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深夜番
ミリアリリー女学園の7不思議【シュガーナside】
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ラッキィ~。
今週は委員長と巡回の番が2回とも被ってて、お陰で深夜番の今夜もエニスさまと会う事が出来たわ。
「エニスさんまで付き合う事なかったのに」
「だったら、『もう許した』ってお姉さまに言って欲しいんだけど?」
「休日を含んでもまだ4日目じゃないの。こんなに簡単に許したら私がパリナさまに怒られるわよ」
「そうよね。お姉さまって潔癖だから」
そんな訳で私はエニスさまとミリアリリー女学園内の巡回をした。
夜間の巡回で一番怖いのは(不評なのは)礼拝堂だ。
ミリアリリー女学園の7不思議にもあるくらいで、時々幽霊が出るから。
「清められた礼拝堂の中に幽霊が出るの?」
エニスさまは面白がってたけど、
「はい」
「それは実に興味があるわね」
エニスさまはそう笑って礼拝堂内に出向いた。
ミリアリリー学園の礼拝堂は、女神像が一体鎮座し、長椅子とステンドグラス、パイプオルガンがあるだけの簡素な物だった。
祀る女神は、大地女神ダイアンリアレア様だ。
聖母を思わす女神様で足元には狼のオクチバナスが従っている像だった。
ステンドグラスの所為か、この礼拝堂は相変わらず夜は雰囲気がある。
委員長と私と一緒に巡回してる同じく2年生で、金髪で女子なのにリーゼントの髪型のクリスティーナさんが魔石ランタンで礼拝堂内を照らす中、私が、
「異状なしですね」
「・・・ええ、そうね」
エニスさまが大地女神ダイアンリアレア様の像を興味深そうに眺めながら呟いていた。
次に怖い場所と言えば屋根が崩落して改修中のダンスホールだ。
昔は怖くなかったけど魔力汚染があってから、汚染された魔力が除去された後でも妙に雰囲気があった。
風も気持ち悪いし、時々人魂が出現する心霊スポットだから。
私は眼を凝らした。
ここだけの話だけど、私は【黒猫変身】の能力が開眼したと同時に、人間の時でも【猫目】が使えて暗闇が見渡せるようになっている。
だからクリスティーナさんが魔石ランタンを持ってる訳だし。
それと・・・
3年生が巡回に少ないのは風紀委員会に入会して1年生を放課後に鍛えてるからね。
1年生達はまだ正委員ではなくて仮入会の状態。
正委員になれるかは訓練次第だから。
それと狩猟部での狩猟、または騎乗部での騎乗の外部参加ね。
来年の1月には騎士団入団試験だから訓練に余念がないから(委員長は内定を貰ってるけど)。
皆さん、お忙しいので。
「ここって雰囲気が変ですよね、エニスさま?」
少し寒気を感じた私が問うと、
「らしいわね。人魂が集まってるところを見ると」
エニスさまが視線を向けた先には、人魂どころか、人魂とは系統は違うけど高位のカボチャのランタンが4つ出現してプカプカと浮いていた。
2メートル級が1つと、50センチ級が3つ。
「退治するのよね?」
とエニスさまが尋ねた時には、委員長が【加速】を使って接近し、剣でカボチャのランタン4つ全部を斬り捨てていた。
普通は物理攻撃など効かないけど、特級の魔玉3個付きだからね、委員長の剣は。
それにカボチャのランタンは可愛い(?)外見とは裏腹に、ああ見えて、本当は強いから。
巡回はまだまだ続く。
ミリアリリー女学園の正門前にも来た。
エニスさまが不意に、
「梟で監視されてるっぽいけど?」
「梟なら生徒指導のサレレア先生のペットね。【鳥使い】だから」
「普段は青色のオウムを肩に乗せてる先生よね? なるほど。色々と居るのね」
エニスさまと一緒に正門を出て、ミリアリリー女学園を囲む塀沿いを歩いた。
今週は委員長と巡回の番が2回とも被ってて、お陰で深夜番の今夜もエニスさまと会う事が出来たわ。
「エニスさんまで付き合う事なかったのに」
「だったら、『もう許した』ってお姉さまに言って欲しいんだけど?」
「休日を含んでもまだ4日目じゃないの。こんなに簡単に許したら私がパリナさまに怒られるわよ」
「そうよね。お姉さまって潔癖だから」
そんな訳で私はエニスさまとミリアリリー女学園内の巡回をした。
夜間の巡回で一番怖いのは(不評なのは)礼拝堂だ。
ミリアリリー女学園の7不思議にもあるくらいで、時々幽霊が出るから。
「清められた礼拝堂の中に幽霊が出るの?」
エニスさまは面白がってたけど、
「はい」
「それは実に興味があるわね」
エニスさまはそう笑って礼拝堂内に出向いた。
ミリアリリー学園の礼拝堂は、女神像が一体鎮座し、長椅子とステンドグラス、パイプオルガンがあるだけの簡素な物だった。
祀る女神は、大地女神ダイアンリアレア様だ。
聖母を思わす女神様で足元には狼のオクチバナスが従っている像だった。
ステンドグラスの所為か、この礼拝堂は相変わらず夜は雰囲気がある。
委員長と私と一緒に巡回してる同じく2年生で、金髪で女子なのにリーゼントの髪型のクリスティーナさんが魔石ランタンで礼拝堂内を照らす中、私が、
「異状なしですね」
「・・・ええ、そうね」
エニスさまが大地女神ダイアンリアレア様の像を興味深そうに眺めながら呟いていた。
次に怖い場所と言えば屋根が崩落して改修中のダンスホールだ。
昔は怖くなかったけど魔力汚染があってから、汚染された魔力が除去された後でも妙に雰囲気があった。
風も気持ち悪いし、時々人魂が出現する心霊スポットだから。
私は眼を凝らした。
ここだけの話だけど、私は【黒猫変身】の能力が開眼したと同時に、人間の時でも【猫目】が使えて暗闇が見渡せるようになっている。
だからクリスティーナさんが魔石ランタンを持ってる訳だし。
それと・・・
3年生が巡回に少ないのは風紀委員会に入会して1年生を放課後に鍛えてるからね。
1年生達はまだ正委員ではなくて仮入会の状態。
正委員になれるかは訓練次第だから。
それと狩猟部での狩猟、または騎乗部での騎乗の外部参加ね。
来年の1月には騎士団入団試験だから訓練に余念がないから(委員長は内定を貰ってるけど)。
皆さん、お忙しいので。
「ここって雰囲気が変ですよね、エニスさま?」
少し寒気を感じた私が問うと、
「らしいわね。人魂が集まってるところを見ると」
エニスさまが視線を向けた先には、人魂どころか、人魂とは系統は違うけど高位のカボチャのランタンが4つ出現してプカプカと浮いていた。
2メートル級が1つと、50センチ級が3つ。
「退治するのよね?」
とエニスさまが尋ねた時には、委員長が【加速】を使って接近し、剣でカボチャのランタン4つ全部を斬り捨てていた。
普通は物理攻撃など効かないけど、特級の魔玉3個付きだからね、委員長の剣は。
それにカボチャのランタンは可愛い(?)外見とは裏腹に、ああ見えて、本当は強いから。
巡回はまだまだ続く。
ミリアリリー女学園の正門前にも来た。
エニスさまが不意に、
「梟で監視されてるっぽいけど?」
「梟なら生徒指導のサレレア先生のペットね。【鳥使い】だから」
「普段は青色のオウムを肩に乗せてる先生よね? なるほど。色々と居るのね」
エニスさまと一緒に正門を出て、ミリアリリー女学園を囲む塀沿いを歩いた。
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