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大也、今頃呼び出し事件の黒幕に興味を持ち始める
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直後に大地は新幹線のホームを歩きながらスマホで電話をした。
相手は大鳥宗次だ。
『何かね、大地君?』
「数日前に不知火学園の女生徒にオレに近付くように命令を出したの誰か分かります?」
『いや、分からんね。不知火学園は内閣府直轄たから』
「そうですか。なら今から不知火学園に出向くんで協力するよう言っておいて下さい」
『待った。部外者は不知火学園は立入禁止だよ』
「? オレ、調査対象者なので部外者じゃないですよね」
「そんな理屈が通る訳がーーともかくダメだ。1時間くれ。ちゃんと調べるから』
「1時間も? まあ、いいですけど」
大也はそんな事を電話で喋りながらエスカレーターに乗ったのだった。
◇
電車で都内から西東京に出るなんてまどろっこしい事、大也はしない。
風使いらしく音速で移動した。
ぶっちゃけ都内から西東京まで5分である。
忍者育成機関ーー不知火学園のある不知火駅前に出没した。
もうはっきり言って脅迫行為だった。
新幹線の駅のホームで電話を終えた13分後には宗次の方から電話で、
『今、どこに居るんだね、大君?』
「不知駅前ですが」
『何故だね?』
「もしかしたら不知火学園が大鳥忍軍に協力しないかもしれないでしょ? その時は正面から乗り込む為に待機を」
『そんな事にはならないからくれぐれも慎重でいてくれよ』
「無論ですよ。あっ、制服を着た男子に睨まれてるんですか殴っていいですか?」
『ダメに決まってるだろう。ダメだからね。頼むから暴れないでくれよ』
「は~い。これからは殴りませんね」
『これからは? 待った。まさか、もう? 何人だね?』
「まだ8人かな? あっ、殴っただけで顔面と両手は潰してませんよ」
大也が駅前のガレージで倒れてる不知火学園の男子8人を見ながら言った。
本当に顔面と両手は潰していない。潰す前に電話が掛かってきたのだから。
『一度、不知火駅から離れてくれ、大也君。無論、駅前からではなく『別の駅に』という意味だよ』
「ええ~、せっかく来たのに」
『頼むから』
「わかりましたよ、宗次さんの顔を立てますね」
そう大也は返事をしたのだった。
◇
時系列を整理しよう。
本日が大鳥忍軍と刹那忍軍の不戦協定。富士樹海の草薙部隊の訓練場で大也が修行。
前日が犯罪忍者対策室の本部ビルをロシアの忍者キラー部隊が襲撃。
前々日が『正義の味方』パーカー男の出没や総理辞任と色々あった訳だが、その早朝には忍死の森で大鳥忍軍の幹部氏族の遺体が回収されている。
つまり本日は忍死の森で死んだ幹部氏族の葬式が行われる日でもあった。
宗次も総帥の名代として各幹部氏族の葬式に出席しまくってる訳だが、そこに大也からの電話だ。
電話を貰って『1時間後でいいか』と気軽に考えていたら、不知火学園のある不知火駅前で大也のスマホのGPS反応があるとの報告が上がってきて、大慌てで大也に電話で確認し、続いて総帥の颯太に連絡して、
『はあ? 刹那忍軍とようやく不戦協定を結んだっていうのに次から次へと。今は次の総理選びをせねばならんのに。そもそもどうしてそんな事に興味を示したんだ? あの日の朝、メモを見せた時は興味無さそうな顔をしていたぞ。今朝だって『修行する』と言ってそんな素振りは1つもなかったのに』
「暇だからでしょう?」
それは違う。ヒナタと出会った事でヒナタ、ヒカリ姉妹に恩を売ってエロゲーのような姉妹制覇が現実味を帯びてきたのでやる気をみせてるだけた。
「どうしましょう、兄上。本当の事を知ったら幹部氏族が狩られますよ?」
『ふむ。ここは適当に敵対忍者の名を教えて潰させるか』
「それは悪手かと。バレたら二度と信用しなくなりますから」
『だが幹部氏族は潰させる訳にもいくまい?』
「働き手が全滅で最低20年は使い物にならない幹部氏族を守る事もないかと」
『待て。長年大鳥忍軍へ忠義を尽くした氏族だぞ? 叢雲は大鳥忍軍創設時からの盟友氏族ではないか』
「その結果が今回の増長ですよ。大鳥の総帥邸の客人への攻撃など通常ならあり得ない事なのですから。手塚大也が舐められるのは構いませんが総帥家が舐められるのは大問題かと。ここは大ナタを振るうべきです」
『ふむ』
「後36分で決めて下さいね、兄上」
『ん? どういう意味だ?』
「不知火学園を襲う素振りを見せてたので1時間だけ刻を稼ぎました。1時間以内に教えなければ不知火学園に突っ込みますよ、絶対」
『頭痛がしてきたな』
「私はとっくに頭痛です」
大鳥忍軍の総帥と実弟はその後も真面目に生贄を誰にするのか悩んだのだった。
相手は大鳥宗次だ。
『何かね、大地君?』
「数日前に不知火学園の女生徒にオレに近付くように命令を出したの誰か分かります?」
『いや、分からんね。不知火学園は内閣府直轄たから』
「そうですか。なら今から不知火学園に出向くんで協力するよう言っておいて下さい」
『待った。部外者は不知火学園は立入禁止だよ』
「? オレ、調査対象者なので部外者じゃないですよね」
「そんな理屈が通る訳がーーともかくダメだ。1時間くれ。ちゃんと調べるから』
「1時間も? まあ、いいですけど」
大也はそんな事を電話で喋りながらエスカレーターに乗ったのだった。
◇
電車で都内から西東京に出るなんてまどろっこしい事、大也はしない。
風使いらしく音速で移動した。
ぶっちゃけ都内から西東京まで5分である。
忍者育成機関ーー不知火学園のある不知火駅前に出没した。
もうはっきり言って脅迫行為だった。
新幹線の駅のホームで電話を終えた13分後には宗次の方から電話で、
『今、どこに居るんだね、大君?』
「不知駅前ですが」
『何故だね?』
「もしかしたら不知火学園が大鳥忍軍に協力しないかもしれないでしょ? その時は正面から乗り込む為に待機を」
『そんな事にはならないからくれぐれも慎重でいてくれよ』
「無論ですよ。あっ、制服を着た男子に睨まれてるんですか殴っていいですか?」
『ダメに決まってるだろう。ダメだからね。頼むから暴れないでくれよ』
「は~い。これからは殴りませんね」
『これからは? 待った。まさか、もう? 何人だね?』
「まだ8人かな? あっ、殴っただけで顔面と両手は潰してませんよ」
大也が駅前のガレージで倒れてる不知火学園の男子8人を見ながら言った。
本当に顔面と両手は潰していない。潰す前に電話が掛かってきたのだから。
『一度、不知火駅から離れてくれ、大也君。無論、駅前からではなく『別の駅に』という意味だよ』
「ええ~、せっかく来たのに」
『頼むから』
「わかりましたよ、宗次さんの顔を立てますね」
そう大也は返事をしたのだった。
◇
時系列を整理しよう。
本日が大鳥忍軍と刹那忍軍の不戦協定。富士樹海の草薙部隊の訓練場で大也が修行。
前日が犯罪忍者対策室の本部ビルをロシアの忍者キラー部隊が襲撃。
前々日が『正義の味方』パーカー男の出没や総理辞任と色々あった訳だが、その早朝には忍死の森で大鳥忍軍の幹部氏族の遺体が回収されている。
つまり本日は忍死の森で死んだ幹部氏族の葬式が行われる日でもあった。
宗次も総帥の名代として各幹部氏族の葬式に出席しまくってる訳だが、そこに大也からの電話だ。
電話を貰って『1時間後でいいか』と気軽に考えていたら、不知火学園のある不知火駅前で大也のスマホのGPS反応があるとの報告が上がってきて、大慌てで大也に電話で確認し、続いて総帥の颯太に連絡して、
『はあ? 刹那忍軍とようやく不戦協定を結んだっていうのに次から次へと。今は次の総理選びをせねばならんのに。そもそもどうしてそんな事に興味を示したんだ? あの日の朝、メモを見せた時は興味無さそうな顔をしていたぞ。今朝だって『修行する』と言ってそんな素振りは1つもなかったのに』
「暇だからでしょう?」
それは違う。ヒナタと出会った事でヒナタ、ヒカリ姉妹に恩を売ってエロゲーのような姉妹制覇が現実味を帯びてきたのでやる気をみせてるだけた。
「どうしましょう、兄上。本当の事を知ったら幹部氏族が狩られますよ?」
『ふむ。ここは適当に敵対忍者の名を教えて潰させるか』
「それは悪手かと。バレたら二度と信用しなくなりますから」
『だが幹部氏族は潰させる訳にもいくまい?』
「働き手が全滅で最低20年は使い物にならない幹部氏族を守る事もないかと」
『待て。長年大鳥忍軍へ忠義を尽くした氏族だぞ? 叢雲は大鳥忍軍創設時からの盟友氏族ではないか』
「その結果が今回の増長ですよ。大鳥の総帥邸の客人への攻撃など通常ならあり得ない事なのですから。手塚大也が舐められるのは構いませんが総帥家が舐められるのは大問題かと。ここは大ナタを振るうべきです」
『ふむ』
「後36分で決めて下さいね、兄上」
『ん? どういう意味だ?』
「不知火学園を襲う素振りを見せてたので1時間だけ刻を稼ぎました。1時間以内に教えなければ不知火学園に突っ込みますよ、絶対」
『頭痛がしてきたな』
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