王立ミリアリリー女学園〜エニス乙女伝説・リリーデーの禊編〜

深夜番

ヤマ勘です【サレレアside】

　私はミリアリリー女学園の税法の座学の授業担当の教師、サレレア。

　税法というのは・・・・・・・

　ミリアリリー王国が定めた税に関する法律で、騎士や領主になった際にミリアリリー王国が定めた税法に基づいて徴収しないで違反したりなんかすると、税収側が罰に問われるので意外に重要な授業よ。

　他にも生徒指導もやっているわ。

　私は寮住まいではないけど、今夜は宿直当番で、真面目にパトロールしてたわ。

　鳥を使ってね。

　私の能力は【鳥使い】だから。

　別に継承能力じゃないわよ。

　私だけが能力を身に付けてて。隔世遺伝って奴なのかしら？

　ともかく、そんな訳で、風紀委員会の巡回を見てたら【蜘蛛使い】の凄腕と戦闘になって２年生の生徒が【黒猫】になって撃破してたわ。

　その功績もエニスさんが遠斬りで【蜘蛛使い】の蜘蛛６匹だけを太い斬撃で一瞬で消滅させたからなんだけどね。

　あの時の男の、

「―――なっ！」

　は【黒猫】のシュガーナさんが腹から出てきたのに驚いたんじゃなくて蜘蛛６匹を瞬殺された驚きだったから。

　私は慌てて他の先生達に声を掛けて正門に出向いた時には、騎士団の方が先に到着してて【蜘蛛使い】の男を連れていっていた。





　外周の大通りに出て私が、

「何があったの？」

「レッサーデーモンの召喚した一味で報復に来たようです」

　それが麻痺中のマリンピーチさんをお姫様抱っこしてるエニスさんの答えだった。

「どうして召喚した一味だと？」

「そう指摘したら戦闘を吹っ掛けてきたので」

　確かにそうだけど、何かが抜けてるわ、この報告には。

「どうして気付いたの？」

「ヤマ勘です」

　嘘にしか聞こえないけど、まあ、教える気はなさそうね。

　ミリアリリー女学園は王立なので教師は全員、ミリアリリー王国とは何らかの繋がりがあり、私は騎士団の密偵だから。

　騎士団にも色々あって、私は副団長系列の密偵なんだけどね。

　知ってか知らずか騎士団長宅に下宿人のエニスさんはとぼけてた。

　男を拘束してる騎士団も団長系列だし。

　まあ、これ以上は聞いても答えてくれなさそうなので、

「巡回日誌には記しておいてね」

　そう言って私達教師陣はエニスさん達と一緒にミリアリリー女学園に戻ったのだった。