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レッサーデーモン騒動
格好の獲物【セレンside】
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私はセレン。ミリアリリー女学園の2年生だ。
家名はない。3代前から騎士の家柄でも、家名がない家なんてザラだからね。
でも、どこかの貴族の薄まった血が流れてるのか、我が家の家系には【雷属性】という継承能力があり、私も【雷属性】という能力を生まれ持って継承していた。
【雷属性】とは『【雷】と相性が良い』、ただそれだけの能力だが、それでも無いよりはマシだ。
何せ、ミリアリリー女学園にもこの【雷属性】のお陰で入学出来たのだから。
そして、1年生の2月の他校留学生のお別れ会のダンスホールの崩落事故、まあ、その直前の【黒眼操作】の被害者でもある私は崩落前に気絶してたのだけど、その後の魔力汚染で能力を覚醒させていた。
正確には昇格だ。
【雷属性】から見て、ずっと上位能力の【雷鬼】になったのだから。
【鬼】の階級は【王】と【極】の間。
【極】でも凄いのだから、その上の【鬼】はかなり強力だ。
今、ミリアリリー女学園で話題をさらってるエニスさまに浮気した委員長のお姉さまの前年の副委員長もそうで、まあ、強かったからね。
私もそれからは見違えるように【雷】魔法の威力が上がって(【黒眼操作】で能力が身に付くとか騎士団の人に言われてたけど、そっちはなかったわ)、魔法学校への転校を打診されたわ。
まあ、騎士志望なので転校の話は蹴ったけど。
それでも先日の春の乙女祭では、式典委員会の所為で【雷竜属性】のカルネさんに1回戦でボロボロに負けだったけどね。
ってか、【雷竜】の【雷吸収】は反則だから。
そのカルネさんも3回戦でエニスさまに負けたけど。
まあ、エニスさまは凄過ぎるから上を見ずに地道に行きましょう。
何が言いたいかと言えば・・・・・・
レッサーデーモンという獲物は春の乙女祭でフラストレーションを溜めてた私には恰好の獲物だった訳だ。
夜のミリアリリー女学園内の闘技場に出向けば、本当に試合場にレッサーデーモンが居た。
1匹だ。
レッサーデーモンとは低級悪魔。
全長2メートル30センチ級。正直デカイ。
雄型かしら?
強いかどうかは不明。
だって、私はまだ17歳。
レッサーデーモンとは今夜が初対決だから。
「気を付けるのよ、こいつは強いから。後、事前に言った通り、物理攻撃は効かないから。剣には魔力を纏わせるのよっ!」
という委員長の言葉などを無視して、私は攻撃魔法の【雷槍】3本を遠距離から放出した。
2本が直撃。
「グギャアア」
とレッサーデーモンが悲鳴を上げる。
「ああ、もう・・・」
委員長も突進した。
【加速】だ。私よりも早く前に出てレッサーデーモンに急接近する。
拙い。手柄を取られる。
私も後を追った。剣に【雷】を纏って。
レッサーデーモンの方は【火矢】を10本出して攻撃してきた。
私が突っ込んでるのにカウンター気味に。
委員長は人間離れした速度でジグザクに回避ながら突進してるけど、私は、
「こなくそっ!」
横っ跳びで【火矢】を回避した。
だって【雷】で【火矢】なんて相殺出来ないから。
【雷】をぶつけたら爆発する事くらい魔法が素人の私にも分かる。
私が回避する中、委員長は接近してレッサーデーモンの腹に剣で一撃を入れていた。
委員長は伯爵令嬢だから、武器の剣も刀身の腹に特級魔石である魔玉が3個も嵌められた立派な物だ。
私なんて貧乏だから学校指定のを使ってて、お姉さまが見兼ねて下さった使わなくなるなったお古の剣を使ってるのに。
そんな訳で、委員長の剣の一撃で、レッサーデーモンは、
「グギャアアア」
と悲鳴を上げた。
見れば、委員長に斬られた腹の箇所が抉られて紫色の血を流してる。
このままじゃあ、手柄が委員長に取られるわ、と思ったけど、後輩の育成も委員長の仕事の内なのか、【加速】で距離を取ってから、私に、
「とどめは任せたわよ、2人ともっ!」
2人? そう言えば・・・・・・シュガーナさんは?
と思った時にはレッサーデーモンの足元の影から【黒猫】が飛び出してた。
この【黒猫】はシュガーナさんが変身してる【黒猫】だ
シュガーナさんの【黒猫モード】は拙い。
何故なら【黒猫】の姿でも【魔力】が操れるから。
【爪強化】でレッサーデーモンを切り裂き、喉元に【牙強化】で噛み付いた。
「グギャアアア」
レッサーデーモンがダメージを受ける。
レッサーデーモンが張り付いたシュガーナさんに構ってる隙に私は突進して、シュガーナさんが離れた直後に【雷剣】で斬りかかった。
バリバリバリッと強力な【雷撃】を受けて、
「グギャアアアアア」
とレッサーデーモンは消滅した。
ふふふ、倒したのはどうみても私よね。
と勝ち誇った時、委員長が、
「横に倒れるように跳びなさい、セレンっ!」
と叫んだ。
その言葉が持つ真剣さから瞬時に横跳びすると直後に私が立っていた場所に【火矢】が5本降り注いだ。
私が攻撃してきた上空を見上げると、レッサーデーモンが3匹居た。
家名はない。3代前から騎士の家柄でも、家名がない家なんてザラだからね。
でも、どこかの貴族の薄まった血が流れてるのか、我が家の家系には【雷属性】という継承能力があり、私も【雷属性】という能力を生まれ持って継承していた。
【雷属性】とは『【雷】と相性が良い』、ただそれだけの能力だが、それでも無いよりはマシだ。
何せ、ミリアリリー女学園にもこの【雷属性】のお陰で入学出来たのだから。
そして、1年生の2月の他校留学生のお別れ会のダンスホールの崩落事故、まあ、その直前の【黒眼操作】の被害者でもある私は崩落前に気絶してたのだけど、その後の魔力汚染で能力を覚醒させていた。
正確には昇格だ。
【雷属性】から見て、ずっと上位能力の【雷鬼】になったのだから。
【鬼】の階級は【王】と【極】の間。
【極】でも凄いのだから、その上の【鬼】はかなり強力だ。
今、ミリアリリー女学園で話題をさらってるエニスさまに浮気した委員長のお姉さまの前年の副委員長もそうで、まあ、強かったからね。
私もそれからは見違えるように【雷】魔法の威力が上がって(【黒眼操作】で能力が身に付くとか騎士団の人に言われてたけど、そっちはなかったわ)、魔法学校への転校を打診されたわ。
まあ、騎士志望なので転校の話は蹴ったけど。
それでも先日の春の乙女祭では、式典委員会の所為で【雷竜属性】のカルネさんに1回戦でボロボロに負けだったけどね。
ってか、【雷竜】の【雷吸収】は反則だから。
そのカルネさんも3回戦でエニスさまに負けたけど。
まあ、エニスさまは凄過ぎるから上を見ずに地道に行きましょう。
何が言いたいかと言えば・・・・・・
レッサーデーモンという獲物は春の乙女祭でフラストレーションを溜めてた私には恰好の獲物だった訳だ。
夜のミリアリリー女学園内の闘技場に出向けば、本当に試合場にレッサーデーモンが居た。
1匹だ。
レッサーデーモンとは低級悪魔。
全長2メートル30センチ級。正直デカイ。
雄型かしら?
強いかどうかは不明。
だって、私はまだ17歳。
レッサーデーモンとは今夜が初対決だから。
「気を付けるのよ、こいつは強いから。後、事前に言った通り、物理攻撃は効かないから。剣には魔力を纏わせるのよっ!」
という委員長の言葉などを無視して、私は攻撃魔法の【雷槍】3本を遠距離から放出した。
2本が直撃。
「グギャアア」
とレッサーデーモンが悲鳴を上げる。
「ああ、もう・・・」
委員長も突進した。
【加速】だ。私よりも早く前に出てレッサーデーモンに急接近する。
拙い。手柄を取られる。
私も後を追った。剣に【雷】を纏って。
レッサーデーモンの方は【火矢】を10本出して攻撃してきた。
私が突っ込んでるのにカウンター気味に。
委員長は人間離れした速度でジグザクに回避ながら突進してるけど、私は、
「こなくそっ!」
横っ跳びで【火矢】を回避した。
だって【雷】で【火矢】なんて相殺出来ないから。
【雷】をぶつけたら爆発する事くらい魔法が素人の私にも分かる。
私が回避する中、委員長は接近してレッサーデーモンの腹に剣で一撃を入れていた。
委員長は伯爵令嬢だから、武器の剣も刀身の腹に特級魔石である魔玉が3個も嵌められた立派な物だ。
私なんて貧乏だから学校指定のを使ってて、お姉さまが見兼ねて下さった使わなくなるなったお古の剣を使ってるのに。
そんな訳で、委員長の剣の一撃で、レッサーデーモンは、
「グギャアアア」
と悲鳴を上げた。
見れば、委員長に斬られた腹の箇所が抉られて紫色の血を流してる。
このままじゃあ、手柄が委員長に取られるわ、と思ったけど、後輩の育成も委員長の仕事の内なのか、【加速】で距離を取ってから、私に、
「とどめは任せたわよ、2人ともっ!」
2人? そう言えば・・・・・・シュガーナさんは?
と思った時にはレッサーデーモンの足元の影から【黒猫】が飛び出してた。
この【黒猫】はシュガーナさんが変身してる【黒猫】だ
シュガーナさんの【黒猫モード】は拙い。
何故なら【黒猫】の姿でも【魔力】が操れるから。
【爪強化】でレッサーデーモンを切り裂き、喉元に【牙強化】で噛み付いた。
「グギャアアア」
レッサーデーモンがダメージを受ける。
レッサーデーモンが張り付いたシュガーナさんに構ってる隙に私は突進して、シュガーナさんが離れた直後に【雷剣】で斬りかかった。
バリバリバリッと強力な【雷撃】を受けて、
「グギャアアアアア」
とレッサーデーモンは消滅した。
ふふふ、倒したのはどうみても私よね。
と勝ち誇った時、委員長が、
「横に倒れるように跳びなさい、セレンっ!」
と叫んだ。
その言葉が持つ真剣さから瞬時に横跳びすると直後に私が立っていた場所に【火矢】が5本降り注いだ。
私が攻撃してきた上空を見上げると、レッサーデーモンが3匹居た。
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