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レッサーデーモン騒動
簡潔に報告してみて【セリside】
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騎士団から出向してミリアリリー女学園の教師をやってる私は寮住まいな訳だけど・・・
教師の寮住まいは正直休まらない。
寮に住む代わりに緊急出動が義務付けられてるから。
闘技場に落雷が何度も落ちたから何事かと他の実技の教師数人と出向いてみれば、レッサーデーモンの残骸が4体も転がってた。
そして風紀委員が3人と、エニスさんと、見知らぬ気絶した魔術師の男が1人。
「マリンピーチさん、簡潔に報告してみて」
私の質問に、風紀委員長のマリンピーチさんが、
「レッサーデーモン4体を撃破後、エニスさんがレッサーデーモンを召喚した魔術師を捕縛して合流しました」
「そちらのエニスさんはどうしてこの時間に校内に?」
「幹部生徒としてレッサーデーモンの目撃情報を看過出来なくて」
「嘘よね? 聞いてるわよ、昼間の情報」
「嘘とは少し違いますね。今、私はお姉さまの指示でマリンピーチさんにちぎれるくらい尻尾を振ってる最中ですから。マリンピーチさん個人の為に動いてるだけです」
「その男はこちらで騎士団に突き出しておくわね」
エニスさんが羊皮紙製の巻物を私に渡して、
「レッサーデーモンを召喚する為のマジックアイテムです。この男が所持してました」
「他に何か知り得た情報は?」
「何も」
「そう、御苦労さま。巡回に戻っていいわよ。風紀委は巡回日誌に詳細を記しておいてね」
「はい。では、お願いしますね、セリ先生」
そう言ってマリンピーチさんが他のみんなを連れて闘技場から出て行く中、実技の教師である私達は後片付けをする破目になった。
私はミリアリリー女学園の正門前で騎士団に魔術師の男を引き渡した。
「確かに被疑者を受け取りました」
と答えたのは顔見知りの騎士、正確には私の部下のアレオンとプラゾンの2人組だった。
ほら、私って騎士団からの出向組だから。
えっ? 年は何歳だって?
言う訳ないでしょ。まだ20代とだけは答えておくけどね。
「こっちはレッサーデーモンを召喚するマジックアイテムだそうよ」
「おお、それっぽい。これなら召喚出来るかも」
巻物の内容を見たアレオンが言う中、
「じゃあ、よろしくね」
私は2人にそう指示し、魔術師の男を乗せた蜥蜴車が去るのを見送りながら、
「ミリアリリー女学園を狙った? いえ、近々新王陛下の誕生祭があるんだから、そっちの可能性も・・・気になるわね」
と呟いたのだった。
教師の寮住まいは正直休まらない。
寮に住む代わりに緊急出動が義務付けられてるから。
闘技場に落雷が何度も落ちたから何事かと他の実技の教師数人と出向いてみれば、レッサーデーモンの残骸が4体も転がってた。
そして風紀委員が3人と、エニスさんと、見知らぬ気絶した魔術師の男が1人。
「マリンピーチさん、簡潔に報告してみて」
私の質問に、風紀委員長のマリンピーチさんが、
「レッサーデーモン4体を撃破後、エニスさんがレッサーデーモンを召喚した魔術師を捕縛して合流しました」
「そちらのエニスさんはどうしてこの時間に校内に?」
「幹部生徒としてレッサーデーモンの目撃情報を看過出来なくて」
「嘘よね? 聞いてるわよ、昼間の情報」
「嘘とは少し違いますね。今、私はお姉さまの指示でマリンピーチさんにちぎれるくらい尻尾を振ってる最中ですから。マリンピーチさん個人の為に動いてるだけです」
「その男はこちらで騎士団に突き出しておくわね」
エニスさんが羊皮紙製の巻物を私に渡して、
「レッサーデーモンを召喚する為のマジックアイテムです。この男が所持してました」
「他に何か知り得た情報は?」
「何も」
「そう、御苦労さま。巡回に戻っていいわよ。風紀委は巡回日誌に詳細を記しておいてね」
「はい。では、お願いしますね、セリ先生」
そう言ってマリンピーチさんが他のみんなを連れて闘技場から出て行く中、実技の教師である私達は後片付けをする破目になった。
私はミリアリリー女学園の正門前で騎士団に魔術師の男を引き渡した。
「確かに被疑者を受け取りました」
と答えたのは顔見知りの騎士、正確には私の部下のアレオンとプラゾンの2人組だった。
ほら、私って騎士団からの出向組だから。
えっ? 年は何歳だって?
言う訳ないでしょ。まだ20代とだけは答えておくけどね。
「こっちはレッサーデーモンを召喚するマジックアイテムだそうよ」
「おお、それっぽい。これなら召喚出来るかも」
巻物の内容を見たアレオンが言う中、
「じゃあ、よろしくね」
私は2人にそう指示し、魔術師の男を乗せた蜥蜴車が去るのを見送りながら、
「ミリアリリー女学園を狙った? いえ、近々新王陛下の誕生祭があるんだから、そっちの可能性も・・・気になるわね」
と呟いたのだった。
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