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1563年、嫌われ柴田の復権
小牧山城への首都移転
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【足利義輝、尾張の田舎武士の純朴さに心打たれる説、採用】
【尾張犬山城、意外に難攻不落、採用】
【小牧山城の城下、あっという間に出来た説、採用】
【柴田勝家、信長の首を狙っていた説、採用】
【竹中重治、美濃を追われたお返しに柴田勝家を念入りに潰す為に動いた説、採用】
京の勘解由小路烏丸御所。
そこが足利義輝の現在の御座所で、将軍義輝の許に尾張織田家から京工作の為に派遣されたのは平手久秀だった。
1559年に信長が御座所に入った際の同行者4人の中で久秀が一番弁舌が爽やかだったから、との人選で、その久秀は将軍義輝との謁見でお涙ちょうだいの、
「美濃の竹中は酷過ぎます。いくら有名になりたいからと言って、さも自分の手柄のように桶狭間で今川義元の首級を挙げたなどと吹聴して。義元の首級を真に挙げた織田家の若武者、毛利良勝は武門の誉れを穢され、悔しさの余り隠れて男泣きをしていたのですぞ。肩を震わすその姿を陰から見てしまった時は良勝の悔しさが幾重にも伝わり、この私も陰で貰い泣きをしてしまったほどです。お願いです、織田家に斎藤家の竹中を討つ許可を下されっ!」
将軍義輝としては自分の味方同士の潰し合いは避けたいというのが本音で、
「気持ちは分かるがな」
「武士の誇りを穢されたのに我慢しろとおっしゃるのですか。将軍様でもそれは余りにお惨過ぎます」
「しかし、斎藤家の当主はまだ14、5歳でーー」
「斎藤を潰すと言ってるのではないのです。せめて竹中を、卑怯者の竹中に一太刀浴びせる許可を下さい」
「こちらで書状を送り、二度とこのような事を起こさぬようにきつく言っておくのでな」
「武士の矜持を穢された毛利良勝にこれ以上我慢しろと? 私にはとてもそんな事を良勝に言えません」
「では、室町幕府を亡き物にしようとした今川義元を討った武功を御所に報告して官位の推薦をーー」
「違います。そんな事を望んでいるのではないのです。分かりませんか、将軍様? 田舎武士は誇りを守りたいだけなのです。前の尾張の会見の時、塀から敷地内に滑り落ちた者が居たでしょう?」
「ああ、居たな。あやつか」
そんな奴、恒興1人しかおらず、さすがに覚えていた義輝が頷く中、
「あの者は将軍様からいただいた刃毀れした刀を『将軍様よりいただいた我が家の家宝』と言って、それはもう大切に大切にしておりまする。尾張の田舎武士はそれだけ単純なのです。その単純な田舎武士に正当なる正義を行う許可を下され」
遂には田舎武士の純朴さに心を打たれた義輝は、
「竹中だけだぞ。そう信長に伝えい」
と許可を出し、
「ははっ、ありがとうございまする」
久秀による織田家の京工作は大成功に終わった。
◇
尾張の犬山城。
意外とこれも難攻不落の山城である。
周囲に枝城が張り巡らされている以上に木曽川を背にした断崖の山城が難攻不落と呼ばれる所以だった。
木曽川を挟んだ向こう岸が尾張ではなく美濃領な為に、地上を封鎖しても美濃側が味方である限り、木曽川から舟と縄に結んだ籠で物資が城内で運べるのだ。
その為、信長軍は犬山城の攻略に手間取り、遂には小牧山を築城する決断に至ったのだが。
2月。
その小牧山城が完成して遂に信長が清洲城から乗り込んできた。
尾張国内の話だが首都移転である。
家臣も当然一緒だが、住まいがない。
でも大丈夫だ。
何せ、城を作り終えて暇な大工と、余分に運んだ材木が腐る程、揃ってる。
あっという間に城下に長屋が並び始めた。
そして池田恒興はその長屋が出来るのを小牧山城から眺めながら、
「信長様、今年になってまだ清洲に戻ってないんですけど、オレ~」
そう隣の信長に城普請の防衛の苦労を伝えたが、信長が笑いながら、
「清洲には戻ってなくても那古野には顔を出しているではないか」
「そりゃあ、母上が居ますからね」
「それだけではあるまい。余り武田の女中にのめり込むでないぞ」
「はっ、畏まりました」
と畏まった後、恒興が、
「清洲に戻っていいですか?」
(ふむ。池田の屋敷に遠江の商人が出入りしてる事は言わん方がいいか)
信長がそう考え、
「二、三日なら別に構わんが・・・」
許可を出そうとした時、慌てた様子の秀吉が、
「信長様、大変です」
「何だ、サル。騒々しい」
「小口城から犬山城方の兵が撤退して蛻の殻になっております」
そう告げた。
信長が眼を知的に光らせて、
「よし、権六の兵を入れよ」
そう命令したが、恒興は、
「そう言えば、本当に柴田を家老にしたんですか? オレは裏切ると思いますけど」
「功績に報いただけだ。小牧山城の普請、竹中の失脚工作、美濃との和議漬し。最近色々と役立っているのでな」
信長には意外と甘いところがある事を知っている乳兄弟の恒興が、
「オレも柴田を見張りますが、信長様も油断しないで下さいね」
「分かっておる」
との会話の後、空き城となった犬山城の城の小口城に信長の軍が入ったのだった。
◇
犬山城内では小口城を手放した家老の中島豊後守が織田信清から叱責を受け、
「何故、オレの許可なく小口城を手放したっ! このタワケがっ!」
さすがは信長の従兄弟。
信長が秀吉にやるような蹴りを豊後守に喰らわせていた。
「小牧山の城が遂に完成し、小口城の味方の兵の脱走が続いた為ーー」
「それは無能の貴様が城の完成まで何もせずに手をこまねいて見ていたからであろうがっ!」
「そんなっ! 私は何度も殿に兵を出していただけるように催促の書状を出しましたぞっ!」
「オレの手を借りようなどと100年早いわっ!」
またもやドカッと蹴られた豊後守が無念に思う中、
「下がっていろ、豊後守」
「はっ」
と広間から居なくなる中、もう1人の家老の和田定利に、
「アヤツ、信長に内応しておるように思うんだが今の内に殺した方が良いのではないか?」
「それはないかと。内応していたら小口城を土産に清州方に走っているかと」
「確かに」
「御安心下さい、信清様。この犬山城は難攻不落。美濃の支援がある限り、落ちたりは致しません」
「うむ。それに柴田も味方しているのでな」
信清が口を滑らせたのを定利が過敏に反応して、
「はあ? まさか、清洲方の柴田ですか?」
「そうだ。もう3年の付き合いになるかな」
「あの男はダメですぞ。嘘八百の男で、信勝を土産に信長に取り入った卑怯者ですから」
「ああ、分かっておる。ちゃんと警戒するわ」
そんな事が犬山城内で語られたのだった。
◇
兵と一緒に小口城に入った柴田勝家に、
「ようやくですね、殿」
中村文荷斎が悪そうに囁いた。
「ああ、ようやく信勝様の仇が討てる」
「竹中、こちらの思惑通りに動いてくれるでしょうか?」
「動くであろうよ。尾張の美濃侵攻を黙ってみてはおれまい」
「では、この春にでも」
「ああ、暗殺者の方は分かっていような?」
「池田に使うのですね」
「ああ、アイツは勘が良過ぎる。消えてーーしっ」
と勝家が言った直後に、前田利家がやってきた。
1人じゃない。
兵を連れてやってきている。
物々しい事この上ないどころか殺気立って槍先を勝家に向ける始末だった。
利家は同情気味な表情で、
「権六殿、信長様がお呼びです。すぐに来られますように。そうそう、刀は文荷斎殿に預けられると助かります」
「何かあったのか?」
「『小牧山城には信長様を暗殺する為の釣り天井の仕掛けがある』との噂が突然広まって信長様が権六殿を呼んでこいと」
「はあ? そんな物作ってる訳が・・・」
と呟いた勝家が犯人に思い当たってハッとし、
「竹中ぁ~っ! おまえかぁぁぁっ!」
そう咆哮したのだった。
「一緒に来ていただきますよ」
「構わんが釣り天井なんてないぞ」
「でしょうね。あの池田殿ですら『ププッ、どれだけ恨まれてるんだよ、柴田~』って笑ってましたから」
「勝三郎が気付いてるなら大丈夫か」
そう言いながら仕方なく勝家は連行されていったのだった。
登場人物、 1563年度
平手久秀(37)・・・織田家の家老。信長の近習筆頭。平手政秀の長男。頑固者。父親に顔が似てる。謹慎中を良い事に密使として人知れず京へ。
能力値、死んだ父親の七光りSS、父親譲りの政務力A、信長への忠誠B、信長からの信頼A、信長家臣団での待遇S、信長に馬を譲らなかった逸話S
足利義輝(27)・・・室町幕府13代将軍。塚原卜伝流創設の新当流の免許皆伝。一乃太刀の義輝。尾張の田舎武士の純朴さに心打たれる。
能力値、天下人の才気E、悲運の将軍B、一乃太刀の義輝B、朝廷での評判D、三好憎しSS、刀蒐集SS
木下秀吉(26)・・・将来の天下人。出しゃばり。信長の傍に良く出没。槍働きよりも知恵で信長に貢献。信長に許可を貰ってねねと結婚。
能力値、天下人の才気S、人誑しの秀吉SS、愛妻ねねS、信長への忠誠A、信長からの信頼C、織田家臣団での待遇E
織田信清(30)・・・織田一門衆。犬山城主。織田信秀の弟、信康の子供。信長の従兄にして、信長の実姉、犬山殿と婚姻関係。それでも信長に対して謀反を起こす。
能力値、織田一門衆S、怜悧の信清B、勝算ありで謀反S、家来が無能A、自分が得する話大好きA、尾張を盗むE
中島豊後守(36)・・・信清の家老。犬山城の枝城、小口城の城将。律儀者。岩室重休の死で信長や恒興、織田家中からの怨みを買っている。
能力値、律儀の豊後守A、勝算ありで奮戦D、うつけ嫌いB、信清への忠誠D、信清からの信頼E、信清家臣団での待遇B
和田定利(31)・・・織田信清の家老。犬山城の枝城の黒田城主。信清による大抜擢。兄に幕臣の和田雅が居る。
能力値、犬山城の弱点熟知の定利B、信清への御恩B、兄が実は凄いC、信清への忠誠B、信清からの信頼C、信清家臣団での待遇S
中村文荷斎(28)・・・勝家の家臣幹部。勝家の子飼い。勝家の知恵袋。正室は柴田勝家の養女。
能力値、勝家への忠誠SS、知恵袋の文荷斎B、槍働きC、他人が馬鹿に見えるA、信勝が勝てば良かったと思ってるS、頓馬の文荷斎E
前田利家(25)・・・織田家の家臣。赤母衣衆筆頭。柴田勝家の与力。
能力値、槍の又左A、愛妻まつS、そろばんC、信長への絶対忠誠S、信長からの信頼A、織田家臣団での待遇B
【尾張犬山城、意外に難攻不落、採用】
【小牧山城の城下、あっという間に出来た説、採用】
【柴田勝家、信長の首を狙っていた説、採用】
【竹中重治、美濃を追われたお返しに柴田勝家を念入りに潰す為に動いた説、採用】
京の勘解由小路烏丸御所。
そこが足利義輝の現在の御座所で、将軍義輝の許に尾張織田家から京工作の為に派遣されたのは平手久秀だった。
1559年に信長が御座所に入った際の同行者4人の中で久秀が一番弁舌が爽やかだったから、との人選で、その久秀は将軍義輝との謁見でお涙ちょうだいの、
「美濃の竹中は酷過ぎます。いくら有名になりたいからと言って、さも自分の手柄のように桶狭間で今川義元の首級を挙げたなどと吹聴して。義元の首級を真に挙げた織田家の若武者、毛利良勝は武門の誉れを穢され、悔しさの余り隠れて男泣きをしていたのですぞ。肩を震わすその姿を陰から見てしまった時は良勝の悔しさが幾重にも伝わり、この私も陰で貰い泣きをしてしまったほどです。お願いです、織田家に斎藤家の竹中を討つ許可を下されっ!」
将軍義輝としては自分の味方同士の潰し合いは避けたいというのが本音で、
「気持ちは分かるがな」
「武士の誇りを穢されたのに我慢しろとおっしゃるのですか。将軍様でもそれは余りにお惨過ぎます」
「しかし、斎藤家の当主はまだ14、5歳でーー」
「斎藤を潰すと言ってるのではないのです。せめて竹中を、卑怯者の竹中に一太刀浴びせる許可を下さい」
「こちらで書状を送り、二度とこのような事を起こさぬようにきつく言っておくのでな」
「武士の矜持を穢された毛利良勝にこれ以上我慢しろと? 私にはとてもそんな事を良勝に言えません」
「では、室町幕府を亡き物にしようとした今川義元を討った武功を御所に報告して官位の推薦をーー」
「違います。そんな事を望んでいるのではないのです。分かりませんか、将軍様? 田舎武士は誇りを守りたいだけなのです。前の尾張の会見の時、塀から敷地内に滑り落ちた者が居たでしょう?」
「ああ、居たな。あやつか」
そんな奴、恒興1人しかおらず、さすがに覚えていた義輝が頷く中、
「あの者は将軍様からいただいた刃毀れした刀を『将軍様よりいただいた我が家の家宝』と言って、それはもう大切に大切にしておりまする。尾張の田舎武士はそれだけ単純なのです。その単純な田舎武士に正当なる正義を行う許可を下され」
遂には田舎武士の純朴さに心を打たれた義輝は、
「竹中だけだぞ。そう信長に伝えい」
と許可を出し、
「ははっ、ありがとうございまする」
久秀による織田家の京工作は大成功に終わった。
◇
尾張の犬山城。
意外とこれも難攻不落の山城である。
周囲に枝城が張り巡らされている以上に木曽川を背にした断崖の山城が難攻不落と呼ばれる所以だった。
木曽川を挟んだ向こう岸が尾張ではなく美濃領な為に、地上を封鎖しても美濃側が味方である限り、木曽川から舟と縄に結んだ籠で物資が城内で運べるのだ。
その為、信長軍は犬山城の攻略に手間取り、遂には小牧山を築城する決断に至ったのだが。
2月。
その小牧山城が完成して遂に信長が清洲城から乗り込んできた。
尾張国内の話だが首都移転である。
家臣も当然一緒だが、住まいがない。
でも大丈夫だ。
何せ、城を作り終えて暇な大工と、余分に運んだ材木が腐る程、揃ってる。
あっという間に城下に長屋が並び始めた。
そして池田恒興はその長屋が出来るのを小牧山城から眺めながら、
「信長様、今年になってまだ清洲に戻ってないんですけど、オレ~」
そう隣の信長に城普請の防衛の苦労を伝えたが、信長が笑いながら、
「清洲には戻ってなくても那古野には顔を出しているではないか」
「そりゃあ、母上が居ますからね」
「それだけではあるまい。余り武田の女中にのめり込むでないぞ」
「はっ、畏まりました」
と畏まった後、恒興が、
「清洲に戻っていいですか?」
(ふむ。池田の屋敷に遠江の商人が出入りしてる事は言わん方がいいか)
信長がそう考え、
「二、三日なら別に構わんが・・・」
許可を出そうとした時、慌てた様子の秀吉が、
「信長様、大変です」
「何だ、サル。騒々しい」
「小口城から犬山城方の兵が撤退して蛻の殻になっております」
そう告げた。
信長が眼を知的に光らせて、
「よし、権六の兵を入れよ」
そう命令したが、恒興は、
「そう言えば、本当に柴田を家老にしたんですか? オレは裏切ると思いますけど」
「功績に報いただけだ。小牧山城の普請、竹中の失脚工作、美濃との和議漬し。最近色々と役立っているのでな」
信長には意外と甘いところがある事を知っている乳兄弟の恒興が、
「オレも柴田を見張りますが、信長様も油断しないで下さいね」
「分かっておる」
との会話の後、空き城となった犬山城の城の小口城に信長の軍が入ったのだった。
◇
犬山城内では小口城を手放した家老の中島豊後守が織田信清から叱責を受け、
「何故、オレの許可なく小口城を手放したっ! このタワケがっ!」
さすがは信長の従兄弟。
信長が秀吉にやるような蹴りを豊後守に喰らわせていた。
「小牧山の城が遂に完成し、小口城の味方の兵の脱走が続いた為ーー」
「それは無能の貴様が城の完成まで何もせずに手をこまねいて見ていたからであろうがっ!」
「そんなっ! 私は何度も殿に兵を出していただけるように催促の書状を出しましたぞっ!」
「オレの手を借りようなどと100年早いわっ!」
またもやドカッと蹴られた豊後守が無念に思う中、
「下がっていろ、豊後守」
「はっ」
と広間から居なくなる中、もう1人の家老の和田定利に、
「アヤツ、信長に内応しておるように思うんだが今の内に殺した方が良いのではないか?」
「それはないかと。内応していたら小口城を土産に清州方に走っているかと」
「確かに」
「御安心下さい、信清様。この犬山城は難攻不落。美濃の支援がある限り、落ちたりは致しません」
「うむ。それに柴田も味方しているのでな」
信清が口を滑らせたのを定利が過敏に反応して、
「はあ? まさか、清洲方の柴田ですか?」
「そうだ。もう3年の付き合いになるかな」
「あの男はダメですぞ。嘘八百の男で、信勝を土産に信長に取り入った卑怯者ですから」
「ああ、分かっておる。ちゃんと警戒するわ」
そんな事が犬山城内で語られたのだった。
◇
兵と一緒に小口城に入った柴田勝家に、
「ようやくですね、殿」
中村文荷斎が悪そうに囁いた。
「ああ、ようやく信勝様の仇が討てる」
「竹中、こちらの思惑通りに動いてくれるでしょうか?」
「動くであろうよ。尾張の美濃侵攻を黙ってみてはおれまい」
「では、この春にでも」
「ああ、暗殺者の方は分かっていような?」
「池田に使うのですね」
「ああ、アイツは勘が良過ぎる。消えてーーしっ」
と勝家が言った直後に、前田利家がやってきた。
1人じゃない。
兵を連れてやってきている。
物々しい事この上ないどころか殺気立って槍先を勝家に向ける始末だった。
利家は同情気味な表情で、
「権六殿、信長様がお呼びです。すぐに来られますように。そうそう、刀は文荷斎殿に預けられると助かります」
「何かあったのか?」
「『小牧山城には信長様を暗殺する為の釣り天井の仕掛けがある』との噂が突然広まって信長様が権六殿を呼んでこいと」
「はあ? そんな物作ってる訳が・・・」
と呟いた勝家が犯人に思い当たってハッとし、
「竹中ぁ~っ! おまえかぁぁぁっ!」
そう咆哮したのだった。
「一緒に来ていただきますよ」
「構わんが釣り天井なんてないぞ」
「でしょうね。あの池田殿ですら『ププッ、どれだけ恨まれてるんだよ、柴田~』って笑ってましたから」
「勝三郎が気付いてるなら大丈夫か」
そう言いながら仕方なく勝家は連行されていったのだった。
登場人物、 1563年度
平手久秀(37)・・・織田家の家老。信長の近習筆頭。平手政秀の長男。頑固者。父親に顔が似てる。謹慎中を良い事に密使として人知れず京へ。
能力値、死んだ父親の七光りSS、父親譲りの政務力A、信長への忠誠B、信長からの信頼A、信長家臣団での待遇S、信長に馬を譲らなかった逸話S
足利義輝(27)・・・室町幕府13代将軍。塚原卜伝流創設の新当流の免許皆伝。一乃太刀の義輝。尾張の田舎武士の純朴さに心打たれる。
能力値、天下人の才気E、悲運の将軍B、一乃太刀の義輝B、朝廷での評判D、三好憎しSS、刀蒐集SS
木下秀吉(26)・・・将来の天下人。出しゃばり。信長の傍に良く出没。槍働きよりも知恵で信長に貢献。信長に許可を貰ってねねと結婚。
能力値、天下人の才気S、人誑しの秀吉SS、愛妻ねねS、信長への忠誠A、信長からの信頼C、織田家臣団での待遇E
織田信清(30)・・・織田一門衆。犬山城主。織田信秀の弟、信康の子供。信長の従兄にして、信長の実姉、犬山殿と婚姻関係。それでも信長に対して謀反を起こす。
能力値、織田一門衆S、怜悧の信清B、勝算ありで謀反S、家来が無能A、自分が得する話大好きA、尾張を盗むE
中島豊後守(36)・・・信清の家老。犬山城の枝城、小口城の城将。律儀者。岩室重休の死で信長や恒興、織田家中からの怨みを買っている。
能力値、律儀の豊後守A、勝算ありで奮戦D、うつけ嫌いB、信清への忠誠D、信清からの信頼E、信清家臣団での待遇B
和田定利(31)・・・織田信清の家老。犬山城の枝城の黒田城主。信清による大抜擢。兄に幕臣の和田雅が居る。
能力値、犬山城の弱点熟知の定利B、信清への御恩B、兄が実は凄いC、信清への忠誠B、信清からの信頼C、信清家臣団での待遇S
中村文荷斎(28)・・・勝家の家臣幹部。勝家の子飼い。勝家の知恵袋。正室は柴田勝家の養女。
能力値、勝家への忠誠SS、知恵袋の文荷斎B、槍働きC、他人が馬鹿に見えるA、信勝が勝てば良かったと思ってるS、頓馬の文荷斎E
前田利家(25)・・・織田家の家臣。赤母衣衆筆頭。柴田勝家の与力。
能力値、槍の又左A、愛妻まつS、そろばんC、信長への絶対忠誠S、信長からの信頼A、織田家臣団での待遇B
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