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大也、もう美人局には引っ掛からない
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その朝、大鳥邸の客間で大也が目覚めたのは寝返った時に妙な感触が手に伝わった為である。
「?」
眼を覚ましたら眼の前に女の顔があった。
『夢か』と眼を瞑った大也だったが、吐息やら体温やら匂いやらが伝わってきて、
「ーーうおっ!」
大也は大袈裟に驚いてベッドから飛び起きたのだった。
その大也の声で起きた光子が、
「おはようございます、手塚様」
「えっ、いつものメイドさん? 何やってるんの、そんなスケスケのエロイのを着て?」
「昨夜より夜のベッド係になりましたので」
「いらないから、そういうのっ!」
大也がそう言ったのは別に光子の事が気に入らなかったからではない。
寝起きの状態で同じベッドに年上の美女が眠っていたので動転していただけだ。
なので、後でよくよく考えて『あれ、後腐れなく好きなだけヤレるのなら貰っておけばよかった』と後悔するのだが。
「気に要りませんか、私?」
「お姉さんじゃなくてこの状況が凄くね。恋人くらい自分で口説いて見せるから」
その時は勢いでそう宣言してしまったのだった。
◇
朝食時に食堂でもその話題となり、
「迷惑なので止めて下さいね、ああいうの。寝てるところをベッドに忍び込ませるなんて」
大也は大真面目に言った訳だが、颯太、緋色、宗次の3人ともが『外出の記憶はない訳ね』『つまり外出は赤眼で決定か』と別の事を考えていた。
颯太が、
「では別のメイドでも――」
「いえいえ、街で自力で口説きますから。無論、忍者関係のを」
「待った。出来れば大鳥忍軍の出身の中から選んで欲しいんだが」
「えっ、でも断られたんでしょ。あの学校の生徒?」
「だから他のを・・・」
「いやいや、どうせ、みんな断りますって、当主。手塚島って大鳥忍軍では『中の下』ってところですし」
話が拙い方向に流れ始めてる。
3人全員がそう思い、
「いやいや、結構モテモテだと思うぞ」
颯太が軌道修正を図るも、大也が、
「それはありえませんって。現に断られてますし。それにオレも『誰でもいい』って訳ではありませんから。やはり風使いや強い子供を産める女がいいですし」
思惑もなく素で否定し、これでは修正のしようもなく、
「まあ、任せて下さい。ちゃんと恋人をゲットしてみせますから」
何の根拠もないのに大也はそう言い放って次の候補の斡旋の確約すら出来なかった。
◇
そんな訳で、大也は東京観光の傍ら、恋人探しをしに出掛けた。
東京とは怖いところらしい。
今日も午前中から街角で、
「止めて下さい」
「そんな事言わずにいいじゃねえかよ。ヒッヒッヒッ」
若い娘1人が男7人に囲まれて言い寄られていた。
大也はもう美人局を学習した後だ。
なので、まずは『人を殴りたい気分だった』大也は、
「鬱陶しいわ、オレの視界の外でやれっ!」
『手塚流忍法かまいたち・高速移動(鈍速)』を使って問答無用で男7人を殴り飛ばし、
「ヒッ」
「ちくしょう、覚えてろっ!」
男7人が逃げていく中、日本語がペラペラの外人系の黒髪の美女が、
「あの、ありがとうございました。お礼にお茶でも」
「いや、結構」
大也はそうあっさりと断って歩いていったのだった。
その様子を15メートルの距離で見ていた護衛兼監視の二階堂真名武は歩く大也の後を追い、その際に女の方にすれ違って、
「えっ?」
と驚いた。
眼鏡と黒髪のカツラと帽子で変装してるが、まさかの国民的アイドル『エンジェルファイブ』の1人で、金髪ハーフの東名レナだったからだ。
真名武の推しは月火リョーコだったが。
『朝から得したかも』と思いながら真名武は警護対象の大也の後を追った。
「?」
眼を覚ましたら眼の前に女の顔があった。
『夢か』と眼を瞑った大也だったが、吐息やら体温やら匂いやらが伝わってきて、
「ーーうおっ!」
大也は大袈裟に驚いてベッドから飛び起きたのだった。
その大也の声で起きた光子が、
「おはようございます、手塚様」
「えっ、いつものメイドさん? 何やってるんの、そんなスケスケのエロイのを着て?」
「昨夜より夜のベッド係になりましたので」
「いらないから、そういうのっ!」
大也がそう言ったのは別に光子の事が気に入らなかったからではない。
寝起きの状態で同じベッドに年上の美女が眠っていたので動転していただけだ。
なので、後でよくよく考えて『あれ、後腐れなく好きなだけヤレるのなら貰っておけばよかった』と後悔するのだが。
「気に要りませんか、私?」
「お姉さんじゃなくてこの状況が凄くね。恋人くらい自分で口説いて見せるから」
その時は勢いでそう宣言してしまったのだった。
◇
朝食時に食堂でもその話題となり、
「迷惑なので止めて下さいね、ああいうの。寝てるところをベッドに忍び込ませるなんて」
大也は大真面目に言った訳だが、颯太、緋色、宗次の3人ともが『外出の記憶はない訳ね』『つまり外出は赤眼で決定か』と別の事を考えていた。
颯太が、
「では別のメイドでも――」
「いえいえ、街で自力で口説きますから。無論、忍者関係のを」
「待った。出来れば大鳥忍軍の出身の中から選んで欲しいんだが」
「えっ、でも断られたんでしょ。あの学校の生徒?」
「だから他のを・・・」
「いやいや、どうせ、みんな断りますって、当主。手塚島って大鳥忍軍では『中の下』ってところですし」
話が拙い方向に流れ始めてる。
3人全員がそう思い、
「いやいや、結構モテモテだと思うぞ」
颯太が軌道修正を図るも、大也が、
「それはありえませんって。現に断られてますし。それにオレも『誰でもいい』って訳ではありませんから。やはり風使いや強い子供を産める女がいいですし」
思惑もなく素で否定し、これでは修正のしようもなく、
「まあ、任せて下さい。ちゃんと恋人をゲットしてみせますから」
何の根拠もないのに大也はそう言い放って次の候補の斡旋の確約すら出来なかった。
◇
そんな訳で、大也は東京観光の傍ら、恋人探しをしに出掛けた。
東京とは怖いところらしい。
今日も午前中から街角で、
「止めて下さい」
「そんな事言わずにいいじゃねえかよ。ヒッヒッヒッ」
若い娘1人が男7人に囲まれて言い寄られていた。
大也はもう美人局を学習した後だ。
なので、まずは『人を殴りたい気分だった』大也は、
「鬱陶しいわ、オレの視界の外でやれっ!」
『手塚流忍法かまいたち・高速移動(鈍速)』を使って問答無用で男7人を殴り飛ばし、
「ヒッ」
「ちくしょう、覚えてろっ!」
男7人が逃げていく中、日本語がペラペラの外人系の黒髪の美女が、
「あの、ありがとうございました。お礼にお茶でも」
「いや、結構」
大也はそうあっさりと断って歩いていったのだった。
その様子を15メートルの距離で見ていた護衛兼監視の二階堂真名武は歩く大也の後を追い、その際に女の方にすれ違って、
「えっ?」
と驚いた。
眼鏡と黒髪のカツラと帽子で変装してるが、まさかの国民的アイドル『エンジェルファイブ』の1人で、金髪ハーフの東名レナだったからだ。
真名武の推しは月火リョーコだったが。
『朝から得したかも』と思いながら真名武は警護対象の大也の後を追った。
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