池田恒興

竹井ゴールド

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1569年、伊勢、志摩、制圧

二条御所完成

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 【織田信長、京で名物召し上げをやったのは松永久秀の入れ知恵、採用】

 【池田恒興、一万貫で町娘のお京を買おうとした説、採用】

 【織田信長、直接内裏の塀を確認して修繕する事を決めた説、採用】

 【織田信長、お京に密偵を放ち、素性を確かめようとした説、採用】

 【お京、内裏の中に消えて正体不明説、採用】

 【池田恒興、近衛前久を視野に入れた説、採用】

 【足利義昭、織田信長の養女との政略結婚がこの時決まっていた説、採用】

 【足利義昭、織田信長の帰りを三条橋の傍で見送った説、採用】





 四月某日。

 信長は京の都で「名物召し上げ」をやった。

 正確には正当な価格での「買い付け」なのだが、何故かそのように言われた。

 信長公記曰く、この時は六点だ。

 こんな知恵を信長に付けたのは松永久秀しか居らず、





「どうも織田が京で軽く見られてる気がする」

 そうボヤく信長に、織田に近付いてる久秀が、

「まさか。公方様を上洛させた信長殿を軽く見る者がこの京に居ようはずがないではありませんか」

「本圀寺の移築の際に金品を献じて止めさせようとした町衆が居たではないか」

「ああ、あれですか」

「オレの決定に口を挟むなどオレを舐めてるとしか思えぬ」

「では」

 悪そうな顔で松永久秀が、

「京の公家や高僧達が羨む名物を所有して箔を付けられてみてはどうですかな、信長殿?」

「どういう意味だ、それは?」

 という具合に話は進み、松永久秀が教えたままの名物を信長が強引に買い付けた訳だが、





 結論としてはそんな事をしなくても良かったのである。





 何故ならば恒興がまたヤラカシたのだから。





 ◇





 二条御所の完成が間近に迫った四月初旬。

 普請が大嫌いな恒興は京の街を馬に乗って警備巡回(抜け出したのではない、という名目)していた。

「いいんですか、殿? 持ち場を離れてるのが露見したら信長様に叱られますよ?」

 恒興は重臣なので一人では出歩けない。

 護衛が後を付いてくるので。

 恒興も護衛を撒いてまで一人で出歩こうとは思わなかった。

 というのも、尾張では信長の同腹の弟でさえ、一人で馬で出歩き、殺されても泣き寝入りとなった出来事があったからだ。

 それには恒興も感じ入るところがあり、やりたい放題の恒興でさえ、この決まり事だけはちゃんと守っていた。

 そして普請と言えば池田家では森寺忠勝なので、伊木忠次の方が恒興の同行者となり、そう忠告したのだが、

「何が悲しくて京まできて普請をやらされなきゃならないんだよ?」

「まあ、それは私も同感ですが」

 などと喋ってると、

「お武家さん、お武家さん」

 と声を掛けられた。

 まだ十二、三のわらべの娘でくたびれた着物を纏っていた。

「あっちへ行け、小娘」

 馬上の忠次が追い払おうとしたが、

「まあ、待て、忠次」

 暇を持て余していた恒興がそう制して、馬上から、

「何だ?」

「私を買ってよ」

 そう言われて恒興はすぐに興味が失せた。

 若いがはるを売る商売女だと勘違いしたからだが、

「一万貫で」

 と続いた為に、恒興でさえ数秒固まってしまった。

 一万貫とはざっくり計算で二万五千石の事である。

「何を言っているんだ、子供が。さっさと・・・」

 呆れた忠次が追い払おうとしたが、面白い事が大好きの信長の傍で育った為、恒興も面白い事が大好きだったので、

「買ったっ!」

 即答した。

「はあ? 殿、何を言って・・・」

「一度に払うのか、一万貫?」

「うん」

「よし、乗れ」

 そう言って恒興は小娘を片手で軽々と馬上まで引き上げた。

「何て名だ?」

「お京」

「ふ~ん、いい名だな」

 と恒興は礼儀として褒めたが、本音は、

(京の都に住んでて「お京」か。ひねりがないな)

 と思っていた。

 偽名とは疑ってはいない。

 鋭くもあり、抜けてるところもあるのが恒興だ。

 慌てて馬で後を追う忠次が、

「殿、一万貫なんて大金、持ってないでしょ」

 池田家の収支決済も把握してるので問うたが、恒興がさらっと、

「持ってる金持ちなら知ってる。出して貰うから大丈夫さ」

 言い、忠次には一瞬誰の事か理解出来なかった。

 正確には知っていたが、さすがの忠次も「恒興が一万貫も信長にねだる」とは思ってはおらず、思考から除外していたのだ。

「? 誰の事ですか? まさかこの前、嵌めた大文字屋ですか? それとも堺の豪商達?」

「そんなの決まってるだろ」

 恒興がニヤリと笑うのを見て、まさか、と気付き、

「・・・嘘ですよね。絶対に怒られますって。止めましょうよ」

 忠次がそう言ったが恒興は止まらず、





 御座所普請のど真ん中で見知った織田家の重臣達や近隣の大名達と真剣に喋っていた信長の許へとやってきた恒興が、

「信長様、買いたい物があるんでお小遣いを下さい」

「そんなの自分の銭で買え、勝」

 移築中の建物を睨み、恒興に見向きもせずに信長は答えた。

「それが高くって」

「いくらだ」

「一万貫」

 額を提示して初めて信長は恒興の方に視線を向けた。

 正確には信長の周囲に居た全員が、だが。

 信長が不機嫌そうに、

「何を買うんだ?」

「このお京が自分に一万貫の値を付けましたので面白そうなので買ってみようかと」

 恒興が誇らしげにそう答える中、信長が胡乱な眼で小汚いお京を見て、

「娘、一万貫で何を買うつもりだ?」

「お塀」

 お京は即答した。

 だが、信長にはその言葉の意味が理解出来なかった。

 恒興も一万貫の使い道など聞いておらず、今が初めてなので当然、理解出来ない。

 信長の周囲の人間も誰も理解出来なかった。

 塀に「お」なんて付けるから。

 「京言葉」か何かと思って

「『おへい』って何だ?」

 恒興が確認の為に聞き、

「えっ、知らないの? あれの事だよ」

 お京が二条御所の内側から塀を指差したのを見て、ようやく「塀だ」と気付く始末だった。

「『おへい』って屋敷を囲う塀の事か?」

「うん」

「どこに塀を買うんだ?」

 恒興が更に詳しく聞き直し、

「帝様のお塀を一万貫で直すの」

 と言ったのを聞き、信長が眼を知的に光らせて、

「娘、その場所に案内せよ」

 普請を部下に続けさせて、馬廻りと一緒に恒興と一緒に馬に乗った娘の先導で、その塀を見に行ったのだった。

 本当に京の中枢、内裏(帝御所)を囲うボロボロの塀がそこには存在し、

「これを直したかったのか?」

「うん」

 お京が返事するのを見て、信長が、

「娘、父親の名を言ってみろ」

「近衛・・・えっと、二条晴良」

 嘘をついてるのが丸分かりの返答だった。

 近衛前久は昨年の十一月に義昭から京からの追放処分を受けてる。

 ボロの着物を着てるのだ。

 さすがに摂関家の娘ではないだろう。

 京の子供だから新しい関白の名前くらい知ってる可能性はあるが、それでも帝に対する忠誠が気に掛かる。

 下級公家の娘の可能性は多分にあった。

「左様か。この塀は信長が直してやろう。村井、すぐに朝廷に連絡を」

「はっ」

「娘、塀が直った時はそこの勝に買われろよ、ハッハッハッ」

 そう上機嫌に笑った信長は馬で二条屋敷の普請場に戻っていった。





 恒興はその後、お京とは京の雑踏で別れて、それっきりとなったが。





 ちゃんと信長は織田家の甲賀者にそのお京の後を尾行させていた。

 恒興は尾行されてる事に気付いていなかった。

 忠次は気付いていたが、織田家の甲賀者だとも気付いていたので恒興には何も伝えなかった。

 というのも、信長や尾張からの譜代に言わせれば、恒興に近付く奴は敵味方と問わず大抵「当たり」なのだ。

 お京は尾行を警戒して何回か後ろを振り返って本人としては尾行を撒いたつもりなのだろうが、甲賀者の組織的な尾行に掛かればまさしく稚戯に等しく簡単に尾行出来た。

 だが、それでも尾行をしていた甲賀衆にも想定していない事がここで起こった。

 お京が牛が引く公家の車に乗り込んだからだ。

 更にあり得ない事が起こった。

 その公家専用の牛車が堂々と内裏の門の中へと消えていったのだ。

 内裏の中まで尾行するのはさすがの甲賀衆達も一存では無理だ。

 町人風の密偵数名を門前に残して、かしらが信長に報告に出向いた。





「何? 公家の牛車に乗ってそのまま内裏の門から内側に消えていっただと?」

 想定外だった報告に信長は真剣な顔になりながら、

(さすがは勝だな。ここまでの「大当たり」を引くとは)

「門前を見張らせていますが、どうしましょう? 内部を探りますか?」

「いや追跡を中止せよ。女官として内裏内に住み込んでる可能性もあるからな」

 と言いながらも、

(勝なら「やんごとなき血筋の姫」を引き当てている可能性もあるが)

 チラッと思った信長は、

「さすがにそれはないか」

 と笑い、報告しにきていたかしらが不思議そうな顔をしたのだった。





 ◇





 数日後には噂となった。

 「一万貫で娘を買った織田の重臣」以上に「内裏の塀の修築を信長が朝廷に打診」の方が。





 そして、これは少し拙かったらしい。





 何故ならば内裏の修繕は代々の室町幕府の将軍、つまりは「天下人の仕事」だったのだから。





 三淵藤英などはその話を聞いた瞬間、

(それ見た事かっ! 織田の魂胆がこれではっきりと見えたわっ!)

 と織田信長を敵認定していきどおったが、





 実は信長は田舎者なので内裏の修繕が天下人の仕事だと知らなかった。





 だが、結果として信長が天下人である事を内外に示す形となり、松永久秀なとは、

(こりゃあ、幕府を捨てるの確定じゃな)

 と感服したのだった。





 それ以降、織田は一切、京では舐められなくなったのだった。





 足利義昭の許に御用伺いにやってきた恒興も田舎者なので内裏の修繕の意味を知らなかった。

 内裏の塀の事など話題になった事がないのだから知らないのは仕方がない。





 仮の御座所にやってきた恒興が、

「何か信長様に御用はございますか?」

 と質問しながら、

(ん? 今日はいつになく不機嫌だな。間もなく二条の御座所が完成だと言うのに)

 恒興が警戒する中、義昭が、

「信長が内裏(帝御所)の塀の普請もすると聞いたが?」

「はい。手柄は当然、信長様の上に立つ公方様の物となりますが駄目でしたか?」

 恒興はさらっとそんな調子の良い事が言える男だった。

 義昭の方がそれには、

「ん? そうなのか?」

「そりゃそうでしょう。えっ、まさか、信長様が公方様を飛び越えて帝にすり寄ったとかそう考えてらっしゃるんですか?」

「いやいや。信長の事、この義昭、ちゃんと信じておるぞ」

 実は内心ではそう考えていた義昭がそうとぼけて取り繕った。

 何故なら朝廷からの要請による内裏(帝御所)の修繕を義昭は拒否していたからだ。

 どうして拒否したかと言えば、義栄の14代将軍就任の報復である。

 まあ、子供のような嫌がらせの一種だったのだが。

 義昭はそのように器の小さい男だった。

 なのに、信長が普請を受けたので義昭の面子は丸潰れになっていたのだ。

「ありがとうございます。ですが、もう少し公方様と信長様の間の人の往来を増やした方がいいかもしれませんね。この程度の事で公方様を不安にさせてしまうなんて」

「いやいや、別に余は不安になどなってはおらんぞ」

 と否定した義昭が別の心配事を思い出して、

「というのも実はな。別件で困った事になっておってその程度の些事さじでは不安になれないのだ」

「三好三人衆がまた何かやりましたか?」

「いや、そっちじゃない。近衛前久だ」

「ああ、公方様が我々が帰った後に京より追放したとかいう偉いお公家様ですね。それが?」

「余を倒そうとなどと恐れ多い事を考えておるそうだ」

「ぷぷぷ、公家ごときに公方様を倒す事など出来る訳がないじゃないですか」

 恒興は笑ったが、

「それが出来るのだ」

 真剣な顔で義昭が囁いた。

「まさか~」

「本当だ。信長を余から引き離せば実に簡単に出来るのだから」

「御冗談を。せっかく苦労して公方様を征夷大将軍にしたのに。公方様が嫌がっても信長様は公方様から離れませんよ」

 これは恒興の個人的な意見だが、信長も賛成するはずだ。

 何せ、まだ上洛の労力、戦費の元が回収出来ていないのだから。

 南近江の領地は確かに貰ったが、それでは「まだ足りない」というのが恒興や信長の意見だった。

 回収するまで義昭から離れる予定はない。

「そう言ってくれるのは嬉しいがな。浅井が正月に出陣しなかったであろう」

「ええ。それが?」

「近衛の差し金だったらしい」

「・・・へえ~」

 新たな敵の登場に恒興は眼を細めた。

「すぐに捕らえさせましょう、その公家」

「それが出来んのだ」

「はい?」

「近衛家は公家の頂点で特別扱いでな。追放がやっとだったのだ。そうでなければ余が、のう」

 そうなのだ。

 昨年十一月、近衛前久を殺す殺さないで揉めに揉めたのだ。

 幕臣ばかりか味方だと思っていた二条晴良までが止めに入って、結局は追放止まり。

 結果、近衛前久の暗躍を許すという始末だ。

 その後に内裏の修繕の話が来て、当然、義昭は怒り任せに断ったが。

「面倒ですね」

「であろう。信長にもくれぐれも言っておいてくれ」

「そんなの自分で言って下さいよ」

「それがな。信長ばかりを贔屓にしてると他の大名がいい顔をしなくてだな」

「公方様は皆の公方様ですからね」

 恒興がそう笑い、

「そういうオベンチャラはいらん。それと副将軍だが勅使が言っても駄目だったのだから、信長、受けんよな?」

「はい」

「では何がいいかのう」

「無論、北畠の南伊勢と朝倉の越前の領土などが」

「それは間もなく信長の物となろうが。他にはないのか?」

「公方様が昼間から酒を飲まずに政務をして下されば」

「しておるぞ、最近は」

「おや、そうなので?」

「うむ。どうせ桜の季節は花見に呼ばれまくるからな。身体を労わる為だが」

「さすがは公方様」

 と追従した恒興が囁くように、

「三好義継を真似るというのはどうでしょうか」

「つまり?」

「公方様のお気に入りの寵姫を信長様の養女として、公方様の正室は公家の二条殿の分ですので、側室にするのは?」

「・・・余に寵姫など居らぬぞ」

「公方様~。足利家の跡継ぎの男子は絶対に必要ですぞ」

「中務や大和守みたいな事を言うではないわ」

 ずっと幕臣達に言われてるのか義昭がうんざりした顔をする中、

「因みにどんな姫がお好みなのですか?」

「そんなの内緒に決まっておろうが」

「ですよね。ともかく寵妃が出来たらお教え下さい。養女にする手筈を整えますので」

「うむ」

 などと喋ったのだった。





 ◇





 二条御所は僅か一月強での完成となった。





 四月十四日に義昭は本圀寺から二条御所へと移り、

「おお、これが我が居城か。さすがは信長であるぞ~」

 義昭はその出来栄えに大いに満足した。

 その後は当然のように完成祝いの酒宴である。

 協力した大名やその重臣達が二条御所に呼ばれての大宴会となった。

 軽い事で有名な義昭だ。

 幕臣達が止める前に自らが酒をついで回り、信長には、

「副将軍、なってくれぬのだよな?」

「はい、寵姫の養父で許して下さいますように」

「うむ」

 などと話したのだった。





 そして四月二十一日には京からのお暇乞いをした訳だが、義昭は今年正月の信長不在時の三好三人衆軍の襲撃に堪えたのか、

「また、すぐに戻ってくるのであろうな、信長?」

「はい、伊勢を平定後に挨拶に」

「約束じゃぞ」

「はっ」

「恒興もだぞ」

「無論です。では、失礼を」

 義昭は三条大橋を渡って、本当に粟田口から信長の行列が見えなくなるまで見送ったのだった。





 ◇





 京から美濃まで徒歩の雑兵の行軍ならば数日掛かるが、せっかちな信長が馬に乗りながら徒歩の行軍速度に合わせて移動する訳もなく、馬廻り(親衛隊)だけでさっさと数日で美濃に帰っていた。

 馬廻りの隊長である恒興も同様に岐阜の城下に到着である。





 池田屋敷に帰ると、

「お帰りなさいませ、父上」

 七条が出迎えてくれた。

 1556年生まれの七条は今年で十三歳だ。

 京で拾ったお京の事を少し思い出しながら、

(お京を抱くとしても数年後だな)

「おお、また美しくなって」

「ありがとうございます、父上」

「これは京土産・・・いや堺土産かな? 七条に似合うであろう」

 恒興が七条に反物を渡すと、

「まずは母上に渡して下さいませ」

「そうだな」

 と恒興はその後、善応院が居る奥の部屋に向かった。

 奥の部屋では善応院が恒興の種だが自分の子供ではない古新を寝かしつけてるところであった。

「ただいま」

「お帰りなさいませ、旦那様」

「これは堺土産な」

 煌びやかな反物を渡した。

「堺にお出でに?」

「家老の信盛殿の任務の補佐でな」

 そんな事を話して一家団欒をしたのだった。





 登場人物、1569年度





 お京(年齢非公開)・・・???

 能力値、???

 村井貞勝(49)・・・織田家の重臣。京奉行の一人。京専任。御所普請奉行も兼務。村井閨閥あり。信長の信頼も厚い。朝廷工作にも関わる。

 能力値、織田家の京奉行の貞勝A、織田家で京で一番B、朝廷工作も担当B、織田二代への忠誠A、信長からの信頼A、織田家臣団での待遇A

 池田七条(13)・・・織田の姫。父は織田信時。母は善応院。養父は池田恒興。

 能力値、織田の姫B、嫁ぎ先は飯尾家B、養父は池田恒興☆。

 善応院(30)・・・恒興の正室。前夫は信長の異母兄の織田信時。前夫との間に娘、七条あり。池田勝九郎の母親。堺土産の反物の目がない。

 能力値、再婚は信長の命令B、姑に頭上がらずSS、政治に口を挟まずA、実家にウンザリA、子育てA、今の生活に満足D
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