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レッサーデーモン騒動
風紀委員会の仕事【マリンピーチside】
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素振りの最中に朝から副委員長のソフトナ・ムーピットさんがレコリーズ伯爵家にやってきた。
ソフトナさんは金髪のショートだが、ボーイッシュじゃなくて実に女性っぽいタイプだった。胸があるからかしら? 子爵令嬢でもある。
メイド姿のエニスさんを見て驚いてたが、すぐに仕事モードに入り、
「昨夜の魔術師が騎士団で口を割ったわ。ネーアス王国から流れてきた魔術師だってさ」
「ネーアス王国? トーキマス連合の更に西の国よね? レッサーデーモンを放った目的は?」
「それが青勇者コイレオスに頼まれたそうよ」
「? 何それ?」
「レッサーデーモンを王都ラサリリーに召喚して青勇者コイレオスが華麗に倒して、我がミリアリリー王国の王妹ルビア様が感激する中、青勇者コイレオスが口説く・・・それがモテモテの青勇者コイレオスが王族を口説く手口だったらしいわ。日程指定だったらしく青勇者コイレオスの到着を待たずに昨日からやってたそうよ」
男嫌いのソフトナさんが軽蔑の口調で私を伝え、
「アジトには後5人仲間が居るそうよ」
と続けた。
「待って。青勇者コイレオスがミリアリリー王国内に居るの? そんな情報聞いた事もないけど」
と極秘来訪を知ってた癖に私は白々しく尋ねた。
「さあ」
と答えるソフトナさんに、私は遅蒔きに、
「? 『仲間が居るそうよ』ってのは? そこまで分かってるなら、もう騎士団が捕縛してるのよね?」
「騎士団は動いてないわ」
「外交問題に発展するから?」
本当に青勇者コイレオスの部下だった?
「いえ、外交問題には発展しないわ。誰も信じてないから。青勇者コイレオスの依頼なんて」
「・・・アジトの襲撃を見合わせてるのは、もしかしてミリアリリー王国の貴族が絡んでるから?」
「そちらもハズレ。貴族じゃなくて縄張り問題の方よ、騎士団が動けないのは。アジトが魔法横丁だから」
私は納得した。
魔法横丁で魔法兵団の管轄の特区だから。
「そしてその情報が私達に伝わってるって事は騎士団はミリアリリー女学園の風紀委員会に丸投げしたのね」
「ええ。ミリアリリー女学園の自警団の学生が動いた分には問題ないから。どうする、委員長?」
「委員を集めて。出動よ」
「そう言うと思って既に招集してるわ」
「さすがはソフトナさん。出発するからミリアリリー女学園の制服を用意して」
私がエニスさんに言うと、メイドのエニスさんが、
「はい、マリンビーチお嬢様」
返事して先に部屋に戻っていった。
ソフトナさんが、
「本当にメイドをやってるのね、エニスさん?」
「ええ、バリナさまのご命令でエニスさんも逆らえずに」
私はその後、着替えて狼車で出発した。
エニスさんも制服に着替えて一緒の狼車に乗って。
王都ラサリリーの魔法横丁。
魔法関係の店が並ぶ魔法特区の1つだ。魔石が欲しければ魔法横丁にくればいい。冒険者ギルドから流れた魔石は一部上質なのを除いて大半がここで売られてるから。
アジト襲撃は簡単だったわ。
風紀委員会20人で襲撃したから。
抵抗があるかと警戒したけど、酒を飲んで潰れてて簡単に御用。
その捕縛した5人を後から駆け付けた魔法兵団に渡して、私達は颯爽とミリアリリー女学園に通学して、そのまま1限目の授業を受けたわ。
朝食は食べ損ねたけどね。
えっ? 風紀委員会とはいえ、学生が、それもミリアリリー女学園の郊外で逮捕権があるのかって?
法解釈的にはないらしいわよ。
でも、長年に渡るミリアリリー女学園の風紀委員会の先輩諸氏の活躍のお陰で、治安機関への協力は出来るらしいわ。
ソフトナさんは金髪のショートだが、ボーイッシュじゃなくて実に女性っぽいタイプだった。胸があるからかしら? 子爵令嬢でもある。
メイド姿のエニスさんを見て驚いてたが、すぐに仕事モードに入り、
「昨夜の魔術師が騎士団で口を割ったわ。ネーアス王国から流れてきた魔術師だってさ」
「ネーアス王国? トーキマス連合の更に西の国よね? レッサーデーモンを放った目的は?」
「それが青勇者コイレオスに頼まれたそうよ」
「? 何それ?」
「レッサーデーモンを王都ラサリリーに召喚して青勇者コイレオスが華麗に倒して、我がミリアリリー王国の王妹ルビア様が感激する中、青勇者コイレオスが口説く・・・それがモテモテの青勇者コイレオスが王族を口説く手口だったらしいわ。日程指定だったらしく青勇者コイレオスの到着を待たずに昨日からやってたそうよ」
男嫌いのソフトナさんが軽蔑の口調で私を伝え、
「アジトには後5人仲間が居るそうよ」
と続けた。
「待って。青勇者コイレオスがミリアリリー王国内に居るの? そんな情報聞いた事もないけど」
と極秘来訪を知ってた癖に私は白々しく尋ねた。
「さあ」
と答えるソフトナさんに、私は遅蒔きに、
「? 『仲間が居るそうよ』ってのは? そこまで分かってるなら、もう騎士団が捕縛してるのよね?」
「騎士団は動いてないわ」
「外交問題に発展するから?」
本当に青勇者コイレオスの部下だった?
「いえ、外交問題には発展しないわ。誰も信じてないから。青勇者コイレオスの依頼なんて」
「・・・アジトの襲撃を見合わせてるのは、もしかしてミリアリリー王国の貴族が絡んでるから?」
「そちらもハズレ。貴族じゃなくて縄張り問題の方よ、騎士団が動けないのは。アジトが魔法横丁だから」
私は納得した。
魔法横丁で魔法兵団の管轄の特区だから。
「そしてその情報が私達に伝わってるって事は騎士団はミリアリリー女学園の風紀委員会に丸投げしたのね」
「ええ。ミリアリリー女学園の自警団の学生が動いた分には問題ないから。どうする、委員長?」
「委員を集めて。出動よ」
「そう言うと思って既に招集してるわ」
「さすがはソフトナさん。出発するからミリアリリー女学園の制服を用意して」
私がエニスさんに言うと、メイドのエニスさんが、
「はい、マリンビーチお嬢様」
返事して先に部屋に戻っていった。
ソフトナさんが、
「本当にメイドをやってるのね、エニスさん?」
「ええ、バリナさまのご命令でエニスさんも逆らえずに」
私はその後、着替えて狼車で出発した。
エニスさんも制服に着替えて一緒の狼車に乗って。
王都ラサリリーの魔法横丁。
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アジト襲撃は簡単だったわ。
風紀委員会20人で襲撃したから。
抵抗があるかと警戒したけど、酒を飲んで潰れてて簡単に御用。
その捕縛した5人を後から駆け付けた魔法兵団に渡して、私達は颯爽とミリアリリー女学園に通学して、そのまま1限目の授業を受けたわ。
朝食は食べ損ねたけどね。
えっ? 風紀委員会とはいえ、学生が、それもミリアリリー女学園の郊外で逮捕権があるのかって?
法解釈的にはないらしいわよ。
でも、長年に渡るミリアリリー女学園の風紀委員会の先輩諸氏の活躍のお陰で、治安機関への協力は出来るらしいわ。
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