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大也、不動刃炭に夜這いされてる途中に襲撃させる
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大鳥邸の警備は本当に身内に関しては笊である。
大鳥忍軍の『下の中』の手塚一族の大也に半殺しにされては氏族の沽券に関わると、昼間に子息子女が潰された中堅どころの氏族6氏が徒党を組んで、その夜に大也に報復にきていた。
大鳥邸の警備担当者は無論、
「困ります。前にドジを踏んだ担当が殺されてるんですから」
「問題ないから気にするな」
「でも」
「ほれ、とっておけ」
札束5つを渡されて、警備担当者3人はそれぞれが500万円で買収される形で20人の忍者の大鳥邸来訪を許したのだった。
◇
だが、奇しくもこの夜、別の動きもあった。
不動忍軍は大鳥忍軍の傘下に加わった訳だが、死んだ頭目の不動魔喪が異常な強さを誇った事を一番知っていたのは不動一族である。魔喪を倒せる男などザラにはいない。
魔喪を倒したその男が17歳の少年ならば尚更、縁故は欲しい。
以下の経緯から、不動一族の年頃の娘、20歳の不動刃炭が大也に夜這いを仕掛けていた。
眠ってた大地が目覚めた時には黒髪のミディアムで白肌の裸の女が大也の腰に馬乗りになっており、
「えっ、誰? ってか、裸?」
さすがの大也も硬直した。
「不動刃炭よ、よろしくね」
暗闇の中、裸の女が自己紹介する。
忍者だ。夜目の訓練もしてる。なので暗闇でも大也には見えていた。
顔は美人で、馬鹿っぽくもない。理知的でこんな事を気軽にするようなタイプには見えない。そこがまたギャップがあっていいんだが。
「ちょ、こういうの迷惑なんですけど」
「女が嫌いなの?」
「いいえ、凄く好きです。でも、ちゃんと自力で口説くと宣言した手前、大鳥家に斡旋されるのは・・・」
「違うわよ。不動魔喪を倒した強い男に抱かれにきただけだから。だからいいでしょ?」
「ええっと・・・パスで」
「どうしてよ? 忍んできてるのに。私に恥を掻かせるつもり?」
「風使いの子供よりも壁抜け使いの子供を産みそうだから」
「あ、それはあるかも。私の一族、血が強いし・・・じゃあ、子供はなしで身体の関係だけって事で。いいわよね」
チュッと刃炭にキスされ、大也が着てるパジャマのボタンを外されてる時にーー
ドアが開いて賊が侵入したのである。
「死ねっ! 手塚っ!」
手裏剣やクナイを一斉に投げてきた。
「嘘でしょ、裸をどうでもいい雑魚に見られるとかないからっ!」
刃炭が掛け布団を捲って身体を隠してベッドから転げ落ち、大也は『手塚流忍法かまいたち・矢返し』を使ったが、そんな物は襲撃者の方も対策済みだ。
投げられた手裏剣やクナイに風忍法対策が施されており、風で軌道を変える事はなかった。
「チッ」
大也が舌打ちする。
数は20本以上ーー逃げられない。
と思うのは雑魚の考えだ。大也は風使い。
ベッドに座ってる状態で『手塚流忍法かまいたち・風舞(高速上昇)』で天井まで移動して手裏剣らを躱したが、手裏剣の中には追尾するように軌道を変える手裏剣も数枚あり、
「ああ、面倒臭い」
大也は賊を睨めば、賊も天井傍まで移動して忍者刀で大也に斬り掛かってきた。
「喰らえ」
刃に雷撃が走ってる。忍法じゃない。忍者刀に仕掛けがされてるのだろう。この調子だと忍者スーツにも触れたら電気や薬品でのカウンターを喰らいそうだ。
「仕方ないな」
大也はパジャマの癖に携帯してたミニカーサイズの紙包みの爆薬を3つ投げた。
無論、それだけではない。『手塚流忍法かまいたち・気流球(高濃度酸素)』付きだ。
それにより爆薬が高濃度酸素と化学反応を起こして異常なほど広範囲に爆発する。
それも気流の影響で大也側には爆風の威力が来ない寸法だ。
どごぉぉぉんっ!
3つの爆薬が間合いを詰めてきた忍者達に炸裂して爆発する。
凄い爆発が室内で発生し、部屋に雪崩れ込んだ賊10人ほどが爆風で吹き飛んで壁に叩き付けられた。
「おっと」
軌道を変えて点字の大也に迫る手裏剣を避けて、ベッドに着地した時、その手裏剣が天井に刺さった。術者が負傷した事で軌道の再修正がなされなかったのだ。
そして、その手裏剣も、天井に突き刺さると同時に、どごぉぉぉんっと大爆発を起こしたのだった。
大鳥忍軍の『下の中』の手塚一族の大也に半殺しにされては氏族の沽券に関わると、昼間に子息子女が潰された中堅どころの氏族6氏が徒党を組んで、その夜に大也に報復にきていた。
大鳥邸の警備担当者は無論、
「困ります。前にドジを踏んだ担当が殺されてるんですから」
「問題ないから気にするな」
「でも」
「ほれ、とっておけ」
札束5つを渡されて、警備担当者3人はそれぞれが500万円で買収される形で20人の忍者の大鳥邸来訪を許したのだった。
◇
だが、奇しくもこの夜、別の動きもあった。
不動忍軍は大鳥忍軍の傘下に加わった訳だが、死んだ頭目の不動魔喪が異常な強さを誇った事を一番知っていたのは不動一族である。魔喪を倒せる男などザラにはいない。
魔喪を倒したその男が17歳の少年ならば尚更、縁故は欲しい。
以下の経緯から、不動一族の年頃の娘、20歳の不動刃炭が大也に夜這いを仕掛けていた。
眠ってた大地が目覚めた時には黒髪のミディアムで白肌の裸の女が大也の腰に馬乗りになっており、
「えっ、誰? ってか、裸?」
さすがの大也も硬直した。
「不動刃炭よ、よろしくね」
暗闇の中、裸の女が自己紹介する。
忍者だ。夜目の訓練もしてる。なので暗闇でも大也には見えていた。
顔は美人で、馬鹿っぽくもない。理知的でこんな事を気軽にするようなタイプには見えない。そこがまたギャップがあっていいんだが。
「ちょ、こういうの迷惑なんですけど」
「女が嫌いなの?」
「いいえ、凄く好きです。でも、ちゃんと自力で口説くと宣言した手前、大鳥家に斡旋されるのは・・・」
「違うわよ。不動魔喪を倒した強い男に抱かれにきただけだから。だからいいでしょ?」
「ええっと・・・パスで」
「どうしてよ? 忍んできてるのに。私に恥を掻かせるつもり?」
「風使いの子供よりも壁抜け使いの子供を産みそうだから」
「あ、それはあるかも。私の一族、血が強いし・・・じゃあ、子供はなしで身体の関係だけって事で。いいわよね」
チュッと刃炭にキスされ、大也が着てるパジャマのボタンを外されてる時にーー
ドアが開いて賊が侵入したのである。
「死ねっ! 手塚っ!」
手裏剣やクナイを一斉に投げてきた。
「嘘でしょ、裸をどうでもいい雑魚に見られるとかないからっ!」
刃炭が掛け布団を捲って身体を隠してベッドから転げ落ち、大也は『手塚流忍法かまいたち・矢返し』を使ったが、そんな物は襲撃者の方も対策済みだ。
投げられた手裏剣やクナイに風忍法対策が施されており、風で軌道を変える事はなかった。
「チッ」
大也が舌打ちする。
数は20本以上ーー逃げられない。
と思うのは雑魚の考えだ。大也は風使い。
ベッドに座ってる状態で『手塚流忍法かまいたち・風舞(高速上昇)』で天井まで移動して手裏剣らを躱したが、手裏剣の中には追尾するように軌道を変える手裏剣も数枚あり、
「ああ、面倒臭い」
大也は賊を睨めば、賊も天井傍まで移動して忍者刀で大也に斬り掛かってきた。
「喰らえ」
刃に雷撃が走ってる。忍法じゃない。忍者刀に仕掛けがされてるのだろう。この調子だと忍者スーツにも触れたら電気や薬品でのカウンターを喰らいそうだ。
「仕方ないな」
大也はパジャマの癖に携帯してたミニカーサイズの紙包みの爆薬を3つ投げた。
無論、それだけではない。『手塚流忍法かまいたち・気流球(高濃度酸素)』付きだ。
それにより爆薬が高濃度酸素と化学反応を起こして異常なほど広範囲に爆発する。
それも気流の影響で大也側には爆風の威力が来ない寸法だ。
どごぉぉぉんっ!
3つの爆薬が間合いを詰めてきた忍者達に炸裂して爆発する。
凄い爆発が室内で発生し、部屋に雪崩れ込んだ賊10人ほどが爆風で吹き飛んで壁に叩き付けられた。
「おっと」
軌道を変えて点字の大也に迫る手裏剣を避けて、ベッドに着地した時、その手裏剣が天井に刺さった。術者が負傷した事で軌道の再修正がなされなかったのだ。
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