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禊終了
僅か5日で口説き落とすなんて【パリナside】
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私の屋敷に制服姿のマリンピーチが訪ねてきたのはエニスがメイドになって5日目の放課後だった。
「パリナさま、エニスさんを許しましたのでその報告に上がりました」
実は任務の合間を抜け出した竜騎士の制服の私が、
「もう? 休日を数えても5日目よ? まだ1週間経ってないけど、本当にいいの? エニスに甘過ぎない?」
エニスはこの場に居ない。マリンピーチが1人で私を訪ねて来てる。
「エニスさんには十分助けて貰いましたから」
「・・・本当は?」
「申し訳ございません、パリナさま。エニスさんの事をお姉さま以上に好きになってしまって・・・」
乙女のように可愛らしくマリンピーチは頬を染めて視線を逸らしながら告白した。
この顔には見覚えがある。
エニスの事を考えた鏡に映る私の顔もこんな表情だから。
「何があったの?」
「今日の朝までの深夜番でミリアリリー女学園の外周で不覚にも賊の蜘蛛毒にやられてしまい、麻痺してるところをお姫様抱っこされて治癒室まで・・・」
「それで好きになってしまったのね」
あの子はぁ~。僅か5日間でマリンピーチを口説き落とすなんて。手当たり次第ね。
「はい。元々好きでしたが、これ以上は・・・危険水域で、その、このまま傍に居られると私の方が困るというか・・・」
「そう。マリンピーチがそこまで言うならエニスのメイドの罰は許しま商」
「それでは失礼します、パリナさま。時間を作っていただきありがとうございました」
「エニスに告白してもいいけど・・・・・・節度は守るのよ」
「いえ、この想いは秘めたままにします」
「それはそれで辛いわよ? 余り思い詰めないでね」
私が言うと、マリンピーチは曖昧な笑みを浮かべて帰って行ったのだった。
「パリナさま、エニスさんを許しましたのでその報告に上がりました」
実は任務の合間を抜け出した竜騎士の制服の私が、
「もう? 休日を数えても5日目よ? まだ1週間経ってないけど、本当にいいの? エニスに甘過ぎない?」
エニスはこの場に居ない。マリンピーチが1人で私を訪ねて来てる。
「エニスさんには十分助けて貰いましたから」
「・・・本当は?」
「申し訳ございません、パリナさま。エニスさんの事をお姉さま以上に好きになってしまって・・・」
乙女のように可愛らしくマリンピーチは頬を染めて視線を逸らしながら告白した。
この顔には見覚えがある。
エニスの事を考えた鏡に映る私の顔もこんな表情だから。
「何があったの?」
「今日の朝までの深夜番でミリアリリー女学園の外周で不覚にも賊の蜘蛛毒にやられてしまい、麻痺してるところをお姫様抱っこされて治癒室まで・・・」
「それで好きになってしまったのね」
あの子はぁ~。僅か5日間でマリンピーチを口説き落とすなんて。手当たり次第ね。
「はい。元々好きでしたが、これ以上は・・・危険水域で、その、このまま傍に居られると私の方が困るというか・・・」
「そう。マリンピーチがそこまで言うならエニスのメイドの罰は許しま商」
「それでは失礼します、パリナさま。時間を作っていただきありがとうございました」
「エニスに告白してもいいけど・・・・・・節度は守るのよ」
「いえ、この想いは秘めたままにします」
「それはそれで辛いわよ? 余り思い詰めないでね」
私が言うと、マリンピーチは曖昧な笑みを浮かべて帰って行ったのだった。
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