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レシット辺境国の海賊
哨戒任務
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レスト率いるドム艦隊の船は、
ガレー船が3隻。
キャラック船が2隻。
キャラベル船が2隻。
となっている。
ガレー船はオールで漕ぐ人力船。
キャラック船とキャラベル船は帆船である。
どちらがいいかと言えば、
長距離なら帆船。
短距離なら人力船。
というのが通説だ。
何せ、人力船は船を動かす為に人が多数乗ってるのでその分、食料と水を必要とするので。
◇
ドム艦隊はゼル港を出港後、海域をウロチョロしていた。
海図と地理を確認しているのだ。
初見の戦場で敵と戦う?
あり得ない。
偵察を出して、高所から見下ろすくらいの事は陸でも将がしている。
通常は偵察だが、海軍だと偵察が出せず船で見て回る必要があり、海兵訓練も兼ねて海域を何度も往復していた。
海賊というのは馬鹿なのだろうか。
7隻の艦隊に海賊船1隻が突っ込んできた。
レシット辺靖国には国旗がなく、例の海賊のドクロの旗を掲げていて、すぐに分かった。
「海賊船です、あのガレー船」
見張りがそう伝え、レストも甲板から望遠鏡で確認した。
「戦闘準備、衝角攻撃には気を付けろよ、船が沈むからなっ!」
レストの命令で7隻総てが戦闘態勢に入った。
レストが乗る船はキャラック船だった。
ガレー船はオールを出す穴があるので海難事故に遭いやすいとの理由で。
海戦の最初は遠距離での矢の応酬である。
その後、衝角攻撃、白兵戦へと移る。
海賊船の狙いは明らかに船首をぶつけて相手の船を沈める衝角攻撃だ。
船の横腹に受けるとマジで沈む。
その為、突撃を続ける海賊船を避けるように船を旋回させながら、他の乗組員は矢を浴びせかける訳だが。
海賊達も甲板の上で盾を構えて矢を防いだ。
「いいか、おまえらっ! 相手の数なんかにビビるなよっ! 狙いは敵の旗艦だーーギャアア」
海賊船の船長のキーンが部下に発破を掛けてる最中に矢が被弾した。
大口を開けた中に矢が入り、喉を貫通して矢先が出てる。
「ゲボっ!(バタッ)」
当然、絶命だった。
射たのは信じられない事に、旗艦で総督服を着ながら矢を射てるレストだったが、矢の雨が降る中、それに気付いたのは敵、味方を通して誰も居なかった。
「お願っ!」
「クソ、お頭はもうダメだ」
「どうするんです、副長?」
「このまま突撃だっ! どの道、今からUターンは出来なーーギャアア」
今度は指示を出してた副長のストスが片眼を射抜かれた。
何かがヤバイ。
海賊船の誰もが思ったが、船は逃げるにはUターンしなければならず、敵の前でのUターンは矢を浴び続けるので、突撃して迂回するのが正攻法だったが。
矢の雨が多過ぎて、甲板の海賊は盾を持ってたのに、反対側からも矢が飛んできて射られていく。
遂には甲板の上に居る海賊達は全滅した。
そこで船内から白旗が振られて降伏だ。
海賊船が動きを停止する。
ドム艦隊の旗艦の副長を務めるモルリント王国のモスボン港の海軍出身の40代のゴンドレスが、
「拿捕させますね、総督」
「ああ、任せた」
レストの同意で、手旗信号の後、部下の船が海賊船に接舷し、船内でオールを漕いでいた海賊達全員を捕縛したのだった。
というか、ガレー船の動力源となった海賊達は総て奴隷だった。
ドム艦隊の生き残りだと主張する者まで居た。
「海賊船はどうしましょうか?」
ゴンドレスの問いに、
「ロープで牽引しろ。遠慮なく火計に使用出来る船が必要だったところだ。ゼル港に帰港するぞ」
レストの命令は実行されて海賊船をロープで牽引してゼル港に帰ったのだ
◇
ゼル港の総督府にて報告を聞いていたフイレスがレストの登場に、
「もう海賊船を1隻、拿捕してきたのか、レスト?」
「ええ、こちらが7隻なのに1隻の癖に何故か無謀にも突撃してきて。海賊って馬鹿なんですか?」
「そりゃあ、馬鹿だろ。ゼル港を守る城壁を見てみろよ。高く聳えた城壁があるのに、それでも海賊が襲ってくるんだから」
「大変ですね、フイレスさんも」
レストはしみじみと同情したのだった。
◇
レシット辺境国のルナドスヒラ港の城ではボラン海賊長が、
「キーンが死んだらしい」
そう言葉を吐くと船長達が、
「ルナドスヒラ海賊の恥晒しが」
「まったくだぜ」
「今度はオレに任せて下さい」
「いや、オレにっ!」
ボラン海賊長が、
「では、サルバット、いけ」
「畏まりました、お頭」
50代のサルバットは深く頭を下げて、広間から出て行ったのだった。
ガレー船が3隻。
キャラック船が2隻。
キャラベル船が2隻。
となっている。
ガレー船はオールで漕ぐ人力船。
キャラック船とキャラベル船は帆船である。
どちらがいいかと言えば、
長距離なら帆船。
短距離なら人力船。
というのが通説だ。
何せ、人力船は船を動かす為に人が多数乗ってるのでその分、食料と水を必要とするので。
◇
ドム艦隊はゼル港を出港後、海域をウロチョロしていた。
海図と地理を確認しているのだ。
初見の戦場で敵と戦う?
あり得ない。
偵察を出して、高所から見下ろすくらいの事は陸でも将がしている。
通常は偵察だが、海軍だと偵察が出せず船で見て回る必要があり、海兵訓練も兼ねて海域を何度も往復していた。
海賊というのは馬鹿なのだろうか。
7隻の艦隊に海賊船1隻が突っ込んできた。
レシット辺靖国には国旗がなく、例の海賊のドクロの旗を掲げていて、すぐに分かった。
「海賊船です、あのガレー船」
見張りがそう伝え、レストも甲板から望遠鏡で確認した。
「戦闘準備、衝角攻撃には気を付けろよ、船が沈むからなっ!」
レストの命令で7隻総てが戦闘態勢に入った。
レストが乗る船はキャラック船だった。
ガレー船はオールを出す穴があるので海難事故に遭いやすいとの理由で。
海戦の最初は遠距離での矢の応酬である。
その後、衝角攻撃、白兵戦へと移る。
海賊船の狙いは明らかに船首をぶつけて相手の船を沈める衝角攻撃だ。
船の横腹に受けるとマジで沈む。
その為、突撃を続ける海賊船を避けるように船を旋回させながら、他の乗組員は矢を浴びせかける訳だが。
海賊達も甲板の上で盾を構えて矢を防いだ。
「いいか、おまえらっ! 相手の数なんかにビビるなよっ! 狙いは敵の旗艦だーーギャアア」
海賊船の船長のキーンが部下に発破を掛けてる最中に矢が被弾した。
大口を開けた中に矢が入り、喉を貫通して矢先が出てる。
「ゲボっ!(バタッ)」
当然、絶命だった。
射たのは信じられない事に、旗艦で総督服を着ながら矢を射てるレストだったが、矢の雨が降る中、それに気付いたのは敵、味方を通して誰も居なかった。
「お願っ!」
「クソ、お頭はもうダメだ」
「どうするんです、副長?」
「このまま突撃だっ! どの道、今からUターンは出来なーーギャアア」
今度は指示を出してた副長のストスが片眼を射抜かれた。
何かがヤバイ。
海賊船の誰もが思ったが、船は逃げるにはUターンしなければならず、敵の前でのUターンは矢を浴び続けるので、突撃して迂回するのが正攻法だったが。
矢の雨が多過ぎて、甲板の海賊は盾を持ってたのに、反対側からも矢が飛んできて射られていく。
遂には甲板の上に居る海賊達は全滅した。
そこで船内から白旗が振られて降伏だ。
海賊船が動きを停止する。
ドム艦隊の旗艦の副長を務めるモルリント王国のモスボン港の海軍出身の40代のゴンドレスが、
「拿捕させますね、総督」
「ああ、任せた」
レストの同意で、手旗信号の後、部下の船が海賊船に接舷し、船内でオールを漕いでいた海賊達全員を捕縛したのだった。
というか、ガレー船の動力源となった海賊達は総て奴隷だった。
ドム艦隊の生き残りだと主張する者まで居た。
「海賊船はどうしましょうか?」
ゴンドレスの問いに、
「ロープで牽引しろ。遠慮なく火計に使用出来る船が必要だったところだ。ゼル港に帰港するぞ」
レストの命令は実行されて海賊船をロープで牽引してゼル港に帰ったのだ
◇
ゼル港の総督府にて報告を聞いていたフイレスがレストの登場に、
「もう海賊船を1隻、拿捕してきたのか、レスト?」
「ええ、こちらが7隻なのに1隻の癖に何故か無謀にも突撃してきて。海賊って馬鹿なんですか?」
「そりゃあ、馬鹿だろ。ゼル港を守る城壁を見てみろよ。高く聳えた城壁があるのに、それでも海賊が襲ってくるんだから」
「大変ですね、フイレスさんも」
レストはしみじみと同情したのだった。
◇
レシット辺境国のルナドスヒラ港の城ではボラン海賊長が、
「キーンが死んだらしい」
そう言葉を吐くと船長達が、
「ルナドスヒラ海賊の恥晒しが」
「まったくだぜ」
「今度はオレに任せて下さい」
「いや、オレにっ!」
ボラン海賊長が、
「では、サルバット、いけ」
「畏まりました、お頭」
50代のサルバットは深く頭を下げて、広間から出て行ったのだった。
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