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1566年、三代目蝮の悪名
墨俣一夜城
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【墨俣一夜城はあり説、採用】
【木下秀吉、墨俣に築城するよう信長に命令された説、採用】
【木下秀吉、長良川の上流で材木を確保してる説、採用】
【丹羽長秀、美濃調略中に捕縛されて大垣城の牢に捕まってる説、採用】
【柴田勝家、長秀を餌に恒興を斎藤方に殺害させる計画を企てた説、採用】
【池田恒興、信用がなくて尾張で留守番説、採用】
【滝川一益、長秀奪還の指揮を取る説、採用】
【墨俣一夜城築城の夜、長秀奪還作戦と稲葉家の身内誘拐作戦が実行された説、採用】
【氏家直昌、1532年生まれ説、採用】
【稲葉重通、1541年生まれ説、採用】
五月となった。
この年の五月は諸説ありだが、軍記物では御馴染みの墨俣一夜城が築城された月でもある。
小牧山城では墨俣築城任務の柴田勝家が美濃工作に派遣された事から、信長より、
「サル、墨俣に城を築け」
空いた築城任務には秀吉が拝命されていた。
「ははっ、必ずや」
手柄を立てれる、とあって意気揚々と秀吉は返事をし、
まずは作戦会議だ。
小牧山城の城下の長屋で寄騎の前野長康と蜂須賀正勝に向かって秀吉が、
「いいか、小右衛門殿、小六殿。まずは長良川の上流で丸太の柵を組む。木も削って木塀も作る。そして夜に紛れて長良川に流して墨俣まで運んで柵や塀をおっ立てるんだ。どうよ、この方法?」
「出来ない事はないが」
「だが作って流せるのは精々、木塀と柵だけだぞ」
「それで構わん。後は材料を運んで大工に作らせればええ」
「防衛用の織田の鉄砲隊は?」
「無論、信長様に頼んで用意し貰ってある。200人だ」
「それなら出来るんじゃないのか」
「やばくなれば逃げればいいんだしな」
との結論に達して、まずは長良川の上流へと向かったのだった。
現在の美濃は、中美濃の東側は織田家の支配圏だ。
長良川の上流で樵の真似事をして木塀を作り、丸太の柵を組んでも攻撃される事はない。
但し、攻撃はされないが、何をしてるかは美濃領内だけに斉藤龍興に筒抜けだった。
その龍興は居城の稲葉山城を離れて、氏家の居城の大垣城に来ていた。
そんな尾張の大工の真似よりも、重要な案件でやってきたのだ。
牢の中で捕まっている相手を見て、
「こやつか。西美濃に潜伏している安藤親子を探していたら網に掛かった尾張の鼠というのは?」
「はっ」
氏家直元が答えたのに対して、牢の中で捕まってる丹羽長秀は、
(我ながら抜かったわ。いや、この場合は蝮の牙と呼ばれた男を舐め過ぎていた、か)
自嘲したのだった。
「見るからに名のある若武者っぽいが、名は?」
「それが木下藤吉郎と名乗っておりまして」
「尾張でサルと呼ばれている百姓侍の事か? そんな訳があるまい。その百姓侍はサル顔で有名であろうが」
「偽名かと」
直元がそう苦笑する中、龍興が、
「おい、本当の名を言え」
「・・・平手政秀の孫、平手汎秀」
「平手政秀だと?」
氏家直元が眼を光らせる中、
「知り合いか?」
「はい。もう自刃しましたが、帰蝶様と織田の今の殿との婚儀をまとめています」
「聞いた事があるな。織田の宿老だったか。その孫ね~。本物だとしたら尾張と取引出来るくらいの大物だが、偽名の可能性もあろう? 指を切断して本当の事を吐かせろ」
との龍興の命令に対して直元が、
「お待ちを。確認が取れるまで手が出せぬかと」
「何故だ?」
「南近江に滞在の公方様の弟様が仲介した和議がございますれば。もし手を出せば織田に隙を見せる事となり、美濃の領地を返還させる計画に支障が出るかと」
「ああ、それがあったか。だが、織田は返還せぬと言っておるのだろう?」
「いえ、『上洛後に返す』と先延ばしにしてるだけです」
「つまりは返さぬのだよな?」
「本音では。ですので『和議中に美濃に派遣した使者を美濃側が拷問された』と難癖を付けて渋るのは明白です」
「使者? まさか、コヤツの事ではなかろうな?」
「そう言い張る可能性が多分にあるかと」
「ふむ、領地が返還されぬのならば、織田の瑕疵なのが一番良いか。こちらがその理由を作ってやる事もないか。よし、おまえはしばらく牢の中でそうしておれ」
そう言って、龍興は牢の前から立ち去ったのだった。
西美濃で工作の仕事で来ていた柴田勝家はその捕縛情報を聞き、
(面倒事に巻き込まれたわ。丹羽を助けねば怒りを買うぞ、これは)
つくづく自身の運の無さを嘆いたのだった。
その情報を持ってきた安藤守就が、
「平手汎秀は偽名でどうも丹羽長秀のようだ」
「丹羽とお会いした事があるので?」
「あの男は美濃のあちこちに顔を出しておるのでな。織田に投降する手前、助けんとやはり拙いかのう?」
守就に助けるつもりはなく、勝家も本音では助けたくなかったが、
「ええ、信長様のお気に入りですから」
そう言いながらも、
(斎藤方に殺させて信長様の力を削ぐのもありだな。まあ、長秀程度なら対した力でもないが。いや、待てよ。確か勝三郎と仲が良かったよな? ならば勝三郎が助けに来て、それを斎藤方に殺させたら・・・)
悪知恵を働かせ、
「尾張に報告させていただきますぞ」
と言って、勝家は部下に小牧山城へ報告させたのだった。
西美濃と小牧山城は眼と鼻の先だ。
あっという間に勝家が知らせた丹羽長秀捕縛の情報は信長にも伝わり、小牧山城の評定の場では奪還作戦が計画されたが、恒興が、
「どうして五郎左の窮地なのにオレは行っちゃあ駄目なんですか、信長様~」
「ヤラカすからだよ。甲賀者の滝川に任せておけ」
そう言われ、滝川一益が得意げに、
「お任せ」
と答える中、恒興は渋々と引き下がったのだった。
そこで終わりではない。
恒興はヤラカす男なのだから。
留守番を言い渡された恒興が小牧山城から城下の屋敷に向かおうとした時、城下町の通りで通行人と肩をぶつける事となった。
相手は左腕がない四十男で、善良な普段の恒興ならば気にもしなかったのだが、
「待て。わざとぶつかったな、貴様」
足を止めて振り返った。
完全な因縁である。
「そんな訳がないではーーあべしゅっ!」
言い訳も聞かずに問答無用で相手の顔面に拳骨を叩き込む。
「な、何をーーぶぎゃあっ!」
更には踵で蹴りを一発。
「ちょーーへばきゅあっ!」
もう一発蹴り飛ばして、相手が意識を失ったのを見て恒興は満足そうに立ち去ったのだが、
その後である。
悪い輩が親切なふりをして、
「おい、大丈夫か」
「酷い奴も居たもんだな~」
と介抱しながら、脇道へと連れていき、財布をちょろまかし、印籠をちょろまかし、二本差しをちょろまかして、脇道にその気絶男を捨てて去っていったのだ。
「・・・痛っ!」
安藤定治が意識を取り戻し、
「はっ、まさか、ない。財布が」
懐に財布がない事に気付いた。
ないと拙いのだ。
銭以前に織田信長の宛てた密書が入っていたので。
よって慌てて小牧山城の門前にて、
「安藤定治と申す。矢島御所から密書を持ってきたが城下で盗まれ申した」
と訴えても相手にされず、
「さっさと失せろ」
門兵に相手にされず、
定治がトンチを利かせて、城門で粘って出てきたまぬけそうな近習の長谷川橋介に話を聞いて貰って、信長と会えたのは二日後となった。
丹羽長秀の奪還で頭が一杯の信長が片腕を落とした安藤定治と会見し、
「それで矢島御所からの密書の内容は?」
「上洛軍の時期は八月でどうか、という内容でした。それと安藤家の領土安堵の」
それを聞いた信長が知的に眼を光らせて、
「ふむ。もう一度、密書を持って来て貰おう。話はそれからだ」
そう返事して、旅費を渡して定治を追い返したのだった。
実はこの安藤定治の書状の紛失により、
当初は八月に予定されていた上洛計画の日時が九月にずれ込み、その変更によって数々の将星が数奇な運命を辿る事となるのだが、
その事は誰も知らなかった。
◇
木下秀吉の墨俣一夜城と滝川一益の丹羽長秀奪還作戦は奇しくも同夜となり、連動する運びとなった。
西美濃の大垣城は中山道を守る要所である。
その為、城下町にはよそ者がどうしても多くなる。
とっくに斎藤龍興は稲葉山城に帰り、氏家直元は安藤守就の目撃情報を得て、安藤家が治めていた北方城に出向いており不在である。
その夜を見計らって、城下町で一斉に火災が発生した。
ただの火災ではない。
油を使ってるので火計である。
やったのは織田の陽動部隊で大垣城主の氏家直元が不在な事から嫡子の氏家直昌が城から出て陣頭指揮を取り、
「火を消せ。敵の奇襲があるかもしれんぞ。警戒しろっ!」
と大騒ぎしてる隙に、大垣城内の牢屋に潜入した滝川一益が、
「迎えに来たぞ、丹羽殿」
「おお、かたじけない」
牢屋を出たところで、番兵に、
「曲者――うっ!」
騒がれたが、一益がクナイの一投でその番兵を黙らせ、そのまま大垣城から丹羽長秀は脱出したのだった。
同時刻、材木と一緒に長良川を下った木下隊は墨俣に到着して、
「柵を立てるんじゃっ!」
秀吉の指示で組まれた木壁や柵を立てており、
「秀吉、あれを。それにあっちでも」
墨俣の責任者の蜂須賀正勝が、燃えてる大垣城下を指差した。
夜なので炎が映えてる。
そして、もう一つ。
別の場所でも町が燃えていた。
「どこかで戦でもしてるんじゃろ。その隙に立てるんじゃ」
秀吉はそう指図したのだった。
もう一つの燃えてる町は、西美濃の曽根城の城下町だった。
その夜は奇しくも安藤守就と合流した柴田勝家の工作部隊が稲葉良通の領地である曽根城の城下町に火を放った日でもあったのだ。
だが、こちらは稲葉良通の娘婿である斎藤利三が城代だった為に、
「門を閉めろっ! 敵が、安藤の部隊が襲ってくるぞっ! 迎撃しろっ!」
城下町の鎮火ではなく、防衛に徹したのだった。
「い、いいのか、町の火を消さなくて?」
稲葉良通の長子の稲葉重通が問うも、
「そのように殿にお指図をされておりますので」
「そもそも父上はどこで何をしているのだ?」
「無論、安藤探しですよ。無駄な事をされておられますわ」
「ん? 無駄な事とは?」
「御供を含めても5人で出向かれたでしょう。つまり、発見出来ても、向こうが5人以上の御供を連れていたら捕縛は不可能だという事です」
「――それ、父上に申したのか?」
「言いましたが、聞き入れては貰えませんでした」
「父上は頑固だからな」
そう重通は苦笑して曽根城の防御を固めたのだった。
曽根城の城門が閉じた為に、城内の金で裏切った雑兵数人ではどうする事も出来ず、城下町で、
「城門が開く気配はございませんな。どうされます、安藤殿?」
柴田勝家が問うと、安藤守就が、
「今は伊賀伊賀守だ」
「呼び名はともかくとして」
内心ムカつきながら勝家が問うと、
「今回は失敗だ。逃げるぞ」
「では私は一度報告に」
「ああ、尾張殿にくれぐれもよろしく言っておいてくれ」
「ええ」
こうして柴田の工作部隊と安藤守就は火事騒ぎの城下町で別れたのだった。
◇
翌朝、墨俣には柵と木壁で造られた城が半分出来ており、
「なっ!」
「すぐに報告だ」
墨俣を見回りに来た美濃兵は驚いて報告に戻っていった。
そして慌てて近くの砦が墨俣に兵を繰り出すも、佐々成政率いる鉄砲隊200が、
「撃て」
ダダダンッと鉄砲の一斉射撃をして敵を近付けず、その間に築城を急いだのだった。
稲葉山城にも織田軍が美濃領の墨俣に城を築城した事が報告されて、
「和議の話はどこへいったのだ? 『八月に上洛するから兵を貸せ』と将軍の弟が言ってきているのに。新たに美濃領内で築城などと。領土を返還する気が織田にない事は明白ではないかっ!」
斎藤龍興は怒り狂ったが、
(そっちがその気ならば・・・良かろう)
「就弘、確かその方だったな」
日根野弘就を見て尋ねた。
「何がでしょうか?」
「父の代から三好との折衝の担当は」
それを聞いた弘就が背筋を正して、
「お待ちを、殿。三好は昨年、京で公方様を殺しておりますぞ?」
「将軍の弟が役に立たないのでは仕方あるまい。のう」
道三そっくりの悪そうな笑い方をした龍興がそう言い、
「何を私めにお命じなさりますので?」
「何、つまらぬ事だよ」
龍興はそう嘯いたのだった。
小牧山城には丹羽長秀が無事に生還し、
「御心配をお掛けして申し訳ございません」
「五郎左が無事ならそれで良いよ。のう、勝?」
「はい、信長様。五郎左も余り無茶をして信長様に心配を掛けるなよ」
「ああ」
と返事した長秀が、
「ですが、掴まって良い事もございました。こちらを」
そう言って懐から書状を出した。
「誰からだ?」
「宿老、氏家直元の息子、直昌殿からの投降打診の書状でございます」
「ほう。それは本当に良い拾い物だな。ん? これでは美濃に権六を潜入させている意味もなくなったな。呼び戻すか」
書状を読んだ信長はそう笑った。
恒興が、
「秀吉の方はどうなされますか? 何やら墨俣での築城に成功したようですが」
「サルと内蔵の仲の悪さを心配しておるのか?」
「はい」
「ふむ。兵を引き連れて様子を見に行くとするか」
信長はそう出陣を決めたのだった。
半分以上完成した(まだ完成していない)墨俣城は斎藤軍の猛攻に晒されていた。
信長が墨俣に城を欲しがったのは戦略的に価値がある為で、その事は斎藤軍も理解しており、木下隊800人に対して、長井道利を大将として4000の兵が攻めていたのだが、
「尾張より織田軍が近付いてきております。その数、5000」
「大丈夫だ。到着前に落としさえすれば・・・」
そう兵を鼓舞したが、道利が戦下手なのはもう知れ渡っており、不安が伝染して斎藤軍の攻撃は鈍り、その間に信長が率いる織田軍5200が墨俣に到着した。
「撃て」
織田軍が誇る鉄砲隊の一斉射撃で斎藤軍は、
「ひっ、もう駄目だ」
「逃げろ」
総崩れとなり、雑兵達が勝手に脱走して、
「待て。逃げるなっ! 戦えっ!」
足の三指を失う失態を犯して後のない道利は汚名返上の為にまだ戦うつもりだったが、これでは戦えず、
「くそっ!」
やもえず撤退したのだった。
墨俣の築城途中の城を見て、信長が秀吉に、
「よくやったぞ、サル」
「ははっ!」
「この城の城主はおまえに任せよう」
「ありがたき幸せ」
秀吉は得意満面に答えたが、
(えっ? 城を貰っても税収はないよな? ああ、長良川の舟賃か)
恒興はそんな事を思ったのだった。
◇
京の某所では明智光秀の叱責を根に持った南近江の六角義治が三好三人衆の一角、三好政康を遭っていた。
「あの将軍様の弟御、そちらで始末して下さいませんか。正直、迷惑ですので」
それが六角義治の第一声で、逆に政康は警戒しながら、
「南近江を御座所としているのだから六角でやればよろしいではないか?」
「いえいえ、六角は宇多源氏佐々木氏流と名門ですので」
「三好なら良いというつもりかっ! あれは松永の策謀で、こっちだって被害者なんだよっ!」
「誰も信じませんよね、それ?」
「そうなんだよ、あの埋め~」
「話を戻しますが、正直、あの公方の弟にはうんざりしてましてね、こっちも」
光秀の顔を思い出したのか、むかっ腹で義治は言い放った。
「相当、頭に来ているようだな」
「ええ」
「父君は賛同しているのか?」
「まさか。三好に矢島御所を攻められて弟様が死亡。それでよろしいではありませんか」
「・・・いい訳あるか。これ以上の悪行はこちらも御免こうむる。六角でやられよ」
「嫌ですよ。将軍の弟殺しなんて悪名」
と言い放った義治が、
「・・・では間を取って、野武士や浪人者を集めて襲撃させるというのは」
「悪くはないが、指揮官は誰がするのだ?」
「無論、三好から出して下さいね。六角は黙認という形で」
「ったく。わかったよ。持ち帰り検討しよう」
「そうそう。九月に上洛の動きがあるようですよ」
「ああ、聞いておるよ」
「おや、そうなので? 極秘情報だと思って教えたのですが」
「悪名を着ても三好は三好ぞ。ちゃんと各地に眼や耳はあるわ」
そう政康は悪そうに言い、その後も密議を続けたのだった。
登場人物、1566年度
丹羽長秀(31)・・・織田家の家臣。信長の密命で美濃の調略に動く。利説きの長秀。星回りが悪い。文官が周囲に集まる。調略中に大垣城域で捕まり、助け出される。
能力値、利説きの長秀A、米五郎左A、星回りの悪さA、信長への忠誠A、信長からの信頼B、織田家臣団での待遇B
安藤守就(53)・・・斎藤家の六宿老の一人。西美濃三人衆の一人。娘婿が竹中重治。母が稲葉良通の伯母。指7本を失う。龍興とは手を切る。変名、伊賀伊賀守。
能力値、蝮の七の牙の守就A、手に余る玉SS、喰わせ者の守就A、美濃乗っ取りを企むA、美濃のお尋ね者A、西美濃では捕まらずA
滝川一益(41)・・・織田家の家臣。火縄銃の名手。本小説では恒興の親族ではない。一族の者が織田奇妙の乳母となり、信長の側室となる。鉄砲奉行と隠密奉行を兼務。
能力値、甲賀忍者D、火縄銃の一益S、信長の信頼を得るA、信長へ忠誠C、信長からの信頼D、織田家臣団での待遇B
氏家直昌(34)・・・斎藤家の家臣。氏家直元の嫡男。大垣城の城代。時勢読みの直昌。氏家派閥に属する。父親に無断で織田に寝返る約束をする。
能力値、美濃の御曹司育ちA、時勢読みの直昌C、主君替えは美濃では当たり前C、龍興への忠誠D、龍興からの信頼C、斎藤家臣団での待遇B
斎藤利三(32)・・・稲葉家の重臣。斎藤姓だが道三とは別系統。本来の美濃斎藤氏の一族。妻は稲葉良通の娘の安。娘は春日局。勇猛だが主君運がない。曽根城城代。
能力値、主君運なしA、娘達は大成A、嘆きの利三A、良通への忠誠B、良通ならの信頼D、稲葉家臣団での待遇D
稲葉重通(25)・・・稲葉良通の長子。庶子の為の後継ぎではない。権限なし。父に若狭への使いをやたらとさせられる。
能力値、能達者の重通B、稲葉の良識人A、若狭通C、難を逃れる☆、良通からの信頼A、稲葉家臣団での待遇B
長井道利(45)・・・斎藤家の家老。先代の義龍に疎まれて氏家派閥から追放。武田と個人的に誼を通じる。戦下手過ぎて道三の子供の噂を払拭中。
能力値、長良川の戦いの元凶A、蝮の落とし子の噂E、道三嫌いSS、龍興への忠誠D、龍興からの信頼A、斎藤家臣団での待遇A
【木下秀吉、墨俣に築城するよう信長に命令された説、採用】
【木下秀吉、長良川の上流で材木を確保してる説、採用】
【丹羽長秀、美濃調略中に捕縛されて大垣城の牢に捕まってる説、採用】
【柴田勝家、長秀を餌に恒興を斎藤方に殺害させる計画を企てた説、採用】
【池田恒興、信用がなくて尾張で留守番説、採用】
【滝川一益、長秀奪還の指揮を取る説、採用】
【墨俣一夜城築城の夜、長秀奪還作戦と稲葉家の身内誘拐作戦が実行された説、採用】
【氏家直昌、1532年生まれ説、採用】
【稲葉重通、1541年生まれ説、採用】
五月となった。
この年の五月は諸説ありだが、軍記物では御馴染みの墨俣一夜城が築城された月でもある。
小牧山城では墨俣築城任務の柴田勝家が美濃工作に派遣された事から、信長より、
「サル、墨俣に城を築け」
空いた築城任務には秀吉が拝命されていた。
「ははっ、必ずや」
手柄を立てれる、とあって意気揚々と秀吉は返事をし、
まずは作戦会議だ。
小牧山城の城下の長屋で寄騎の前野長康と蜂須賀正勝に向かって秀吉が、
「いいか、小右衛門殿、小六殿。まずは長良川の上流で丸太の柵を組む。木も削って木塀も作る。そして夜に紛れて長良川に流して墨俣まで運んで柵や塀をおっ立てるんだ。どうよ、この方法?」
「出来ない事はないが」
「だが作って流せるのは精々、木塀と柵だけだぞ」
「それで構わん。後は材料を運んで大工に作らせればええ」
「防衛用の織田の鉄砲隊は?」
「無論、信長様に頼んで用意し貰ってある。200人だ」
「それなら出来るんじゃないのか」
「やばくなれば逃げればいいんだしな」
との結論に達して、まずは長良川の上流へと向かったのだった。
現在の美濃は、中美濃の東側は織田家の支配圏だ。
長良川の上流で樵の真似事をして木塀を作り、丸太の柵を組んでも攻撃される事はない。
但し、攻撃はされないが、何をしてるかは美濃領内だけに斉藤龍興に筒抜けだった。
その龍興は居城の稲葉山城を離れて、氏家の居城の大垣城に来ていた。
そんな尾張の大工の真似よりも、重要な案件でやってきたのだ。
牢の中で捕まっている相手を見て、
「こやつか。西美濃に潜伏している安藤親子を探していたら網に掛かった尾張の鼠というのは?」
「はっ」
氏家直元が答えたのに対して、牢の中で捕まってる丹羽長秀は、
(我ながら抜かったわ。いや、この場合は蝮の牙と呼ばれた男を舐め過ぎていた、か)
自嘲したのだった。
「見るからに名のある若武者っぽいが、名は?」
「それが木下藤吉郎と名乗っておりまして」
「尾張でサルと呼ばれている百姓侍の事か? そんな訳があるまい。その百姓侍はサル顔で有名であろうが」
「偽名かと」
直元がそう苦笑する中、龍興が、
「おい、本当の名を言え」
「・・・平手政秀の孫、平手汎秀」
「平手政秀だと?」
氏家直元が眼を光らせる中、
「知り合いか?」
「はい。もう自刃しましたが、帰蝶様と織田の今の殿との婚儀をまとめています」
「聞いた事があるな。織田の宿老だったか。その孫ね~。本物だとしたら尾張と取引出来るくらいの大物だが、偽名の可能性もあろう? 指を切断して本当の事を吐かせろ」
との龍興の命令に対して直元が、
「お待ちを。確認が取れるまで手が出せぬかと」
「何故だ?」
「南近江に滞在の公方様の弟様が仲介した和議がございますれば。もし手を出せば織田に隙を見せる事となり、美濃の領地を返還させる計画に支障が出るかと」
「ああ、それがあったか。だが、織田は返還せぬと言っておるのだろう?」
「いえ、『上洛後に返す』と先延ばしにしてるだけです」
「つまりは返さぬのだよな?」
「本音では。ですので『和議中に美濃に派遣した使者を美濃側が拷問された』と難癖を付けて渋るのは明白です」
「使者? まさか、コヤツの事ではなかろうな?」
「そう言い張る可能性が多分にあるかと」
「ふむ、領地が返還されぬのならば、織田の瑕疵なのが一番良いか。こちらがその理由を作ってやる事もないか。よし、おまえはしばらく牢の中でそうしておれ」
そう言って、龍興は牢の前から立ち去ったのだった。
西美濃で工作の仕事で来ていた柴田勝家はその捕縛情報を聞き、
(面倒事に巻き込まれたわ。丹羽を助けねば怒りを買うぞ、これは)
つくづく自身の運の無さを嘆いたのだった。
その情報を持ってきた安藤守就が、
「平手汎秀は偽名でどうも丹羽長秀のようだ」
「丹羽とお会いした事があるので?」
「あの男は美濃のあちこちに顔を出しておるのでな。織田に投降する手前、助けんとやはり拙いかのう?」
守就に助けるつもりはなく、勝家も本音では助けたくなかったが、
「ええ、信長様のお気に入りですから」
そう言いながらも、
(斎藤方に殺させて信長様の力を削ぐのもありだな。まあ、長秀程度なら対した力でもないが。いや、待てよ。確か勝三郎と仲が良かったよな? ならば勝三郎が助けに来て、それを斎藤方に殺させたら・・・)
悪知恵を働かせ、
「尾張に報告させていただきますぞ」
と言って、勝家は部下に小牧山城へ報告させたのだった。
西美濃と小牧山城は眼と鼻の先だ。
あっという間に勝家が知らせた丹羽長秀捕縛の情報は信長にも伝わり、小牧山城の評定の場では奪還作戦が計画されたが、恒興が、
「どうして五郎左の窮地なのにオレは行っちゃあ駄目なんですか、信長様~」
「ヤラカすからだよ。甲賀者の滝川に任せておけ」
そう言われ、滝川一益が得意げに、
「お任せ」
と答える中、恒興は渋々と引き下がったのだった。
そこで終わりではない。
恒興はヤラカす男なのだから。
留守番を言い渡された恒興が小牧山城から城下の屋敷に向かおうとした時、城下町の通りで通行人と肩をぶつける事となった。
相手は左腕がない四十男で、善良な普段の恒興ならば気にもしなかったのだが、
「待て。わざとぶつかったな、貴様」
足を止めて振り返った。
完全な因縁である。
「そんな訳がないではーーあべしゅっ!」
言い訳も聞かずに問答無用で相手の顔面に拳骨を叩き込む。
「な、何をーーぶぎゃあっ!」
更には踵で蹴りを一発。
「ちょーーへばきゅあっ!」
もう一発蹴り飛ばして、相手が意識を失ったのを見て恒興は満足そうに立ち去ったのだが、
その後である。
悪い輩が親切なふりをして、
「おい、大丈夫か」
「酷い奴も居たもんだな~」
と介抱しながら、脇道へと連れていき、財布をちょろまかし、印籠をちょろまかし、二本差しをちょろまかして、脇道にその気絶男を捨てて去っていったのだ。
「・・・痛っ!」
安藤定治が意識を取り戻し、
「はっ、まさか、ない。財布が」
懐に財布がない事に気付いた。
ないと拙いのだ。
銭以前に織田信長の宛てた密書が入っていたので。
よって慌てて小牧山城の門前にて、
「安藤定治と申す。矢島御所から密書を持ってきたが城下で盗まれ申した」
と訴えても相手にされず、
「さっさと失せろ」
門兵に相手にされず、
定治がトンチを利かせて、城門で粘って出てきたまぬけそうな近習の長谷川橋介に話を聞いて貰って、信長と会えたのは二日後となった。
丹羽長秀の奪還で頭が一杯の信長が片腕を落とした安藤定治と会見し、
「それで矢島御所からの密書の内容は?」
「上洛軍の時期は八月でどうか、という内容でした。それと安藤家の領土安堵の」
それを聞いた信長が知的に眼を光らせて、
「ふむ。もう一度、密書を持って来て貰おう。話はそれからだ」
そう返事して、旅費を渡して定治を追い返したのだった。
実はこの安藤定治の書状の紛失により、
当初は八月に予定されていた上洛計画の日時が九月にずれ込み、その変更によって数々の将星が数奇な運命を辿る事となるのだが、
その事は誰も知らなかった。
◇
木下秀吉の墨俣一夜城と滝川一益の丹羽長秀奪還作戦は奇しくも同夜となり、連動する運びとなった。
西美濃の大垣城は中山道を守る要所である。
その為、城下町にはよそ者がどうしても多くなる。
とっくに斎藤龍興は稲葉山城に帰り、氏家直元は安藤守就の目撃情報を得て、安藤家が治めていた北方城に出向いており不在である。
その夜を見計らって、城下町で一斉に火災が発生した。
ただの火災ではない。
油を使ってるので火計である。
やったのは織田の陽動部隊で大垣城主の氏家直元が不在な事から嫡子の氏家直昌が城から出て陣頭指揮を取り、
「火を消せ。敵の奇襲があるかもしれんぞ。警戒しろっ!」
と大騒ぎしてる隙に、大垣城内の牢屋に潜入した滝川一益が、
「迎えに来たぞ、丹羽殿」
「おお、かたじけない」
牢屋を出たところで、番兵に、
「曲者――うっ!」
騒がれたが、一益がクナイの一投でその番兵を黙らせ、そのまま大垣城から丹羽長秀は脱出したのだった。
同時刻、材木と一緒に長良川を下った木下隊は墨俣に到着して、
「柵を立てるんじゃっ!」
秀吉の指示で組まれた木壁や柵を立てており、
「秀吉、あれを。それにあっちでも」
墨俣の責任者の蜂須賀正勝が、燃えてる大垣城下を指差した。
夜なので炎が映えてる。
そして、もう一つ。
別の場所でも町が燃えていた。
「どこかで戦でもしてるんじゃろ。その隙に立てるんじゃ」
秀吉はそう指図したのだった。
もう一つの燃えてる町は、西美濃の曽根城の城下町だった。
その夜は奇しくも安藤守就と合流した柴田勝家の工作部隊が稲葉良通の領地である曽根城の城下町に火を放った日でもあったのだ。
だが、こちらは稲葉良通の娘婿である斎藤利三が城代だった為に、
「門を閉めろっ! 敵が、安藤の部隊が襲ってくるぞっ! 迎撃しろっ!」
城下町の鎮火ではなく、防衛に徹したのだった。
「い、いいのか、町の火を消さなくて?」
稲葉良通の長子の稲葉重通が問うも、
「そのように殿にお指図をされておりますので」
「そもそも父上はどこで何をしているのだ?」
「無論、安藤探しですよ。無駄な事をされておられますわ」
「ん? 無駄な事とは?」
「御供を含めても5人で出向かれたでしょう。つまり、発見出来ても、向こうが5人以上の御供を連れていたら捕縛は不可能だという事です」
「――それ、父上に申したのか?」
「言いましたが、聞き入れては貰えませんでした」
「父上は頑固だからな」
そう重通は苦笑して曽根城の防御を固めたのだった。
曽根城の城門が閉じた為に、城内の金で裏切った雑兵数人ではどうする事も出来ず、城下町で、
「城門が開く気配はございませんな。どうされます、安藤殿?」
柴田勝家が問うと、安藤守就が、
「今は伊賀伊賀守だ」
「呼び名はともかくとして」
内心ムカつきながら勝家が問うと、
「今回は失敗だ。逃げるぞ」
「では私は一度報告に」
「ああ、尾張殿にくれぐれもよろしく言っておいてくれ」
「ええ」
こうして柴田の工作部隊と安藤守就は火事騒ぎの城下町で別れたのだった。
◇
翌朝、墨俣には柵と木壁で造られた城が半分出来ており、
「なっ!」
「すぐに報告だ」
墨俣を見回りに来た美濃兵は驚いて報告に戻っていった。
そして慌てて近くの砦が墨俣に兵を繰り出すも、佐々成政率いる鉄砲隊200が、
「撃て」
ダダダンッと鉄砲の一斉射撃をして敵を近付けず、その間に築城を急いだのだった。
稲葉山城にも織田軍が美濃領の墨俣に城を築城した事が報告されて、
「和議の話はどこへいったのだ? 『八月に上洛するから兵を貸せ』と将軍の弟が言ってきているのに。新たに美濃領内で築城などと。領土を返還する気が織田にない事は明白ではないかっ!」
斎藤龍興は怒り狂ったが、
(そっちがその気ならば・・・良かろう)
「就弘、確かその方だったな」
日根野弘就を見て尋ねた。
「何がでしょうか?」
「父の代から三好との折衝の担当は」
それを聞いた弘就が背筋を正して、
「お待ちを、殿。三好は昨年、京で公方様を殺しておりますぞ?」
「将軍の弟が役に立たないのでは仕方あるまい。のう」
道三そっくりの悪そうな笑い方をした龍興がそう言い、
「何を私めにお命じなさりますので?」
「何、つまらぬ事だよ」
龍興はそう嘯いたのだった。
小牧山城には丹羽長秀が無事に生還し、
「御心配をお掛けして申し訳ございません」
「五郎左が無事ならそれで良いよ。のう、勝?」
「はい、信長様。五郎左も余り無茶をして信長様に心配を掛けるなよ」
「ああ」
と返事した長秀が、
「ですが、掴まって良い事もございました。こちらを」
そう言って懐から書状を出した。
「誰からだ?」
「宿老、氏家直元の息子、直昌殿からの投降打診の書状でございます」
「ほう。それは本当に良い拾い物だな。ん? これでは美濃に権六を潜入させている意味もなくなったな。呼び戻すか」
書状を読んだ信長はそう笑った。
恒興が、
「秀吉の方はどうなされますか? 何やら墨俣での築城に成功したようですが」
「サルと内蔵の仲の悪さを心配しておるのか?」
「はい」
「ふむ。兵を引き連れて様子を見に行くとするか」
信長はそう出陣を決めたのだった。
半分以上完成した(まだ完成していない)墨俣城は斎藤軍の猛攻に晒されていた。
信長が墨俣に城を欲しがったのは戦略的に価値がある為で、その事は斎藤軍も理解しており、木下隊800人に対して、長井道利を大将として4000の兵が攻めていたのだが、
「尾張より織田軍が近付いてきております。その数、5000」
「大丈夫だ。到着前に落としさえすれば・・・」
そう兵を鼓舞したが、道利が戦下手なのはもう知れ渡っており、不安が伝染して斎藤軍の攻撃は鈍り、その間に信長が率いる織田軍5200が墨俣に到着した。
「撃て」
織田軍が誇る鉄砲隊の一斉射撃で斎藤軍は、
「ひっ、もう駄目だ」
「逃げろ」
総崩れとなり、雑兵達が勝手に脱走して、
「待て。逃げるなっ! 戦えっ!」
足の三指を失う失態を犯して後のない道利は汚名返上の為にまだ戦うつもりだったが、これでは戦えず、
「くそっ!」
やもえず撤退したのだった。
墨俣の築城途中の城を見て、信長が秀吉に、
「よくやったぞ、サル」
「ははっ!」
「この城の城主はおまえに任せよう」
「ありがたき幸せ」
秀吉は得意満面に答えたが、
(えっ? 城を貰っても税収はないよな? ああ、長良川の舟賃か)
恒興はそんな事を思ったのだった。
◇
京の某所では明智光秀の叱責を根に持った南近江の六角義治が三好三人衆の一角、三好政康を遭っていた。
「あの将軍様の弟御、そちらで始末して下さいませんか。正直、迷惑ですので」
それが六角義治の第一声で、逆に政康は警戒しながら、
「南近江を御座所としているのだから六角でやればよろしいではないか?」
「いえいえ、六角は宇多源氏佐々木氏流と名門ですので」
「三好なら良いというつもりかっ! あれは松永の策謀で、こっちだって被害者なんだよっ!」
「誰も信じませんよね、それ?」
「そうなんだよ、あの埋め~」
「話を戻しますが、正直、あの公方の弟にはうんざりしてましてね、こっちも」
光秀の顔を思い出したのか、むかっ腹で義治は言い放った。
「相当、頭に来ているようだな」
「ええ」
「父君は賛同しているのか?」
「まさか。三好に矢島御所を攻められて弟様が死亡。それでよろしいではありませんか」
「・・・いい訳あるか。これ以上の悪行はこちらも御免こうむる。六角でやられよ」
「嫌ですよ。将軍の弟殺しなんて悪名」
と言い放った義治が、
「・・・では間を取って、野武士や浪人者を集めて襲撃させるというのは」
「悪くはないが、指揮官は誰がするのだ?」
「無論、三好から出して下さいね。六角は黙認という形で」
「ったく。わかったよ。持ち帰り検討しよう」
「そうそう。九月に上洛の動きがあるようですよ」
「ああ、聞いておるよ」
「おや、そうなので? 極秘情報だと思って教えたのですが」
「悪名を着ても三好は三好ぞ。ちゃんと各地に眼や耳はあるわ」
そう政康は悪そうに言い、その後も密議を続けたのだった。
登場人物、1566年度
丹羽長秀(31)・・・織田家の家臣。信長の密命で美濃の調略に動く。利説きの長秀。星回りが悪い。文官が周囲に集まる。調略中に大垣城域で捕まり、助け出される。
能力値、利説きの長秀A、米五郎左A、星回りの悪さA、信長への忠誠A、信長からの信頼B、織田家臣団での待遇B
安藤守就(53)・・・斎藤家の六宿老の一人。西美濃三人衆の一人。娘婿が竹中重治。母が稲葉良通の伯母。指7本を失う。龍興とは手を切る。変名、伊賀伊賀守。
能力値、蝮の七の牙の守就A、手に余る玉SS、喰わせ者の守就A、美濃乗っ取りを企むA、美濃のお尋ね者A、西美濃では捕まらずA
滝川一益(41)・・・織田家の家臣。火縄銃の名手。本小説では恒興の親族ではない。一族の者が織田奇妙の乳母となり、信長の側室となる。鉄砲奉行と隠密奉行を兼務。
能力値、甲賀忍者D、火縄銃の一益S、信長の信頼を得るA、信長へ忠誠C、信長からの信頼D、織田家臣団での待遇B
氏家直昌(34)・・・斎藤家の家臣。氏家直元の嫡男。大垣城の城代。時勢読みの直昌。氏家派閥に属する。父親に無断で織田に寝返る約束をする。
能力値、美濃の御曹司育ちA、時勢読みの直昌C、主君替えは美濃では当たり前C、龍興への忠誠D、龍興からの信頼C、斎藤家臣団での待遇B
斎藤利三(32)・・・稲葉家の重臣。斎藤姓だが道三とは別系統。本来の美濃斎藤氏の一族。妻は稲葉良通の娘の安。娘は春日局。勇猛だが主君運がない。曽根城城代。
能力値、主君運なしA、娘達は大成A、嘆きの利三A、良通への忠誠B、良通ならの信頼D、稲葉家臣団での待遇D
稲葉重通(25)・・・稲葉良通の長子。庶子の為の後継ぎではない。権限なし。父に若狭への使いをやたらとさせられる。
能力値、能達者の重通B、稲葉の良識人A、若狭通C、難を逃れる☆、良通からの信頼A、稲葉家臣団での待遇B
長井道利(45)・・・斎藤家の家老。先代の義龍に疎まれて氏家派閥から追放。武田と個人的に誼を通じる。戦下手過ぎて道三の子供の噂を払拭中。
能力値、長良川の戦いの元凶A、蝮の落とし子の噂E、道三嫌いSS、龍興への忠誠D、龍興からの信頼A、斎藤家臣団での待遇A
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