59 / 91
1567年、美濃制圧
稲葉山城の戦い
しおりを挟む
【稲葉山城の戦い、九月説、採用】
【稲葉山城の戦い、前哨戦は野戦説、採用】
【稲葉山城の戦い、前哨戦、織田軍5800人説、採用】
【稲葉山城の戦い、前哨戦、斎藤軍4200人説、採用】
【稲葉山城の戦い、前哨戦、織田軍の援軍3000人乱入説、採用】
【稲葉山の戦い、援軍指揮官、坂井政尚説、採用】
【坂井政尚、1527年生まれ説、採用】
【稲葉山の戦い、三日決着説、採用】
【稲葉山の戦い、籠城戦、包囲の鹿垣を作り始めた説、採用】
【稲葉山の戦い、氏家、稲葉の織田投降説、採用】
【斎藤龍興、勝てないと踏んで鹿垣の包囲の完成の前に逃亡した説、採用】
【足利義秋一行、越前を見限るか議論した説、採用】
【武田信景、1531年生まれ説、採用】
九月となった。
織田軍は大々的に小牧山城から美濃に向かって進軍した。
その兵数は5800人。
斎藤側も織田を監視しているので、兵の動員を察知して、兵を集めていたので4200人を動員していた。
斎藤の領土である国衆達にも狼煙の合図や使者を送って兵を出すように指示しているので更に集まるだろう。
斎藤軍は当主の龍興自身が馬に乗って出陣しており、織田軍を見て、
「これくらいの兵数差なら美濃の強兵を擁する我が斎藤軍の方が勝つわ」
「殿、油断はなりませんように。敵も勝てると信じて進軍しているのですから。何か裏があるのやも」
同じく馬に乗る日根野弘就が諭した。
「裏切りとかか?」
「もしくは奇計とか。牙殿達が居ればその辺は分かるのでしょうが。私には皆目見当も付かず」
「ふむ、油断はせぬので安心せよ。全軍かかれっ!」
龍興はそう命令を下してその命令で先鋒の将、竹腰尚光は突撃したのだった。
迎え討つ織田軍の先鋒は森可成である。
「かかれっ!」
そのまま斎藤軍に突進して激突した。
兵の強さは美濃に軍配が上がってるが。
実は地味に世間に流布されてる「悪逆非道の六悪人」の流言が効いていた。
斎藤龍興は今更悪名など別名の一つ程度に考えていたが、善良な美濃の民で構成された雑兵達は違う。
将軍殺しの三好と結んだ龍興の許で戦うのは「悪に加担してる」事となり、士気が自然と落ちていた。
「皆、もっと気合を入れろっ!」
尚光が兵を鼓舞する中、流れ矢が喉に命中し、うぐっ、と悲鳴を上げて落馬した。
「竹腰様? し、死んでる・・・」
心配した側近が慌てて駆け寄り、竹腰尚光の討ち死にを確認したのだった。
斎藤軍の本陣に、
「竹腰様、お討ち死にっ!」
との伝令が届いた。
劣勢な戦況に龍興が苛立たしく、
「くそっ!」
「このままでは前線が・・・オレが出ますっ!」
日根野弘就が向かおうとしたが、龍興が、
「待て、弘就。長井、おまえが向かえっ!」
指名された長井道利が、
「ですが」
お得意の台詞を吐いたが、隣に控える嫡子の長井道勝が、
「行って参りますっ!」
そう言って馬を走らせ、
「息子の方が役立つではないか。ほれ、長井、行って来い」
「はっ!」
仕方なく道利も前線に出向いたのだった。
正面からの激突となったこの戦の戦況が大きく動いたのは斎藤軍の後方に織田軍の伊勢侵攻部隊3000人が現れた時だ。
滝川一益は北伊勢で分捕った城の防御に回っているので、伊勢部隊の副将の坂井政尚が、
「かかれっ!」
命令し、おおっ、と鬨を上げて別動隊が後方から斎藤軍に突撃した。
斎藤軍の背後から鬨の声が聞こえたのを受けて、織田軍の本隊で馬廻りの隊長をやっていた恒興が、
「おっ、ようやく坂井殿の到着か」
その横では斎藤軍を挟んでるのでその後方が見えず、油断していない信長が、
「まだ分からんぞ、斎藤の援軍の可能性もある。確認しろ、勝っ!」
「はっ」
と答えた恒興が、
「斥候を放って斎藤軍の背後の軍の所属を調べろっ!」
馬廻りの斥候部隊に指示を出した。
斎藤軍の本隊では鬨の声に反応して龍興が振り返って、
「何だ?」
確認していた。
すると織田軍が迫ってくる。
「後方より敵兵、織田軍ですっ!」
「その数、3000人っ!」
分かり切った報告が続々と耳に届く。
「どうして織田軍が後方に回り込めたんだ?」
斎藤龍興はそう疑問を呟きながらも、既にどういう状況か理解していた。
美濃育ちなのだ。
いくら暗愚扱いされようとも美濃の地理くらいはしっかりと頭の中に入ってる。
あの織田軍が尾張から迂回して後方に回り込んだのならば、西美濃を通って長良川を渡河してきた以外はあり得ない。
だが西美濃はまだ斎藤家の支配圏だ。
織田軍が無傷で通れる訳がない。
斎藤家の支配圏の武将が織田に寝返らない限りは。
「やはり安藤かっ! あの時に殺しておけば、こんな事にはーー」
龍興がそう吐き捨てる中、
「稲葉山城に退きますぞ、殿」
日根野弘就が指示した。
「待て。例え背後に敵がいようとまだ戦えるぞ」
「無理ですよ。それよりも稲葉山城に籠城して、他の美濃の国衆の援軍が後方から織田軍を叩く時に攻めた方がまだ勝ち目はあります」
「クソ」
と叫んだ龍興は、
「全軍撤退だっ!」
そう叫んで、後方の織田軍別動隊を迂回しながら稲葉山城に逃げたのだった。
◇
二日後。
斎藤軍が籠もった稲葉山城まで織田軍は詰め寄せていた。
織田軍の兵数は更に増えて1万1000人になっていた。
稲葉山城は難攻不落だが、今回は本気で攻め滅ぼすつもりなので、織田軍はまずは城下に焼き打ちを掛けた。
総てを燃やし、住民を城側、または外側に追いやる。
風があって盛大に燃えたが。
そして織田軍は稲葉山城を完全に包囲した。
本陣に全部将を集める。
鹿垣を組む為の普請決めをする為だ。
図面を見ていた秀吉が不思議そうに、
「信長様、柴田様の担当する場所が手薄なのでは?」
「あえて手薄にしておるのよ、サル。権六、仕上げは任せたぞ」
信長がニヤリとし、柴田勝家が、
「はっ、討ち取って御覧に入れます」
「うむ」
と作戦を立ててから、本当に鹿垣を積み始めた。
鹿垣とは早い話が石で積んだ塀である。
つまり織田軍は今回、斎藤軍を一兵たりとも逃がすつもりはないという事だった。
その様子を稲葉山城の物見櫓から見下ろした斎藤龍興が、
「今回は織田軍も本気なようだのう」
「あちらを御覧を、殿。氏家殿の旗と、稲葉殿の旗が・・・」
日根野弘就が指差した。
何せ、美濃の稲葉山城の周囲には何もなく見晴らしが良い。
総てが一望出来た。
「よし、出陣の準備だっ! ジイ達が織田軍に突撃したら城門を開けて挟撃するぞっ!」
勝ち筋が見えて、喜んだのは龍興だけではない。
稲葉山城に籠もった兵士達も西美濃の援軍に喜んだ。
だが、その援軍1500人がそのまま織田軍の本陣を襲わずに合流したのだから唖然である。
「はあ? どういう事だ?」
龍興が仰天し、
「ま、まさか」
弘就が最悪の状況を想像し、
「ーー寝返ったのか、牙殿達は」
分かり切った事をわざわざ口にしたのは、やはり長井道利だった。
龍興が冷淡に、
「貴様ら、氏家のジイとは従兄弟同士だったな?」
「なっ、オレをお疑いなのですか? 長井はともかくオレは違いますよっ!」
「それはないだろ、徳太郎」
「なれなれしいぞ。縁は切れてるのだから姓で呼べ」
などと喋ってる二人を見ながら龍興が、
(・・・拙いぞ。氏家のジイが織田に寝返るとは想定外だ。だとしたらコイツラも・・・稲葉山城で籠城なんてしたら、いつ寝首を掻かれるか。逃げねば。だが、どこに? んん、あの方角、兵が薄いような)
頭を働かせて生き残る方法を考えたのだった。
一方、織田の本陣では、
「二人とも良く来てくれたな。蝮の牙と称される二人が来てくれて嬉しいぞ」
信長がそう歓迎し、
「決戦に遅れてしまい申し訳ございません。この土産で許して下さりませ」
実は西美濃三人衆の中で一番最初に内応の約束をした氏家直元がそう信長の前で頭を下げ、
「こちらも土産がありますので、それで許して下さいませ」
稲葉良通も頭を下げた。
氏家直元が信長に献じた土産は猿轡をされて縛られた安藤守就で、稲葉良通の土産は猿轡をされて片腕を後ろに縛られた安藤定治だった。
両名を見た信長が、
「誰だ、ソイツラは?」
「安藤守就です」
「んんっ」
直元に紹介された安藤守就が暴れ、
「こっちはその息子の安藤定治です。何故か襲ってきたので捕縛しておきましたが」
「んんんっ!」
良通の説明で安藤定治が暴れた。
因みに信長は定治とは会見済みだ。
どうでも良かったので素で忘れていたが。
「竹中、本人か?」
信長に問われて、参謀として本陣に居た竹中重治が、
「はい、両名とも」
「オレに投降すると書状を送ってきたはずだが、兵も連れてきてないところを見ると投降の書状は斎藤が負けた際の逃げ道程度だったようだのう」
信長がつまらなそうに二人を見下ろし、
「勝、どう裁く?」
「斎藤家の重臣ならばこれですが」
首の前に手刀を滑らせたが、
「重臣だけが知る斎藤家の秘密とかを信長様に献じたら、それはそれで功積となるかと」
「例えば?」
信長の問いに、恒興が、
「城で定番の抜け道とか、蝮の落胤とか」
軽口を叩き、竹中重治が、
(・・・鋭いのとは少し違うな。鼻が利くという奴か?)
片眉を軽く動かし、知ってるとばかりに安藤守就が頷いた。
「知ってるみたいですよ、こっち」
「猿轡を外してやれ」
信長の命令で近習の毛利良勝が、
「余計な事は喋らぬ方が身の為だぞ。聞かれた事だけを答えるように」
と教えてから猿轡を外した。
「稲葉山城には抜け道が確かにございます。婿が調べた」
信長が冷めた眼で竹中重治を見て、
「聞いてないが」
「てっきり濃姫から聞かれてた愚考致しまして」
さらりと重治が答えた。
「竹中~。おまえがそんなヘマをする訳がないだろうが~。わざとならわざと教えなかったとちゃんと白状しろよな~。信長様はそっちの方が嫌いないんだからよ~」
恒興がそう絡む中、信長が、
「では、龍興が脱出に使う可能性も・・・」
そう問おうした時、鬨の声が上がった。
信長が怪訝そうに視線を向けて、
「何だ?」
「斎藤軍が撃って出てきました。その数、300」
伝令が様子を伝える中、
「上手い」
恒興が呟き、
「ほう、鹿垣を作る前に。方角によっては逃げられるやも」
竹中重治も呟いた。
それを聞いた信長が、
「猪口才なっ! 城に押し戻せっ!」
そう命令したが、恒興が慌てて、
「いけません、信長様、本陣の兵を動かしては。この二人の兵1500が本陣の近くにおりますれば」
「待たれよ、投降したワシラを疑っておるのか?」
「それはないだろ」
直元と良通が恒興に抗議する中、
「違いますって。雑兵の方です。ちゃんと兵が織田に味方する事を納得していなかった場合、大変な事に・・・」
「チッ」
恒興の説明を理解した信長が兵を動かすのは危険だと判断する中、伝令が、
「斎藤軍、城を捨て、西の方角に逃げていきます」
「オイシイ手柄は結局、柴田が取る訳ね」
恒興は勝家が敵の大将首を落とす事を疑わなかったが、
斎藤軍に狙われた柴田隊では中村文荷斎が、
「クソ、殿が鹿垣の石を集めに出掛けてる時に突撃してくるとはっ! 絶対に逃がすなよっ! その中に大将首の斎藤龍興が居るはずだからなっ!」
と奮戦したが、柴田隊は400で、石集めに出掛けた柴田勝家に力自慢が同行した為に、
「邪魔だっ!」
馬に乗った先駆けの日根野弘就が柴田隊を破り、その背後を馬に乗った斎藤龍興と長井道利も通過したのだった。
柴田隊を指揮した中村文荷斎の奮戦で突破したのは20騎程だったが、その少数の中に斎藤家の幹部達が居り、そのまま母で長良川を下っていった。
織田の本陣では、
「報告、斎藤龍興と思われる上将が舟に乗って長良川を下っております」
「あらら、悪知恵の柴田らしからぬ失態だな。夜に備えて昼寝でもしてやがったのか?」
恒興が呆れる中、信長が激昂して、
「柴田に追わせろっ!」
「我らは?」
恒興の問いに、信長が、
「稲葉山城だ。おまえ達三人には投降を呼び掛けて貰うぞ。斎藤龍興の有無の確認も忘れるな」
そう蝮の牙である氏家直元、安藤守就、稲葉良通を見て、
稲葉山城の城門の前で、
「稲葉山城に籠もる兵隊よっ! 悪い事は言わん、投稿せよっ!」
「今なら命は取らぬっ!」
「武器を捨て、直ちに城門を開けよっ!」
西美濃三人衆がそう呼び掛けると、三人の美濃でのこれまでの功績が凄かったのか、それとも斎藤龍興以下幹部達の不在ではもう戦えないと判断したのか、信じられない事に白旗と共に城門が開いたのだった。
城門が開き、稲葉山城から武器を捨てた美濃兵が出てくる様子を見ていた恒興が、
「最後は呆気ないものですね、信長様」
「まあな」
信長は次の事に思案を巡らせながらそう呟いたのだった。
◇
そして越前一乗谷の安養寺に居る足利義秋はと言えば、
「もう九月だぞ? 昨年の九月に若狭から越前に辿り着いたのだから丸一年、越前に居た事になるではないか。関東管領上杉は何をやっているのだ? どうして兵を率いて越前にやって来ない?」
現実をまるで知らない夢物語を口にして憤っていた。
「関東で逆らう北条との戦が続いていると聞いております」
三淵藤英が代表して現実を教えるも、
「北条には上杉に臣従するよう書状を送ったではないか」
この始末である。
義秋の頭の中では全国の大名達は足利幕府に従うと思っていた。
書状一つで大名が平伏するのなら先代義輝は三好相手に苦労などしていないというのに。
「そもそも朝倉もだ。どうして兵を挙げぬ?」
「『上杉殿が軍勢を引き連れてくるのを待つ』と言っております。裏を返せば朝倉の独力では三好に勝てぬと判断しているようです」
「尾張の織田が遂に美濃を平定したとか。南近江を抜ければ京までは楽に辿り着けるのでそちらを頼られたら良いかと愚考致します」
細川藤孝と和田惟政が答えた。
二人は「朝倉では無理だ」と思ってる筆頭だ。
何せ、越前朝倉は加賀に一向一揆を抱え、家中には当主の義景に臣従していない朝倉一族が蔓延っている。
当主の義景を説得してもどうにもならないと分析しているのだから。
「ふむ、どう思う、信景?」
義秋は昨年から仕えてる武田義統の弟の武田信景に尋ねた。
「間もなく冬です。上杉は雪では身動きは取れぬ以上、今年はもう上洛は無理かと。来年、上杉が来ぬのであれば、上杉は諦めて他を頼るべきかと」
信景が答える中、明智光秀が渋い顔で、
「悠長過ぎませんか? すぐに越前を発つべきだと思いますが」
「いやいや、私は上杉を待つべきだと思うぞ。上杉の兵は強いからな」
そうずれた進言をしたのは一色藤長である。
この男が居る為に義秋も越前を捨て切れず、まだ一乗谷に滞在する事になったのだった。
登場人物、1567年度
日根野弘就(49)・・・斎藤家の家老。美濃本田城主。通称、徳太郎。兜作りの名人。先代、義龍の寵臣。斎藤喜平次、孫四郎を暗殺した事で有名。氏家閨閥のナンバー2。
能力値、兜作りの日根野B、氏家閨閥の次席A、判断が悪いC、義龍への義理S、龍興からの信頼D、斎藤家臣団での待遇A
竹腰尚光(36)・・・斎藤家の家老。竹腰道鎮の息子。氏家直元に取られた大垣城の奪還を目論む。堂洞合戦で被弾。稲葉山城の戦いで流れ矢に当たって討ち死に。
能力値、美濃の家宰C、旧領奪還の悲願A、沈む舟から逃げずA、龍興への忠誠A、龍興からの信頼A、本日の運勢最悪★★★
森可成(45)・・・織田家の第四家老。金山城主。織田二代に仕える。信長のお気に入り。美濃攻めの織田軍先鋒。攻めの三左。正室は林秀貞の系譜ではない。
能力値、攻めの三左S、豪傑が集うA、信長のお気に入りS、織田二代への忠誠S、信長からの信頼A、織田家臣団での待遇A
長井道利(46)・・・斎藤家の家老。武田と個人的に誼を通じる。戦下手過ぎて道三の子供の噂を払拭中。口癖はですが。氏家が寝返り、疑われる。
能力値、長良川の戦いの元凶A、蝮の落とし子の噂E、道三嫌いSS、龍興への忠誠D、龍興からの信頼A、斎藤家臣団での待遇A
長井道勝(29)・・・長井道利の息子。長良川の戦いで道三を捕縛寸前まで追い詰める。道三を手本とする。稲葉山城の脱出の際に置いていかれる。
能力値、蝮手本の道勝C、星周りが悪いB、恥ずかしい父が居るA、龍興への忠誠C、龍興からの信頼D、斎藤家臣団での待遇E
坂井政尚(40)・・・織田家の家臣。馬廻りの幹部。古参の織田に仕えた美濃衆。坂井大膳亮、坂井利貞とは遠縁。伊勢侵攻の副将。
能力値、高名比類なきの政尚B、坂井氏は尾張では意外に名門A、川越え上手B、信長への忠誠A、信長からの信頼A、織田家臣団での待遇B
柴田勝家(37)・・・織田家の第六家老。豪傑の容姿とは裏腹に策士。甲斐武田と密約を交わす。信長優先で池田恒興の殺害は中止。稲葉山城で手柄を取り損なう。
能力値、悪知恵の柴田A、見た目通りの剛力S、生傷が絶えずB、織田家への忠誠D、信長からの信頼E、織田家臣団での待遇C
稲葉良通(51)・・・斎藤家の六宿老。別名、彦四郎。蝮の八の牙。きかん坊。誠の仁者。織田に内応。領土を安堵される。
能力値、蝮の八の牙の良通S、きかん坊A、誠の仁者C、信長への忠誠C、信長からの信頼D、織田家臣団での待遇C
安藤守就(54)・・・斎藤家の六宿老の一人。西美濃三人衆の一人。娘婿が竹中重治。母が稲葉良通の伯母。指7本を失う。変名、伊賀伊賀守。氏家に捕縛される。
能力値、蝮の七の牙の守就A、底意地悪いの安藤A、謀将の器に非ずB、信長への忠誠D、信長からの信頼D、織田家臣団での待遇D
安藤定治(37)・・・斎藤家の家老。安藤家の当主。父親は安藤守就。従兄は稲葉良通。父同様に策士だが、牙達によって貧乏を引かされて左腕を失う。稲葉に返り討ちに遭う。
能力値、片腕落としの定治B、底意地悪いの安藤A、牙達と比べたら格が落ちるA、信長への忠誠E、信長からの信頼D、織田家臣団での待遇D
毛利良勝(28)・・・織田家の家臣。信長の近習。改名前は新介。織田家で知らぬ者なし。今川義元を討った男。
能力値、今川義元を討った男SS、織田家で知らぬ者なしSS、森可成の推薦A、信長への忠誠S、信長からの信頼B、信長家臣団での待遇A
中村文荷斎(33)・・・勝家の家臣幹部。勝家の子飼い。勝家の知恵袋。正室は柴田勝家の養女。木曽で拷問を受ける。勝家の留守中に突撃されて龍興を逃がす。
能力値、勝家への忠誠SS、知恵袋の文荷斎B、槍働きC、他人が馬鹿に見えるA、信勝が勝てば良かったと思ってるS、頓馬の文荷斎E
一色藤長(46)・・・足利義秋の奉公衆。色部一色家出身。官位、式部少輔。一色の名跡を斎藤義龍に売る。上杉軍上洛論を展開して足利義秋を越前に釘付けにする。
能力値、足引っ張りの藤長A、信長の怒りを買うA、要領悪しC、義秋への忠誠C、義秋からの信頼C、越前での待遇C
武田信景(36)・・・足利義秋の奉公衆。若狭武田氏出身。母は六角定頼の娘。兄の命令で足利義秋に仕える。若狭の兄の葬儀には出席した。
能力値、海流読みの信景、朝鮮語が出来るC、兄の命令S、義秋への忠誠B、義秋からの信頼C、越前での待遇C
【稲葉山城の戦い、前哨戦は野戦説、採用】
【稲葉山城の戦い、前哨戦、織田軍5800人説、採用】
【稲葉山城の戦い、前哨戦、斎藤軍4200人説、採用】
【稲葉山城の戦い、前哨戦、織田軍の援軍3000人乱入説、採用】
【稲葉山の戦い、援軍指揮官、坂井政尚説、採用】
【坂井政尚、1527年生まれ説、採用】
【稲葉山の戦い、三日決着説、採用】
【稲葉山の戦い、籠城戦、包囲の鹿垣を作り始めた説、採用】
【稲葉山の戦い、氏家、稲葉の織田投降説、採用】
【斎藤龍興、勝てないと踏んで鹿垣の包囲の完成の前に逃亡した説、採用】
【足利義秋一行、越前を見限るか議論した説、採用】
【武田信景、1531年生まれ説、採用】
九月となった。
織田軍は大々的に小牧山城から美濃に向かって進軍した。
その兵数は5800人。
斎藤側も織田を監視しているので、兵の動員を察知して、兵を集めていたので4200人を動員していた。
斎藤の領土である国衆達にも狼煙の合図や使者を送って兵を出すように指示しているので更に集まるだろう。
斎藤軍は当主の龍興自身が馬に乗って出陣しており、織田軍を見て、
「これくらいの兵数差なら美濃の強兵を擁する我が斎藤軍の方が勝つわ」
「殿、油断はなりませんように。敵も勝てると信じて進軍しているのですから。何か裏があるのやも」
同じく馬に乗る日根野弘就が諭した。
「裏切りとかか?」
「もしくは奇計とか。牙殿達が居ればその辺は分かるのでしょうが。私には皆目見当も付かず」
「ふむ、油断はせぬので安心せよ。全軍かかれっ!」
龍興はそう命令を下してその命令で先鋒の将、竹腰尚光は突撃したのだった。
迎え討つ織田軍の先鋒は森可成である。
「かかれっ!」
そのまま斎藤軍に突進して激突した。
兵の強さは美濃に軍配が上がってるが。
実は地味に世間に流布されてる「悪逆非道の六悪人」の流言が効いていた。
斎藤龍興は今更悪名など別名の一つ程度に考えていたが、善良な美濃の民で構成された雑兵達は違う。
将軍殺しの三好と結んだ龍興の許で戦うのは「悪に加担してる」事となり、士気が自然と落ちていた。
「皆、もっと気合を入れろっ!」
尚光が兵を鼓舞する中、流れ矢が喉に命中し、うぐっ、と悲鳴を上げて落馬した。
「竹腰様? し、死んでる・・・」
心配した側近が慌てて駆け寄り、竹腰尚光の討ち死にを確認したのだった。
斎藤軍の本陣に、
「竹腰様、お討ち死にっ!」
との伝令が届いた。
劣勢な戦況に龍興が苛立たしく、
「くそっ!」
「このままでは前線が・・・オレが出ますっ!」
日根野弘就が向かおうとしたが、龍興が、
「待て、弘就。長井、おまえが向かえっ!」
指名された長井道利が、
「ですが」
お得意の台詞を吐いたが、隣に控える嫡子の長井道勝が、
「行って参りますっ!」
そう言って馬を走らせ、
「息子の方が役立つではないか。ほれ、長井、行って来い」
「はっ!」
仕方なく道利も前線に出向いたのだった。
正面からの激突となったこの戦の戦況が大きく動いたのは斎藤軍の後方に織田軍の伊勢侵攻部隊3000人が現れた時だ。
滝川一益は北伊勢で分捕った城の防御に回っているので、伊勢部隊の副将の坂井政尚が、
「かかれっ!」
命令し、おおっ、と鬨を上げて別動隊が後方から斎藤軍に突撃した。
斎藤軍の背後から鬨の声が聞こえたのを受けて、織田軍の本隊で馬廻りの隊長をやっていた恒興が、
「おっ、ようやく坂井殿の到着か」
その横では斎藤軍を挟んでるのでその後方が見えず、油断していない信長が、
「まだ分からんぞ、斎藤の援軍の可能性もある。確認しろ、勝っ!」
「はっ」
と答えた恒興が、
「斥候を放って斎藤軍の背後の軍の所属を調べろっ!」
馬廻りの斥候部隊に指示を出した。
斎藤軍の本隊では鬨の声に反応して龍興が振り返って、
「何だ?」
確認していた。
すると織田軍が迫ってくる。
「後方より敵兵、織田軍ですっ!」
「その数、3000人っ!」
分かり切った報告が続々と耳に届く。
「どうして織田軍が後方に回り込めたんだ?」
斎藤龍興はそう疑問を呟きながらも、既にどういう状況か理解していた。
美濃育ちなのだ。
いくら暗愚扱いされようとも美濃の地理くらいはしっかりと頭の中に入ってる。
あの織田軍が尾張から迂回して後方に回り込んだのならば、西美濃を通って長良川を渡河してきた以外はあり得ない。
だが西美濃はまだ斎藤家の支配圏だ。
織田軍が無傷で通れる訳がない。
斎藤家の支配圏の武将が織田に寝返らない限りは。
「やはり安藤かっ! あの時に殺しておけば、こんな事にはーー」
龍興がそう吐き捨てる中、
「稲葉山城に退きますぞ、殿」
日根野弘就が指示した。
「待て。例え背後に敵がいようとまだ戦えるぞ」
「無理ですよ。それよりも稲葉山城に籠城して、他の美濃の国衆の援軍が後方から織田軍を叩く時に攻めた方がまだ勝ち目はあります」
「クソ」
と叫んだ龍興は、
「全軍撤退だっ!」
そう叫んで、後方の織田軍別動隊を迂回しながら稲葉山城に逃げたのだった。
◇
二日後。
斎藤軍が籠もった稲葉山城まで織田軍は詰め寄せていた。
織田軍の兵数は更に増えて1万1000人になっていた。
稲葉山城は難攻不落だが、今回は本気で攻め滅ぼすつもりなので、織田軍はまずは城下に焼き打ちを掛けた。
総てを燃やし、住民を城側、または外側に追いやる。
風があって盛大に燃えたが。
そして織田軍は稲葉山城を完全に包囲した。
本陣に全部将を集める。
鹿垣を組む為の普請決めをする為だ。
図面を見ていた秀吉が不思議そうに、
「信長様、柴田様の担当する場所が手薄なのでは?」
「あえて手薄にしておるのよ、サル。権六、仕上げは任せたぞ」
信長がニヤリとし、柴田勝家が、
「はっ、討ち取って御覧に入れます」
「うむ」
と作戦を立ててから、本当に鹿垣を積み始めた。
鹿垣とは早い話が石で積んだ塀である。
つまり織田軍は今回、斎藤軍を一兵たりとも逃がすつもりはないという事だった。
その様子を稲葉山城の物見櫓から見下ろした斎藤龍興が、
「今回は織田軍も本気なようだのう」
「あちらを御覧を、殿。氏家殿の旗と、稲葉殿の旗が・・・」
日根野弘就が指差した。
何せ、美濃の稲葉山城の周囲には何もなく見晴らしが良い。
総てが一望出来た。
「よし、出陣の準備だっ! ジイ達が織田軍に突撃したら城門を開けて挟撃するぞっ!」
勝ち筋が見えて、喜んだのは龍興だけではない。
稲葉山城に籠もった兵士達も西美濃の援軍に喜んだ。
だが、その援軍1500人がそのまま織田軍の本陣を襲わずに合流したのだから唖然である。
「はあ? どういう事だ?」
龍興が仰天し、
「ま、まさか」
弘就が最悪の状況を想像し、
「ーー寝返ったのか、牙殿達は」
分かり切った事をわざわざ口にしたのは、やはり長井道利だった。
龍興が冷淡に、
「貴様ら、氏家のジイとは従兄弟同士だったな?」
「なっ、オレをお疑いなのですか? 長井はともかくオレは違いますよっ!」
「それはないだろ、徳太郎」
「なれなれしいぞ。縁は切れてるのだから姓で呼べ」
などと喋ってる二人を見ながら龍興が、
(・・・拙いぞ。氏家のジイが織田に寝返るとは想定外だ。だとしたらコイツラも・・・稲葉山城で籠城なんてしたら、いつ寝首を掻かれるか。逃げねば。だが、どこに? んん、あの方角、兵が薄いような)
頭を働かせて生き残る方法を考えたのだった。
一方、織田の本陣では、
「二人とも良く来てくれたな。蝮の牙と称される二人が来てくれて嬉しいぞ」
信長がそう歓迎し、
「決戦に遅れてしまい申し訳ございません。この土産で許して下さりませ」
実は西美濃三人衆の中で一番最初に内応の約束をした氏家直元がそう信長の前で頭を下げ、
「こちらも土産がありますので、それで許して下さいませ」
稲葉良通も頭を下げた。
氏家直元が信長に献じた土産は猿轡をされて縛られた安藤守就で、稲葉良通の土産は猿轡をされて片腕を後ろに縛られた安藤定治だった。
両名を見た信長が、
「誰だ、ソイツラは?」
「安藤守就です」
「んんっ」
直元に紹介された安藤守就が暴れ、
「こっちはその息子の安藤定治です。何故か襲ってきたので捕縛しておきましたが」
「んんんっ!」
良通の説明で安藤定治が暴れた。
因みに信長は定治とは会見済みだ。
どうでも良かったので素で忘れていたが。
「竹中、本人か?」
信長に問われて、参謀として本陣に居た竹中重治が、
「はい、両名とも」
「オレに投降すると書状を送ってきたはずだが、兵も連れてきてないところを見ると投降の書状は斎藤が負けた際の逃げ道程度だったようだのう」
信長がつまらなそうに二人を見下ろし、
「勝、どう裁く?」
「斎藤家の重臣ならばこれですが」
首の前に手刀を滑らせたが、
「重臣だけが知る斎藤家の秘密とかを信長様に献じたら、それはそれで功積となるかと」
「例えば?」
信長の問いに、恒興が、
「城で定番の抜け道とか、蝮の落胤とか」
軽口を叩き、竹中重治が、
(・・・鋭いのとは少し違うな。鼻が利くという奴か?)
片眉を軽く動かし、知ってるとばかりに安藤守就が頷いた。
「知ってるみたいですよ、こっち」
「猿轡を外してやれ」
信長の命令で近習の毛利良勝が、
「余計な事は喋らぬ方が身の為だぞ。聞かれた事だけを答えるように」
と教えてから猿轡を外した。
「稲葉山城には抜け道が確かにございます。婿が調べた」
信長が冷めた眼で竹中重治を見て、
「聞いてないが」
「てっきり濃姫から聞かれてた愚考致しまして」
さらりと重治が答えた。
「竹中~。おまえがそんなヘマをする訳がないだろうが~。わざとならわざと教えなかったとちゃんと白状しろよな~。信長様はそっちの方が嫌いないんだからよ~」
恒興がそう絡む中、信長が、
「では、龍興が脱出に使う可能性も・・・」
そう問おうした時、鬨の声が上がった。
信長が怪訝そうに視線を向けて、
「何だ?」
「斎藤軍が撃って出てきました。その数、300」
伝令が様子を伝える中、
「上手い」
恒興が呟き、
「ほう、鹿垣を作る前に。方角によっては逃げられるやも」
竹中重治も呟いた。
それを聞いた信長が、
「猪口才なっ! 城に押し戻せっ!」
そう命令したが、恒興が慌てて、
「いけません、信長様、本陣の兵を動かしては。この二人の兵1500が本陣の近くにおりますれば」
「待たれよ、投降したワシラを疑っておるのか?」
「それはないだろ」
直元と良通が恒興に抗議する中、
「違いますって。雑兵の方です。ちゃんと兵が織田に味方する事を納得していなかった場合、大変な事に・・・」
「チッ」
恒興の説明を理解した信長が兵を動かすのは危険だと判断する中、伝令が、
「斎藤軍、城を捨て、西の方角に逃げていきます」
「オイシイ手柄は結局、柴田が取る訳ね」
恒興は勝家が敵の大将首を落とす事を疑わなかったが、
斎藤軍に狙われた柴田隊では中村文荷斎が、
「クソ、殿が鹿垣の石を集めに出掛けてる時に突撃してくるとはっ! 絶対に逃がすなよっ! その中に大将首の斎藤龍興が居るはずだからなっ!」
と奮戦したが、柴田隊は400で、石集めに出掛けた柴田勝家に力自慢が同行した為に、
「邪魔だっ!」
馬に乗った先駆けの日根野弘就が柴田隊を破り、その背後を馬に乗った斎藤龍興と長井道利も通過したのだった。
柴田隊を指揮した中村文荷斎の奮戦で突破したのは20騎程だったが、その少数の中に斎藤家の幹部達が居り、そのまま母で長良川を下っていった。
織田の本陣では、
「報告、斎藤龍興と思われる上将が舟に乗って長良川を下っております」
「あらら、悪知恵の柴田らしからぬ失態だな。夜に備えて昼寝でもしてやがったのか?」
恒興が呆れる中、信長が激昂して、
「柴田に追わせろっ!」
「我らは?」
恒興の問いに、信長が、
「稲葉山城だ。おまえ達三人には投降を呼び掛けて貰うぞ。斎藤龍興の有無の確認も忘れるな」
そう蝮の牙である氏家直元、安藤守就、稲葉良通を見て、
稲葉山城の城門の前で、
「稲葉山城に籠もる兵隊よっ! 悪い事は言わん、投稿せよっ!」
「今なら命は取らぬっ!」
「武器を捨て、直ちに城門を開けよっ!」
西美濃三人衆がそう呼び掛けると、三人の美濃でのこれまでの功績が凄かったのか、それとも斎藤龍興以下幹部達の不在ではもう戦えないと判断したのか、信じられない事に白旗と共に城門が開いたのだった。
城門が開き、稲葉山城から武器を捨てた美濃兵が出てくる様子を見ていた恒興が、
「最後は呆気ないものですね、信長様」
「まあな」
信長は次の事に思案を巡らせながらそう呟いたのだった。
◇
そして越前一乗谷の安養寺に居る足利義秋はと言えば、
「もう九月だぞ? 昨年の九月に若狭から越前に辿り着いたのだから丸一年、越前に居た事になるではないか。関東管領上杉は何をやっているのだ? どうして兵を率いて越前にやって来ない?」
現実をまるで知らない夢物語を口にして憤っていた。
「関東で逆らう北条との戦が続いていると聞いております」
三淵藤英が代表して現実を教えるも、
「北条には上杉に臣従するよう書状を送ったではないか」
この始末である。
義秋の頭の中では全国の大名達は足利幕府に従うと思っていた。
書状一つで大名が平伏するのなら先代義輝は三好相手に苦労などしていないというのに。
「そもそも朝倉もだ。どうして兵を挙げぬ?」
「『上杉殿が軍勢を引き連れてくるのを待つ』と言っております。裏を返せば朝倉の独力では三好に勝てぬと判断しているようです」
「尾張の織田が遂に美濃を平定したとか。南近江を抜ければ京までは楽に辿り着けるのでそちらを頼られたら良いかと愚考致します」
細川藤孝と和田惟政が答えた。
二人は「朝倉では無理だ」と思ってる筆頭だ。
何せ、越前朝倉は加賀に一向一揆を抱え、家中には当主の義景に臣従していない朝倉一族が蔓延っている。
当主の義景を説得してもどうにもならないと分析しているのだから。
「ふむ、どう思う、信景?」
義秋は昨年から仕えてる武田義統の弟の武田信景に尋ねた。
「間もなく冬です。上杉は雪では身動きは取れぬ以上、今年はもう上洛は無理かと。来年、上杉が来ぬのであれば、上杉は諦めて他を頼るべきかと」
信景が答える中、明智光秀が渋い顔で、
「悠長過ぎませんか? すぐに越前を発つべきだと思いますが」
「いやいや、私は上杉を待つべきだと思うぞ。上杉の兵は強いからな」
そうずれた進言をしたのは一色藤長である。
この男が居る為に義秋も越前を捨て切れず、まだ一乗谷に滞在する事になったのだった。
登場人物、1567年度
日根野弘就(49)・・・斎藤家の家老。美濃本田城主。通称、徳太郎。兜作りの名人。先代、義龍の寵臣。斎藤喜平次、孫四郎を暗殺した事で有名。氏家閨閥のナンバー2。
能力値、兜作りの日根野B、氏家閨閥の次席A、判断が悪いC、義龍への義理S、龍興からの信頼D、斎藤家臣団での待遇A
竹腰尚光(36)・・・斎藤家の家老。竹腰道鎮の息子。氏家直元に取られた大垣城の奪還を目論む。堂洞合戦で被弾。稲葉山城の戦いで流れ矢に当たって討ち死に。
能力値、美濃の家宰C、旧領奪還の悲願A、沈む舟から逃げずA、龍興への忠誠A、龍興からの信頼A、本日の運勢最悪★★★
森可成(45)・・・織田家の第四家老。金山城主。織田二代に仕える。信長のお気に入り。美濃攻めの織田軍先鋒。攻めの三左。正室は林秀貞の系譜ではない。
能力値、攻めの三左S、豪傑が集うA、信長のお気に入りS、織田二代への忠誠S、信長からの信頼A、織田家臣団での待遇A
長井道利(46)・・・斎藤家の家老。武田と個人的に誼を通じる。戦下手過ぎて道三の子供の噂を払拭中。口癖はですが。氏家が寝返り、疑われる。
能力値、長良川の戦いの元凶A、蝮の落とし子の噂E、道三嫌いSS、龍興への忠誠D、龍興からの信頼A、斎藤家臣団での待遇A
長井道勝(29)・・・長井道利の息子。長良川の戦いで道三を捕縛寸前まで追い詰める。道三を手本とする。稲葉山城の脱出の際に置いていかれる。
能力値、蝮手本の道勝C、星周りが悪いB、恥ずかしい父が居るA、龍興への忠誠C、龍興からの信頼D、斎藤家臣団での待遇E
坂井政尚(40)・・・織田家の家臣。馬廻りの幹部。古参の織田に仕えた美濃衆。坂井大膳亮、坂井利貞とは遠縁。伊勢侵攻の副将。
能力値、高名比類なきの政尚B、坂井氏は尾張では意外に名門A、川越え上手B、信長への忠誠A、信長からの信頼A、織田家臣団での待遇B
柴田勝家(37)・・・織田家の第六家老。豪傑の容姿とは裏腹に策士。甲斐武田と密約を交わす。信長優先で池田恒興の殺害は中止。稲葉山城で手柄を取り損なう。
能力値、悪知恵の柴田A、見た目通りの剛力S、生傷が絶えずB、織田家への忠誠D、信長からの信頼E、織田家臣団での待遇C
稲葉良通(51)・・・斎藤家の六宿老。別名、彦四郎。蝮の八の牙。きかん坊。誠の仁者。織田に内応。領土を安堵される。
能力値、蝮の八の牙の良通S、きかん坊A、誠の仁者C、信長への忠誠C、信長からの信頼D、織田家臣団での待遇C
安藤守就(54)・・・斎藤家の六宿老の一人。西美濃三人衆の一人。娘婿が竹中重治。母が稲葉良通の伯母。指7本を失う。変名、伊賀伊賀守。氏家に捕縛される。
能力値、蝮の七の牙の守就A、底意地悪いの安藤A、謀将の器に非ずB、信長への忠誠D、信長からの信頼D、織田家臣団での待遇D
安藤定治(37)・・・斎藤家の家老。安藤家の当主。父親は安藤守就。従兄は稲葉良通。父同様に策士だが、牙達によって貧乏を引かされて左腕を失う。稲葉に返り討ちに遭う。
能力値、片腕落としの定治B、底意地悪いの安藤A、牙達と比べたら格が落ちるA、信長への忠誠E、信長からの信頼D、織田家臣団での待遇D
毛利良勝(28)・・・織田家の家臣。信長の近習。改名前は新介。織田家で知らぬ者なし。今川義元を討った男。
能力値、今川義元を討った男SS、織田家で知らぬ者なしSS、森可成の推薦A、信長への忠誠S、信長からの信頼B、信長家臣団での待遇A
中村文荷斎(33)・・・勝家の家臣幹部。勝家の子飼い。勝家の知恵袋。正室は柴田勝家の養女。木曽で拷問を受ける。勝家の留守中に突撃されて龍興を逃がす。
能力値、勝家への忠誠SS、知恵袋の文荷斎B、槍働きC、他人が馬鹿に見えるA、信勝が勝てば良かったと思ってるS、頓馬の文荷斎E
一色藤長(46)・・・足利義秋の奉公衆。色部一色家出身。官位、式部少輔。一色の名跡を斎藤義龍に売る。上杉軍上洛論を展開して足利義秋を越前に釘付けにする。
能力値、足引っ張りの藤長A、信長の怒りを買うA、要領悪しC、義秋への忠誠C、義秋からの信頼C、越前での待遇C
武田信景(36)・・・足利義秋の奉公衆。若狭武田氏出身。母は六角定頼の娘。兄の命令で足利義秋に仕える。若狭の兄の葬儀には出席した。
能力値、海流読みの信景、朝鮮語が出来るC、兄の命令S、義秋への忠誠B、義秋からの信頼C、越前での待遇C
10
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説

【完結】風天の虎 ――車丹波、北の関ヶ原
糸冬
歴史・時代
車丹波守斯忠。「猛虎」の諱で知られる戦国武将である。
慶長五年(一六〇〇年)二月、徳川家康が上杉征伐に向けて策動する中、斯忠は反徳川派の急先鋒として、主君・佐竹義宣から追放の憂き目に遭う。
しかし一念発起した斯忠は、異母弟にして養子の車善七郎と共に数百の手勢を集めて会津に乗り込み、上杉家の筆頭家老・直江兼続が指揮する「組外衆」に加わり働くことになる。
目指すは徳川家康の首級ただ一つ。
しかし、その思いとは裏腹に、最初に与えられた役目は神指城の普請場での土運びであった……。
その名と生き様から、「国民的映画の主人公のモデル」とも噂される男が身を投じた、「もう一つの関ヶ原」の物語。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
16世紀のオデュッセイア
尾方佐羽
歴史・時代
【第13章を夏ごろからスタート予定です】世界の海が人と船で結ばれていく16世紀の遥かな旅の物語です。
12章は16世紀後半のフランスが舞台になっています。
※このお話は史実を参考にしたフィクションです。
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部
山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。
これからどうかよろしくお願い致します!
ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる