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大也、土岐影ヒナタと面識を持つ
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大地は実は自分が『強い』と自惚れていたタイプの人間だ。
沖縄県では勝利を積み重ねた。
だから他国の美女も(任務でだが)寄ってくる。
そんな大也からしたら、犯罪忍者対策室の本部アジトで位置交換のハメ技で被弾して気絶した事が大也の中ではかなりショックだった。
『弱い』と美女も寄ってこない。
それでは死活問題だ。
任務とはいえ美女と知り合う機会が減るなんて、大地からしたらあり得なかった。
むさ苦しい男どもに報酬と共に用件を告げられるなんて冗談じゃない。
美女が居ないとお話にもならないではないか。
古今東西、敗北した忍者がする事は1つしかない。
修行だ。
だが都内である。
忍法を全開でぶっ放せる場所がない。
そのような経緯から、
大也は新幹線で静岡県に来ていた。
ずばり、富士樹海。
それも草薙部隊の訓練場に。
草薙部隊にはロシアの都内在住の忍者キラー部隊を犯罪忍者対策室の本部ビルに招き寄せてぶつけただけでも相当な貸しとなるはずだ。
訓練場の提供くらいされてもバチは当たらない。
なのに何故か上から、
「仕方ないから使わせてやろう」
顔見知りの府吹剛輝という30代の部隊長にそう言われた。
「じゃあ遠慮なく」
トレーニングウエアの大也は『手塚流忍法かまいたち・空中ジャンプ(疾走)』を使って、空中を全速力で走りまくったのだった。
走るのは基本だ。
沖縄本島から手塚島まで空中を走って移動した事もある。
まあ、帰りだけだが。手塚島から沖縄本島に空中ダッシュで近付くと、本島接近と到着時に面倒臭い事になるので控えている。
大也はこの日、2時間くらい空中をダッシュしたのだった。
さすがの休みなしなら大也も汗だく。
敷地内の自販機の前でスポーツ飲料を飲んでると、
「おまえ、何がやりたいんだ?」
見兼ねた剛輝が尋ねてきた。
「強くなりたい。もしくは強くなる為のヒントを掴みたい、かな?」
「もう充分強いだろ?」
「弱いですよ、昨日も負傷しましたし」
「大変だな。ストイックな奴は」
何故か剛輝の中で好感度が上がったのだった。
大也はその日、4時間全力で空中ダッシュをして新幹線に乗って都内に帰っていったのだが、
◇
美少女ゲームの主人公ばりの美女遭遇率を誇る大也は新幹線のグリーン車の車内でお隣の美人がスマホを落としたので、
「落としましたよ」
「ありがと。えっと、凄い恰好ね。ギャングみたいよ」
「あれ、カッコよくありませんか?」
「私はありね」
との出会いから気軽にお話をしたのだが、
「土岐影ヒナタよ」
「えっ、土岐影って、もしかしてヒカリさんの関係者ですか?」
大也はヒナタを改めて見た。
19歳。茶髪のロングでゆるふわカールだ。別に紫色のインナーカラーでもない。でも涼やかな雰囲気はヒカリと似ていた。後、巨乳なところも。
「あら、妹を知ってるの?」
(偶然にしては出来過ぎてるが・・・さすがにこの座席の巡り合わせは偶然だよな?)
大也もどちらか断定出来ずに、
「逆ナンされた事がありまして。まあ、不知火学園の任務で、ですが」
「その話、詳しく聞かせてちょうだい、ええっと?」
「手塚大也です」
その後、大也は知ってる情報を教えた。
無論、自分の所為で人質になった箇所は省略したが。
「そうなの。あの子が今拙い事になってるって知ってる?」
「どうしてです?」
「大鳥忍軍の幹部氏族が死んだ現場に居て、更には忍法影鰐が使われた形跡があったらしくて。あの子がやったって事にされててね」
「えっ、ヒカリさんって妖怪憑きじゃないって言ってたような? もしかして隠してた?」
「いえ、本当に妖怪憑きじゃないわよ」
「なら、違うじゃないですか」
と真面目な顔で答えながら、大也は健全な青少年らしく男の夢の1つ『姉妹制覇』について真剣に妄想していた。
「オレの方からも知り合いに尋ねてみますね」
「ええ、お願い。そうだ、連絡先を交換しましょう」
「喜んで」
大也はスマホで連絡先を交換し、その後も新幹線内で楽しくお喋りしたが、
「じゃあ」
「ええ、またね」
品川駅で大也だけが先に新幹線から下車してヒナタとは別れたのだった。
沖縄県では勝利を積み重ねた。
だから他国の美女も(任務でだが)寄ってくる。
そんな大也からしたら、犯罪忍者対策室の本部アジトで位置交換のハメ技で被弾して気絶した事が大也の中ではかなりショックだった。
『弱い』と美女も寄ってこない。
それでは死活問題だ。
任務とはいえ美女と知り合う機会が減るなんて、大地からしたらあり得なかった。
むさ苦しい男どもに報酬と共に用件を告げられるなんて冗談じゃない。
美女が居ないとお話にもならないではないか。
古今東西、敗北した忍者がする事は1つしかない。
修行だ。
だが都内である。
忍法を全開でぶっ放せる場所がない。
そのような経緯から、
大也は新幹線で静岡県に来ていた。
ずばり、富士樹海。
それも草薙部隊の訓練場に。
草薙部隊にはロシアの都内在住の忍者キラー部隊を犯罪忍者対策室の本部ビルに招き寄せてぶつけただけでも相当な貸しとなるはずだ。
訓練場の提供くらいされてもバチは当たらない。
なのに何故か上から、
「仕方ないから使わせてやろう」
顔見知りの府吹剛輝という30代の部隊長にそう言われた。
「じゃあ遠慮なく」
トレーニングウエアの大也は『手塚流忍法かまいたち・空中ジャンプ(疾走)』を使って、空中を全速力で走りまくったのだった。
走るのは基本だ。
沖縄本島から手塚島まで空中を走って移動した事もある。
まあ、帰りだけだが。手塚島から沖縄本島に空中ダッシュで近付くと、本島接近と到着時に面倒臭い事になるので控えている。
大也はこの日、2時間くらい空中をダッシュしたのだった。
さすがの休みなしなら大也も汗だく。
敷地内の自販機の前でスポーツ飲料を飲んでると、
「おまえ、何がやりたいんだ?」
見兼ねた剛輝が尋ねてきた。
「強くなりたい。もしくは強くなる為のヒントを掴みたい、かな?」
「もう充分強いだろ?」
「弱いですよ、昨日も負傷しましたし」
「大変だな。ストイックな奴は」
何故か剛輝の中で好感度が上がったのだった。
大也はその日、4時間全力で空中ダッシュをして新幹線に乗って都内に帰っていったのだが、
◇
美少女ゲームの主人公ばりの美女遭遇率を誇る大也は新幹線のグリーン車の車内でお隣の美人がスマホを落としたので、
「落としましたよ」
「ありがと。えっと、凄い恰好ね。ギャングみたいよ」
「あれ、カッコよくありませんか?」
「私はありね」
との出会いから気軽にお話をしたのだが、
「土岐影ヒナタよ」
「えっ、土岐影って、もしかしてヒカリさんの関係者ですか?」
大也はヒナタを改めて見た。
19歳。茶髪のロングでゆるふわカールだ。別に紫色のインナーカラーでもない。でも涼やかな雰囲気はヒカリと似ていた。後、巨乳なところも。
「あら、妹を知ってるの?」
(偶然にしては出来過ぎてるが・・・さすがにこの座席の巡り合わせは偶然だよな?)
大也もどちらか断定出来ずに、
「逆ナンされた事がありまして。まあ、不知火学園の任務で、ですが」
「その話、詳しく聞かせてちょうだい、ええっと?」
「手塚大也です」
その後、大也は知ってる情報を教えた。
無論、自分の所為で人質になった箇所は省略したが。
「そうなの。あの子が今拙い事になってるって知ってる?」
「どうしてです?」
「大鳥忍軍の幹部氏族が死んだ現場に居て、更には忍法影鰐が使われた形跡があったらしくて。あの子がやったって事にされててね」
「えっ、ヒカリさんって妖怪憑きじゃないって言ってたような? もしかして隠してた?」
「いえ、本当に妖怪憑きじゃないわよ」
「なら、違うじゃないですか」
と真面目な顔で答えながら、大也は健全な青少年らしく男の夢の1つ『姉妹制覇』について真剣に妄想していた。
「オレの方からも知り合いに尋ねてみますね」
「ええ、お願い。そうだ、連絡先を交換しましょう」
「喜んで」
大也はスマホで連絡先を交換し、その後も新幹線内で楽しくお喋りしたが、
「じゃあ」
「ええ、またね」
品川駅で大也だけが先に新幹線から下車してヒナタとは別れたのだった。
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