けて蹲るように座っていた。
「えっ?」
一瞬『暗殺された?』と疑った大也がシャワーを止めて、身体の前側を確認した。
裸は綺麗だった。スタイルも良い。どこがとは言わないが綺麗なピンク色だった。
そして隅々まで確認したが、別に外傷はなかった。
呼吸は乱れてるがちゃんとしている。別に死んではいない。
「良かった~。てっきり暗殺されたのかとーーじゃあ、何で? まさか疲労? いや、この場合は毒が抜けてないと考えるべきか――ってか、嘘だよね? これからって時に」
さすがの大也も『初の日本人なのに意識がないのに抱くのはちょっと』と考えた。
「解毒剤を貰いに行くべきか。いや、別行動をしてる間に犯罪忍者対策室に逮捕されてるオチが見えるな。ここは一緒に行くべきか」
こうして濡れた夜鶴の身体をバスタオルで拭いてバスローブを纏わせ、大也はドア横の端末機で清算してラブホテルから出たのだった。
◇
大也がバスローブ姿の夜鶴をお姫様だっこし、夜の都会の上空を移動して辿り着いた先は防衛省自衛隊の忍者の草薙部隊のアジトだった。
部外者が医務室まで直行出来たのは大也が有名人だからである。
医務室に居たのは初対面の50代の男の医者だったが、
「・・・毒だな。どこで毒を浴びたか分かるかね?」
「昨日の犯罪忍者対策室の本部ビルから逃げた罪人の1人なので」
大也が正直に答えると医者が、
「真面目な話をしてるんだが?」
「オレもです」
大也がそう答えたので医者が考えながら、
「この毒は遅行性で、昨日犯罪忍者対策室で使われた毒よりも強力なものだぞ」
「そうなので?」
「ああ。犯罪忍者対策室の方の毒は逃亡させるのが目的で致死量じゃなかったはずだからな」
「じゃあ、どこで毒を?」
「それを先程、聞いたのだが」
医者に言われて、大也が、
「ーーそう言えば、オレに会った第一声が『早過ぎる』でした」
「? それが?」
「オレの所属がどこか知ってます?」
「大鳥忍軍だろーーん? つまり、そうだと言いたいのか?」
「あるかもしれませんよ」
大也はそう言った後、大切な事なので、
「ええっと、今夜、抱けたりします?」
ちゃんと質問した。
「無理だな。早くても明日の昼10時だ」
「そうですか」
大也はそうガッカリしたのだった。
夜鶴が照れながら、
「シャワーを浴びてくるわね」
とバスルームに向かう中、ベッドに座った大也はウキウキを抑えられずにいた。
今夜こそヤレる。
それも後腐れなくヤレる。
夜鶴がシャワーから出てくるのを待った。
5分が経過して10分が経過した。
シャワーにこんなに時間が掛かるものだろうか?
いや、女だから色々と用意があるのだろう。
そう思ったが15分が経過した時、さすがに変だと大也も思い始めた。
シャワーの音は聞こえてる。
スケスケの樹脂製のバスルームのドア前まで移動した大也はバスルーム内をドア越しに確認した。
確かにいる。
だが動きがない。
「入るよ、ヨヅさん(本人にそう呼ぶように言われたので)?」
バスルームのドアを開けると夜鶴が頭を壁に預けて蹲るように座っていた。
「えっ?」
一瞬『暗殺された?』と疑った大也がシャワーを止めて、身体の前側を確認した。
裸は綺麗だった。スタイルも良い。どこがとは言わないが綺麗なピンク色だった。
そして隅々まで確認したが、別に外傷はなかった。
呼吸は乱れてるがちゃんとしている。別に死んではいない。
「良かった~。てっきり暗殺されたのかとーーじゃあ、何で? まさか疲労? いや、この場合は毒が抜けてないと考えるべきか――ってか、嘘だよね? これからって時に」
さすがの大也も『初の日本人なのに意識がないのに抱くのはちょっと』と考えた。
「解毒剤を貰いに行くべきか。いや、別行動をしてる間に犯罪忍者対策室に逮捕されてるオチが見えるな。ここは一緒に行くべきか」
こうして濡れた夜鶴の身体をバスタオルで拭いてバスローブを纏わせ、大也はドア横の端末機で清算してラブホテルから出たのだった。
◇
大也がバスローブ姿の夜鶴をお姫様だっこし、夜の都会の上空を移動して辿り着いた先は防衛省自衛隊の忍者の草薙部隊のアジトだった。
部外者が医務室まで直行出来たのは大也が有名人だからである。
医務室に居たのは初対面の50代の男の医者だったが、
「・・・毒だな。どこで毒を浴びたか分かるかね?」
「昨日の犯罪忍者対策室の本部ビルから逃げた罪人の1人なので」
大也が正直に答えると医者が、
「真面目な話をしてるんだが?」
「オレもです」
大也がそう答えたので医者が考えながら、
「この毒は遅行性で、昨日犯罪忍者対策室で使われた毒よりも強力なものだぞ」
「そうなので?」
「ああ。犯罪忍者対策室の方の毒は逃亡させるのが目的で致死量じゃなかったはずだからな」
「じゃあ、どこで毒を?」
「それを先程、聞いたのだが」
医者に言われて、大也が、
「ーーそう言えば、オレに会った第一声が『早過ぎる』でした」
「? それが?」
「オレの所属がどこか知ってます?」
「大鳥忍軍だろーーん? つまり、そうだと言いたいのか?」
「あるかもしれませんよ」
大也はそう言った後、大切な事なので、
「ええっと、今夜、抱けたりします?」
ちゃんと質問した。
「無理だな。早くても明日の昼10時だ」
「そうですか」
大也はそうガッカリしたのだった。
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