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深夜番

早く服を着なさい【シュガーナside】

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 時刻は夜4時。

 王都ラサリリーは眠っており、もう殆ど誰もいない。

 ミリアリリー女学園は王都ラサリリーの一等地の表通りに面してる。

 開けて見晴らしも良く、ミリアリリー王国の正規の警備隊の巡回もある。

 だから外周では何もないと思うでしょ?

 それがそうでもないのよ、酔っ払いが居るから。

「イヒヒヒ・・・こんな深夜に若い娘が歩いて何をやってるのかなぁ~。オイちゃんと遊ぶかい?」

 深夜4時に表通りで酒瓶を片手に酔っ払ってるって。ダメな平民の大人の見本よね。

 私は軽蔑したが、エニスさまが、

「気を付けて。酔っ払いじゃないわよ。レッサーデーモンを召喚してた魔術師のボスだから」

 と警告した瞬間、委員長が【加速】状態に入って、

「チィィっ! 噂以上に鼻が利くっ!」

 酔っ払いを演じてた30代の樽腹の男が、信じられない事にバク中5回ひねりで距離を取ったので、私も警戒した。

 委員長が更に追撃する中、

「止まってっ! 【蜘蛛】の【糸】に気を付け・・・・・・」

 エニスさまが言おうとしたけど、委員長が止まれず、

「キャっ!」

 と悲鳴を上げて倒れた。

「【麻痺糸】ってね。まずは1人」

「仕方ない。私が・・・」

 とエニスさまが前に出た時には私が【黒猫】になっていた。

 次期幹部として、委員長がやられて黙ってる訳にはいかないからねっ!

 制服の中から【影渡り】で男の足元に出現して跳び出して【爪強化】で樽腹を引き裂く。

 でも、樽は詰め物の偽物で、

「チィっ! こんな能力のまでっ!」

 男が腹の詰め物を捨てながらバク転7回ひねりをやって距離を取った。

 けどね。

 【影渡り】の前にそんな距離の取り方は・・・

「【影渡り】禁止。足元の【影】に【糸】を張って待ち構えてるから」

 エニスさまの注意を聞いて、私は男の詰め物をなくなった腹から出現して、

「―――なっ!」

 男が驚く中、

 終わりよっ!

 胸を爪で斬り裂き、

「グアアアアア」

 と悲鳴を上げて男が倒れたのだった。





 もちろん、ちゃんと【黒猫】から人間の姿に戻って、深夜の誰も居ない表通りで褐色肌の裸をエニスさまに披露してアピールしたわ。

「こら、シュガーナ。ミリアリリー女学園の外で裸にならないの。早く服を着なさい」

 少し不評っぽかったけど。
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