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【薔薇髪side】スケルトン・パニック

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 私は魔教団の薔薇髪ローズヘア薔薇髪。

 ナーダ王国のモル・シティのアジトを任された幹部なのだが。

 そのモル・シティは現在、やたらと強いスケルトン数体に襲われていた。

 最初は数体だったが、魔石換金所が落ちて魔石を奪われてからはもう最悪で、街の兵士や冒険者達の遺体をスケルトン兵に量産出来る奴が居た事から、もうモル・シティで暴れてるスケルトンの個数は300体を越えていた。

 スケルトンを作れるのなら、もっと増殖するに決まってる。

 昨日、北の狩猟場『森丘』の拠点の1つを襲ったスケルトンが居たと聞いたが、おそらくはそのスケルトンどもだ。

 移動速度が早過ぎるのはあの巨大な狼のスケルトンの所為だろう。

 私が取るべき道は当然、逃げの一択いったくである。

 だったのだが、デカイ狼のスケルトンの背に乗った王冠と赤マントのスケルトンが、





「我が名は永遠フォーエバーっ! 新生魔十教団の王だっ! 全員、恐怖せよっ!」





 何てわめいてくれたので、逃げられなくなった。

 よりにもよって、幹部の永遠フォーエバー様の名前を騙るか、こいつぅ~。

 それに新生魔十教団ってっ!

 ふざけた名前をっ!

 魔十教団を舐めやがってっ!

 このスケルトンどもはここで殺すっ!





 そんな訳で、モル・シティに居た魔十教団の構成員300人で戦いを挑んだ。

 どうしてこんなに魔十教団の組織員が居るのかって?


 それはオズ帝国が何か変で、アジトも次々に潰されてる事から、偵察員や戦闘員で『アジトを防衛しろ』って命令が来てたからよっ!

 ともかくスケルトンを攻撃した。

 そして、あっさりと敗北。

 私はナイトと戦った訳だけど、

 絶対変よ、あのスケルトンナイト。

 攻撃魔法を無効化どころか、吸収して体力と魔力を回復させてるんだから。

 敗北直前でその事に気付いた訳だけど。

 魔十教団は魔術師集団なのに勝てる訳ないじゃないの、そんな奴に。





「ユニウス・カーリーの剣の錆になれる事を誇れ」





 ユニウス・カーリー?

 魔十教団の事を嗅ぎ回ってた勇者きどりの冒険者?

 私が森丘で事故に見せかけて暗殺したアイツのなれの果てなの、コイツって?

「じゃあな」

 私はその後、剣じゃなくて靴の足で踏まれて首を折られて絶命したのだった。





 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇





 登場人物。





 薔薇髪・・・エルフ女。魔十教団の幹部。
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