9 / 100
大也、颯太の巻き添えで不動忍軍に襲われる
しおりを挟む
大鳥颯太の結婚歴は2回だが、本日8年連れ添った後妻の和美と『離婚』が成立していた。
和美は大鳥忍軍の総帥の嫁だったのだ。当然、大鳥忍軍の秘事を知ってる。その秘事を外部に流出させる訳にはいかない。
つまり大鳥忍軍の総帥の『離婚』とは世間一般では離婚とは言わず『死別』と言った。
死因は病死。
病名はステージ5の進行性の癌。全身に癌が転移して医師達も手の施しようがなかった。
無論、死亡カルテは出鱈目だったが。
何せ、死亡日は3日前なのだから。
その死亡日のトリックは和美の遺体の奪還を許さず、さっさと火葬場で焼く為だ。
これらの情報により、表向き闘病生活の末、死んだ大鳥和美が『どうして死んだのか』事情に詳しい者には簡単に見破れる仕組みな訳だが。
和美の旧姓は不動といった。
不動一族は大鳥忍軍とは別の忍軍だったが、友好関係を結ぶ為の政略結婚として嫁いでる。その和美が殺されてるのだ。
これは不動一族に対する裏切りだった。
大鳥忍軍から『不動一族に宣戦布告した』に他ならず開戦となり、速攻で颯太が狙われた。
ハイヤーの前側を走る護衛車両の爆発と同時に走行中のハイヤーが停車する前に、颯太も大也も近い方のドアから車道に飛び降りて、更に歩道と中央分離帯に移動した。
「何だよ、これ?」
大也が炎上する車両を見た時には歩道側に居た不動一族の攻撃を受けた。
不動一族の妖怪憑きが『ぬりかべ』な事くらいは沖縄県の田舎育ちの大也ですら知っている。足元の煉瓦が敷き詰められた歩道から2組の両腕が伸びてきた。
大也は遠慮なく『手塚流忍法かまいたち・跳躍(弱)』で10メートルのジャンプをして、更に空中で手刀を振って出した『手塚流忍法かまいたち・つむじ風(刃)』でその両腕を当然のように切断した。
切断されて血が噴き出したのは1組の両腕だけだ。もう1組は砂利で出来た偽物の腕だった。
「優秀でいらっしゃる」
やる気満々で眼を輝かせた大也が『手塚流忍法かまいたち・風舞』で風を纏って空中に留まりながら、気配を探る。
そして、ハッと真横のビルに視線を向けた時には、ビルのタイルの中からすり抜けるように人が飛び出てきた。
1人だ。女忍者だった。
20代の黒髪ロングで、赤色の近代的な全身タイツスーツを纏ってる。身体のラインが分かって妙にエロイ。
そして両手の甲には巨大な円盤を装備していた。円盤の縁からギザギザの刃がシャキンッと出て、それを大也に投げてくる。鎖も付いてる。デカイヨーヨーっぽかった。
「馬鹿が」
大也がホルスターから拳銃を抜く。
リボルバーだ。だが、ただの拳銃ではない。
大鳥忍軍が大也の為に用意した風使い専用忍具『風弾銃』だ。
大也は気軽に引き金を引いた。
ドキュンッとの銃声は鳴らない。ポスッとの空気を抜ける音もナシだ。
無音だった。
お陰で引き金を引くカチ、カチッという音が妙に響いていた。
それでも銃口からは風の弾丸が飛び出してる。
風の弾丸1発でギザギザの円盤1個を弾ける威力を持ち、2個ともを弾き返した。
攻撃を仕掛けた女へと。
ギザギザの円盤2個がそのまま凄い勢いで女の身体に直撃する。直撃したが刃諸共、円盤は女の身体をすり抜けた。前身タイツのエロイスーツも無傷。
『ぬりかべ』の忍法だ。無効貫通くらいの芸当は出来る。
大也もそれくらいは予想していたので風の弾丸を発射していた。
風の弾丸も次々に女の身体をすり抜けたが、4発目と5発目の風の弾丸が女に直撃する前にぶつかって弾けると、その衝撃波で女はビルの壁に叩き付けられた。
「何だ。この程度か」
ビルから出てきた女に興味を失い、まだ風を纏って空中に留まってる大也が地面を見ると、両腕を切断された黒色の全身タイツのスーツの男が両膝まで身体を地面から出して自分の切断された両腕を回収して沈むところだったので、カチ、カチッと風の弾丸を放った。
またもや直撃前に風の弾丸同士がぶつかり、弾けて衝撃波を放つ。その衝撃波に叩き付けられてダメージを負って動きを止めた。
「ふん」
気配を辿る。大也を狙ってるのはこの2人だけだ。
他は全部大鳥忍軍の総帥に向かっており、中央分離帯の颯太を見れば、『大鳥流忍法鬼火・火祭り』で5人も燃やして敵を一掃していた。
「やっぱ、巻き添えだよな、これって」
やれやれだな、と大也は被害者ぶったのだった。
和美は大鳥忍軍の総帥の嫁だったのだ。当然、大鳥忍軍の秘事を知ってる。その秘事を外部に流出させる訳にはいかない。
つまり大鳥忍軍の総帥の『離婚』とは世間一般では離婚とは言わず『死別』と言った。
死因は病死。
病名はステージ5の進行性の癌。全身に癌が転移して医師達も手の施しようがなかった。
無論、死亡カルテは出鱈目だったが。
何せ、死亡日は3日前なのだから。
その死亡日のトリックは和美の遺体の奪還を許さず、さっさと火葬場で焼く為だ。
これらの情報により、表向き闘病生活の末、死んだ大鳥和美が『どうして死んだのか』事情に詳しい者には簡単に見破れる仕組みな訳だが。
和美の旧姓は不動といった。
不動一族は大鳥忍軍とは別の忍軍だったが、友好関係を結ぶ為の政略結婚として嫁いでる。その和美が殺されてるのだ。
これは不動一族に対する裏切りだった。
大鳥忍軍から『不動一族に宣戦布告した』に他ならず開戦となり、速攻で颯太が狙われた。
ハイヤーの前側を走る護衛車両の爆発と同時に走行中のハイヤーが停車する前に、颯太も大也も近い方のドアから車道に飛び降りて、更に歩道と中央分離帯に移動した。
「何だよ、これ?」
大也が炎上する車両を見た時には歩道側に居た不動一族の攻撃を受けた。
不動一族の妖怪憑きが『ぬりかべ』な事くらいは沖縄県の田舎育ちの大也ですら知っている。足元の煉瓦が敷き詰められた歩道から2組の両腕が伸びてきた。
大也は遠慮なく『手塚流忍法かまいたち・跳躍(弱)』で10メートルのジャンプをして、更に空中で手刀を振って出した『手塚流忍法かまいたち・つむじ風(刃)』でその両腕を当然のように切断した。
切断されて血が噴き出したのは1組の両腕だけだ。もう1組は砂利で出来た偽物の腕だった。
「優秀でいらっしゃる」
やる気満々で眼を輝かせた大也が『手塚流忍法かまいたち・風舞』で風を纏って空中に留まりながら、気配を探る。
そして、ハッと真横のビルに視線を向けた時には、ビルのタイルの中からすり抜けるように人が飛び出てきた。
1人だ。女忍者だった。
20代の黒髪ロングで、赤色の近代的な全身タイツスーツを纏ってる。身体のラインが分かって妙にエロイ。
そして両手の甲には巨大な円盤を装備していた。円盤の縁からギザギザの刃がシャキンッと出て、それを大也に投げてくる。鎖も付いてる。デカイヨーヨーっぽかった。
「馬鹿が」
大也がホルスターから拳銃を抜く。
リボルバーだ。だが、ただの拳銃ではない。
大鳥忍軍が大也の為に用意した風使い専用忍具『風弾銃』だ。
大也は気軽に引き金を引いた。
ドキュンッとの銃声は鳴らない。ポスッとの空気を抜ける音もナシだ。
無音だった。
お陰で引き金を引くカチ、カチッという音が妙に響いていた。
それでも銃口からは風の弾丸が飛び出してる。
風の弾丸1発でギザギザの円盤1個を弾ける威力を持ち、2個ともを弾き返した。
攻撃を仕掛けた女へと。
ギザギザの円盤2個がそのまま凄い勢いで女の身体に直撃する。直撃したが刃諸共、円盤は女の身体をすり抜けた。前身タイツのエロイスーツも無傷。
『ぬりかべ』の忍法だ。無効貫通くらいの芸当は出来る。
大也もそれくらいは予想していたので風の弾丸を発射していた。
風の弾丸も次々に女の身体をすり抜けたが、4発目と5発目の風の弾丸が女に直撃する前にぶつかって弾けると、その衝撃波で女はビルの壁に叩き付けられた。
「何だ。この程度か」
ビルから出てきた女に興味を失い、まだ風を纏って空中に留まってる大也が地面を見ると、両腕を切断された黒色の全身タイツのスーツの男が両膝まで身体を地面から出して自分の切断された両腕を回収して沈むところだったので、カチ、カチッと風の弾丸を放った。
またもや直撃前に風の弾丸同士がぶつかり、弾けて衝撃波を放つ。その衝撃波に叩き付けられてダメージを負って動きを止めた。
「ふん」
気配を辿る。大也を狙ってるのはこの2人だけだ。
他は全部大鳥忍軍の総帥に向かっており、中央分離帯の颯太を見れば、『大鳥流忍法鬼火・火祭り』で5人も燃やして敵を一掃していた。
「やっぱ、巻き添えだよな、これって」
やれやれだな、と大也は被害者ぶったのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
24
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる