ニンジャマスター・ダイヤ

土岐影ヒカリ、不知火学園の実地訓練で大也と接触する

　今の世の忍者は、戦闘力や諜報力を兼ね備えた闇のエージェントだ。

　その実力は忍法が使える事からその辺のスパイなんかよりも段違いで強い。

　だが、その忍者全部が日本政府のお抱えという訳ではない。

　政府の予算には限りがあるのだ。雑魚など雇えない。

　主義主張の違いから政府お抱えを嫌う忍者達も居た。

　不動忍軍は壁抜け使いを多数抱えている事から仕事には困らない。余裕で民間でもやっていけた。

　刹那忍軍もそうである。戦闘力が高く、暗殺稼業だけで余裕で食っていけた。





　問題は雑魚氏族である。

　雑魚氏族はこの近代社会の日本では忍者修行の場所すらも確保出来ない。

　そこで日本政府と大鳥忍軍が才能ある忍者の能力を伸ばし、同時に青田刈りする為に忍者育成機関『不知火学園』を創立して雑魚氏族にも門戸を開いていた訳だが。





　その不知火学園の校内は現在、凄く風通しが良くなっていた。

　何せ、偉そうに幅を利かせていた大鳥忍軍の上位32人が再起不能にされて転校していったのだから。聞けば、大鳥忍軍の総帥家を襲撃して反逆者になった氏族まで出たらしい。口にこそしないが誰もが『いい気味』だと思っていた。

　32人が放校になった発端となった『倒された』と聞いてた竜崎椋むくなどは不知火学園に数日で戻るもその人気に陰りがあっていい気味なのだから。

　不知火学園の２年女子、紫色のインナーカラーの黒髪ロングで、涼やかな雰囲気を醸し出してる雑魚氏族の土岐影ときかげヒカリも『不知火学園の全体の雰囲気が明るくなったわね』と思っていた。

　風通しの良くなった不知火学園だったが、数日後には面倒事も出始めていた。

　上位生徒の転校に伴い、不知火学園がこれまで上位生徒に振っていた実地訓練が他の生徒に回ってきたからだ。

　実地訓練は別に断ってもいい。卒業後の進路に多少は響くが。

　訓練内容は警備や雑用、政府機関・大鳥忍軍のバックアップなど。それほど危険はない。

　それに報酬も出る。雑魚氏族の土岐影一族としては数百万単位の報酬は実にオイシイ話だった。

　そんな訳でヒカリは実地訓練に付いたのだったが、その任務とはーー





　◇





　大也は当たり前のように都内観光をやっていた。

　今日は浅草寺に出没だ。本当に都内観光をやっていた訳だが、大也の前を歩いてるエロイ後ろ姿の女がハンカチを落とした。

　わざとなのはみえみえで使い古された手だったが、暑い沖縄とは違い、東京の気候は適温なのに、それでも何故か露出過多のミニスカの女だったので、ハンカチを拾う際に屈んでミニスカからピンクパンツをチラ見しながら、

「ハンカチを落としましたよ」

　大也はちゃんとハンカチを黒髪ロングで内側が紫色の、清楚系美人に渡した。

　清楚系なのにエロく見えるのは巨乳で服装がミニスカとノースリーブだったからだろうか。

「あら、ありがと。お礼にお茶でもいかが？」

「喜んで」

「私は土岐影ヒカリよ」

「オレは手塚大也、よろしくね」

　と自己紹介してオシャレなカフェに入店したのだった。