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1562年、小牧山の城普請
荒尾善次成敗騒動
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【織田と斎藤の和睦、裏で将軍義輝が仲介した説、採用】
【和睦の絵図を裏で描いたの竹中重治説、採用】
【荒尾善次、七条の嫁ぎ先を斡旋した説、採用】
【織田信秀の十女の名前、しば説、採用】
【織田しば、1550年生まれ説、採用】
【織田しばの母親、尾張守護の斯波氏の遠縁説、採用】
【恒興の兵集めを誰もが信長の密命と誤解する説、採用】
【荒尾善久、荒尾の家督を継いだの1562年説、採用】
2月。
美濃を攻めていた織田家は美濃の斎藤氏と和睦した。
美濃国内の墨俣や尾張犬山城を木曽川で挟んだ対岸の伊木山等々に砦を築き、優勢だった織田が美濃なんかと和睦をして美濃から兵を退いたのには当然、理由がある。
表立ってではないが、それでも内々に京の将軍義輝が介入したからだ。
義輝からすれば、朽木より京に帰還した1559年に上洛した大名は、
尾張の織田氏、
美濃の斎藤氏、
越後の上杉氏、
この三家のみだった。
つまりはその大名家三つのみが三好長慶の顔色を窺う事なく堂々と「将軍義輝の味方だ」と表明して上洛してきた訳だ。
その内の二家、織田と斎藤が揉めてるのは将軍義輝も知っていた。
だが、美濃側の病死した親殺しの斎藤義龍を攻めるのならまだ理解も出来るが、その子供の斎藤龍興は家督を継いだ昨年はまだ13歳だ。
その龍興が将軍家に泣き付いて織田との和睦を願い出たら介入しない訳にはいかず、
結果、織田が優勢だった美濃攻略は一端、和睦で中止を余儀なくされたのだった。
無視しても良かったが信長が将軍義輝の顔を立てた格好だ。
美濃の墨俣砦から森可成の部隊が引き揚げ、その際に砦を焼いた訳だが。
燃える墨俣砦を馬に乗って眺める安藤守就が、
「上手く事が運んだな、婿殿。墨俣のあの砦はちと厄介だったが、それを破棄とは。将軍の仲裁では織田のうつけも従うしかないか」
「この総ては安藤の義父上の手柄ですよ」
隣の馬に乗る竹中重治が答える中、
「よしてくれ、婿殿」
満更でも無さそうに守就は答えたのだった。
「この次は南下か?」
「いえ、和議直後にそれをやれば京の将軍も良い顔をしません。先に斎藤家の若様の教育ですね。最近何やら悪い遊びを覚えたようで」
「ああ、酒と女か。まだ14だというのに」
渋い顔をする守就の横で、
(尾張よりも、やはり敵は甲斐の餓虎か。川中島で関東管領殿が倒さぬから。こちらは高く付きそうだな)
そう重治は思案を巡らせていた。
一方の尾張の清洲城では静かに憤慨している信長が、
「将軍義輝殿の介入は斎藤家の宿老の安藤主導の京工作で間違いないんだな、ジイ?」
「はい、頻繁に動いてましたので間違いないかと」
美濃の竹中重治を探っていた林秀貞が返事をする。
「これもその安藤の娘婿の竹中重治の仕業という訳か」
「そのようです」
「まあいい。こちらも尾張に色々と火種を抱えているのでな。美濃は後回しにするか」
そう信長は我慢した訳だが、
その月の事である。
信長の鬱積を吹き飛ばすような、信長にとって良い出来事が起こったのは。
信長を悩ます尾張が抱えていた火種の一つが跡形もなく解消したのだ。
それも信長が一切関与していないのに、である。
にもかかわらず、信長にとって都合が良過ぎる為に誰もが「信長が黒幕だ」と思うも、誰からも証言が取れず、信長公記からもその項目が削除された出来事が。
そんな事をヤラカしたのは当然、池田恒興だった。
◇
事の始まりは、清洲城での偶然の出会いによって齎された。
恒興が清洲城で廊下を歩いていると正面から、
「おお、婿殿」
と声を掛けられた。
相手が恒興の正室、善応院の父親の荒尾善次だったので、恒興も敬意を払い、
「これは荒尾の義父上、御無沙汰しております。どうして清洲に?」
「織田の殿様に呼ばれてのう。若いのにしっかりした殿様で織田家は安泰だわい」
戦わずに今川に投降した癖に、とは恒興は思わなかった。
(信長様に呼ばれて何を喜んでるんだか。信長様が「今度は犬山に寝返るか」直々に値踏みをされたというのに)
「そう言えば美濃の戦場では何やら活躍したそうで」
「いえいえ、近習が活躍するようでは。信長様の周囲に敵が迫ったという事ですから」
と清洲城の廊下で立ち話をし始めたのだが、事もあろうにその善次が、
「時に孫の七条は今年で五つであったか?」
「いえ、七つですが」
「おお、もうそんなに大きく、嫁ぎ先はもう決めたのか?」
「まさか」
と恒興が答えたのは当然の事である。
娘の七条は池田家で引き取ってはいるが、種は前夫、信長の兄の信時なのだから。
つまり系譜は信長の姪で、織田家の姫となった。
恒興が嫁ぎ先を独断で決められる訳もない。
それなのに軽口を止めない善次が、
「ならば荒尾氏に仕える田村という見所のある男の息子に嫁がせてみんか?」
「? 誰をです?」
「孫の七条をだよ」
何を言ってるんだ、コイツは。
と思うよりも先に恒興の身体が勝手に動いていた。
握り拳で義父の善次の顔面を殴打してぶっ飛ばしていたのだ。
40代の武将とは言い難い、ヨボヨボの善次の男を。
「ぐああああああ」
廊下に吹き飛んだ善次を追い掛けて馬乗りになった恒興が信長が激昂してる時のように、
「この身の程知らずがっ! もう一回言ってみろっ!」
「ぶぐああ、誰か、誰か、この乱心者をーーへぎゃあ、ぶぎゃん」
恒興が更に顔面に連打を加え、廊下に居た清洲城勤めの武士達が驚いて、
「池田様、落ち着いて」
「池田殿、ここは清洲城の廊下ですぞ?」
「乱心されたか?」
「ええい、退け。コイツだけは後10発は殴るっ!」
「これはいかん。おまえらも手伝えっ!」
1人では止まらず、5人掛かりで羽交い絞めにされて恒興が引き離された時には、善次は10発も殴られた後だった。
「こら、勝三郎、何を騒いでおる? こちらの荒尾殿はおまえの正室の父親、義理の父親だろうが」
騒ぎを聞き付けて、平手久秀の謹慎で清洲城に駆り出されていた佐久間信盛がそう仲裁しようとするも、
「そこの不忠義者が悪いんですよ、佐久間殿っ!」
怒髪天の恒興の怒りは収まらず、若衆5人が羽交い絞めにしたままだった。
「いきなり殴りかかってきて何が悪いだっ! この乱心者めがっ!」
「乱心してるのはおまえの方だろうがっ! 池田家が預かる大切な織田家の姫を、信長様の姪を、荒尾の陪臣の息子にくれてやれだとっ? いいぜ、やってやるよっ! 池田の手勢を率いて、そんな信長様の敵はこのオレが滅ぼしてくれるっ! 兵を集めて待ってろっ! 今から池田の手勢を引き連れて木田城を攻め滅ぼしに行ってやるからよっ!」
それには、ん? と騒動で集まった者達も思い、
「荒尾殿、本当なのか、今の話は?」
「いや、確かにそうは言いましたが、何もここまで怒る事は・・・」
と認めた為に、集まった全員の視線の色が被害者への同情から軽蔑に一気に変化した。
「それは・・・」
「池田様が怒るのも当然ではないか」
軽蔑どころか敵認定だと思ってる者も居る。
「犬山でも柴田でも松平でも今川でも斎藤でも好きな奴に泣き付きなっ! 潰しに行ってやるからよっ!」
まだ男衆に羽交い絞めにされてる恒興が叫び、
「そんな連中と誼などはーー」
「はあ? 桶狭間の時、今川にさっさと投降していた奴が何を言ってやがるっ! オレがどれだけ信長様に『室の実家ですから、死なれた御舎兄、信時様の室の実家ですから』と頼んだとも知らないでっ!」
それで荒尾の素性を知らない者達も、
「ああ」
「戦わなかった卑怯者の」
「風見鶏の投降組か」
事情を察した。
騒ぎを聞き付けて清洲城の廊下に集まった者達の中に荒尾善次の味方はもう誰も居ない。
旗色が悪い、と悟った善次が、
「話にならん、ワシは木田城に帰らせて貰う」
「ああ、兵を集めて待ってなっ! 滅ぼしに行ってやるからよっ!」
恒興が叫ぶ中、善次は尻尾を巻いて清洲城から逃げていったのだった。
清洲城内での出来事である。
当然、すぐに信長の耳にも入り、濃姫の膝枕で寝転んでいた信長が、
「ふむ、勝め。七条の嫁ぎ先を決めようとした舅を殴ったか」
「池田殿らしいと言えば池田殿らしいですが。嫁ぎ先を決めねばまた騒動を起こしますわよ」
「とはいえ、誰に嫁がせる?」
「細川晴元殿の曾孫殿などはどうでしょうか?」
「織田大和守家の飯尾尚清の息子か。やはり北島城は犬山に寝返るとお濃は見ているのか?」
「まだ大丈夫だとは思われますが、手を打つに越した事はないかと」
「ふむ。しかし、織田大和守家の飯尾家となると勝に預けてある兄の姫だけでは弱いな。この際、正室と離縁した尚清本人にも妹をくれてやるか。嫁ぎ頃なら市だが」
「信長殿そっくりの御気性の市殿はさすがに逆効果かと」
「ではお濃は誰がいいと思う?」
「無論、尾張守護の斯波氏の血を引いているしば殿ですかね」
「十女のしば? まだ12歳ではないか。そちらの方が嫌がらせだと思うが。だが、面白い。2人とも飯尾家にくれてやるか」
ニヤリとした信長は簡単に七条の嫁ぎ先を決めたのだった。
一方の激怒した恒興は止まらず、
◇
清洲城の柴田屋敷では、中村文荷斎が、
「殿、清洲城で先程、面白い事が起きたらしいですよ」
「面白い事ねえ。どのような?」
「池田恒興が激怒して自分の舅の荒尾某を殴ったそうです」
「はん? 勝三郎が自分の舅を? 何故だ?」
「何でも池田が預かる織田の姫を陪臣に娶らせないかと尋ねたらしく」
「ああ、それは怒るな。勝三郎の奴は信長様命の男だから」
そこまでなら対岸の火事だったが、
「柴田~、居る~?」
ドカドカッと勝手知ったる柴田屋敷に上がり込んできたのは噂話の張本人の池田恒興である。
そして顔を見れば一目瞭然。
まだ憤怒してる。
「桶狭間の時みたいに兵を貸してくれよ、柴田~」
(礼儀を知らんのか、コイツは。だが、今は聞く耳を持っていなさそうだし)
勝家が大人の対応を見せて、
「何に使うんだ?」
「不忠義者の荒尾の居城、木田城を攻め滅ぼすんだよ」
「・・・信長様の命令でか?」
「そんな訳ないだろ。オレの独断さ」
「待て待て。織田家中の家来同士の私闘は厳禁だろうが?」
「何を言ってるんだ? 不忠義者を潰すのであって私闘ではーーああ~、おまえは荒尾側な訳か」
不意に恒興が眼を細めた。
「犬山、柴田、荒尾、なるほどなるほど」
「待て、勝三郎。おまえが思ってるような事は全くないぞ」
「いいって。邪魔したな。柴田は兵を貸さなかったと後でみんなに言っておくから」
(それが狙いか? オレを処罰する為の理由作り? まさか、信長様の命令か? ーーだよな。さすがに勝三郎が独断で兵を集めてるとは思えん)
というのが勝家の読みで、
「分かった。貸そう。文荷斎、全員を集めて勝三郎に貸してやれ。指揮はおまえが取れ」
「畏まりました」
そう文荷斎が二つ返事で答えたのは、文荷斎も「恒興が信長の密命を帯びている」と勘違いしたからである。
恒興の独断なのに。
こうして柴田勝家から兵を借りた池田が次に向かったのが、
表向き謹慎中の平手久秀の屋敷だった。
「兵を貸して下さい、久秀殿」
清州城の情報が入っている久秀も当然、信長の密命だと誤解しており、
「ったく、好きに使え」
と二つ返事で貸したのだった。
◇
尾張と三河の国境の顔役、水野信元の居城は刈谷城である。
その刈谷城の信元の許にも清洲城の騒動の情報は届いていた。
「荒尾の爺様が自分の孫娘を見所のある陪臣の息子に与えようとしたはいいが、織田弾正忠家の種という事を忘れてて婿の池田を怒らすね~」
最初はそう呑気に構えていたが、清洲の続報を聞き、
「清洲城下で池田の許に兵が1500も集まってるだと?」
「はい」
「どうしてだ? 清洲の殿様の乳兄弟とはいえ、池田の手勢なんて20がいいところだろうが?」
「それが柴田、平手、森、佐久間、林、家老達が次々と兵を貸してーー」
「それはもう清洲の殿様の命令ではないか。木田城を攻め滅ぼすおつもりか? 拙いぞ」
信元が青ざめたのは、その荒尾善次の後室に信元の次女を送り込んでいるからである。
このままいくと「水野家も巻き込まれる」と思った矢先に、
「荒尾様が参られました」
「ワシは居らん。よいな、門前払いをせえ」
「えっと、一族衆ですので、もう『居る』と言って城内に通しましたがーー」
「阿呆が」
仕方なく信元が会えば、
「水野の義父殿、助けて下され、乱心者の池田の婿が木田城に攻めると息巻いて清洲で兵を集めてるらしく」
(2歳年上だろうが。義父殿とか言ってくれるな)
そう思いつつ、
「そもそも、どうして織田の姫の嫁ぎ先を決めようなどと思われましたので?」
その質問の本音を通訳すれば「ボケてるんだよな? 『ボケてました』と言ってくれ。それでおまえが隠居すれば戦にならずに済むんだから」なのだが。
「こんな大事になるとは・・・」
「息子に跡目を譲って隠居されよ」
「嫌ですよ」
「ですよな」
この老醜が、と思ったが、素知らぬ顔で、
「なら今川に寝返られては?」
「落ち目の今川に?」
「それが生き残る最後の・・・」
と言ってると、家中の者が、
「荒尾の御子息様が参られました」
そう告げて、善次の嫡子の荒尾善久がやってきた。
「水野殿、お邪魔します。父上、さっさと隠居して下さい。木田城が攻め滅ぼされる前に」
「嫌じゃ、嫌じゃ、ワシは生涯現役なんじゃ」
「何を言ってるんだ、この阿呆は」と信元が思う中、息子の善人の方はとっくに覚悟を決めており、刀を抜いて、
「水野殿、父は肺の病にて吐血して身罷られました。そうですね?」
「へっ? おまえ、何を――ヒィ」
善次の首筋に刀を当てた善久が、
「父上、最後にもう一度だけお聞きしますが、本当に『荒尾の家督をオレに譲らない』でいいんですね?」
「ヒッ、分かった。譲る、譲るから命だけは」
「荒尾家の家督の継承、水野殿が証人ですぞ、いいですな?」
「分かった」
信元はそう答えながら、善次が失禁してる事に気付いて、
(ああ、畳がダメに・・・娘をやる相手を完全に間違えたわい)
「では、オレはこれで。荒尾の家督を継いだ事を清洲城に報告しに行かなければならないので」
そう言って善久は刈谷城から出ていく中、
「水野殿、ワシは家督を譲ったりはせんぞ」
「もう黙ってろ。オレをこれ以上怒らせるな」
三河の事で手一杯の信元はそう吐き捨てて、失禁したままの善次を手下に刈谷城の門外まで捨てさせにいったのだった。
登場人物、1562年度
安藤守就(49)・・・斎藤家の六宿老の一人。西美濃三人衆の一人。娘婿が竹中重治。喰わせ者。
能力値、蝮の七の牙の守就A、玉を拾うSS、喰わせ者の守就A、娘婿の功績を独り占めS、斎藤家三代への忠誠B、龍興からの信頼D
竹中重治(18)・・・斎藤家の家臣。大御堂城主の竹中重元の息子。通称、半兵衛。美濃の今孔明。容貌婦人の如し。正室は六宿老の安藤守就の娘。
能力値、美濃の今孔明SS、容貌婦人の如しA、健康な肉体A、龍興への忠誠A、龍興からの信頼D、斎藤家臣団での待遇D
荒尾善次(44)・・・織田家の家臣。木田城主。善応院の父親。恒興の義父。後室は水野信元の次女。桶狭間では今川に早々に投降。
能力値、愚物の善次A、往生際の悪さA、桶狭間の失態A、信長への忠誠D、信長からの信頼E、織田家臣団での待遇E
池田恒興(26)・・・主人公。信長の近習幹部。信長の乳兄弟の為、織田一門衆と同格扱い。養女の七条は信長の姪。妻の父は荒尾善次。
能力値、信長と養徳院の教えS、大物に気に入られる何かS、ヤラカシ伝説A、信長への絶対忠誠SS、信長からの信頼SS、織田家臣団での待遇S
織田信長(28)・・・将来の天下人。織田家当主。天才肌。奇抜な事が好き。桶狭間の戦いで今川義元に勝利して武名が近隣に轟く。
能力値、天下人の才気SS、うつけの信長S、麒麟の如くS、奇抜な事好きS、新しい物好きSS、火縄銃SS
農姫(27)・・・信長の正室。斎藤道三の娘。切れ者。嫡子の奇妙を養育する。徳姫の実母。
能力値、織田家当主の正室A、母似の美貌A、蝮継承C、信長との阿吽の呼吸SS、信長を天下人に押し上げる内助の功SS、信長からの信頼B
中村文荷斎(27)・・・勝家の家臣幹部。勝家の子飼い。勝家の知恵袋。正室は柴田勝家の養女。
能力値、勝家への忠誠SS、知恵袋の文荷斎B、槍働きC、他人が馬鹿に見えるA、信勝が勝てば良かったと思ってるS、頓馬の文荷斎E
柴田勝家(32)・・・信勝の元家老。その為、現在冷遇中。豪傑の容姿とは裏腹に策士。
能力値、悪知恵の柴田A、見た目通りの剛力S、信勝(信行)の家老A、織田家への忠誠D、信長からの信頼E、織田家臣団での待遇C
平手久秀(36)・・・織田家の家老。信長の近習筆頭。平手政秀の長男。頑固者。父親に顔が似てる。謹慎中。
能力値、死んだ父親の七光りSS、父親譲りの政務力A、信長への忠誠B、信長からの信頼A、信長家臣団での待遇S、信長に馬を譲らなかった逸話S
水野信元(42)・・・織田の家臣。甥の信政を数正に提供して三河松平家の乗っ取りを企む。織田と松平の謁見準備で忙しい。
能力値、尾張三河の国境の顔役S、三河松平贔屓SS、ロクな死に方は出来ないSS、信長への忠誠D、信長からの信頼B、織田家臣団での待遇B
荒尾善久(23)・・・織田の家臣。通称、小太郎。荒尾家当主と木田城主を継承する。善応院の弟。恒興の義弟。恥ずかしい父親が居る。
能力値、恥ずかしい父A、槍働きC、命知らずD、信長への忠誠A、信長からの信頼E、織田家臣団での待遇E
【和睦の絵図を裏で描いたの竹中重治説、採用】
【荒尾善次、七条の嫁ぎ先を斡旋した説、採用】
【織田信秀の十女の名前、しば説、採用】
【織田しば、1550年生まれ説、採用】
【織田しばの母親、尾張守護の斯波氏の遠縁説、採用】
【恒興の兵集めを誰もが信長の密命と誤解する説、採用】
【荒尾善久、荒尾の家督を継いだの1562年説、採用】
2月。
美濃を攻めていた織田家は美濃の斎藤氏と和睦した。
美濃国内の墨俣や尾張犬山城を木曽川で挟んだ対岸の伊木山等々に砦を築き、優勢だった織田が美濃なんかと和睦をして美濃から兵を退いたのには当然、理由がある。
表立ってではないが、それでも内々に京の将軍義輝が介入したからだ。
義輝からすれば、朽木より京に帰還した1559年に上洛した大名は、
尾張の織田氏、
美濃の斎藤氏、
越後の上杉氏、
この三家のみだった。
つまりはその大名家三つのみが三好長慶の顔色を窺う事なく堂々と「将軍義輝の味方だ」と表明して上洛してきた訳だ。
その内の二家、織田と斎藤が揉めてるのは将軍義輝も知っていた。
だが、美濃側の病死した親殺しの斎藤義龍を攻めるのならまだ理解も出来るが、その子供の斎藤龍興は家督を継いだ昨年はまだ13歳だ。
その龍興が将軍家に泣き付いて織田との和睦を願い出たら介入しない訳にはいかず、
結果、織田が優勢だった美濃攻略は一端、和睦で中止を余儀なくされたのだった。
無視しても良かったが信長が将軍義輝の顔を立てた格好だ。
美濃の墨俣砦から森可成の部隊が引き揚げ、その際に砦を焼いた訳だが。
燃える墨俣砦を馬に乗って眺める安藤守就が、
「上手く事が運んだな、婿殿。墨俣のあの砦はちと厄介だったが、それを破棄とは。将軍の仲裁では織田のうつけも従うしかないか」
「この総ては安藤の義父上の手柄ですよ」
隣の馬に乗る竹中重治が答える中、
「よしてくれ、婿殿」
満更でも無さそうに守就は答えたのだった。
「この次は南下か?」
「いえ、和議直後にそれをやれば京の将軍も良い顔をしません。先に斎藤家の若様の教育ですね。最近何やら悪い遊びを覚えたようで」
「ああ、酒と女か。まだ14だというのに」
渋い顔をする守就の横で、
(尾張よりも、やはり敵は甲斐の餓虎か。川中島で関東管領殿が倒さぬから。こちらは高く付きそうだな)
そう重治は思案を巡らせていた。
一方の尾張の清洲城では静かに憤慨している信長が、
「将軍義輝殿の介入は斎藤家の宿老の安藤主導の京工作で間違いないんだな、ジイ?」
「はい、頻繁に動いてましたので間違いないかと」
美濃の竹中重治を探っていた林秀貞が返事をする。
「これもその安藤の娘婿の竹中重治の仕業という訳か」
「そのようです」
「まあいい。こちらも尾張に色々と火種を抱えているのでな。美濃は後回しにするか」
そう信長は我慢した訳だが、
その月の事である。
信長の鬱積を吹き飛ばすような、信長にとって良い出来事が起こったのは。
信長を悩ます尾張が抱えていた火種の一つが跡形もなく解消したのだ。
それも信長が一切関与していないのに、である。
にもかかわらず、信長にとって都合が良過ぎる為に誰もが「信長が黒幕だ」と思うも、誰からも証言が取れず、信長公記からもその項目が削除された出来事が。
そんな事をヤラカしたのは当然、池田恒興だった。
◇
事の始まりは、清洲城での偶然の出会いによって齎された。
恒興が清洲城で廊下を歩いていると正面から、
「おお、婿殿」
と声を掛けられた。
相手が恒興の正室、善応院の父親の荒尾善次だったので、恒興も敬意を払い、
「これは荒尾の義父上、御無沙汰しております。どうして清洲に?」
「織田の殿様に呼ばれてのう。若いのにしっかりした殿様で織田家は安泰だわい」
戦わずに今川に投降した癖に、とは恒興は思わなかった。
(信長様に呼ばれて何を喜んでるんだか。信長様が「今度は犬山に寝返るか」直々に値踏みをされたというのに)
「そう言えば美濃の戦場では何やら活躍したそうで」
「いえいえ、近習が活躍するようでは。信長様の周囲に敵が迫ったという事ですから」
と清洲城の廊下で立ち話をし始めたのだが、事もあろうにその善次が、
「時に孫の七条は今年で五つであったか?」
「いえ、七つですが」
「おお、もうそんなに大きく、嫁ぎ先はもう決めたのか?」
「まさか」
と恒興が答えたのは当然の事である。
娘の七条は池田家で引き取ってはいるが、種は前夫、信長の兄の信時なのだから。
つまり系譜は信長の姪で、織田家の姫となった。
恒興が嫁ぎ先を独断で決められる訳もない。
それなのに軽口を止めない善次が、
「ならば荒尾氏に仕える田村という見所のある男の息子に嫁がせてみんか?」
「? 誰をです?」
「孫の七条をだよ」
何を言ってるんだ、コイツは。
と思うよりも先に恒興の身体が勝手に動いていた。
握り拳で義父の善次の顔面を殴打してぶっ飛ばしていたのだ。
40代の武将とは言い難い、ヨボヨボの善次の男を。
「ぐああああああ」
廊下に吹き飛んだ善次を追い掛けて馬乗りになった恒興が信長が激昂してる時のように、
「この身の程知らずがっ! もう一回言ってみろっ!」
「ぶぐああ、誰か、誰か、この乱心者をーーへぎゃあ、ぶぎゃん」
恒興が更に顔面に連打を加え、廊下に居た清洲城勤めの武士達が驚いて、
「池田様、落ち着いて」
「池田殿、ここは清洲城の廊下ですぞ?」
「乱心されたか?」
「ええい、退け。コイツだけは後10発は殴るっ!」
「これはいかん。おまえらも手伝えっ!」
1人では止まらず、5人掛かりで羽交い絞めにされて恒興が引き離された時には、善次は10発も殴られた後だった。
「こら、勝三郎、何を騒いでおる? こちらの荒尾殿はおまえの正室の父親、義理の父親だろうが」
騒ぎを聞き付けて、平手久秀の謹慎で清洲城に駆り出されていた佐久間信盛がそう仲裁しようとするも、
「そこの不忠義者が悪いんですよ、佐久間殿っ!」
怒髪天の恒興の怒りは収まらず、若衆5人が羽交い絞めにしたままだった。
「いきなり殴りかかってきて何が悪いだっ! この乱心者めがっ!」
「乱心してるのはおまえの方だろうがっ! 池田家が預かる大切な織田家の姫を、信長様の姪を、荒尾の陪臣の息子にくれてやれだとっ? いいぜ、やってやるよっ! 池田の手勢を率いて、そんな信長様の敵はこのオレが滅ぼしてくれるっ! 兵を集めて待ってろっ! 今から池田の手勢を引き連れて木田城を攻め滅ぼしに行ってやるからよっ!」
それには、ん? と騒動で集まった者達も思い、
「荒尾殿、本当なのか、今の話は?」
「いや、確かにそうは言いましたが、何もここまで怒る事は・・・」
と認めた為に、集まった全員の視線の色が被害者への同情から軽蔑に一気に変化した。
「それは・・・」
「池田様が怒るのも当然ではないか」
軽蔑どころか敵認定だと思ってる者も居る。
「犬山でも柴田でも松平でも今川でも斎藤でも好きな奴に泣き付きなっ! 潰しに行ってやるからよっ!」
まだ男衆に羽交い絞めにされてる恒興が叫び、
「そんな連中と誼などはーー」
「はあ? 桶狭間の時、今川にさっさと投降していた奴が何を言ってやがるっ! オレがどれだけ信長様に『室の実家ですから、死なれた御舎兄、信時様の室の実家ですから』と頼んだとも知らないでっ!」
それで荒尾の素性を知らない者達も、
「ああ」
「戦わなかった卑怯者の」
「風見鶏の投降組か」
事情を察した。
騒ぎを聞き付けて清洲城の廊下に集まった者達の中に荒尾善次の味方はもう誰も居ない。
旗色が悪い、と悟った善次が、
「話にならん、ワシは木田城に帰らせて貰う」
「ああ、兵を集めて待ってなっ! 滅ぼしに行ってやるからよっ!」
恒興が叫ぶ中、善次は尻尾を巻いて清洲城から逃げていったのだった。
清洲城内での出来事である。
当然、すぐに信長の耳にも入り、濃姫の膝枕で寝転んでいた信長が、
「ふむ、勝め。七条の嫁ぎ先を決めようとした舅を殴ったか」
「池田殿らしいと言えば池田殿らしいですが。嫁ぎ先を決めねばまた騒動を起こしますわよ」
「とはいえ、誰に嫁がせる?」
「細川晴元殿の曾孫殿などはどうでしょうか?」
「織田大和守家の飯尾尚清の息子か。やはり北島城は犬山に寝返るとお濃は見ているのか?」
「まだ大丈夫だとは思われますが、手を打つに越した事はないかと」
「ふむ。しかし、織田大和守家の飯尾家となると勝に預けてある兄の姫だけでは弱いな。この際、正室と離縁した尚清本人にも妹をくれてやるか。嫁ぎ頃なら市だが」
「信長殿そっくりの御気性の市殿はさすがに逆効果かと」
「ではお濃は誰がいいと思う?」
「無論、尾張守護の斯波氏の血を引いているしば殿ですかね」
「十女のしば? まだ12歳ではないか。そちらの方が嫌がらせだと思うが。だが、面白い。2人とも飯尾家にくれてやるか」
ニヤリとした信長は簡単に七条の嫁ぎ先を決めたのだった。
一方の激怒した恒興は止まらず、
◇
清洲城の柴田屋敷では、中村文荷斎が、
「殿、清洲城で先程、面白い事が起きたらしいですよ」
「面白い事ねえ。どのような?」
「池田恒興が激怒して自分の舅の荒尾某を殴ったそうです」
「はん? 勝三郎が自分の舅を? 何故だ?」
「何でも池田が預かる織田の姫を陪臣に娶らせないかと尋ねたらしく」
「ああ、それは怒るな。勝三郎の奴は信長様命の男だから」
そこまでなら対岸の火事だったが、
「柴田~、居る~?」
ドカドカッと勝手知ったる柴田屋敷に上がり込んできたのは噂話の張本人の池田恒興である。
そして顔を見れば一目瞭然。
まだ憤怒してる。
「桶狭間の時みたいに兵を貸してくれよ、柴田~」
(礼儀を知らんのか、コイツは。だが、今は聞く耳を持っていなさそうだし)
勝家が大人の対応を見せて、
「何に使うんだ?」
「不忠義者の荒尾の居城、木田城を攻め滅ぼすんだよ」
「・・・信長様の命令でか?」
「そんな訳ないだろ。オレの独断さ」
「待て待て。織田家中の家来同士の私闘は厳禁だろうが?」
「何を言ってるんだ? 不忠義者を潰すのであって私闘ではーーああ~、おまえは荒尾側な訳か」
不意に恒興が眼を細めた。
「犬山、柴田、荒尾、なるほどなるほど」
「待て、勝三郎。おまえが思ってるような事は全くないぞ」
「いいって。邪魔したな。柴田は兵を貸さなかったと後でみんなに言っておくから」
(それが狙いか? オレを処罰する為の理由作り? まさか、信長様の命令か? ーーだよな。さすがに勝三郎が独断で兵を集めてるとは思えん)
というのが勝家の読みで、
「分かった。貸そう。文荷斎、全員を集めて勝三郎に貸してやれ。指揮はおまえが取れ」
「畏まりました」
そう文荷斎が二つ返事で答えたのは、文荷斎も「恒興が信長の密命を帯びている」と勘違いしたからである。
恒興の独断なのに。
こうして柴田勝家から兵を借りた池田が次に向かったのが、
表向き謹慎中の平手久秀の屋敷だった。
「兵を貸して下さい、久秀殿」
清州城の情報が入っている久秀も当然、信長の密命だと誤解しており、
「ったく、好きに使え」
と二つ返事で貸したのだった。
◇
尾張と三河の国境の顔役、水野信元の居城は刈谷城である。
その刈谷城の信元の許にも清洲城の騒動の情報は届いていた。
「荒尾の爺様が自分の孫娘を見所のある陪臣の息子に与えようとしたはいいが、織田弾正忠家の種という事を忘れてて婿の池田を怒らすね~」
最初はそう呑気に構えていたが、清洲の続報を聞き、
「清洲城下で池田の許に兵が1500も集まってるだと?」
「はい」
「どうしてだ? 清洲の殿様の乳兄弟とはいえ、池田の手勢なんて20がいいところだろうが?」
「それが柴田、平手、森、佐久間、林、家老達が次々と兵を貸してーー」
「それはもう清洲の殿様の命令ではないか。木田城を攻め滅ぼすおつもりか? 拙いぞ」
信元が青ざめたのは、その荒尾善次の後室に信元の次女を送り込んでいるからである。
このままいくと「水野家も巻き込まれる」と思った矢先に、
「荒尾様が参られました」
「ワシは居らん。よいな、門前払いをせえ」
「えっと、一族衆ですので、もう『居る』と言って城内に通しましたがーー」
「阿呆が」
仕方なく信元が会えば、
「水野の義父殿、助けて下され、乱心者の池田の婿が木田城に攻めると息巻いて清洲で兵を集めてるらしく」
(2歳年上だろうが。義父殿とか言ってくれるな)
そう思いつつ、
「そもそも、どうして織田の姫の嫁ぎ先を決めようなどと思われましたので?」
その質問の本音を通訳すれば「ボケてるんだよな? 『ボケてました』と言ってくれ。それでおまえが隠居すれば戦にならずに済むんだから」なのだが。
「こんな大事になるとは・・・」
「息子に跡目を譲って隠居されよ」
「嫌ですよ」
「ですよな」
この老醜が、と思ったが、素知らぬ顔で、
「なら今川に寝返られては?」
「落ち目の今川に?」
「それが生き残る最後の・・・」
と言ってると、家中の者が、
「荒尾の御子息様が参られました」
そう告げて、善次の嫡子の荒尾善久がやってきた。
「水野殿、お邪魔します。父上、さっさと隠居して下さい。木田城が攻め滅ぼされる前に」
「嫌じゃ、嫌じゃ、ワシは生涯現役なんじゃ」
「何を言ってるんだ、この阿呆は」と信元が思う中、息子の善人の方はとっくに覚悟を決めており、刀を抜いて、
「水野殿、父は肺の病にて吐血して身罷られました。そうですね?」
「へっ? おまえ、何を――ヒィ」
善次の首筋に刀を当てた善久が、
「父上、最後にもう一度だけお聞きしますが、本当に『荒尾の家督をオレに譲らない』でいいんですね?」
「ヒッ、分かった。譲る、譲るから命だけは」
「荒尾家の家督の継承、水野殿が証人ですぞ、いいですな?」
「分かった」
信元はそう答えながら、善次が失禁してる事に気付いて、
(ああ、畳がダメに・・・娘をやる相手を完全に間違えたわい)
「では、オレはこれで。荒尾の家督を継いだ事を清洲城に報告しに行かなければならないので」
そう言って善久は刈谷城から出ていく中、
「水野殿、ワシは家督を譲ったりはせんぞ」
「もう黙ってろ。オレをこれ以上怒らせるな」
三河の事で手一杯の信元はそう吐き捨てて、失禁したままの善次を手下に刈谷城の門外まで捨てさせにいったのだった。
登場人物、1562年度
安藤守就(49)・・・斎藤家の六宿老の一人。西美濃三人衆の一人。娘婿が竹中重治。喰わせ者。
能力値、蝮の七の牙の守就A、玉を拾うSS、喰わせ者の守就A、娘婿の功績を独り占めS、斎藤家三代への忠誠B、龍興からの信頼D
竹中重治(18)・・・斎藤家の家臣。大御堂城主の竹中重元の息子。通称、半兵衛。美濃の今孔明。容貌婦人の如し。正室は六宿老の安藤守就の娘。
能力値、美濃の今孔明SS、容貌婦人の如しA、健康な肉体A、龍興への忠誠A、龍興からの信頼D、斎藤家臣団での待遇D
荒尾善次(44)・・・織田家の家臣。木田城主。善応院の父親。恒興の義父。後室は水野信元の次女。桶狭間では今川に早々に投降。
能力値、愚物の善次A、往生際の悪さA、桶狭間の失態A、信長への忠誠D、信長からの信頼E、織田家臣団での待遇E
池田恒興(26)・・・主人公。信長の近習幹部。信長の乳兄弟の為、織田一門衆と同格扱い。養女の七条は信長の姪。妻の父は荒尾善次。
能力値、信長と養徳院の教えS、大物に気に入られる何かS、ヤラカシ伝説A、信長への絶対忠誠SS、信長からの信頼SS、織田家臣団での待遇S
織田信長(28)・・・将来の天下人。織田家当主。天才肌。奇抜な事が好き。桶狭間の戦いで今川義元に勝利して武名が近隣に轟く。
能力値、天下人の才気SS、うつけの信長S、麒麟の如くS、奇抜な事好きS、新しい物好きSS、火縄銃SS
農姫(27)・・・信長の正室。斎藤道三の娘。切れ者。嫡子の奇妙を養育する。徳姫の実母。
能力値、織田家当主の正室A、母似の美貌A、蝮継承C、信長との阿吽の呼吸SS、信長を天下人に押し上げる内助の功SS、信長からの信頼B
中村文荷斎(27)・・・勝家の家臣幹部。勝家の子飼い。勝家の知恵袋。正室は柴田勝家の養女。
能力値、勝家への忠誠SS、知恵袋の文荷斎B、槍働きC、他人が馬鹿に見えるA、信勝が勝てば良かったと思ってるS、頓馬の文荷斎E
柴田勝家(32)・・・信勝の元家老。その為、現在冷遇中。豪傑の容姿とは裏腹に策士。
能力値、悪知恵の柴田A、見た目通りの剛力S、信勝(信行)の家老A、織田家への忠誠D、信長からの信頼E、織田家臣団での待遇C
平手久秀(36)・・・織田家の家老。信長の近習筆頭。平手政秀の長男。頑固者。父親に顔が似てる。謹慎中。
能力値、死んだ父親の七光りSS、父親譲りの政務力A、信長への忠誠B、信長からの信頼A、信長家臣団での待遇S、信長に馬を譲らなかった逸話S
水野信元(42)・・・織田の家臣。甥の信政を数正に提供して三河松平家の乗っ取りを企む。織田と松平の謁見準備で忙しい。
能力値、尾張三河の国境の顔役S、三河松平贔屓SS、ロクな死に方は出来ないSS、信長への忠誠D、信長からの信頼B、織田家臣団での待遇B
荒尾善久(23)・・・織田の家臣。通称、小太郎。荒尾家当主と木田城主を継承する。善応院の弟。恒興の義弟。恥ずかしい父親が居る。
能力値、恥ずかしい父A、槍働きC、命知らずD、信長への忠誠A、信長からの信頼E、織田家臣団での待遇E
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