33 / 100
冷越我威、その日の夜に大鳥邸を襲撃するも
しおりを挟む
身内には警備が笊で有名な大鳥邸だが、その夜は部外者の侵入を許していた。
警備を蹴散らせての正面突破である。
「グアア」
「強い」
「どうして刹那忍軍が・・・」
襲撃したのは暗殺集団で御馴染みの刹那忍軍14人だった。それもナンバー2の冷越我威自らが出張ってきてる。
何故、突然こんな戦争状態に陥ったのか?
理由は単純にして明快。
都内に戻ってから遅蒔きに知った情報、つまりは、
最近、大鳥忍軍の総帥家に住み着いた手塚大也という少年が本日の昼間、アメリカ大使館に入った。
少年がムーンリングの忍者スーツを纏って、アメリカ大使館の上空を飛行する軍用ヘリに飛び乗った。
軍用ヘリは山梨県の方に向かって飛行していった。
これらと冷越我威以下利那忍軍の一部だけが知っている、
アメリカ合衆国のムーンリング機関が研究開発した『禁術忍法・七人ミサキ』の成功体ジョニー・ナダギが抜け忍となり、日本の山梨県で刹那忍軍が秘密裡に保護してたが本日、ムーンリングの忍者に殺害された。
との情報を組み合わせて導き出された我威の結論が、
「そのガキがジョニーを倒したのか? ってか、あの時、斬り掛かってきたのもそのガキかっ!」
となったからだ。
それだけでは済まず、
「『禁術忍法・七人ミサキ』の体現者だぞ? 分かってるのか? それがどれだけ貴重な存在なのか? いくら大鳥忍軍が目に掛けてるとしても許せんっ!」
こうしてその日の夜、速攻での襲撃に至っていた。
大鳥邸の中庭や棟の一部が氷漬けにされる中、忍者スーツを纏った大鳥颯太が我威と対峙し、
「何の真似だ、冷越? 遂には狂ったか?」
「黙れ、大鳥。さっさとあのガキを出せっ!」
「ガキ? もしや大也の事か? また何かしたのか?」
「すっとぼける気か、大鳥っ! ムーンリングと組んでムーンリングの抜け忍の『七人ミサキ』を殺しておいてっ! それで戦争にならないと思わないおまえの頭の方がどうかしてるぞっ!」
我威の激昂の言葉を聞いて、颯太はようやく今日アメリカ大使館に呼ばれた大也が何をしたのか知った訳だが、その重大性に渋い顔をした。
(よりにもよって『七人ミサキ』か。それもアメリカのムーンリングの抜け忍。つまり韓国のは嘘で、大元はアメリカな訳か)
颯太のその顔色を読んで、
「ん? ハッハッ、これはお笑いだ。大鳥忍軍の総帥ともあろう者がまさかこんな重要な事も知らずに蚊帳の外だったのか?」
「うるさいわ。他に何を知ってる?」
頭痛を覚えながら颯太は問うと、
「アイツはここで死刑って事だけだ」
「それは無理だな」
「私がおまえを倒せないと思ってるのか?」
「倒せる訳がないだろ。まあ、それ以前に目的の大也は今、この屋敷には居ないからな。殺すのは無理さ」
「何だ、そりゃ? 口八丁で煙に撒けれる状況だと思ってるのか? 『七人ミサキ』の件を知らなかった事といい、そこまで耄碌してるのか?」
鼻で笑った我威だったが、
「耄碌してるのはそっちだろう? 大也は20分前に屋敷を抜け出して夜遊びに出掛けておるのだからな。誤爆、御苦労さまだったな」
「・・・はああああ?」
颯太の馬鹿にしたような説明を聞いて『嘘を言ってる顔じゃない』と理解した我威は素っ頓狂な声を上げた。
「まさかーー踊らされた?」
「いや、どうもただのデートらしいがーー今、分かってるのは大鳥邸を襲った奴は『生きては帰さん』って事だけだ」
颯太の眼に殺気が宿る。本邸を襲撃されたのだ。ここまで大鳥忍軍がコケにされたのは久しぶりだ。そんな訳でやる気満々だった。
我威も気を取り直して、
「まあいい、行き掛けの駄賃だ。死ね」
『冷越流忍法つらら女・氷手裏剣の雨霰』を使って、氷の手裏剣を30枚出現させた我威が攻撃し、
「死ぬのはおまえだ、冷越っ!」
『大鳥流忍法鬼火・炎クナイの焔』を使い、炎のクナイ40本を出現させた颯太が迎え撃った。
それから10分間、刹那忍軍ナンバー2と大鳥忍軍トップの氷と炎の忍法勝負が大鳥邸の中庭でド派手に繰り広げられたのだった。
警備を蹴散らせての正面突破である。
「グアア」
「強い」
「どうして刹那忍軍が・・・」
襲撃したのは暗殺集団で御馴染みの刹那忍軍14人だった。それもナンバー2の冷越我威自らが出張ってきてる。
何故、突然こんな戦争状態に陥ったのか?
理由は単純にして明快。
都内に戻ってから遅蒔きに知った情報、つまりは、
最近、大鳥忍軍の総帥家に住み着いた手塚大也という少年が本日の昼間、アメリカ大使館に入った。
少年がムーンリングの忍者スーツを纏って、アメリカ大使館の上空を飛行する軍用ヘリに飛び乗った。
軍用ヘリは山梨県の方に向かって飛行していった。
これらと冷越我威以下利那忍軍の一部だけが知っている、
アメリカ合衆国のムーンリング機関が研究開発した『禁術忍法・七人ミサキ』の成功体ジョニー・ナダギが抜け忍となり、日本の山梨県で刹那忍軍が秘密裡に保護してたが本日、ムーンリングの忍者に殺害された。
との情報を組み合わせて導き出された我威の結論が、
「そのガキがジョニーを倒したのか? ってか、あの時、斬り掛かってきたのもそのガキかっ!」
となったからだ。
それだけでは済まず、
「『禁術忍法・七人ミサキ』の体現者だぞ? 分かってるのか? それがどれだけ貴重な存在なのか? いくら大鳥忍軍が目に掛けてるとしても許せんっ!」
こうしてその日の夜、速攻での襲撃に至っていた。
大鳥邸の中庭や棟の一部が氷漬けにされる中、忍者スーツを纏った大鳥颯太が我威と対峙し、
「何の真似だ、冷越? 遂には狂ったか?」
「黙れ、大鳥。さっさとあのガキを出せっ!」
「ガキ? もしや大也の事か? また何かしたのか?」
「すっとぼける気か、大鳥っ! ムーンリングと組んでムーンリングの抜け忍の『七人ミサキ』を殺しておいてっ! それで戦争にならないと思わないおまえの頭の方がどうかしてるぞっ!」
我威の激昂の言葉を聞いて、颯太はようやく今日アメリカ大使館に呼ばれた大也が何をしたのか知った訳だが、その重大性に渋い顔をした。
(よりにもよって『七人ミサキ』か。それもアメリカのムーンリングの抜け忍。つまり韓国のは嘘で、大元はアメリカな訳か)
颯太のその顔色を読んで、
「ん? ハッハッ、これはお笑いだ。大鳥忍軍の総帥ともあろう者がまさかこんな重要な事も知らずに蚊帳の外だったのか?」
「うるさいわ。他に何を知ってる?」
頭痛を覚えながら颯太は問うと、
「アイツはここで死刑って事だけだ」
「それは無理だな」
「私がおまえを倒せないと思ってるのか?」
「倒せる訳がないだろ。まあ、それ以前に目的の大也は今、この屋敷には居ないからな。殺すのは無理さ」
「何だ、そりゃ? 口八丁で煙に撒けれる状況だと思ってるのか? 『七人ミサキ』の件を知らなかった事といい、そこまで耄碌してるのか?」
鼻で笑った我威だったが、
「耄碌してるのはそっちだろう? 大也は20分前に屋敷を抜け出して夜遊びに出掛けておるのだからな。誤爆、御苦労さまだったな」
「・・・はああああ?」
颯太の馬鹿にしたような説明を聞いて『嘘を言ってる顔じゃない』と理解した我威は素っ頓狂な声を上げた。
「まさかーー踊らされた?」
「いや、どうもただのデートらしいがーー今、分かってるのは大鳥邸を襲った奴は『生きては帰さん』って事だけだ」
颯太の眼に殺気が宿る。本邸を襲撃されたのだ。ここまで大鳥忍軍がコケにされたのは久しぶりだ。そんな訳でやる気満々だった。
我威も気を取り直して、
「まあいい、行き掛けの駄賃だ。死ね」
『冷越流忍法つらら女・氷手裏剣の雨霰』を使って、氷の手裏剣を30枚出現させた我威が攻撃し、
「死ぬのはおまえだ、冷越っ!」
『大鳥流忍法鬼火・炎クナイの焔』を使い、炎のクナイ40本を出現させた颯太が迎え撃った。
それから10分間、刹那忍軍ナンバー2と大鳥忍軍トップの氷と炎の忍法勝負が大鳥邸の中庭でド派手に繰り広げられたのだった。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
深夜に弟の部屋に侵入するブラコン姉さん
陸沢宝史
キャラ文芸
深夜、寝ていた雅晴は扉が開いた音で目が覚めてしまう。目覚めた雅晴の前には姉の咲織がいた。咲織はスマホの画面を雅晴に見せつける。そこには雅晴がクラスメートの女子と仲良く外出している写真が掲載されていた。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【R18】闇堕ちバレリーナ~悲鳴は届かない~
月島れいわ
恋愛
憧れのバレエ団の入団テストに合格した玲於奈。
大学もあと一年というところで退学を決めた。
かつてのようなお嬢様ではいられなくなった。
それでも前途は明るいはずだったのにーーーー想像もしなかった官能レッスンが待っていた。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる