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南部騒乱
使者
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2月。
新年の王宮門前で起こった反乱の黒幕が判明した。
暗部と密偵の地道な調査が実った訳だが。
調査結果が示した反乱の黒幕はザーク伯爵がレストに告げた人物ではなく、
その息子のリンク・ガモハンレス公爵令息だった。
つまりはハイル前王の妻のリリーナ王太后の弟、リード・ガモハンレス公爵の第1子の後継者だ。
そして当然、カール国王の母方の従弟に当たる。
その為、レストがザーク伯爵の話をカール国王にしなければ念の為に調べさせて早期に判明する事もなかった訳で、これもレストのお手柄だったが。
その後が良くない。
ブラベ王宮に出仕させられたレストにカール国王が、
「黒幕がガモハンレス公爵の後継のリンクとはな。レストはどう思う?」
「無論、陛下の心痛をお察しするばかりです」
「そういうオベンチャラはいらん。本音を言ってみろ」
「では陛下のお許しが出たので本音を。『何してくれてんだ? こっちはガモハンレス公爵の手下の商人からメルモードの街の赴任時に金貨を1500枚も貰ってるんだぞ。巻き添えをモロに喰うじゃねえか』ですね」
「3頭領の1人を討ったにも関わらず黙ってて前王陛下を怒らせたというあれか」
「はい。あの時は前王陛下の前で当時、親衛隊長だったゴクートル宰相にも怒られましたからね。陛下には悪い意味で顔と名前を覚えられてしまいましたし」
「ハハハ、だがその後、前王陛下が王太后を通じて、騎士公のレストを勝手に使った公爵を怒って以降、叔父上側が遠慮して接触を断ったとも聞いたぞ?」
「おや、そうなのですか? 道理で商人からの接触がなかった訳ですね」
「接触は本当になかったのだな?」
「はい、メルモードの街の守備隊任務を外されてからは一度も」
「なるほどな。で、レスト、どう裁けはいいと思う?」
(嫌な質問をする。もう覚悟を決めてる癖に)
と思いながらレストは、
「戦場で裏切ったもう片方の従弟殿は私が斬りましたので、もし本当に黒幕ならば同じでよろしいかと」
「リンクが南都派の中心人物だと知ってて言ってるのか? 処断する貴族家は10家では済まんぞ? 恐らくは30家以上となろう。それでもやるのか?」
「これは私の独り言ですが、コルエーゼ様が対処していなければ1月の内乱は成功して陛下の首は落ちていました。そのような悪行を許すのは慈深いとは違うと思います」
「では、レスト、その首謀者、リンク・ガモハンレスを引っ立ててまいれ」
さらりとカール国王がレストに言った。
「はあ?」
「命令だ。やれ」
「いえいえ、無理ですって、陛下。 捕縛してもブラベ王宮までの移送中に南都派の貴族達に襲撃されて奪還されますし。せめて騙し討ちにして下さいよ、その従弟殿がブラベ王宮に自ら出向くように仕向けての」
レストが妙な事を言い出して、
「どうやってだ?」
カール国王が奇妙な生き物を見るような眼でレストを見たのだった。
◇
2月。
王都ブラベから南都カモントまでは馬移動で37日までである。
だが、ガモハンレス公爵家の領土の旧本国の北部パイナ地方の27日だ。
早駆けならば9日での移動が可能で、9日でパイナ領の公爵邸の屋敷に10人程の親衛隊が乗り込んできた。
乗り込んだ親衛隊の一団の先頭を歩くのはレスト・ドムである。
「ガモハンレス公爵は居られるか? 陛下から公爵宛てのブラベ王宮への召喚状を持ってきたのだが?」
「申し訳ございません、閣下は10日前に南都カモントの方へお出向きになられまして不在です」
デキそうな執事の言葉にレストは、
「それではもうカモントか。仕方ない。そちらに出向くか。邪魔し・・・」
入口に向かおうとしてから執事をマジマジと見て、
「本当だよな、今の話? 親衛隊への虚偽報告の罪は重いが?」
公爵が居ないと知りつつ疑ったのだった。
「無論です。親衛隊の騎士様に嘘などは申しません」
「ならいいが。オレは意外に貴族に嫌われててねえ。一応、屋敷内を改めさせて貰っても構わないかな?」
「構いませんが本当に居られませんよ?」
などと喋ってると2階の階段から下りてきた20代後半の貴族風の青年が、
「失礼。ドム伯爵とお見受けしますが何かございましたでしょうか?」
そう質問してきた。
本命のリンクだ、とレストは瞬時に見抜くが、
「そちらは確か」
「後継のリンクでございます」
「陛下の従弟の、ですよね?」
レストが露骨に背筋を正したのを見て、リンクは苦笑しながら、
「はい。そうでございます。王家の血は入っていない方の」
「公爵殿は居られますか?」
「いえ、カモントですが」
「本当に?」
レストが疑うと、
「無論ですよ、陛下の信任の厚いドム伯爵に虚偽の報告などする訳がないじゃないですか」
若いながら腹芸も出来るリンクが嘘臭い笑顔で答え、世間話でもするに、
「あの、父にどんな御用件でしょうか?」
「いや、これは親衛隊の公務ですのでさすがにお教えする訳にはーー」
「そこを何とか」
「まあ、陛下の従弟ですし、ふむ」
と迷ったレストが、
「特別にお教えますが、ガモハンレス公爵が拙い事になっておられますよ」
小声でリンクにそう囁いた。
「具体的には?」
「ここからは謝礼が発生しますが、いただけるのですよね?」
平民あがり丸出しのレストの要求に、
(想像以上に平民だな、この小判鮫は。簡単に操れそうだ。物騒なコルエーゼも今は北都シャハイネでモンドル国軍の後始末をしてるらしいし。他の親衛隊も見ない顔ばかりか)
と値踏みしながらリンクが、
「ええ、もちろん。今は手持ちがないので後日必ず」
そう約束すると、レストは満足して、
「王都ブラベでの絹糸相場ですよ。10倍の高騰はさすがにやり過ぎです。陛下の耳に入ってお怒りです」
召喚の理由を教えた。
想定していなかった召喚理由にリンクが驚いて、
「待った。違います、違います。あれはモモシアの兵士崩れが絹糸を運ぶ隊商に山賊行為をしたのが原因ですよ?」
「えっ? そうなのですか?」
レストが初耳とばかりに、リンクをマジマジと見ながら、
「陛下の外戚の立場を利用して絹糸相場を10倍に釣り上げてボロ儲けしてるのでは?」
(そんな噂が立ってるのか?)
内心では驚きながらもリンクは、
「誓ってそのような事はしておりませんよ」
「だとすると、その事をブラベ王宮に出向いて弁明した方がいいかと。陛下はかなりの御立腹で必ずガモハンレス公爵を連れてくるよう私に厳命されましたから」
「そこまでお怒りに?」
「ええ、コルエーゼ様が北都シャハイネに出向いてる関係で、ブラベ王宮は今、ゴクートル宰相の思いのままですから」
レストが嫌そうな顔で教えると、リンクがその情報に興味を示し、
「もしや、宰相にガモハンレス公爵家が狙われてる?」
「それはないでしょう、王太后様がブラベ王宮の後宮に君臨されてるのですから。狙われてるとしたらアイハール地方の絹糸利権だと思いますよ。モモシアのサルドック金山が陛下直轄になりましたからね。宰相閣下としてはアテが外れた、ってところでしょうし」
「・・・御助言、感謝します」
「いえいえ、ですが公爵閣下はプラベ王宮に召喚しますので。お覚悟だけはしておいて下さい。では失礼。(謝礼も後日必ずお願いしますね)」
レストはそう言ってから玄関ホールを出て、
「南都カモントに出発するぞ」
親衛隊を引き連れて公爵邸を出て行ったのだった。
新年の王宮門前で起こった反乱の黒幕が判明した。
暗部と密偵の地道な調査が実った訳だが。
調査結果が示した反乱の黒幕はザーク伯爵がレストに告げた人物ではなく、
その息子のリンク・ガモハンレス公爵令息だった。
つまりはハイル前王の妻のリリーナ王太后の弟、リード・ガモハンレス公爵の第1子の後継者だ。
そして当然、カール国王の母方の従弟に当たる。
その為、レストがザーク伯爵の話をカール国王にしなければ念の為に調べさせて早期に判明する事もなかった訳で、これもレストのお手柄だったが。
その後が良くない。
ブラベ王宮に出仕させられたレストにカール国王が、
「黒幕がガモハンレス公爵の後継のリンクとはな。レストはどう思う?」
「無論、陛下の心痛をお察しするばかりです」
「そういうオベンチャラはいらん。本音を言ってみろ」
「では陛下のお許しが出たので本音を。『何してくれてんだ? こっちはガモハンレス公爵の手下の商人からメルモードの街の赴任時に金貨を1500枚も貰ってるんだぞ。巻き添えをモロに喰うじゃねえか』ですね」
「3頭領の1人を討ったにも関わらず黙ってて前王陛下を怒らせたというあれか」
「はい。あの時は前王陛下の前で当時、親衛隊長だったゴクートル宰相にも怒られましたからね。陛下には悪い意味で顔と名前を覚えられてしまいましたし」
「ハハハ、だがその後、前王陛下が王太后を通じて、騎士公のレストを勝手に使った公爵を怒って以降、叔父上側が遠慮して接触を断ったとも聞いたぞ?」
「おや、そうなのですか? 道理で商人からの接触がなかった訳ですね」
「接触は本当になかったのだな?」
「はい、メルモードの街の守備隊任務を外されてからは一度も」
「なるほどな。で、レスト、どう裁けはいいと思う?」
(嫌な質問をする。もう覚悟を決めてる癖に)
と思いながらレストは、
「戦場で裏切ったもう片方の従弟殿は私が斬りましたので、もし本当に黒幕ならば同じでよろしいかと」
「リンクが南都派の中心人物だと知ってて言ってるのか? 処断する貴族家は10家では済まんぞ? 恐らくは30家以上となろう。それでもやるのか?」
「これは私の独り言ですが、コルエーゼ様が対処していなければ1月の内乱は成功して陛下の首は落ちていました。そのような悪行を許すのは慈深いとは違うと思います」
「では、レスト、その首謀者、リンク・ガモハンレスを引っ立ててまいれ」
さらりとカール国王がレストに言った。
「はあ?」
「命令だ。やれ」
「いえいえ、無理ですって、陛下。 捕縛してもブラベ王宮までの移送中に南都派の貴族達に襲撃されて奪還されますし。せめて騙し討ちにして下さいよ、その従弟殿がブラベ王宮に自ら出向くように仕向けての」
レストが妙な事を言い出して、
「どうやってだ?」
カール国王が奇妙な生き物を見るような眼でレストを見たのだった。
◇
2月。
王都ブラベから南都カモントまでは馬移動で37日までである。
だが、ガモハンレス公爵家の領土の旧本国の北部パイナ地方の27日だ。
早駆けならば9日での移動が可能で、9日でパイナ領の公爵邸の屋敷に10人程の親衛隊が乗り込んできた。
乗り込んだ親衛隊の一団の先頭を歩くのはレスト・ドムである。
「ガモハンレス公爵は居られるか? 陛下から公爵宛てのブラベ王宮への召喚状を持ってきたのだが?」
「申し訳ございません、閣下は10日前に南都カモントの方へお出向きになられまして不在です」
デキそうな執事の言葉にレストは、
「それではもうカモントか。仕方ない。そちらに出向くか。邪魔し・・・」
入口に向かおうとしてから執事をマジマジと見て、
「本当だよな、今の話? 親衛隊への虚偽報告の罪は重いが?」
公爵が居ないと知りつつ疑ったのだった。
「無論です。親衛隊の騎士様に嘘などは申しません」
「ならいいが。オレは意外に貴族に嫌われててねえ。一応、屋敷内を改めさせて貰っても構わないかな?」
「構いませんが本当に居られませんよ?」
などと喋ってると2階の階段から下りてきた20代後半の貴族風の青年が、
「失礼。ドム伯爵とお見受けしますが何かございましたでしょうか?」
そう質問してきた。
本命のリンクだ、とレストは瞬時に見抜くが、
「そちらは確か」
「後継のリンクでございます」
「陛下の従弟の、ですよね?」
レストが露骨に背筋を正したのを見て、リンクは苦笑しながら、
「はい。そうでございます。王家の血は入っていない方の」
「公爵殿は居られますか?」
「いえ、カモントですが」
「本当に?」
レストが疑うと、
「無論ですよ、陛下の信任の厚いドム伯爵に虚偽の報告などする訳がないじゃないですか」
若いながら腹芸も出来るリンクが嘘臭い笑顔で答え、世間話でもするに、
「あの、父にどんな御用件でしょうか?」
「いや、これは親衛隊の公務ですのでさすがにお教えする訳にはーー」
「そこを何とか」
「まあ、陛下の従弟ですし、ふむ」
と迷ったレストが、
「特別にお教えますが、ガモハンレス公爵が拙い事になっておられますよ」
小声でリンクにそう囁いた。
「具体的には?」
「ここからは謝礼が発生しますが、いただけるのですよね?」
平民あがり丸出しのレストの要求に、
(想像以上に平民だな、この小判鮫は。簡単に操れそうだ。物騒なコルエーゼも今は北都シャハイネでモンドル国軍の後始末をしてるらしいし。他の親衛隊も見ない顔ばかりか)
と値踏みしながらリンクが、
「ええ、もちろん。今は手持ちがないので後日必ず」
そう約束すると、レストは満足して、
「王都ブラベでの絹糸相場ですよ。10倍の高騰はさすがにやり過ぎです。陛下の耳に入ってお怒りです」
召喚の理由を教えた。
想定していなかった召喚理由にリンクが驚いて、
「待った。違います、違います。あれはモモシアの兵士崩れが絹糸を運ぶ隊商に山賊行為をしたのが原因ですよ?」
「えっ? そうなのですか?」
レストが初耳とばかりに、リンクをマジマジと見ながら、
「陛下の外戚の立場を利用して絹糸相場を10倍に釣り上げてボロ儲けしてるのでは?」
(そんな噂が立ってるのか?)
内心では驚きながらもリンクは、
「誓ってそのような事はしておりませんよ」
「だとすると、その事をブラベ王宮に出向いて弁明した方がいいかと。陛下はかなりの御立腹で必ずガモハンレス公爵を連れてくるよう私に厳命されましたから」
「そこまでお怒りに?」
「ええ、コルエーゼ様が北都シャハイネに出向いてる関係で、ブラベ王宮は今、ゴクートル宰相の思いのままですから」
レストが嫌そうな顔で教えると、リンクがその情報に興味を示し、
「もしや、宰相にガモハンレス公爵家が狙われてる?」
「それはないでしょう、王太后様がブラベ王宮の後宮に君臨されてるのですから。狙われてるとしたらアイハール地方の絹糸利権だと思いますよ。モモシアのサルドック金山が陛下直轄になりましたからね。宰相閣下としてはアテが外れた、ってところでしょうし」
「・・・御助言、感謝します」
「いえいえ、ですが公爵閣下はプラベ王宮に召喚しますので。お覚悟だけはしておいて下さい。では失礼。(謝礼も後日必ずお願いしますね)」
レストはそう言ってから玄関ホールを出て、
「南都カモントに出発するぞ」
親衛隊を引き連れて公爵邸を出て行ったのだった。
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