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第2章 旅立ち

10話 2匹の竜

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 前回までのあらすじ...

何故かとんでもないものが生まれてしまった...。











ってええええええええぇぇぇぇぇぇ!!?!??









何それ!?なんでそんなとんでもないものが生まれてくるんだ!?

龍族の王だと?それってつまり...
属性を持つ龍と異名を持つ龍のどちらともの「王」ってことだろ!?
ズガル!お前の妻って異名を持つ龍だったのか!?



《......我の妻は我と同じく氷龍であった...》



驚きつつも答えてくれるズガル。
コレ...どうしたらいいんだ?



「...ご主人様」

「......何?」

「......何故、1つの卵から2匹の竜が出てきたのでしょうか...?」



ガクッ!...お前はそこからかッ!



「...人間と同じ...」

「...?どういう事で御座いますか??」

「......双子」

「......あ、なるほど。そういう事に御座いますか。ありがとうございます」



...どういたしましてー。
さてと、どうしたものかねコレは...。









改めて、2匹の竜に目を向ける。
...何故か私を見て喜んでいる??何故?



《...其方のことをどうやら母親だと認識しておるようだな》

《.........困る》

《ほう。...それは何故だ?》

《私は貴方の番じゃない...》

《...クハハハハハハッ!!》



何故かズガルが笑い出した。
私そんなにおかしなこと言った?
っていうか笑っている場合なのか?!



《其方は中々面白い...》

《そ》

《......我を飼い慣らす気はないか?ザベルよ》



突然意味の分からないことを言われ、さらに混乱する。
何言ってるの?ズガル、あんたは血迷ったのか?
それともとんでもないものを孵化させてしまったことにより頭がおかしくなったか?
どっちでも構わないが断る他ないが...理由は知りたい。



《何故?》

《其方といると退屈せん...それに其方のような者に飼い慣らされるのであれば我は構わないと思っている...何せ、卵を僅か10分で孵化させる其方だからな。我自身何言ってるのか分からなくなってしまっているのやもしれないが......お前と共に旅がしたいと...そう思っただけだ》



ズガルの顔は本気と書いてのマジだった。
雄であるズガルにとって今のままでは生きにくいだろうし...かと言って私が行く道は、けもの道だし...悩ましいぞ...。



《...死ぬかもしれないぞ?》

《其方が守ってくれるであろう?》

《知らんな》

《冷たいのう...》

《.........勝手にしろ》

《そうさせてもらおう...我が主よ》



なんともにこやかな顔で言うズガル。
そうなるとだな...コイツらの面倒は...私が見ないとダメなのか...。
いや、ズガルに見てもらおうかな?
私は龍の育て方なんて知らんしな。



《では我が主よ。名を授けてはくれないか?》



名を?何故?



《名はその者の証となる》



はーなるほど。要は自分の物ってことを証明するための名ってことか。
え、どうしよ。いきなり付けろと言われてもな...。うーん...氷龍...吹雪...ブリザード...おっ!ブリザード!これでいい!



《ブリザード》

《...承った。我が主よ。これより我が名はブリザードだ》



ブリザードが咆哮した。
と同時に、子竜2匹も咆哮。
ちっちゃいけど可愛いから許す!
クレアは何が起こったのかイマイチ状況が掴めない様子。だって、龍語なんてクレアには分からないからね。今話してた内容だって分からないと思うし。








ん?ちょっと待てよ?...私は...この2匹の竜に名前を付けないといけないのか!?
大昔に全ての龍族の頂点に立ったと言われる存在のこの2匹に?恐れ多くて逆に付けられないわっ!!

あーでも...付けないとアカン気がする...。



《我が主よ。我が子にも名を授けてくれないだろうか?》



やっぱそうなるよねーはぁ...。
私の破壊的なネーミングセンス知ってるか?
...あぁもういい!やってやるわい!
名前を付けるだけ!そう付けるだけだ!
なのにそれがこんなにも恐ろしいってどゆ事よ...?











2匹の竜に近づいて見てみる。
白い竜は大人しく、黒い竜はやんちゃっと言った感じだなコレ...。



「クルル...」

「クアッ!」



...ホントに黒い竜はやんちゃだな...。
対して、白い竜は大人しい...。
さて、名前だが...白の方が聖白龍で黒の方が暗黒龍か...。
白い竜に指さして言う。



「ホーリー」



次に黒い竜に言う。



「ダーク」



我ながらに雑だと思った...。
聖は英語でホーリー、暗はダーク。
ほぼ種族名からとってるが致し方ないと思ってくれ!私が付けるネーミングセンスは破壊的だから...!!




「「クアッ!」」




2匹の竜は同時に吠える。
まるで嬉しそうに...。












...さてと、そろそろ向かわないと追っ手が来そうで怖いのだが...。
んでもなぁ...この2匹の竜とブリザード...どうする?メビウス王国なんざ行ったら大騒ぎになるぞ?かと言って、ここに残すのも嫌なんだよなぁ...。どうしようホントに...。





...あ、そうだ。アレがあるわ。











《ブリザード》

《如何なさいましたか?我が主よ》

《...擬態出来る?》



そう擬態化。それで人間に化けることが出来るのなら良しだ。...でも、まだちびっ子共は出来なさそうだな...。



《御意》



そういうと、ミルミルと小さくなり、人間へと擬態化した。
姿は、髪が長くストレート、色は薄い水色に高身長......羨まっんん!...ではなく180cmは軽々とある。
服装は...冒険者というより、聖人?みたいな服装だな...あるいはチャイナドレスみたいな感じの衣装。目は黄色。
そして、顔!!めっちゃイケメン!!
体は細マッチョ!スタイル抜群ですな!!




......誰?...ブリザードだよな??




まぁ、これでメビウス王国には入れるだろう。問題は...この2匹。仕方ない...普通に持っていくしかあるまい。ちっちゃいから何とか誤魔化せるよね?クレアは...多分人に見えないと思うからノープログレム。





お金は、空間魔法で収納済み。
え?いつの間にそんなの習得したかって?
草原にいた時からとっくに習得済みっス。
もちろん、あそこにあった黄金の林檎全部私の空間魔法に収納してありまっせ。
売れば多少は金になるかもしれない。
...クレアのお金は困った時に使用する。













さてと、ではでは、行きますかね!!
 メビウス王国へ!
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