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ふっかぁ〜つ、メシコス王国へ、また黒幕じゃなかった
しおりを挟むオレがどうして長々とナガン諸島に滞在していたのかというと、空中神殿の決戦後から体調が不調だったからだ。
だが、それも30日の休養で遂に復活した。
体調は万全。
そして獄界第2層追放者を倒したからか、最大戦闘力25万の恩恵か、オレの戦闘力は、
17万。
まで跳ね上がっていた。
いいねぇ~。
最近なんか運が上向いてるっぽいし。
ナガン諸島連合も勝利したし、それじゃあ、旅を再開するかな。
これまで旅をせずに、長々とナガン諸島に滞在していたのは不調時に移動した先で強敵と出食わすのを避ける為だ。
だが、これでようやく旅が続けられるぜ。
はぁーっはっはっはっはっ。
んっ?
何故、旅をするのかって?
そんなの美女と出会う為に決まってるじゃねえか。
狙いはエキゾチックな蛮族系の女が戦士一択。
楽しみだぜ。
まあ、後は世界に満ちた祝福を回収して神界にもう一度、行く方法を得る事。
四半神で満足は出来ないのでね。
せめて半神にはならないとな。
後、男だ。
オレは男になる事を諦めてねえからな。
それにはどうしても大地の女神ミーカルに会いに神界に行く必要があるが、気軽に行ける場所じゃないんだよなぁ~。
空中神殿で討伐後の光の粒子を取り込んでおけば行けたかもしれないが。
酒の原液同様、濃過ぎると身体に害を及ぼす危険性があったからな。
光の粒子は拙いか。
やはり祝福だ。
空中神殿の融合の時にプール出来たら良かったんだが、いきなり出力全開でプールするチャンスもなかったからな。
ふむ。
神界渡航が可能な程の祝福か。
歪曲結界時に誰かが貯め込んでるのを奪取するのが理想形だな。
その可能性が一番高いのが魔十教団だが。
オレが今一番目星を付けてるのは、
愚者。
融合体を作るのに祝福を使ってる可能性は多分にある。
まだタンテト連合に住んでいればいいんだが。
まあ、その内、向こうからオレに遭いに来るだろう。
何やらオレ、狙われてるらしいから。
でも、どうしてオレが狙われてるんだ?
魔十教団を潰したのは第2皇子の夜這い野郎なのに。
『解せぬ』って奴だな。
どうなってるんだか。
◇
そんな訳で、ナガン諸島連合からの出発は決まったが、
「お願いします、勇者殿。一度、メシコス王国のバルメシコ宮殿にお立ち寄り下さい。アルドロン陛下も会いたがっておられますので」
クロス島の臨時官邸でオレに懇願したのは開戦からずっと滞在してるメシコス王国の青年騎士だった。
戦闘力は80。
名前は何だって?
野郎の名前なんか知るかよ。
そもそもあの俗物王は分かっちゃいない。
どうして美女を送ってこないんだ?
野郎なんて要るかっての。
そして、もう1人、
「『古代毒蜘蛛ギガノダー』討伐の報奨金の一部が用意出来ましたので、出来ればエガシー王国のモイアルエが宮殿にもお越し下さりますよう」
そう進言したのは女騎士だった。
エガシー王国の国王は分かってる。
まあ、趣味じゃなかったがな。
いくら美人でも右眼に縦傷とか引くから。
「あら、そう。 なら一度向かおうかしら」
そう言いながらオウムのチャーリーを見て、
「問題ないなのだ」
と言ったので、オレの目的地が決まった。
そんな訳で、夜に女議長達とのお別れパーティーの4Pをやってから翌朝、旅立ったのだった。
◇
えっ?
お別れパーティーをもっと詳しくだって?
本当に野郎どもはどうしようもないな。
ちょっとだけだぞ。
就寝時間、クロス島の臨時官邸のオレの寝室にはオレの他に、
女議長スレイ。
女将校アクア。
女魔術師ミライ。
この3人が居た。
議長親衛隊長のミーナと軍師のレテルナは戦後処理でボレオトバム半島に出向いてる。
そして、感度100倍とゴッデフィンガーのコンボでオレにメロメロの3人はお別れパーティー用の過激なランジェリーを纏っていた。
スレイはエメラルド色の華美なカーニバル衣装。
アクアは名産の真珠で作られたブラとパンツ。
ミライは人間なのに何故かバニーガール衣裳。
「私の事忘れないで下さいね、ロザリア様」
偉そうな普段とは打って変わって媚びるスレイを抱き寄せて感度100倍にして、
「アアア♡」
背中に触っただけで身悶えさせた。
「ええ、ちゃんと覚えてるわよ」
「私も私も」
「ええ、 アクアも覚えてるわ」
「ハヒャアアア♡」
感度100倍とゴッドフィンガーで胸を揉み、
「あの」
オレの背後から抱き付いて胸を押し付けてくるミライも感度100倍にして、
「ミライもね」
「ハワアアア♡」
少し会話をした後、ちゃんと3人を誠心誠意ゴッドフィンガーで満足させまくったのだった。
一国の権力者をキープしてて損はないからな。
まあ、ちゃんと魔十教団の情報も聞き出したからこの行動は有りって事で。
隷属契約したかったが、大地の女神ミーカルがダメだって言ってたからな。
◇
さて。
出発だ。
ナガン諸島からエガシー王国に向かうルートは、飛竜でタンテト連合の上空を通過コースだ。
実は西の果ての大瀑布を見に行った時も通ってる。
その時は何の妨害もなかったが、今回はグリフォン10頭が顔を見せた。
まあ、戦争をした直後に、ナガン諸島側から飛竜が5頭だからな。
警戒もするか。
「どちらに向かわれるのです?」
「メシコス王国だ。通行証も持ってるぞ」
と答えたのはメシコス王国の全体が黒で赤のワンポイントの装備の青年騎士だ。
そんな訳でちゃんと通過出来たのだった。
やっぱり国家があると強いわ。
一般人なら通過出来てないだろう。
タンテト連合の領空を移動中、攻撃はされなかった。
実は期待したんだがな。
魔十教団に襲われるの。
だが、タンテト連合に居ないとなると、イエロ将国か。
そんな訳で、まずはメシコス王国で一泊だ。
本当は温泉街ソーブが望ましかったが、メシコス王国内に入ってバルメシコ宮殿に寄らない訳にはいかず立ち寄っていた。
つまりは俗物王との謁見だ。
「おお、勇者ロザリア。久しぶりだな」
俗物王がオレを快く迎え入れたのは無論、即位に貢献したからではない。
メシコス王国は現在、窮地に立たされていたからだ。
前王が追放者に殺されて、第2王子が他国に逃亡。
その隙に臣籍降下した継承権5位の侯爵が即位してるのだ。
この状況で揉めるな、という方が無理な話だ。
それが30日以上前の出来事である。
その後、第2王子を支援したイエロ将国が王健奪取の為に派兵。
外見からも分かるように俗物王に人気があるとは言えず、書状1つで第2王子側に寝返る貴族も居て、メシコス王国は劣勢だった。
そこでオレを招こうとあの手この手をしてたが、御存知シューは父王を嫌ってる。
それでオレの耳にまで届いてなかったが、この度、遂に勇者のオレが来訪した訳だ。
そりゃあ、大喜びで出迎えるって事で、この歓迎だった。
そんな事情を把握しながら、オレは笑顔で、
「ははっ、陛下もお変わりなく」
「実は勇者に頼みたい事があるのだが」
「戦争には加担しませんよ、陛下」
「そこを曲げて・・・」
「魔十教団とやらに助けを求めてみては?」
さらっとオレは言い放った。
本気で言ったんじゃないぞ。
情報収集の為だ。
「どこでその名前を?」
「ナガン諸島でチョロっと聞いたくらいですね」
「連中はイエロ将国だ」
「そうですか」
それはいい事を聞いたな。
「それでどうにか・・・」
「出発前、聞いた時にはメシコス王国が勝てるような事を言ってたと思いましたが」
「うむ。だが、蓋を開けてみると内通する貴族どもが多くてな」
「やれやれですね」
「なので曲げて・・・」
「お断りします。こちらにはエガシー王国へ集金に向かう途中に顔を出しただけですので」
オレは笑顔で俗物王の申し出を断ったのだった。
◇
さて、問題。
自分の持ち物に名前を書くのはどうしてでしょうか?
答え。
紛失した際に手元に戻ってくる確率を上げる為。
◇
メシコス王国のバルメシコ宮殿で一夜を明かすとアシュの姿が消えていた。
「どういう事、チャーリー? 同じ部屋に居たわよね」
「知らないなのだ。吾輩は眠っていたなのだ。 そもそもシューと乳繰り合ってたロザリアに文句を言われる筋合いはないなのだ」
と言うのがチャーリーの弁で、
「朝食前に回収に向かうわよ」
オレはそう言ってアシュ回収に向かったのだった。
そんな訳で、王都バルメシコから東の森の中にある小屋に飛竜で来ていた。
どうしてそこに向かったのかって?
あのなぁ~。
自分の女に魔法の術式を施すのは当然の事だろうが。
貞操術式とか、座標術式とか、盗聴術式とか。
えっ?
普通はしないの?
まあ、それはともかく。
小屋に入ると猿轡をされてる裸のアシュと、石像になった裸でニヤケ顔の男5人が居た。
『この石像は何だ』って?
いやいや、ネトラレルのとか、オレ、嫌いだからさ。
どうせやるならネトリ専門だし。
ネトリは、まあ、そこそこ、いいかな。
恋人や旦那よりも自分の方が男として優れてるって証明出来て。
手付かずの処女だったら更にいいけどな。
おっと、話が逸れたな。
これが貞操術式だよ。
アシュとヤろうとしたら石化魔法の術式が発動。
範囲内に居る奴全員をピシッと石化ってね。
「ご主人様・・・怖かったぁ~」
胸に顔を埋めて泣き付くアシュの頭を撫でて、
「よしよし」
「これってご主人様がやったの?」
リラが興味を覚えて質問し、
「まあね」
と答えたのだった。
◇
さて、問題は黒幕だ。
この流れだったら当然、俗物王だわな?
イエロ将国の仕業に見せてアシュを殺害。
怒ったオレが参戦してイエロ将国と戦う。
子供でも分かる筋書きだ。
だが、信じられない事に、またしても黒幕は俗物王ではなかった。
謁見の間で俗物王同席の上で(だって黒幕だと思ってたんだもん)、5人の石化を解除して取り調べたら、信じられない事に、
黒幕はイエロ将国に味方するメシコス王国に紛れた魔十教団の末端組織員だった。
「どうしてアシュを狙ったのかしら?」
とのオレの問いに、
「勇者の貴様は知らないだろうがな、その女は極悪人だぞ?」
「そうだそうだ。リティア大森林を焼き払って火あぶりになった魔女コーナの仲間、アシュなんだからなっ!」
組織員達が吠えたのだった。
あれれれ?
何か懐かしい地名が出てきたぞぉ~。
「アシュは確かに私の名前だが、そのコーナって誰だよ?」
それがアシュの言葉だったが、オレには想像が付いた。
おそらくはオレが姿を借りたピンクブロンドの巨乳ちゃんの事だろう。
へぇ~、火あぶりにあったんだ、あの女ぁ~。
カワイソウニ (棒読み)。
ってか、拙い。
アシュにこれ以上喋らせるのは。
オレが話題を変える為に、
「じゃあ、アシュをヤろうとしたのはどうして?」
「どうせ殺すんだから、その前に嬲っても別に問題ないだろうが」
あのなぁ~。
「ったく、これだから男は。魔十教団のアジトを教えなさい」
「言う訳ないだろうが」
との反抗的な態度に、無詠唱でこっそり魅了魔法を使って、
「教えて、ね?」
ウィンク一つで、
「王都バルメシコでは高利貸のダンゼ金融がそうだ」
「色街のメッセ・ラブも」
「後はオモンド領が・・・」
その後も色々と魔十教団のアジトを教えて貰ったのだった。
◇
「戦争にはお手伝い出来ませんが、魔十教団くらいなら狩れますよ」
「では頼む」
そんな訳で速攻で動いた。
1日の強行軍で、片っ端からアジトを襲撃しまくった。
王都バルメシコのアジト3つ。
オモンド領のアジト2つ。
ルバン銀鉱山の坑道内のアジトを。
そして、この令嬢は本当に運が良い。
オウムのチャーリーは見えなかったらしく、
「何か居るなのだ」
と言ってたが、そのルバン銀鉱山の坑道の迎撃部隊に黒い枝を頭に指した連中が居たから、もしやと思ったら、
「この私を女教皇と知っての狼藉か」
と叫ぶ女の背後に眼玉が浮いていた。
1・2メートル級と小ぶりだったが。
こんな坑道内のアジトとも呼べない場所に居る理由は1つ。
歪曲結界の崩壊時にここに居て、姿が見えるようになってしまい、微妙なサイズだったので身動きがとれずに、ずっとここに居たってところか。
まあ、そんな事はどうでもいい。も
「まだ居たのかよっ! 竜魔女神封印斬りっ!」
おっと、男口調になってしまったが、ともかく斬って、
『ギャアアアアアアアア』
オレの戦闘力が上がっていたからか、
それとも小ぶりだったからか、
一撃で倒したのだった。
もちろん、女教皇と名乗ってたんだから、歪曲結界が崩壊してからも祝福を少量プールしてたから、それも奪ってやったがな。
だが、神界に向かうには後3倍は欲しいところだな。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
登場人物。
戦闘力80・・・ガムンデロ・ハムカム。ハムカム伯爵家の子息。俗物王アルドロンの妻の実家の人間。青年騎士は偽装。
女騎士・・・エルエト・ロイフ。エガシー王国の名門ロイフ騎士家出身。右眼に縦傷あり。
石像1・・・アシュのパンツを脱がした格好で石化。
石像2・・・アシュの両腕を掴んだ恰好で石化。
石像3・・・ニヤケ顔で石化。
女教皇・・・魔十教団の幹部。北西部エリア担当のトップ。眼玉に操られてる聖女。操り主の眼玉がブルってたのでロザリアがメシコス王国で暴れてた時は隠れてた。
地名。
オモンド領・・・辺境伯領。メシコス王国の北国境。
ルバン銀鉱山・・・銀脈は発掘し尽くし、枯れている。今は狩猟場。
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