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レシット辺境国の海賊
出陣
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5月。
聞きたくない報告をレストは受けていた。
ジル艦隊8隻、レシット辺境国の海賊に敗北。
である。
敗北の規模は分からなかったが、全滅なら8隻の軍船を失った事になる。
大損失だ。
船もそうだが、金貨800枚を補給用の軍資金として持たせていたので。
「大損だから」
レストはそう呟いたが、
後日伝わった内情はもっと拙かった。
ゼル港のモルリント王国海軍と連携が取れず、見捨てられたっぽい。
つまりは味方同士の不和が原因での敗戦だった。
兵数が揃っていても機能してない、なんて最悪の負け方である。
その件でレストはプラベ王宮に呼ばれて、コルエーゼに、
「何をやってるんだ、おまえは?」
お小言を言われた。
「オレじゃなくて負けたのはそちらが用意したジルですけど?」
「ジルはもうおまえの部下だろうが」
「ええぇ~。何ですか、その論法? こっちはジルに海軍、丸投げだったのに」
「5月だが残る7隻の水夫の訓練は終えてるよな? 今度はおまえが指揮してゼル港に出向け。レシット辺境国の海賊をこれ以上、調子付かせるな」
「・・・その返事をする前に一応、確認ですが、ゼル港のカイラスはちゃんと全滅してるんですよね?」
「報告ではな」
「・・・そんな適当な」
「レシット辺境国の海賊船6隻を沈めてくるまで帰ってくるな。例え、陛下からの帰還命令であってもだ」
6月はホイリカ王妃の誕生会。
8月はルルカ第1王子の誕生会。
昨年は戦役で出来なかった分、今年は大々的に催される予定が既に入ってる。
「戦闘の仕方は自由なんですよね?」
「何をやる気だ? まあ、油を積んだ船を奪わせての火計か、海流に大量の油を流しての火計くらいしかないか」
言い当てられたレストはコルエーゼを見て、改めて『頭だけはいいんだよなぁ~』と認識した。
「適当にやりますよ」
命令を受けた時はレストは嫌そうだったが、
トリスパル港町から軍船7隻を率いて出航する時は、
「全軍、出発。目指すはゼル港だっ!」
手柄を立てられる、と喜々としていた。
◇
モンテ海は内海である。
モルリント王国の本国側から北西側に大陸が伸びている。
港は南側から、
モスボン港。
トリスパル港。
イールイ港。
ゼル港。
である。
モスボン港はモルリント王国の本国時代からの唯一の港町だ。
トルスパル港はブラベの玄関口。
イールイ港は葡萄酒が名産。
ゼル港は北西側に角のように出っ張った先にあり、最北の港だった。
そのゼル港には毎年のようにレシット辺境国から海賊がやってきては略奪を繰り返している。
それでもゼル港には人と富が集まった。
理由はゼル港の傍に世界最大の琥珀の鉱脈があるからである。
その琥珀に魅せられて人と富が集まるのだ。
食糧や生活の為に、魚肉や材木、弓矢といった産業もあるが、ゼル港のメインの産業は琥珀だった。
その税収は大きく、ゼル港の防衛とレシット辺境国の海賊対策はモルリント王国でもかなり高い優先順位に位置していた。
◇
トルスパル港からイールイ港までは船で3日半。
イールイ港からゼル港までは5日の航海である。
別段、途中に襲われる事もなくゼル港に着いた。
まずは到着の挨拶である。
ゼル港はモルリント王国の直轄領で、現在の総督はフイレス・フォール男爵である。
カール国王が第2王子の頃からの古参組だ。
一代騎士の息子で、身分は平民だったが、カール・モルリント王国建国のドサクサで男爵の爵位を得て、ゼル港を任されていた。
年齢はカール国王やコルエーゼと同年代だ。
「これはドム伯爵。よくいらっしゃいました」
「いやいや、止めて下さいよ、フイレスさん。お互い知った仲でしょ」
レストはシャテチ連合の第4都市だったブラべ攻めの時からカール第2王子と面識がある。
カールとコルエーゼが行動を共にしていたので、コルエーゼの補佐官のレストも同行しており、カールの古参の側近とは親しかった。
フイレスもその一人である。
「まあね。しかし、今や伯爵かぁ~」
「押し付けられましたからね、ゼロス前王太子の妹である陛下の従妹のパニア様を」
「ゼロス前王太子も討ったんだろ? それも一騎駆けで」
「ええ、小判鮫男爵のあだ名のお陰で油断してくれて助かりましたよ」
「滅茶苦茶だな。だが明確な手柄があるだけマシか。オレなんて手柄なしで平民から騎士公を飛ばして男爵だぜ?」
「それだけ陛下から信用されてるって事ですよ。何せ、重要拠点のゼル港を任されてるんですから」
「そう言ってくれるのはおまえくらいだよ。他の連中は内心でどう思ってるか」
「それを言ったらオレなんて未だにコルエーゼ様の小判鮫扱いですから。フイレスさんもヤッカミなんて気にしちゃダメですって。ゼルの琥珀は有名過ぎますからね。フイレスさんも豪商達からの貢物でもうウハウハなんでしょ」
レストの問いにフイレスは満更でもない顔で、
「まあ、それなりにな」
「港の総督ってメチャ凄いですよね。トルスパル港の特産品なんて陶器ですのに」
との雑談の後に、
「そうだ。ウチのジルですが」
水を向けるとフイレスも真面目な顔になり、
「勝手にレシット辺境国の海域に突っ込んで見失い、燃えてる船をウチの部下が確認したそうだ。オレは総督なので正直、現場となった海に出れてなくてな。報告だけで詳しくは知らん」
「燃えてる船を確認したのは何者ですか?」
「カイラス疑惑のベス船長の船だ。武装商船から海軍に船ごと移籍してな」
「ええぇ~、カイラスだったら嘘の可能性があるじゃないですか。もしかしてそのベスって奴が報復で沈めた?」
「ホント、スマンな。海で戦える奴が欲しくて、カイラスの話が出た時はもう軍に移籍した後で証拠もなくてそのままで」
「ええっと、一緒に行動なんて怖いんで、オレの艦隊は別行動でいいですよね?」
「ああ。なんて命令を受けてるんだ?」
「レシット辺境国の海賊船6隻を沈めてくるまで帰ってくるな」
「うわぁ~、それだと当分帰れないぞ。1隻ずつが好き勝手、襲ってくるから」
「やっぱり、そうですよね? ここの海賊って? マジで最悪ですから」
レストはそんな会話をフイレスとしたのだった。
◇
レストがフイレスに総督府で挨拶してる頃。
ジル艦隊を破ったレシット辺境国の海賊船は本拠地のルナドスヒラ港に帰港していた。
25歳の若き船長アスロを先頭に一団が表通りを闊歩する。
その一団の最後には捕虜となったレストの部下のジル提督が猿轡をされ、丸太を背負わされて歩かされていた。
海賊の港なのだ。
捕虜に人権などは存在しない。
港の者達は顔を背けるところか、凱旋したアスロ達に喝采を送っていた。
ルナドスヒラ港が見える海賊の城に戻ったアスロは、海賊長のボランに、
「ただいま帰りました、お頭」
と挨拶した。
略奪品の半分は海賊長のボランに納めるのが、ルナドスヒラ港の流儀だ。
上座に座るボランは80代で白髭だがまだまだ筋肉質で分厚い胸板をしており、献上品の宝箱の中の琥珀や金の延べ棒を見ながら、
「なかなかの成果なようだな。どうだった、モルリント王国の海軍の歯応えは?」
「烏合の衆で弱かったですよ。まあ、裏切り者が居てくれたお陰なんですがね」
「なるほど、ゆっくり休め」
アスロが広間から退室する中、残る船長達に、
「次は誰が行く?」
とボラン海賊長が問うと、複数の船長が同時に『オレが』『今度こそオレに』『オレをっ!』と志願したが、
「キーン、おまえがいけ」
「ははっ、必ずや、アスロ以上の略奪品を献上して御覧に入れます」
40代の眼帯の男がニヤリと笑って、広間から出ていき、
「テメーラ、出港だっ! ゼル港に向かうぞっ!」
ルナドスヒラ港から海賊船で出港していったのだった。
聞きたくない報告をレストは受けていた。
ジル艦隊8隻、レシット辺境国の海賊に敗北。
である。
敗北の規模は分からなかったが、全滅なら8隻の軍船を失った事になる。
大損失だ。
船もそうだが、金貨800枚を補給用の軍資金として持たせていたので。
「大損だから」
レストはそう呟いたが、
後日伝わった内情はもっと拙かった。
ゼル港のモルリント王国海軍と連携が取れず、見捨てられたっぽい。
つまりは味方同士の不和が原因での敗戦だった。
兵数が揃っていても機能してない、なんて最悪の負け方である。
その件でレストはプラベ王宮に呼ばれて、コルエーゼに、
「何をやってるんだ、おまえは?」
お小言を言われた。
「オレじゃなくて負けたのはそちらが用意したジルですけど?」
「ジルはもうおまえの部下だろうが」
「ええぇ~。何ですか、その論法? こっちはジルに海軍、丸投げだったのに」
「5月だが残る7隻の水夫の訓練は終えてるよな? 今度はおまえが指揮してゼル港に出向け。レシット辺境国の海賊をこれ以上、調子付かせるな」
「・・・その返事をする前に一応、確認ですが、ゼル港のカイラスはちゃんと全滅してるんですよね?」
「報告ではな」
「・・・そんな適当な」
「レシット辺境国の海賊船6隻を沈めてくるまで帰ってくるな。例え、陛下からの帰還命令であってもだ」
6月はホイリカ王妃の誕生会。
8月はルルカ第1王子の誕生会。
昨年は戦役で出来なかった分、今年は大々的に催される予定が既に入ってる。
「戦闘の仕方は自由なんですよね?」
「何をやる気だ? まあ、油を積んだ船を奪わせての火計か、海流に大量の油を流しての火計くらいしかないか」
言い当てられたレストはコルエーゼを見て、改めて『頭だけはいいんだよなぁ~』と認識した。
「適当にやりますよ」
命令を受けた時はレストは嫌そうだったが、
トリスパル港町から軍船7隻を率いて出航する時は、
「全軍、出発。目指すはゼル港だっ!」
手柄を立てられる、と喜々としていた。
◇
モンテ海は内海である。
モルリント王国の本国側から北西側に大陸が伸びている。
港は南側から、
モスボン港。
トリスパル港。
イールイ港。
ゼル港。
である。
モスボン港はモルリント王国の本国時代からの唯一の港町だ。
トルスパル港はブラベの玄関口。
イールイ港は葡萄酒が名産。
ゼル港は北西側に角のように出っ張った先にあり、最北の港だった。
そのゼル港には毎年のようにレシット辺境国から海賊がやってきては略奪を繰り返している。
それでもゼル港には人と富が集まった。
理由はゼル港の傍に世界最大の琥珀の鉱脈があるからである。
その琥珀に魅せられて人と富が集まるのだ。
食糧や生活の為に、魚肉や材木、弓矢といった産業もあるが、ゼル港のメインの産業は琥珀だった。
その税収は大きく、ゼル港の防衛とレシット辺境国の海賊対策はモルリント王国でもかなり高い優先順位に位置していた。
◇
トルスパル港からイールイ港までは船で3日半。
イールイ港からゼル港までは5日の航海である。
別段、途中に襲われる事もなくゼル港に着いた。
まずは到着の挨拶である。
ゼル港はモルリント王国の直轄領で、現在の総督はフイレス・フォール男爵である。
カール国王が第2王子の頃からの古参組だ。
一代騎士の息子で、身分は平民だったが、カール・モルリント王国建国のドサクサで男爵の爵位を得て、ゼル港を任されていた。
年齢はカール国王やコルエーゼと同年代だ。
「これはドム伯爵。よくいらっしゃいました」
「いやいや、止めて下さいよ、フイレスさん。お互い知った仲でしょ」
レストはシャテチ連合の第4都市だったブラべ攻めの時からカール第2王子と面識がある。
カールとコルエーゼが行動を共にしていたので、コルエーゼの補佐官のレストも同行しており、カールの古参の側近とは親しかった。
フイレスもその一人である。
「まあね。しかし、今や伯爵かぁ~」
「押し付けられましたからね、ゼロス前王太子の妹である陛下の従妹のパニア様を」
「ゼロス前王太子も討ったんだろ? それも一騎駆けで」
「ええ、小判鮫男爵のあだ名のお陰で油断してくれて助かりましたよ」
「滅茶苦茶だな。だが明確な手柄があるだけマシか。オレなんて手柄なしで平民から騎士公を飛ばして男爵だぜ?」
「それだけ陛下から信用されてるって事ですよ。何せ、重要拠点のゼル港を任されてるんですから」
「そう言ってくれるのはおまえくらいだよ。他の連中は内心でどう思ってるか」
「それを言ったらオレなんて未だにコルエーゼ様の小判鮫扱いですから。フイレスさんもヤッカミなんて気にしちゃダメですって。ゼルの琥珀は有名過ぎますからね。フイレスさんも豪商達からの貢物でもうウハウハなんでしょ」
レストの問いにフイレスは満更でもない顔で、
「まあ、それなりにな」
「港の総督ってメチャ凄いですよね。トルスパル港の特産品なんて陶器ですのに」
との雑談の後に、
「そうだ。ウチのジルですが」
水を向けるとフイレスも真面目な顔になり、
「勝手にレシット辺境国の海域に突っ込んで見失い、燃えてる船をウチの部下が確認したそうだ。オレは総督なので正直、現場となった海に出れてなくてな。報告だけで詳しくは知らん」
「燃えてる船を確認したのは何者ですか?」
「カイラス疑惑のベス船長の船だ。武装商船から海軍に船ごと移籍してな」
「ええぇ~、カイラスだったら嘘の可能性があるじゃないですか。もしかしてそのベスって奴が報復で沈めた?」
「ホント、スマンな。海で戦える奴が欲しくて、カイラスの話が出た時はもう軍に移籍した後で証拠もなくてそのままで」
「ええっと、一緒に行動なんて怖いんで、オレの艦隊は別行動でいいですよね?」
「ああ。なんて命令を受けてるんだ?」
「レシット辺境国の海賊船6隻を沈めてくるまで帰ってくるな」
「うわぁ~、それだと当分帰れないぞ。1隻ずつが好き勝手、襲ってくるから」
「やっぱり、そうですよね? ここの海賊って? マジで最悪ですから」
レストはそんな会話をフイレスとしたのだった。
◇
レストがフイレスに総督府で挨拶してる頃。
ジル艦隊を破ったレシット辺境国の海賊船は本拠地のルナドスヒラ港に帰港していた。
25歳の若き船長アスロを先頭に一団が表通りを闊歩する。
その一団の最後には捕虜となったレストの部下のジル提督が猿轡をされ、丸太を背負わされて歩かされていた。
海賊の港なのだ。
捕虜に人権などは存在しない。
港の者達は顔を背けるところか、凱旋したアスロ達に喝采を送っていた。
ルナドスヒラ港が見える海賊の城に戻ったアスロは、海賊長のボランに、
「ただいま帰りました、お頭」
と挨拶した。
略奪品の半分は海賊長のボランに納めるのが、ルナドスヒラ港の流儀だ。
上座に座るボランは80代で白髭だがまだまだ筋肉質で分厚い胸板をしており、献上品の宝箱の中の琥珀や金の延べ棒を見ながら、
「なかなかの成果なようだな。どうだった、モルリント王国の海軍の歯応えは?」
「烏合の衆で弱かったですよ。まあ、裏切り者が居てくれたお陰なんですがね」
「なるほど、ゆっくり休め」
アスロが広間から退室する中、残る船長達に、
「次は誰が行く?」
とボラン海賊長が問うと、複数の船長が同時に『オレが』『今度こそオレに』『オレをっ!』と志願したが、
「キーン、おまえがいけ」
「ははっ、必ずや、アスロ以上の略奪品を献上して御覧に入れます」
40代の眼帯の男がニヤリと笑って、広間から出ていき、
「テメーラ、出港だっ! ゼル港に向かうぞっ!」
ルナドスヒラ港から海賊船で出港していったのだった。
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