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1566年、三代目蝮の悪名
和議命令
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【安藤定治、矢島御所で暗躍説、採用】
【斎藤義龍、一色の家名を持ってた説、採用】
【足利義秋、現実が見えてない説、採用】
【斎藤龍興、外交工作に勝利して有頂天説、採用】
【織田家、斎藤との和議命令に苦慮する説、採用】
【織田家、外交で後手に回るも流言で巻き返す説、採用】
【矢島御所に佞臣、明智光秀蔓延る説、採用】
【六角義治、浪人者に面子を潰されて足利義秋から心を離した説、採用】
【三好三人衆、松永久秀対策で足利義秋まで手が回らない説、採用】
二月。
矢島御所にて一乗院覚慶は還俗して、
「これより余は足利義秋と名乗る。皆もそのつもりでな」
と名を改め、
「ははっ!」
側近達は返事したのだった。
◇
美濃稲葉山城では斎藤龍興が笑いながら、
「そうか、出たか。領地の返還命令が」
「はっ、難色を示されましたが私の必死の説得が通じまして」
矢島御所で工作を行っていた安藤定治が平伏して答えた。
因みに嘘である。
本当の内情はと言うと、
矢島御所に出向くも大名の家来ごときが直接、一乗院覚慶と対面出来る訳もなく、側近の三淵藤英との対面となり、その際に、
「主君の悪口を言うのは武士の風上にも置けぬ者と思われるやもしれませぬが、斎藤家は先々代が『守護土岐氏の追放者』、先代が『父親殺し』、当代に至っては『殺生者』にございまする。咎無き私もこのような憂き目に」
袖が靡く左腕を見せた。
藤英が不機嫌さを感じさせない爽やかさで、
「では覚慶様(還俗前)には味方せぬと?」
「いいえ。もっと悪く、素知らぬ顔で麾下に加わり、隙を見て幕府ごと喰らう所存かと。その、既に斎藤家は美濃一色家の名跡を持っておりますれば」
一色家は足利一門の分家筋の家名である。
つまり「足利家が継げる」と言っているのだ。
先代義輝が斎藤家に一色家の名跡を認めた事を実は不満に思っていた藤英が、
「・・・そのような者を公方様に近付ける訳にはいかぬのう」
「もしくは利用するだけ利用した後、切り捨てるべきかと。長田忠致のように」
「美濃尾張か」
教養のある藤英が呟いた。
長田忠致とは源頼朝の挙兵の際に頼朝の実父を殺しておきながら素知らぬ顔で味方に加わった男である。
源頼朝が寛大にも「懸命に働いたならば美濃尾張をやろう」と言い、それを信じて忠致も懸命に働いたが、源頼朝という人物は御存知、弟達も簡単に切り捨てる性格である。
父を殺したのを許す訳がなく、覇権を握って用済みになった後に「約束通り、身の終わりをくれてやる」と洒落た事を言って処刑している。
「わかった。公方様に聞いてみよう」
藤英が席を立ち、
すぐにでも京にのぼりたい一乗院覚慶の決定は、
「今すぐ余の敵に回らぬのであらば和議命令を出せば良かろう」
「領地問題はどのように御解決されますので?」
三淵藤英の問いに、
「持ち主に返せば良かろう」
「それでは美濃に領地を持ってる織田が難色を示し、最悪、公方様から離れるかと」
細川藤孝がそう進言するが、
「構わんさ。織田などという下級氏族が離れたところで」
「さすがは覚慶様。御英断です」
そうヨイショをしたのは矢島御所にいつの間にか紛れ込んだ明智光秀という男である。
越前朝倉より派遣されており、身元ははっきりしているが「もはや害悪でしかない」というのが先代義輝の遺臣達の共通の認識であった。
「いえ、織田は今川を破り、既に美濃も四半分・・・」
と説明しようとした、京より合流した進士藤延の言葉を、
「藤延殿、覚慶様は『よい』とおっしゃったのですよ。家臣ならば従わねば」
そう光秀が強引に会話を中断させ、
「うむ、そうだのう」
覚慶がそう追認したので、場は白けるつつも、命令通りとなり、
翌日、安藤定治に藤英が、
「美濃尾張の方に決まったが・・・大丈夫であろうな?」
「御安心下さい。私めが眼を光らせて当主を監視致しますので」
「うむ。任せたぞ」
というのが真相だったのだ。
稲葉山城の評議の上座では龍興が、
「よくやったぞ、安藤。褒美に安藤には宇留間、猿啄の城をやろう」
「ありがとうございまする」
「では、下がってよいぞ」
「ははっ」
定治が下がった後、龍興が氏家直元を見て、
「さて、これからだ。織田が飲むと思うか、ジイ?」
「まさか。既に美濃の四半分を手に入れておりますのに」
「では美濃中に将軍からの和議命令の流言を広めよ、弘就」
「ははっ」
日根野弘就が指示通りに流言を流したのだった。
◇
そして尾張小牧山城では織田家の幹部全員が招集されて恒興が、何事か、と出向けば、信長が、
「南近江の矢島に居る死んだ公方様の弟御が斎藤家との和議と上洛の兵を無心してきおったわ」
不機嫌そうにそう切り出した。
「また斎藤家と和議ですか?」
恒興が馬鹿にしたように笑ったが、
「ああ、勝。まただ」
信長の静かな逆上を見て、恒興が嫌な予感を覚えながら、
「和議は構いませんが、領地は当然、現状維持ですよね?」
「いいや。織田が切り取った美濃の領地を斎藤家に返してやれ、と言ってきおったわ」
信長が嘲笑うように答えたので、重臣達が騒然となった。
「信長様、まさか受けたのではござりませんな?」
代表して第一家老の林秀貞が問い、信長が、
「それを決める為に全員を招集した訳だ」
「この前とは違いますぞ。今や美濃の四分の一を得、美濃衆の中には織田家に靡く者が出てきているのに今更返せる訳が。断るべきです」
第二家老の平手久秀の主張に、
「久秀殿に同意です。墨俣への築城に失敗した私が言うのも何ですが、墨俣に城を築けば稲葉山城までもうすぐですので」
第三家老の佐久間信盛が答えた。
信長が信盛から墨俣築城の任務を引き継いだ第六家老の柴田勝家を見て、
「権六、墨俣の城はまだ築けんのか?」
「申し訳ございません、尾張より木材を運んでるのを勘付かれて近付く事も出来ませぬ」
勝家が答え、第五家老の河尻秀隆が、
「それで信長様、将軍の弟の和議命令、どうなされるおつもりですか?」
「未来の将軍の不興を買う訳にもいくまい」
信長が面倒臭そうに答えた。
尚、第四家老の森可成は東美濃の金山城(旧兼山城)の防衛任務中で欠席である。
「それです、信長様。まだ将軍ではありませんよ、弟様は。大名への命令権はないはずです」
恒興が即座にツッコミを入れると、
「だが将軍になる御仁の怨みを買うのものう」
信長がそう考慮し、「拙い、領地を返すとか言いそう」と思った恒興が慌てて勝家に、
「悪知恵の柴田。何か悪知恵を出せ。信長様が切り取った美濃の領地を斎藤に返すと言う前に」
「誰が悪知恵の柴田だ、ったく」
そう恒興を睨みながら、勝家は真面目に考えて、
「和議は無視して上洛を大々的に宣伝するのはありですな」
「それで? その後は?」
信長が興味無さそうに続きを聞く中、勝家が、
「甲賀の和田ならともかく矢島御所は京より近いですから『上洛する』などと噂が立てば、将軍様を殺した三好の方も放置は出来ぬかと」
「権六、将軍の弟の死を望んでいるのか?」
信長がジロリッと勝家を見た。
「いいえ、『尾張に流れてくる』のを望んでおりまする」
「皆の意見は?」
と信長が問うも家老達には他に意見がなく、信長が恒興を見て、
「ふむ。勝、おまえの意見は?」
「西美濃を通らずに京に上洛するとなると北伊勢を通る事になりますが、美濃と伊勢を同時に敵に回すのは下策かと」
「そういう常識的な事は聞いておらん。もっと良い事を言え」
「もっと良い事ですか? その将軍様の弟様、お坊様だったんですからまだ独身ですよね? 織田家と縁付けば何かと都合が良いかと」
恒興が婚姻による外戚を示唆するも、既に考えていたのか信長が、
「無理だな。他も狙ってるであろう」
「では競争相手は潰さないといけませんね」
「潰す? どうやって?」
「王道の『離間の計』が有効かと。『将軍殺しの三好と手を結んでいる』との流言だけで十分、楔が打ち込めますので。畿内で三好と過去に一度でも誼を結んだ事のある勢力には効くかと」
その恒興の言葉に、信長が愉快そうに、
「ふふふ、畿内はここ十年、三好の天下だったのだぞ? 畿内で三好と誼を通じてない大名などおるまいて。あの義龍でさえ三好から官位を貰っておるのに」
「では、畿内の全員を信じられなくなる訳ですね、将軍様の弟様は。おお、これは放っておいても尾張に流れてくるやもしれませんな~」
「勝、権六みたいな事を言っているぞ」
そう指摘すると、
「オレはそこまで悪辣ではありませんよ」
「私はそこまで悪辣ではありませんよ」
恒興と勝家の言葉が被ったのだった。
「ったく、だが流言は効果がありそうだのう。特に斎藤と三好の関係を蒸し返すのは。やれ」
信長はそう命令を下したのだった。
◇
矢島御所にて一乗院覚慶改め足利義秋は六角義賢を呼び出したはずなのだが、何故か息子の六角義治が来ており、それだけでも不機嫌な中、更なる不機嫌さを隠す事もせずに、
「妙な噂を聞いたのだが。兄の死におまえの父親が関わってるそうだな」
「根も葉もない流言にございます」
「流言? 本当の事でありましょうが」
義秋を越前に招く密命を帯びた光秀がそう口を挟んだ。
「なっ、無礼であろう」
「では、先代の公方様が身罷られた後、六角は京に居る三好に対して兵を挙げられたのですかな?」
「それは・・・挙げてはおらんが」
「何故、挙げられなかったのです? 六角と言えば先代公方様の味方でござりましょうに? んん?」
舌鋒鋭い光秀の追及に、
「こちらにも事情が・・・」
「『先代様の暗殺を企む三好に同意していた』という事情ですか?」
意地悪く光秀が指摘した。
他の義秋の側近達はと言えば、
(コヤツ、普段は気に入らんが・・・)
(他を追及するのには役立つな)
(六角を追い詰めるのを任せても良いかも)
光秀の評価が少し上がっていた。
追及された六角義治が、
「我慢ならん。何なんだ、貴様はっ! たかが越前より参った新参者の癖にっ!」
「六角が三好に味方などするからでしょうが」
「違う。父上は・・・」
「そもそも、どうしてアナタ様が来られたのです? 公方様は義賢様を呼ばれたはずですが? 何か来られぬ理由でもあるので? 例えば三好からの大切な使者が来ており会わねばならぬとか?」
「そのような事はあらんわっ! 単に私に公方様の相手をするように・・・」
「大切な用はなかった? つまり六角の先代は公方様の召喚命令を軽く見たと?」
「違うわっ! そもそも六角の当主は私だぞっ!」
「だが、実権は父君がまだ持ってるではありませんか。アナタ様はお呼びではないのですよ」
と光秀が見下すように言い放ち、
「義賢に来るように伝えよ」
義秋が追認したので、
「はっ」
と六角義治は引き下がったが、恥を掻かされたので内心では、
(何なんだ、この男は。絶対に殺してやるぞっ!)
などと嫌悪したのだった。
◇
京や堺では、
「南近江の六角、北近江の浅井、美濃の斎藤、尾張の織田が昨年身罷られた公方様の弟様を担いで京にのぼるらしい」
「時期は種撒きが終わった後だとか」
「兵数は3万を越えるとのこと」
「悪逆の三好もこれまでですな」
「まったくだ。あのような暴挙、天がお許しになるはずがない」
との噂が広がったのだった。
三好家の方は南近江に逃げて還俗した足利義秋の方までは手が回らなかった。
それどころではなかったのだ。
追放した松永久秀に味方する連中が多くて三好家中が真っ二つに割れてしまって。
今も松永久秀、畠山高政、安見宗房らとの連合軍を相手に「上野芝の戦い」の真っ最中である。
「クソ、どうして松永なんぞの味方をするんだ」
三好三人衆の筆頭の三好長逸が舌打ちして不思議がった。
それは自分が「将軍を殺した」自覚がないからである。
実際に「永禄の変の真相」は松永久秀の陰謀なのだが、その事をどれだけ吹聴しても誰も信じてくれない。
誰もが「三好三人衆が将軍を殺した」と思っていた。
その為、誰もが将軍を殺した三好三人衆に味方したくない。
それが畿内の武将達の忌憚のない本音だった。
何せ、三好三人衆に味方したら「将軍殺しの一味だ」と思われてしまうのだから。
お陰で三好三人衆に味方をせず、結果、松永の許には結構な武将が集まっていた。
「松永が逃がし、南近江の六角が保護していた公方様の弟が還俗したそうですよ」
「それよりも京の公家連中でしょう。表向きは三好に従ってますが、内心では我々の破滅を望んでいますから」
三人衆の三好政康と岩成友通と本陣で談合してると、鬨の声が聞こえ、
「報告、敵が逃げて行きます」
「追え、絶対に松永を殺せっ! あいつが居ると和泉に釘付けで何も出来んからっ!」
そう長逸は吠えたのだった。
登場人物、1566年度
足利義秋(29)・・・足利義輝の異母弟。一乗院覚慶より還俗。母は近衛尚通の娘、慶寿院。家督相続者以外の子息。矢田御所から京への上洛を目論む。
能力値、高貴なる血筋A、迷惑な書状乱発A、忠誠を削る軽薄な声A、兄殺し許すまじA、既に将軍様S、佞臣蔓延るA
斎藤龍興(18)・・・美濃斎藤家の当主。13歳で家督を継承。蝮の血の覚醒。安藤守就に足の指を切断される。外交で織田に攻勢に出る。
能力値、三代目蝮A、部下は駒C、悪の華D、祖父と父の遺産A、尾張を狙うB、移動に支障ありA
安藤定治(44)・・・斎藤家の家老。安藤家の当主。父親は安藤守就。従兄は稲葉良通。父同様に策士。失態から左腕を失う。
能力値、片腕落としの定治B、底意地悪いの安藤A、面従腹背A、龍興への忠誠E、龍興からの信頼E、斎藤家臣団での待遇C
三淵藤英(35)・・・足利義輝の遺臣。三淵晴員の子。異母弟に細川藤孝。官位、大和守。気品正しい。涼やかな佇まい。永禄の変で義秋を守るよう命令される。
能力値、涼やかの藤英B、義秋を守るA、三好憎しS、義秋への忠誠C、義秋からの信頼D、矢田御所での待遇C
細川藤孝(34)・・・足利義輝の遺臣。三淵晴員の子。別名、与一郎。武芸百般。牛投げの藤孝。兄の藤英よりも優秀。
能力値、牛投げの藤孝B、武芸百般A、実は兄が嫌いC、義秋への忠誠D、義秋からの信頼C、矢田御所での待遇C
明智光秀(38)・・・朝倉家の家臣。別名、十兵衛。美濃国明智氏の支流。医術の心得あり。貧乏侍。いつの間にか義秋の寵臣。
能力値、義秋の寵臣の光秀A、医術の心得C、佞臣か忠臣かB、義秋への忠誠B、義秋からの信頼A、矢田御所での待遇B
進士藤延(34)・・・進士晴舎の息子。日向守は通称で、正式な官位ではない。永禄の変で頭部を負傷。矢田御所で合流。光秀排除の機会を窺う。
能力値、頭の傷が疼くA、落ちた麒麟B、三好憎しB、義秋への忠誠C、義秋からの信頼D、矢田御所での待遇D
氏家直元(54)・・・斎藤家の宿老。西美濃三人衆。美濃閨閥の最大勢力。蝮の五の牙。領地喰らいの直元。長井道利、日根野弘就は母方の従兄弟。龍興に警戒されてる。
能力値、美濃の陰の支配者B、蝮の五の牙の直元S、西美濃の顔役B、龍興への忠誠C、龍興からの信頼B、斎藤家臣団での待遇S
日根野弘就(48)・・・斎藤家の家老。美濃本田城主。通称、徳太郎。兜作りの名人。先代義龍の寵臣。斎藤喜平次、孫四郎を暗殺した事で有名。氏家閨閥のナンバー2。
能力値、兜作りの日根野B、氏家閨閥の次席A、判断が悪いC、義龍への義理S、龍興からの信頼B、斎藤家臣団での待遇A
織田信長(32)・・・将来の天下人。織田家当主。天才肌。奇抜な事が好き。桶狭間の戦いで今川義元に勝利して武名が近隣に轟く。美濃の併合を目論む。
能力値、天下人の才気SS、うつけの信長S、麒麟の如くS、奇抜な事好きSS、新しい物好きSS、火縄銃SS
池田恒興(30)・・・主人公。信長の近習幹部。信長の乳兄弟。織田一門衆と同格扱い。伊木山城主。主戦場が西美濃に移り、伊木山城は平和。
能力値、信長と養徳院の教えS、大物に気に入られる何かS、ヤラカシ伝説A、信長への絶対忠誠SS、信長からの信頼SS、織田家臣団での待遇S
林秀貞(53)・・・織田家の第一家老。那古野城代。織田の跡目相続では後見役ながら信長を裏切って信勝を支持する。
能力値、織田家の家宰B、歳で槍働きはもう無理S、信勝への寝返りは信長の密命B、信長への忠誠B、信長からの信頼B、織田家臣団での待遇SS
平手久秀(40)・・・織田家の第二家老。平手政秀の長男。頑固者。父親に顔が似てる。弁舌軽やか。清洲城代。
能力値、死んだ父親の七光りSS、父親譲りの政務力A、信長への忠誠B、信長からの信頼A、信長家臣団での待遇S、信長に馬を譲らなかった逸話S
佐久間信盛(37)・・・織田家の第三家老。別名、右衛門尉。織田家中随一の知将。しまり屋なのが玉に瑕。
能力値、織田家の家宰A、しまり屋の信盛A、退き佐久間A、信長への忠誠A、信長からの信頼A、織田家臣団での待遇SS
河尻秀隆(39)・・・織田家の第五家老。信長の最古参の家臣。信勝を殺害。猿啄城を拝領。
能力値、戦上手の秀隆A、政務の素養E、織田信勝(信行)殺害の知名度SS、信長への忠誠A、信長からの信頼A、織田家臣団での待遇A
柴田勝家(36)・・・織田家の第六家老。豪傑の容姿とは裏腹に策士。甲斐武田と密約を交わす。信長優先で池田恒興の殺害は中止。木曽で拷問を受けた。
能力値、悪知恵の柴田A、見た目通りの剛力S、生傷が絶えずB、織田家への忠誠D、信長からの信頼E、織田家臣団での待遇C
六角義治(21)・・・六角16代当主。六角義賢の嫡子。母は畠山義総の娘。観音寺騒動を引き起こす。
能力値、若き六角当主D、父よりも劣るC、観音寺騒動中B、突然、珠が手中にA、矢島御所の佞臣に負けるA、将軍家を見限るA
三好長逸(50)・・・三好一族衆。三好三人衆の一人で筆頭格。三好家の執権。三好一族の長老。永禄の変の大罪を背負う。松永と内乱中。
能力値、強奪の長逸C、三好政権の執政B、将軍殺しの悪名★、義継への忠誠C、義継からの信頼C、三好家臣団での待遇SS
三好政康(38)・・・三好一族衆。三好三人衆の一人。別名、宗渭。義継の後見人。三好の天下を狙う。御所巻を慣行。将軍殺しの大罪を背負う。松永と内乱中。
能力値、裏切りの政康A、将軍殺しの悪名★、三好の天下A、義継への忠誠E、義継からの信頼C、三好家臣団での待遇S
岩成友通(47)・・・三好家の家臣。三好三人衆の一人。義継の後見人。鉄砲好き。御所巻を政康に教えた張本人。将軍殺しに大罪を背負う。松永と内乱中。
能力値、晩年穢しの友通A、将軍殺しの悪名★、鉄砲好きA、義継への忠誠B、義継からの信頼C、三好家臣団での待遇S
【斎藤義龍、一色の家名を持ってた説、採用】
【足利義秋、現実が見えてない説、採用】
【斎藤龍興、外交工作に勝利して有頂天説、採用】
【織田家、斎藤との和議命令に苦慮する説、採用】
【織田家、外交で後手に回るも流言で巻き返す説、採用】
【矢島御所に佞臣、明智光秀蔓延る説、採用】
【六角義治、浪人者に面子を潰されて足利義秋から心を離した説、採用】
【三好三人衆、松永久秀対策で足利義秋まで手が回らない説、採用】
二月。
矢島御所にて一乗院覚慶は還俗して、
「これより余は足利義秋と名乗る。皆もそのつもりでな」
と名を改め、
「ははっ!」
側近達は返事したのだった。
◇
美濃稲葉山城では斎藤龍興が笑いながら、
「そうか、出たか。領地の返還命令が」
「はっ、難色を示されましたが私の必死の説得が通じまして」
矢島御所で工作を行っていた安藤定治が平伏して答えた。
因みに嘘である。
本当の内情はと言うと、
矢島御所に出向くも大名の家来ごときが直接、一乗院覚慶と対面出来る訳もなく、側近の三淵藤英との対面となり、その際に、
「主君の悪口を言うのは武士の風上にも置けぬ者と思われるやもしれませぬが、斎藤家は先々代が『守護土岐氏の追放者』、先代が『父親殺し』、当代に至っては『殺生者』にございまする。咎無き私もこのような憂き目に」
袖が靡く左腕を見せた。
藤英が不機嫌さを感じさせない爽やかさで、
「では覚慶様(還俗前)には味方せぬと?」
「いいえ。もっと悪く、素知らぬ顔で麾下に加わり、隙を見て幕府ごと喰らう所存かと。その、既に斎藤家は美濃一色家の名跡を持っておりますれば」
一色家は足利一門の分家筋の家名である。
つまり「足利家が継げる」と言っているのだ。
先代義輝が斎藤家に一色家の名跡を認めた事を実は不満に思っていた藤英が、
「・・・そのような者を公方様に近付ける訳にはいかぬのう」
「もしくは利用するだけ利用した後、切り捨てるべきかと。長田忠致のように」
「美濃尾張か」
教養のある藤英が呟いた。
長田忠致とは源頼朝の挙兵の際に頼朝の実父を殺しておきながら素知らぬ顔で味方に加わった男である。
源頼朝が寛大にも「懸命に働いたならば美濃尾張をやろう」と言い、それを信じて忠致も懸命に働いたが、源頼朝という人物は御存知、弟達も簡単に切り捨てる性格である。
父を殺したのを許す訳がなく、覇権を握って用済みになった後に「約束通り、身の終わりをくれてやる」と洒落た事を言って処刑している。
「わかった。公方様に聞いてみよう」
藤英が席を立ち、
すぐにでも京にのぼりたい一乗院覚慶の決定は、
「今すぐ余の敵に回らぬのであらば和議命令を出せば良かろう」
「領地問題はどのように御解決されますので?」
三淵藤英の問いに、
「持ち主に返せば良かろう」
「それでは美濃に領地を持ってる織田が難色を示し、最悪、公方様から離れるかと」
細川藤孝がそう進言するが、
「構わんさ。織田などという下級氏族が離れたところで」
「さすがは覚慶様。御英断です」
そうヨイショをしたのは矢島御所にいつの間にか紛れ込んだ明智光秀という男である。
越前朝倉より派遣されており、身元ははっきりしているが「もはや害悪でしかない」というのが先代義輝の遺臣達の共通の認識であった。
「いえ、織田は今川を破り、既に美濃も四半分・・・」
と説明しようとした、京より合流した進士藤延の言葉を、
「藤延殿、覚慶様は『よい』とおっしゃったのですよ。家臣ならば従わねば」
そう光秀が強引に会話を中断させ、
「うむ、そうだのう」
覚慶がそう追認したので、場は白けるつつも、命令通りとなり、
翌日、安藤定治に藤英が、
「美濃尾張の方に決まったが・・・大丈夫であろうな?」
「御安心下さい。私めが眼を光らせて当主を監視致しますので」
「うむ。任せたぞ」
というのが真相だったのだ。
稲葉山城の評議の上座では龍興が、
「よくやったぞ、安藤。褒美に安藤には宇留間、猿啄の城をやろう」
「ありがとうございまする」
「では、下がってよいぞ」
「ははっ」
定治が下がった後、龍興が氏家直元を見て、
「さて、これからだ。織田が飲むと思うか、ジイ?」
「まさか。既に美濃の四半分を手に入れておりますのに」
「では美濃中に将軍からの和議命令の流言を広めよ、弘就」
「ははっ」
日根野弘就が指示通りに流言を流したのだった。
◇
そして尾張小牧山城では織田家の幹部全員が招集されて恒興が、何事か、と出向けば、信長が、
「南近江の矢島に居る死んだ公方様の弟御が斎藤家との和議と上洛の兵を無心してきおったわ」
不機嫌そうにそう切り出した。
「また斎藤家と和議ですか?」
恒興が馬鹿にしたように笑ったが、
「ああ、勝。まただ」
信長の静かな逆上を見て、恒興が嫌な予感を覚えながら、
「和議は構いませんが、領地は当然、現状維持ですよね?」
「いいや。織田が切り取った美濃の領地を斎藤家に返してやれ、と言ってきおったわ」
信長が嘲笑うように答えたので、重臣達が騒然となった。
「信長様、まさか受けたのではござりませんな?」
代表して第一家老の林秀貞が問い、信長が、
「それを決める為に全員を招集した訳だ」
「この前とは違いますぞ。今や美濃の四分の一を得、美濃衆の中には織田家に靡く者が出てきているのに今更返せる訳が。断るべきです」
第二家老の平手久秀の主張に、
「久秀殿に同意です。墨俣への築城に失敗した私が言うのも何ですが、墨俣に城を築けば稲葉山城までもうすぐですので」
第三家老の佐久間信盛が答えた。
信長が信盛から墨俣築城の任務を引き継いだ第六家老の柴田勝家を見て、
「権六、墨俣の城はまだ築けんのか?」
「申し訳ございません、尾張より木材を運んでるのを勘付かれて近付く事も出来ませぬ」
勝家が答え、第五家老の河尻秀隆が、
「それで信長様、将軍の弟の和議命令、どうなされるおつもりですか?」
「未来の将軍の不興を買う訳にもいくまい」
信長が面倒臭そうに答えた。
尚、第四家老の森可成は東美濃の金山城(旧兼山城)の防衛任務中で欠席である。
「それです、信長様。まだ将軍ではありませんよ、弟様は。大名への命令権はないはずです」
恒興が即座にツッコミを入れると、
「だが将軍になる御仁の怨みを買うのものう」
信長がそう考慮し、「拙い、領地を返すとか言いそう」と思った恒興が慌てて勝家に、
「悪知恵の柴田。何か悪知恵を出せ。信長様が切り取った美濃の領地を斎藤に返すと言う前に」
「誰が悪知恵の柴田だ、ったく」
そう恒興を睨みながら、勝家は真面目に考えて、
「和議は無視して上洛を大々的に宣伝するのはありですな」
「それで? その後は?」
信長が興味無さそうに続きを聞く中、勝家が、
「甲賀の和田ならともかく矢島御所は京より近いですから『上洛する』などと噂が立てば、将軍様を殺した三好の方も放置は出来ぬかと」
「権六、将軍の弟の死を望んでいるのか?」
信長がジロリッと勝家を見た。
「いいえ、『尾張に流れてくる』のを望んでおりまする」
「皆の意見は?」
と信長が問うも家老達には他に意見がなく、信長が恒興を見て、
「ふむ。勝、おまえの意見は?」
「西美濃を通らずに京に上洛するとなると北伊勢を通る事になりますが、美濃と伊勢を同時に敵に回すのは下策かと」
「そういう常識的な事は聞いておらん。もっと良い事を言え」
「もっと良い事ですか? その将軍様の弟様、お坊様だったんですからまだ独身ですよね? 織田家と縁付けば何かと都合が良いかと」
恒興が婚姻による外戚を示唆するも、既に考えていたのか信長が、
「無理だな。他も狙ってるであろう」
「では競争相手は潰さないといけませんね」
「潰す? どうやって?」
「王道の『離間の計』が有効かと。『将軍殺しの三好と手を結んでいる』との流言だけで十分、楔が打ち込めますので。畿内で三好と過去に一度でも誼を結んだ事のある勢力には効くかと」
その恒興の言葉に、信長が愉快そうに、
「ふふふ、畿内はここ十年、三好の天下だったのだぞ? 畿内で三好と誼を通じてない大名などおるまいて。あの義龍でさえ三好から官位を貰っておるのに」
「では、畿内の全員を信じられなくなる訳ですね、将軍様の弟様は。おお、これは放っておいても尾張に流れてくるやもしれませんな~」
「勝、権六みたいな事を言っているぞ」
そう指摘すると、
「オレはそこまで悪辣ではありませんよ」
「私はそこまで悪辣ではありませんよ」
恒興と勝家の言葉が被ったのだった。
「ったく、だが流言は効果がありそうだのう。特に斎藤と三好の関係を蒸し返すのは。やれ」
信長はそう命令を下したのだった。
◇
矢島御所にて一乗院覚慶改め足利義秋は六角義賢を呼び出したはずなのだが、何故か息子の六角義治が来ており、それだけでも不機嫌な中、更なる不機嫌さを隠す事もせずに、
「妙な噂を聞いたのだが。兄の死におまえの父親が関わってるそうだな」
「根も葉もない流言にございます」
「流言? 本当の事でありましょうが」
義秋を越前に招く密命を帯びた光秀がそう口を挟んだ。
「なっ、無礼であろう」
「では、先代の公方様が身罷られた後、六角は京に居る三好に対して兵を挙げられたのですかな?」
「それは・・・挙げてはおらんが」
「何故、挙げられなかったのです? 六角と言えば先代公方様の味方でござりましょうに? んん?」
舌鋒鋭い光秀の追及に、
「こちらにも事情が・・・」
「『先代様の暗殺を企む三好に同意していた』という事情ですか?」
意地悪く光秀が指摘した。
他の義秋の側近達はと言えば、
(コヤツ、普段は気に入らんが・・・)
(他を追及するのには役立つな)
(六角を追い詰めるのを任せても良いかも)
光秀の評価が少し上がっていた。
追及された六角義治が、
「我慢ならん。何なんだ、貴様はっ! たかが越前より参った新参者の癖にっ!」
「六角が三好に味方などするからでしょうが」
「違う。父上は・・・」
「そもそも、どうしてアナタ様が来られたのです? 公方様は義賢様を呼ばれたはずですが? 何か来られぬ理由でもあるので? 例えば三好からの大切な使者が来ており会わねばならぬとか?」
「そのような事はあらんわっ! 単に私に公方様の相手をするように・・・」
「大切な用はなかった? つまり六角の先代は公方様の召喚命令を軽く見たと?」
「違うわっ! そもそも六角の当主は私だぞっ!」
「だが、実権は父君がまだ持ってるではありませんか。アナタ様はお呼びではないのですよ」
と光秀が見下すように言い放ち、
「義賢に来るように伝えよ」
義秋が追認したので、
「はっ」
と六角義治は引き下がったが、恥を掻かされたので内心では、
(何なんだ、この男は。絶対に殺してやるぞっ!)
などと嫌悪したのだった。
◇
京や堺では、
「南近江の六角、北近江の浅井、美濃の斎藤、尾張の織田が昨年身罷られた公方様の弟様を担いで京にのぼるらしい」
「時期は種撒きが終わった後だとか」
「兵数は3万を越えるとのこと」
「悪逆の三好もこれまでですな」
「まったくだ。あのような暴挙、天がお許しになるはずがない」
との噂が広がったのだった。
三好家の方は南近江に逃げて還俗した足利義秋の方までは手が回らなかった。
それどころではなかったのだ。
追放した松永久秀に味方する連中が多くて三好家中が真っ二つに割れてしまって。
今も松永久秀、畠山高政、安見宗房らとの連合軍を相手に「上野芝の戦い」の真っ最中である。
「クソ、どうして松永なんぞの味方をするんだ」
三好三人衆の筆頭の三好長逸が舌打ちして不思議がった。
それは自分が「将軍を殺した」自覚がないからである。
実際に「永禄の変の真相」は松永久秀の陰謀なのだが、その事をどれだけ吹聴しても誰も信じてくれない。
誰もが「三好三人衆が将軍を殺した」と思っていた。
その為、誰もが将軍を殺した三好三人衆に味方したくない。
それが畿内の武将達の忌憚のない本音だった。
何せ、三好三人衆に味方したら「将軍殺しの一味だ」と思われてしまうのだから。
お陰で三好三人衆に味方をせず、結果、松永の許には結構な武将が集まっていた。
「松永が逃がし、南近江の六角が保護していた公方様の弟が還俗したそうですよ」
「それよりも京の公家連中でしょう。表向きは三好に従ってますが、内心では我々の破滅を望んでいますから」
三人衆の三好政康と岩成友通と本陣で談合してると、鬨の声が聞こえ、
「報告、敵が逃げて行きます」
「追え、絶対に松永を殺せっ! あいつが居ると和泉に釘付けで何も出来んからっ!」
そう長逸は吠えたのだった。
登場人物、1566年度
足利義秋(29)・・・足利義輝の異母弟。一乗院覚慶より還俗。母は近衛尚通の娘、慶寿院。家督相続者以外の子息。矢田御所から京への上洛を目論む。
能力値、高貴なる血筋A、迷惑な書状乱発A、忠誠を削る軽薄な声A、兄殺し許すまじA、既に将軍様S、佞臣蔓延るA
斎藤龍興(18)・・・美濃斎藤家の当主。13歳で家督を継承。蝮の血の覚醒。安藤守就に足の指を切断される。外交で織田に攻勢に出る。
能力値、三代目蝮A、部下は駒C、悪の華D、祖父と父の遺産A、尾張を狙うB、移動に支障ありA
安藤定治(44)・・・斎藤家の家老。安藤家の当主。父親は安藤守就。従兄は稲葉良通。父同様に策士。失態から左腕を失う。
能力値、片腕落としの定治B、底意地悪いの安藤A、面従腹背A、龍興への忠誠E、龍興からの信頼E、斎藤家臣団での待遇C
三淵藤英(35)・・・足利義輝の遺臣。三淵晴員の子。異母弟に細川藤孝。官位、大和守。気品正しい。涼やかな佇まい。永禄の変で義秋を守るよう命令される。
能力値、涼やかの藤英B、義秋を守るA、三好憎しS、義秋への忠誠C、義秋からの信頼D、矢田御所での待遇C
細川藤孝(34)・・・足利義輝の遺臣。三淵晴員の子。別名、与一郎。武芸百般。牛投げの藤孝。兄の藤英よりも優秀。
能力値、牛投げの藤孝B、武芸百般A、実は兄が嫌いC、義秋への忠誠D、義秋からの信頼C、矢田御所での待遇C
明智光秀(38)・・・朝倉家の家臣。別名、十兵衛。美濃国明智氏の支流。医術の心得あり。貧乏侍。いつの間にか義秋の寵臣。
能力値、義秋の寵臣の光秀A、医術の心得C、佞臣か忠臣かB、義秋への忠誠B、義秋からの信頼A、矢田御所での待遇B
進士藤延(34)・・・進士晴舎の息子。日向守は通称で、正式な官位ではない。永禄の変で頭部を負傷。矢田御所で合流。光秀排除の機会を窺う。
能力値、頭の傷が疼くA、落ちた麒麟B、三好憎しB、義秋への忠誠C、義秋からの信頼D、矢田御所での待遇D
氏家直元(54)・・・斎藤家の宿老。西美濃三人衆。美濃閨閥の最大勢力。蝮の五の牙。領地喰らいの直元。長井道利、日根野弘就は母方の従兄弟。龍興に警戒されてる。
能力値、美濃の陰の支配者B、蝮の五の牙の直元S、西美濃の顔役B、龍興への忠誠C、龍興からの信頼B、斎藤家臣団での待遇S
日根野弘就(48)・・・斎藤家の家老。美濃本田城主。通称、徳太郎。兜作りの名人。先代義龍の寵臣。斎藤喜平次、孫四郎を暗殺した事で有名。氏家閨閥のナンバー2。
能力値、兜作りの日根野B、氏家閨閥の次席A、判断が悪いC、義龍への義理S、龍興からの信頼B、斎藤家臣団での待遇A
織田信長(32)・・・将来の天下人。織田家当主。天才肌。奇抜な事が好き。桶狭間の戦いで今川義元に勝利して武名が近隣に轟く。美濃の併合を目論む。
能力値、天下人の才気SS、うつけの信長S、麒麟の如くS、奇抜な事好きSS、新しい物好きSS、火縄銃SS
池田恒興(30)・・・主人公。信長の近習幹部。信長の乳兄弟。織田一門衆と同格扱い。伊木山城主。主戦場が西美濃に移り、伊木山城は平和。
能力値、信長と養徳院の教えS、大物に気に入られる何かS、ヤラカシ伝説A、信長への絶対忠誠SS、信長からの信頼SS、織田家臣団での待遇S
林秀貞(53)・・・織田家の第一家老。那古野城代。織田の跡目相続では後見役ながら信長を裏切って信勝を支持する。
能力値、織田家の家宰B、歳で槍働きはもう無理S、信勝への寝返りは信長の密命B、信長への忠誠B、信長からの信頼B、織田家臣団での待遇SS
平手久秀(40)・・・織田家の第二家老。平手政秀の長男。頑固者。父親に顔が似てる。弁舌軽やか。清洲城代。
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佐久間信盛(37)・・・織田家の第三家老。別名、右衛門尉。織田家中随一の知将。しまり屋なのが玉に瑕。
能力値、織田家の家宰A、しまり屋の信盛A、退き佐久間A、信長への忠誠A、信長からの信頼A、織田家臣団での待遇SS
河尻秀隆(39)・・・織田家の第五家老。信長の最古参の家臣。信勝を殺害。猿啄城を拝領。
能力値、戦上手の秀隆A、政務の素養E、織田信勝(信行)殺害の知名度SS、信長への忠誠A、信長からの信頼A、織田家臣団での待遇A
柴田勝家(36)・・・織田家の第六家老。豪傑の容姿とは裏腹に策士。甲斐武田と密約を交わす。信長優先で池田恒興の殺害は中止。木曽で拷問を受けた。
能力値、悪知恵の柴田A、見た目通りの剛力S、生傷が絶えずB、織田家への忠誠D、信長からの信頼E、織田家臣団での待遇C
六角義治(21)・・・六角16代当主。六角義賢の嫡子。母は畠山義総の娘。観音寺騒動を引き起こす。
能力値、若き六角当主D、父よりも劣るC、観音寺騒動中B、突然、珠が手中にA、矢島御所の佞臣に負けるA、将軍家を見限るA
三好長逸(50)・・・三好一族衆。三好三人衆の一人で筆頭格。三好家の執権。三好一族の長老。永禄の変の大罪を背負う。松永と内乱中。
能力値、強奪の長逸C、三好政権の執政B、将軍殺しの悪名★、義継への忠誠C、義継からの信頼C、三好家臣団での待遇SS
三好政康(38)・・・三好一族衆。三好三人衆の一人。別名、宗渭。義継の後見人。三好の天下を狙う。御所巻を慣行。将軍殺しの大罪を背負う。松永と内乱中。
能力値、裏切りの政康A、将軍殺しの悪名★、三好の天下A、義継への忠誠E、義継からの信頼C、三好家臣団での待遇S
岩成友通(47)・・・三好家の家臣。三好三人衆の一人。義継の後見人。鉄砲好き。御所巻を政康に教えた張本人。将軍殺しに大罪を背負う。松永と内乱中。
能力値、晩年穢しの友通A、将軍殺しの悪名★、鉄砲好きA、義継への忠誠B、義継からの信頼C、三好家臣団での待遇S
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