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1562年、小牧山の城普請
清洲会見
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【織田信長と松平元康の会見、清洲城だった説、採用】
【出迎えは毛利良勝説、採用】
【織田信長、松平元康が本物か影武者か判断付かない説、採用】
【松平元康、事前の仕込みで偽者だとバレない説、採用】
【竹中重治、功績をバラされて斎藤家中で孤立し始める説、採用】
【斎藤龍興、暗愚ではないが酒と女に溺れ始めてる説、採用】
【斎藤飛騨守、存在した説、採用】
【斎藤飛騨守、1545年生まれ説、採用】
【第2次小牧山の戦い、織田信清出陣説、採用】
【和田定利、1532年生まれ説、採用】
【第2次小牧山の戦い、池田隊300人説、採用】
【第2次小牧山の戦い、犬山城軍800人、小口城軍150人説、採用】
【第2次小牧山の戦い、森隊500人が援軍として到着説、採用】
9月。
池田恒興が不在の清州城では戦国時代の名場面の一つが始まろうとしていた。
織田信長と松平元康の会見である。
恒興が不在なのは同盟の存続の条件に火縄銃で撃った恒興の首を要求されては困るからだ。
小牧山の築城防衛の担当に回されたのも会見の欠席が本命だった。
清州会見は最初から織田のペースで進んだ。
何せ、清州城の城門で三河松平一行を出迎えたのが毛利良勝で、
「ようこそお出で下さいました、三河様。本日、清州城内での案内役を務めさせていただく毛利良勝と申します。さあ、どうぞ中へ」
その名乗りだけで、
「えっ、義元公を討った?」
「そんな豪傑が・・・」
「お、恐れ入ります」
三河松平の重臣達は飲まれてしまい、
「さあ、どうぞ中へ」
三河松平の一行は萎縮しながら清州城に入ったのだから。
だが、この会見では信長が思いもしない事が起こった。
「やあ、元康殿。息災かな」
と満面の笑顔で出迎えた信長は元康の驚く顔を期待したのだが、
「ええ、信長殿もお元気そうで」
信長の顔を見ても元康はさらりと流しただけだったのだ。
何の反応も示さない。
元康を火縄銃で撃った信長は信長の影武者役の池田恒興で、その時、信長は小姓役をして物陰から元康を見ていただけで、実は元康とは今回が初対面だったのにも関わらずだ。
それなのに、当り前のように挨拶している。
驚きを隠している演技にも見えない。
信長は最初、元康が近眼か何かで信長の顔がこの距離でも見えていないのではないか、と考察したがそうではなさそうだ。
(・・・まさか、影武者なのか?)
信長が疑う中、元康の方は足を崩し、
「申し訳ない。古傷が痛みまして」
裸足の甲には恒興が撃った銃弾の傷痕がちゃんとある。
(やはり本物か?)
試しに、
「そんな事もありましたな。確かその傷を治療したのが・・・」
そう左後方に視線を向けたが、元康は引っ掛からずに、信長の右後方の岩室勘右衛門に視線を向けて、
「そちらに居る熱田羽城主の息子の弥三郎殿でしたね。今は岩室姓を名乗ってるんでしたか」
「御無沙汰しております、竹様」
「あの時は迷惑を掛けて申し訳ない」
と小姓の勘右衛門とも普通に挨拶をしている。
(――それくらいは三河も下調べ済みか。クソ、本物か影武者かも分からんとは。こんな事になるんなら勝を清州城に置いておくんだった~)
織田方の重臣一同は同盟相手である松平が狂犬とは思えぬ理知的な対応的な対応だったので安堵していたが、信長自身は不満の残る会見となった。
◇
この頃、美濃の稲葉山城の広間では竹中重治が窮地に陥っていた。
(やられた~。情報の発信源が津島なのだから尾張が動いたのは間違いない。信長に私の弱点が見抜かれた)
と信長を恨みながらも、広間では稲葉良通が、
「本当におまえは昨年、北信濃で激突した武田と上杉の川中島の戦いで武田方に不利になるような流言を流したのか? 答えて貰おうっ!」
追及されていた。
「そんな事をする訳が・・・」
「では、武田方からのこの時候の挨拶とは名ばかりの詰問状は何だ? 武田軍が総崩れになりかけた責任として、おまえの首か、東美濃の城を一つ渡せ、と言ってきてるのだぞっ!」
「最近尾張が流してる適当な噂を聞き付けて、因縁を付けて来てるだけかと」
「ふざけるなっ! そんな子供のような言い訳が通用すると思っているのかっ! 相手は餓えた虎の武田なんだぞ?」
「では武田怖さに私の首を差し出されるのですか? それとも城を1つ武田にくれてやる? 両方出来ないのですからそういう事です、稲葉様」
「なんだ、その反抗的な態度は? 目上の者も敬えんのか、 安藤殿、娘婿にどういう教育をされておられるのだっ!」
「いやいや、落ち着いて。殿も稲葉殿が大声を出すから驚いておられるではないか」
良通が上座を見て、
「殿、斎藤家の窮地です。この者に厳重な処罰を」
「いえ、竹中はまだ若く、才能もありますので」
裁定を求められた14歳の斉藤龍興は、
「今回は安藤の意見を入れよう。但し、今後、竹中が動く時は稲葉のジイにも知らせるように」
「はっ、ありがとうございます」
安藤守就がそう頭を下げ、
「甘過ぎますぞ、殿」
良通が不満顔の中、守就が、
「殿の裁定は終わりだ。飛騨守、殿を奥へ」
「はっ。龍興様、参りましょう」
「うむ。そうだな」
龍興が嬉しそうに席を立ったので、良通が、
「奥でちゃんと勉強をするのですぞ、殿。酒は飲まない。いいですな?」
「分かってるよ、ジイ」
こうして広間から龍興が退室する中、
「問題ばかりだわい。大丈夫なのか、美濃は」
そう良通は嘆いたのだった。
◇
同時刻。
小牧山で城普請の防衛砦から外に出て、普段とは違い、馬を茂みに隠して腹這いになって草の中に隠れていた恒興は、
「『せん』も無事に産まれた事だし、もう1人くらい子供を作るかな~」
呑気な事を呟きながらも、既に弾込めを終えた火縄銃を構えて、火縄が短くなる度に微調整を繰り返していた。
「それにしても本当に来るのかね~」
と言ってる傍から、伊木忠次が、
「殿、来ました」
と教えてくれて、
「おっ、本当だ」
犬山城から小口城へと向かう信清一行が見えてきた。
「ククク、謀反をしておいて兵も連れずに20人やそこらで呑気に小口城に来るとか馬鹿なんじゃないのか、信清~」
そうニヤリとしてから、周囲に居る火縄銃を構えた部下達に、
「1回撃ったら馬に乗って離脱だからな、皆の者。火縄銃を忘れるんじゃないぞ。火縄銃は信長様からの借り物で本当に高いんだから」
そう言ってから、
「撃てっ!」
との言葉で30丁の火縄銃が信清一行にダダダンッと発射されたのだった。
火縄銃の射線上には織田信清一行が居り、信清も馬に乗っていたが、その火縄銃の音に驚いた馬がヒヒンッと前足を上げて、
「うおっ!」
信清はそのまま落馬したのだった。
周囲の側近達が被弾する中、信清本人も、
「ぐおお、頭が」
後頭部を地面に強打して絶叫していた。
頭の痛みが収まってから、
「どうして右腕にまで痛みがーーヒィ、血? 私も撃たれてるではないかっ!」
遅蒔きに右腕が被弾している事に気付いた。
「今のは何者の仕業なんだ?」
「おそらくは小牧山に居る清洲の兵が火縄銃で銃撃してきたのかと」
「清洲の兵がどうしてオレがここを通る事を知っていたんだ?」
その疑問を口にした信清が、
(豊後守が裏切った? だが、そうでなければこの待ち伏せは説明が付かんぞ)
と家老の中島豊後守を疑い始めたのだった。
因みに恒興に情報を貢いだのは普請の邪魔をされて辟易し、どこかに行って欲しかった勝家だった。
◇
右腕を火縄銃で撃たれたのだ。
もし信長だったらあの性格だ。絶対に報復に出撃してる。
そして、さすがはその信長の従兄弟と言うべきか。
あの銃撃から僅か3日後には傷が治り切っていないのに、犬山城から織田信清自らが、
「まさか、オレを撃ったのが信長の腰巾着だったとはな~っ! 殺してやるぅぅぅっ!」
「いけません、信清様。出陣するのだけはっ!」
織田信清の家老の和田定利が慌てて止めた。
定利は犬山城の枝城、黒田城主だったが、信清が銃撃されたと聞いて犬山城に来てここ数日、宥めたのだが、結果は振るわず、馬に跨った信情に、
「邪魔だっ!」
と足蹴にされた。
そして信青は小牧山に出陣したのだった。
犬山城の兵800人を動員して。
対する小牧山築城の防衛砦の兵数は300人。
通常ならば勝てない。
そう思うところだが、余りに暇過ぎて池田家の重臣となった伊木忠次が池田隊の兵に訓練を課しまくった結果、池田隊の錬度は異常に高くなっていた。
何せ、戦ったのは1回だけだ。
普通に元気が有り余っている。
その上、小牧山の城普請を絶対に失敗出来ない普請奉行の柴田勝家も居る。
犬山城に探りを入れてて出兵を事前に察知し、恒興に情報伝達をしたが、相手にされなかったので、独断で信勝擁立時に昵懇となった第一家老の林秀貞に連絡を取った結果、援軍が小牧山に向かっていた。
織田信清の狙いは城普請中の小牧山ではない。
防衛砦の中に居る信長の腰巾着の池田恒興である。
柴田利家はこの恒興が死んだら、信長に自分が殺される事も知っており、防衛砦に入ったのだが、勝家の気持ちも知らない恒興が、
「あれれ、どうして柴田がいるの~? もしかして内側から砦の門を開けるつもりかな?」
「全然違うわっ! 勝三郎が死んだらオレが信長様に殺されるからだよっ!」
その叫びが池田隊に届いて、
(えっ、そうなの?)
(池田様は最悪、守らないと)
となっていたのはさておき。
「どうだか」
「おまえ、オレを疑い過ぎだぞ」
「あれ、柴田。忘れてない? それだけの事したよね?」
「最後の最後には信長様にお味方して赦免されたろうがっ!」
「信勝様の一番家老の地位を津々木蔵人に取られたからだろ、あれって?」
「まあ、それは認めなくもないが。ってか、本当に倒したのか、あの妖剣使いを? 勝三郎が?」
「凄いだろ」
「まあね。って、そんな事よりもだ。絶対に死ぬなよ、勝三郎っ! オレが信長様に因縁を付けられて殺されない為にもっ!」
「はいはい」
そんな訳で第2次小牧山の戦いとなった。
今回は防衛砦での攻防線だ。
動員された小口城軍としては小牧山の築城途中の普請を破壊したかったのだが、信清が、
「豊後守、おまえに一番槍の栄誉を与えよう。小口城の兵が先鋒として砦に攻め掛かるように」
「な、何故でしょうか?」
「オレを裏切ってない事を証明する為に決まってるだろうがっ! オレが撃たれたんだぞっ! おまえなんかを信用出来るかっ!」
そんな訳で被害が出る先鋒を無理矢理押し付けられて、別働隊として普請の破壊は出来なかった。
そして攻めた訳だが、前回とは違い、昼だ。
つまりは砦側からモロにこちら側の接近が見られていた。
この戦国時代で一番の最新兵器は火縄銃である。
飛距離は100メートル以上。
なので、まずは小牧山の防衛砦に配備された30丁が火を噴く。
木の盾など易々と貫通する威力だ。
命中精度は低いが、それでも5人程が、
「ぐあああ」
「ぎゃあ」
と負傷した。
だが、火縄銃にも弱点がある。
次弾の発射にかなり掛かるのだ。
その間に全速力で前進だ。
火縄銃の次にくる砦からの攻撃は矢の雨である。
矢の方は最悪だ。
何でもしてくるから。
木の盾で防ぎながら進む。
だが木の盾を持ってる奴なんて少ない。
盾を持ってない足軽は矢が当たらないのを祈りながら前進だ。
ようやく砦の壁に貼り付けたが、そこからが大変だ。
塀の上から大石を落とされる。
築城現場だ。抱えられる石程度なら山ほどある。
そんな中、梯子を使って登ろうとしてると、火縄銃の次弾が装填されて、ダァンッと撃たれる訳だ。
「こんなの小口城の手勢だけで落とせる訳がーー」
と中島豊後守が主へと振り返れば、後方に居るはずの味方の信清軍は逃げていた。
「へっ? 何で?」
さすがに眼が点である。
「豊後守様、新手です。その数、500以上」
本当に旗が見える。
美濃斎藤の旗なら味方だったが、織田の旗だった。
つまりは敵の増援だ。
「冗談じゃない。全軍撤退だっ!」
と背を向けて逃げる中、防衛砦から矢を降らされて更に小口城軍は死んだのだった。
織田信清は小口城に寄るどころか、さっさと犬山城に帰っていき、
「これだけなのか?」
中島豊後守は小口城に戻ってきた兵士を見て絶句した。
150人で出陣したのに僅か50人ほどしか城内に戻ってきていない。
(父君の信康様に恩義があるからとあんなのに尽くしたオレが馬鹿だった)
そう豊後守は項垂れたのだった。
一方の恒興は援軍を門前で出迎えていた。
援軍は森隊500人で、家老の森可成に恒興が、
「えっと、警備の交代ですか?」
「違うわっ! 援軍に来ただけだよ。まあ、その前に敵は逃げたが」
「うちの隊だけでも大丈夫でしたのに」
「小牧山の城普請が潰されては困るから来たんだよっ!」
「なるほど」
その後、森隊まで小牧山の守備砦に駐屯する事となり、手狭になったのでもう一つ守備砦を作る事になったのだった。
清洲では、元康との会見以来、ずっと不機嫌な信長が、
「何だ、この小牧山の砦からの火薬と弾丸の追加要求は? この間、送ったところであろうが」
追加要求の書状を見て更に不機嫌そうに眉を歪めた。
「池田殿が兵士に鉄砲の訓練を付けて足りなくなったと」
そう答えたのは、小姓の間で誰が不機嫌な信長にこれを見せるかで揉めて、年下というだけで貧乏くじを引かされた岩室勘右衛門である。
「勝には30丁しか貸し与えていないのにどうしてあれだけの量の火薬と弾をこの期間で使い切るんだ? 勝の奴、練習と称してこれ幸いにと種子島を撃ちまくってるな・・・これはやはり新たに鉄砲奉行を作らねばならんか」
恒興のヤラカシによって、信長が検討していた鉄砲隊の設立を決めたのだった。
登場人物、1562年度
松平元康(19)・・・三河松平家の当主。未来の天下人。元の名は水野信政。正体を知る三河石川氏の抹殺の機会を窺う。信長との会見をやり過ごす。
能力値、秘密あり☆、松平元康の傷痕を再現A、天下人の才気C、尾張水野贔屓SS、名演技A、薬は自前でS
岩室勘右衛門(15)・・・信長の小姓。重休の指名で岩室の家督を継ぐ。別名、加藤弥三郎。三河の竹千代が尾張人質時代に幽閉された熱田羽城の城主の次男。
能力値、早込めの勘右衛門A、狂犬の世話係C、薬は自前でD、信長への忠誠A、信長からの信頼C、織田家臣団での待遇D
斎藤龍興(14)・・・美濃斎藤家の当主。13歳で家督を継承。無能ではないが、武田に酒と女漬けにされてる最中。
能力値、武田の間諜の暗躍SS、家督が転がり込むA、戦国時代に飲酒規制なしS、戦国時代に淫行規制なしS、五月蠅い年寄り達A、佞臣を信じるA
斎藤飛騨守(17)・・・斎藤家の縁者。先代、義龍が付けた龍興の御側衆。佞臣よりも酷い美濃斎藤家の家督簒奪を企む者。
能力値、甲州金をドッサリA、龍興を暗愚に育てて美濃斎藤家を乗っ取るA、武田の支援A、竹中排除の密命A、龍興からの信頼A、斎藤家臣団での待遇D
和田定利(30)・・・織田信清の家老。犬山城の枝城の黒田城主。信清による大抜擢。兄に幕臣の和田惟雅が居る。
能力値、犬山城の弱点熟知の定利B、信清への御恩B、兄が実は凄いC、信清への忠誠B、信清からの信頼C、信清家臣団での待遇S
【出迎えは毛利良勝説、採用】
【織田信長、松平元康が本物か影武者か判断付かない説、採用】
【松平元康、事前の仕込みで偽者だとバレない説、採用】
【竹中重治、功績をバラされて斎藤家中で孤立し始める説、採用】
【斎藤龍興、暗愚ではないが酒と女に溺れ始めてる説、採用】
【斎藤飛騨守、存在した説、採用】
【斎藤飛騨守、1545年生まれ説、採用】
【第2次小牧山の戦い、織田信清出陣説、採用】
【和田定利、1532年生まれ説、採用】
【第2次小牧山の戦い、池田隊300人説、採用】
【第2次小牧山の戦い、犬山城軍800人、小口城軍150人説、採用】
【第2次小牧山の戦い、森隊500人が援軍として到着説、採用】
9月。
池田恒興が不在の清州城では戦国時代の名場面の一つが始まろうとしていた。
織田信長と松平元康の会見である。
恒興が不在なのは同盟の存続の条件に火縄銃で撃った恒興の首を要求されては困るからだ。
小牧山の築城防衛の担当に回されたのも会見の欠席が本命だった。
清州会見は最初から織田のペースで進んだ。
何せ、清州城の城門で三河松平一行を出迎えたのが毛利良勝で、
「ようこそお出で下さいました、三河様。本日、清州城内での案内役を務めさせていただく毛利良勝と申します。さあ、どうぞ中へ」
その名乗りだけで、
「えっ、義元公を討った?」
「そんな豪傑が・・・」
「お、恐れ入ります」
三河松平の重臣達は飲まれてしまい、
「さあ、どうぞ中へ」
三河松平の一行は萎縮しながら清州城に入ったのだから。
だが、この会見では信長が思いもしない事が起こった。
「やあ、元康殿。息災かな」
と満面の笑顔で出迎えた信長は元康の驚く顔を期待したのだが、
「ええ、信長殿もお元気そうで」
信長の顔を見ても元康はさらりと流しただけだったのだ。
何の反応も示さない。
元康を火縄銃で撃った信長は信長の影武者役の池田恒興で、その時、信長は小姓役をして物陰から元康を見ていただけで、実は元康とは今回が初対面だったのにも関わらずだ。
それなのに、当り前のように挨拶している。
驚きを隠している演技にも見えない。
信長は最初、元康が近眼か何かで信長の顔がこの距離でも見えていないのではないか、と考察したがそうではなさそうだ。
(・・・まさか、影武者なのか?)
信長が疑う中、元康の方は足を崩し、
「申し訳ない。古傷が痛みまして」
裸足の甲には恒興が撃った銃弾の傷痕がちゃんとある。
(やはり本物か?)
試しに、
「そんな事もありましたな。確かその傷を治療したのが・・・」
そう左後方に視線を向けたが、元康は引っ掛からずに、信長の右後方の岩室勘右衛門に視線を向けて、
「そちらに居る熱田羽城主の息子の弥三郎殿でしたね。今は岩室姓を名乗ってるんでしたか」
「御無沙汰しております、竹様」
「あの時は迷惑を掛けて申し訳ない」
と小姓の勘右衛門とも普通に挨拶をしている。
(――それくらいは三河も下調べ済みか。クソ、本物か影武者かも分からんとは。こんな事になるんなら勝を清州城に置いておくんだった~)
織田方の重臣一同は同盟相手である松平が狂犬とは思えぬ理知的な対応的な対応だったので安堵していたが、信長自身は不満の残る会見となった。
◇
この頃、美濃の稲葉山城の広間では竹中重治が窮地に陥っていた。
(やられた~。情報の発信源が津島なのだから尾張が動いたのは間違いない。信長に私の弱点が見抜かれた)
と信長を恨みながらも、広間では稲葉良通が、
「本当におまえは昨年、北信濃で激突した武田と上杉の川中島の戦いで武田方に不利になるような流言を流したのか? 答えて貰おうっ!」
追及されていた。
「そんな事をする訳が・・・」
「では、武田方からのこの時候の挨拶とは名ばかりの詰問状は何だ? 武田軍が総崩れになりかけた責任として、おまえの首か、東美濃の城を一つ渡せ、と言ってきてるのだぞっ!」
「最近尾張が流してる適当な噂を聞き付けて、因縁を付けて来てるだけかと」
「ふざけるなっ! そんな子供のような言い訳が通用すると思っているのかっ! 相手は餓えた虎の武田なんだぞ?」
「では武田怖さに私の首を差し出されるのですか? それとも城を1つ武田にくれてやる? 両方出来ないのですからそういう事です、稲葉様」
「なんだ、その反抗的な態度は? 目上の者も敬えんのか、 安藤殿、娘婿にどういう教育をされておられるのだっ!」
「いやいや、落ち着いて。殿も稲葉殿が大声を出すから驚いておられるではないか」
良通が上座を見て、
「殿、斎藤家の窮地です。この者に厳重な処罰を」
「いえ、竹中はまだ若く、才能もありますので」
裁定を求められた14歳の斉藤龍興は、
「今回は安藤の意見を入れよう。但し、今後、竹中が動く時は稲葉のジイにも知らせるように」
「はっ、ありがとうございます」
安藤守就がそう頭を下げ、
「甘過ぎますぞ、殿」
良通が不満顔の中、守就が、
「殿の裁定は終わりだ。飛騨守、殿を奥へ」
「はっ。龍興様、参りましょう」
「うむ。そうだな」
龍興が嬉しそうに席を立ったので、良通が、
「奥でちゃんと勉強をするのですぞ、殿。酒は飲まない。いいですな?」
「分かってるよ、ジイ」
こうして広間から龍興が退室する中、
「問題ばかりだわい。大丈夫なのか、美濃は」
そう良通は嘆いたのだった。
◇
同時刻。
小牧山で城普請の防衛砦から外に出て、普段とは違い、馬を茂みに隠して腹這いになって草の中に隠れていた恒興は、
「『せん』も無事に産まれた事だし、もう1人くらい子供を作るかな~」
呑気な事を呟きながらも、既に弾込めを終えた火縄銃を構えて、火縄が短くなる度に微調整を繰り返していた。
「それにしても本当に来るのかね~」
と言ってる傍から、伊木忠次が、
「殿、来ました」
と教えてくれて、
「おっ、本当だ」
犬山城から小口城へと向かう信清一行が見えてきた。
「ククク、謀反をしておいて兵も連れずに20人やそこらで呑気に小口城に来るとか馬鹿なんじゃないのか、信清~」
そうニヤリとしてから、周囲に居る火縄銃を構えた部下達に、
「1回撃ったら馬に乗って離脱だからな、皆の者。火縄銃を忘れるんじゃないぞ。火縄銃は信長様からの借り物で本当に高いんだから」
そう言ってから、
「撃てっ!」
との言葉で30丁の火縄銃が信清一行にダダダンッと発射されたのだった。
火縄銃の射線上には織田信清一行が居り、信清も馬に乗っていたが、その火縄銃の音に驚いた馬がヒヒンッと前足を上げて、
「うおっ!」
信清はそのまま落馬したのだった。
周囲の側近達が被弾する中、信清本人も、
「ぐおお、頭が」
後頭部を地面に強打して絶叫していた。
頭の痛みが収まってから、
「どうして右腕にまで痛みがーーヒィ、血? 私も撃たれてるではないかっ!」
遅蒔きに右腕が被弾している事に気付いた。
「今のは何者の仕業なんだ?」
「おそらくは小牧山に居る清洲の兵が火縄銃で銃撃してきたのかと」
「清洲の兵がどうしてオレがここを通る事を知っていたんだ?」
その疑問を口にした信清が、
(豊後守が裏切った? だが、そうでなければこの待ち伏せは説明が付かんぞ)
と家老の中島豊後守を疑い始めたのだった。
因みに恒興に情報を貢いだのは普請の邪魔をされて辟易し、どこかに行って欲しかった勝家だった。
◇
右腕を火縄銃で撃たれたのだ。
もし信長だったらあの性格だ。絶対に報復に出撃してる。
そして、さすがはその信長の従兄弟と言うべきか。
あの銃撃から僅か3日後には傷が治り切っていないのに、犬山城から織田信清自らが、
「まさか、オレを撃ったのが信長の腰巾着だったとはな~っ! 殺してやるぅぅぅっ!」
「いけません、信清様。出陣するのだけはっ!」
織田信清の家老の和田定利が慌てて止めた。
定利は犬山城の枝城、黒田城主だったが、信清が銃撃されたと聞いて犬山城に来てここ数日、宥めたのだが、結果は振るわず、馬に跨った信情に、
「邪魔だっ!」
と足蹴にされた。
そして信青は小牧山に出陣したのだった。
犬山城の兵800人を動員して。
対する小牧山築城の防衛砦の兵数は300人。
通常ならば勝てない。
そう思うところだが、余りに暇過ぎて池田家の重臣となった伊木忠次が池田隊の兵に訓練を課しまくった結果、池田隊の錬度は異常に高くなっていた。
何せ、戦ったのは1回だけだ。
普通に元気が有り余っている。
その上、小牧山の城普請を絶対に失敗出来ない普請奉行の柴田勝家も居る。
犬山城に探りを入れてて出兵を事前に察知し、恒興に情報伝達をしたが、相手にされなかったので、独断で信勝擁立時に昵懇となった第一家老の林秀貞に連絡を取った結果、援軍が小牧山に向かっていた。
織田信清の狙いは城普請中の小牧山ではない。
防衛砦の中に居る信長の腰巾着の池田恒興である。
柴田利家はこの恒興が死んだら、信長に自分が殺される事も知っており、防衛砦に入ったのだが、勝家の気持ちも知らない恒興が、
「あれれ、どうして柴田がいるの~? もしかして内側から砦の門を開けるつもりかな?」
「全然違うわっ! 勝三郎が死んだらオレが信長様に殺されるからだよっ!」
その叫びが池田隊に届いて、
(えっ、そうなの?)
(池田様は最悪、守らないと)
となっていたのはさておき。
「どうだか」
「おまえ、オレを疑い過ぎだぞ」
「あれ、柴田。忘れてない? それだけの事したよね?」
「最後の最後には信長様にお味方して赦免されたろうがっ!」
「信勝様の一番家老の地位を津々木蔵人に取られたからだろ、あれって?」
「まあ、それは認めなくもないが。ってか、本当に倒したのか、あの妖剣使いを? 勝三郎が?」
「凄いだろ」
「まあね。って、そんな事よりもだ。絶対に死ぬなよ、勝三郎っ! オレが信長様に因縁を付けられて殺されない為にもっ!」
「はいはい」
そんな訳で第2次小牧山の戦いとなった。
今回は防衛砦での攻防線だ。
動員された小口城軍としては小牧山の築城途中の普請を破壊したかったのだが、信清が、
「豊後守、おまえに一番槍の栄誉を与えよう。小口城の兵が先鋒として砦に攻め掛かるように」
「な、何故でしょうか?」
「オレを裏切ってない事を証明する為に決まってるだろうがっ! オレが撃たれたんだぞっ! おまえなんかを信用出来るかっ!」
そんな訳で被害が出る先鋒を無理矢理押し付けられて、別働隊として普請の破壊は出来なかった。
そして攻めた訳だが、前回とは違い、昼だ。
つまりは砦側からモロにこちら側の接近が見られていた。
この戦国時代で一番の最新兵器は火縄銃である。
飛距離は100メートル以上。
なので、まずは小牧山の防衛砦に配備された30丁が火を噴く。
木の盾など易々と貫通する威力だ。
命中精度は低いが、それでも5人程が、
「ぐあああ」
「ぎゃあ」
と負傷した。
だが、火縄銃にも弱点がある。
次弾の発射にかなり掛かるのだ。
その間に全速力で前進だ。
火縄銃の次にくる砦からの攻撃は矢の雨である。
矢の方は最悪だ。
何でもしてくるから。
木の盾で防ぎながら進む。
だが木の盾を持ってる奴なんて少ない。
盾を持ってない足軽は矢が当たらないのを祈りながら前進だ。
ようやく砦の壁に貼り付けたが、そこからが大変だ。
塀の上から大石を落とされる。
築城現場だ。抱えられる石程度なら山ほどある。
そんな中、梯子を使って登ろうとしてると、火縄銃の次弾が装填されて、ダァンッと撃たれる訳だ。
「こんなの小口城の手勢だけで落とせる訳がーー」
と中島豊後守が主へと振り返れば、後方に居るはずの味方の信清軍は逃げていた。
「へっ? 何で?」
さすがに眼が点である。
「豊後守様、新手です。その数、500以上」
本当に旗が見える。
美濃斎藤の旗なら味方だったが、織田の旗だった。
つまりは敵の増援だ。
「冗談じゃない。全軍撤退だっ!」
と背を向けて逃げる中、防衛砦から矢を降らされて更に小口城軍は死んだのだった。
織田信清は小口城に寄るどころか、さっさと犬山城に帰っていき、
「これだけなのか?」
中島豊後守は小口城に戻ってきた兵士を見て絶句した。
150人で出陣したのに僅か50人ほどしか城内に戻ってきていない。
(父君の信康様に恩義があるからとあんなのに尽くしたオレが馬鹿だった)
そう豊後守は項垂れたのだった。
一方の恒興は援軍を門前で出迎えていた。
援軍は森隊500人で、家老の森可成に恒興が、
「えっと、警備の交代ですか?」
「違うわっ! 援軍に来ただけだよ。まあ、その前に敵は逃げたが」
「うちの隊だけでも大丈夫でしたのに」
「小牧山の城普請が潰されては困るから来たんだよっ!」
「なるほど」
その後、森隊まで小牧山の守備砦に駐屯する事となり、手狭になったのでもう一つ守備砦を作る事になったのだった。
清洲では、元康との会見以来、ずっと不機嫌な信長が、
「何だ、この小牧山の砦からの火薬と弾丸の追加要求は? この間、送ったところであろうが」
追加要求の書状を見て更に不機嫌そうに眉を歪めた。
「池田殿が兵士に鉄砲の訓練を付けて足りなくなったと」
そう答えたのは、小姓の間で誰が不機嫌な信長にこれを見せるかで揉めて、年下というだけで貧乏くじを引かされた岩室勘右衛門である。
「勝には30丁しか貸し与えていないのにどうしてあれだけの量の火薬と弾をこの期間で使い切るんだ? 勝の奴、練習と称してこれ幸いにと種子島を撃ちまくってるな・・・これはやはり新たに鉄砲奉行を作らねばならんか」
恒興のヤラカシによって、信長が検討していた鉄砲隊の設立を決めたのだった。
登場人物、1562年度
松平元康(19)・・・三河松平家の当主。未来の天下人。元の名は水野信政。正体を知る三河石川氏の抹殺の機会を窺う。信長との会見をやり過ごす。
能力値、秘密あり☆、松平元康の傷痕を再現A、天下人の才気C、尾張水野贔屓SS、名演技A、薬は自前でS
岩室勘右衛門(15)・・・信長の小姓。重休の指名で岩室の家督を継ぐ。別名、加藤弥三郎。三河の竹千代が尾張人質時代に幽閉された熱田羽城の城主の次男。
能力値、早込めの勘右衛門A、狂犬の世話係C、薬は自前でD、信長への忠誠A、信長からの信頼C、織田家臣団での待遇D
斎藤龍興(14)・・・美濃斎藤家の当主。13歳で家督を継承。無能ではないが、武田に酒と女漬けにされてる最中。
能力値、武田の間諜の暗躍SS、家督が転がり込むA、戦国時代に飲酒規制なしS、戦国時代に淫行規制なしS、五月蠅い年寄り達A、佞臣を信じるA
斎藤飛騨守(17)・・・斎藤家の縁者。先代、義龍が付けた龍興の御側衆。佞臣よりも酷い美濃斎藤家の家督簒奪を企む者。
能力値、甲州金をドッサリA、龍興を暗愚に育てて美濃斎藤家を乗っ取るA、武田の支援A、竹中排除の密命A、龍興からの信頼A、斎藤家臣団での待遇D
和田定利(30)・・・織田信清の家老。犬山城の枝城の黒田城主。信清による大抜擢。兄に幕臣の和田惟雅が居る。
能力値、犬山城の弱点熟知の定利B、信清への御恩B、兄が実は凄いC、信清への忠誠B、信清からの信頼C、信清家臣団での待遇S
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