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Epiphone3 不幸が棲まう家編
Epiphone3 不幸が棲まう家 (八軒目 彼女好きな人 )
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陽介と再会を約束して家に戻ると、幽子はすっかりリラックスした状態で漫画に没頭していた。
彼女の穏やかな姿を見て、さっきの緊張感がどこへ行ったのかと心の中で呟きながら、椅子に座り、少し気になることを聞いてみることにした。
「ねぇ、幽子。陽介に会った時、不言不語の術って言ったよね?いつも以上にあの人見知りの術、展開してたでしょ?陽介に何か憑いていたの?」と、疑問を深めながら尋ねた。
幽子はちらっと自分を見てから、再び漫画に目を戻しながら話し始めた。
「ううん。彼には特に悪いモノは憑いていなかったよ。というより、彼には弟さんの霊が守っていたんだ。なぜ彼にだけその子がついていたのかは分からないけど、余程弟さんに頼られていたんじゃないかな?」
その言葉に驚きを隠せず、「それで陽介には何も影響ないのかぁ」と考えていると、幽子は続けた。
「彼は元々、精神力も強いと思う。それであの家の影響から逃れてこられたのだろうけど、そろそろ限界かもしれない。弟さんの件やお母さん、妹さんも大変らしいし。
見た目には出していなかったが相当に疲れているのだろ。
少しずつ蝕ばられているのが分かったよ。
自分では気づいていないみたいだけど、彼にも少し異変が出ているかもしれないな。」
自分は寒気を覚えた。彼の表情はいつもと変わらないが、幽子の言う通り、彼は相当疲れているに違いない。逆の立場だったら、自分なら逃げ出してしまうかもしれない。
心配が募る中、陽介に連絡を取るべきか悩んでいると、「一つ言っておくが、私が彼に警戒していた理由はその件ではないぞ」と、幽子はこの緊迫感を打ち消すような事を言ってきた。
「えっ!他にも何かあるの?」自分は心配になり、彼女の言葉を待っていると、彼女は「私はどうも彼みたいな優男は苦手なんだ……。」
その言葉に、自分は思わず呆気に取られて「はぁ!」気の抜けた声が漏れてしまった。
そんな自分の声を無視するように幽子は少し不満げに続けた。「まぁ、優しい人というのは確かに分かるんだが、男は優しいだけじゃなぁ。」と漫画を読みながら淡々と語ってきた。
自分はすっかり緊張感を削がれてしまったが、幽子の言葉が心の奥に引っかかり始めた。
普段は人を寄せ付けない彼女が、まさか男性に興味を持っているとは思わなかったからだ。
そんな理由で幽子と恋愛の話をすることもほとんどなかった自分は、彼女の好みが気になり、「それじゃ、幽子はどんな男性がタイプなの?」と、思わず尋ねてみた。
その瞬間、幽子の表情がぱっと明るくなった。まるで待ってましたと言わんばかりに、本を閉じ、彼女の目が輝き始める。彼女は少し身を乗り出し、語りだした。
「そうだなぁ……先ずは落ち着いていて、冷静で無口な感じが良いなぁ」と、幽子が言葉を紡いだ。
自分は机に置いてあったペンを手に取り、得意のペン回しをしながら、リラックスした状態で彼女の話に耳を傾けていた。
「落ち着いた男性かぁ?確かに情緒不安定な幽子にはあってるかなぁ」と心の中でイメージを浮かべながら、「それで?」と彼女に話を振った。
幽子は少し考え込むように目を細め、「あとはやっぱり長身でガッチリした筋肉質の男性が良いなぁ!やっぱり男らしいだろう」と続けた。
その言葉に、自分は思わず驚いた。「へぇ~意外……。幽子ってそんな感じが良いのかぁ、イメージないなぁ」と心の中でつぶやく。
盛り上がってきた幽子は、そのまま止まらなかった。
「あとは……、殴る時の掛け声はオラ!オラ!オラ!と言うのがやっぱりカッコいいなぁ」と、彼女は不穏なことを言い出してきた。
自分は思わず目を丸くし、「んッ???」と、頭の上に疑問符の束が浮かび上がるのを感じた。
そして、幽子はとどめとばかりに、「やっぱり時間は、4秒以上は止められないとな!」と、頬に両手を当てながら少し照れたように言った。
「ゆ、幽子さんそれって……」と、思わず言葉が漏れてしまった。幽子は、手にしていた漫画の表紙を自分の方に向けて、まるで自信満々に言い放った。「彼に決まっているだろ。」
その漫画の表紙は、主人公が奇妙な冒険を繰り広げる有名漫画だった。
自分はすぐに理解した。幽子が言っているのは、第三部の主人公、白金の分身体を操るあの有名なキャラクターのことだ。彼の名は、誰もが知る伝説的な存在。
自分はこのシリーズが大好きで、全巻揃えていた。どうやら最近、幽子は自分の本棚からその漫画を漁って読んでいたらしく、いつの間にかファンになっていたらしい。
自分は苦笑いをしながら「アハハハ、幽子も好きなんだぁ」と呆れ顔で答えると、幽子は満面の笑みを浮かべて「もちろんだ!特にあのシーンが好きなんだよなぁ」と、嬉しそうに語り始めてきた。
そんな幽子の熱い思いに応えるように自分は乾いた笑いをしながら聞いて上げていた。
幽子の彼氏になるにはどうやら時間を4秒ほど止めないとなれないらしい…、なかなかにハードルが高そうである。
そんなことを考えていると、幽子が突然、目を輝かせて言った。「実を言うとな、私にも出来るんじゃないかと思って練習してたら、できるようになったんだ!まだ2秒ほどだけどな!」
その言葉に、自分は呆気にとられた。「はっ!何言ってるの?時間を止めるってこと?無理!無理!」
幽子はその反応に驚いた様子もなく、むしろ楽しそうに笑って、「本当にできるんだって!今、試してみるよ!」と言ってくるのだ。
「いくら幽子でも、そんなことできるわけないだろ。まったく~ぅ」と呆れ返りながら一瞬幽子から視線を外した。すると、幽子は「ほらっ!」と言って、手にペンを持って見せてきた。
「んっ?」と、自分はペンに視線を移した。
先ほどまでペン回しに使っていたペンに似ている。ふと、机の上を見やると、ペンがない……全身に鳥肌が立ち、驚愕の表情で幽子を見直す。
幽子は無邪気な笑顔を浮かべ、「ほら!」ともう一度自分に言ってきた。
その瞬間、心臓が高鳴り、思考が混乱する。「えっ!幽子さん、嘘だよね…なんかのトリックだよね?」と頭の中で繰り返すが、上手い返しが出てこない。
震える声で「へぇ~、す、すごいね、ゆ、幽子」と言うが、自分の声が小刻みに揺れているのが分かる。
幽子のニコニコしている顔が、どこか恐ろしい。そんな時、下から母の大きな声が響いてきた。「しんいち、幽子ちゃんご飯出来たわよ!」その声に、自分は現実に引き戻された。
幽子は「おっ!ご飯が出来たようだな、行くか!」と言ってリビングに向かう。
自分は「おう!」と言って答えるのだが、幽子の背中を見ている自分の背中からは大量の冷や汗が流れていた。
リビングの扉を開けると、ふんわりとした香りが鼻をくすぐった。目の前には、色とりどりの美味しそうな料理が並んでいる。特に、味噌汁から立ち上る湯気が、心をほっこりと温めてくれる。
今日のメニューは、渡辺惣菜店の名物コロッケだ。ここの揚げ物は本当に美味しい。
サクサクの衣に包まれたその一口は、まるで幸せを運んでくれるかのようだ。幽子は、思わず笑みを浮かべた。
彼女は自分の家に大切に置いてある、愛用の茶碗と箸を手に取る。心の中で小さな感謝を込めながら、元気よく「いただきます」と声を上げていた。
夕飯を食べ終えた幽子は、満足そうに自分家に置いてある愛用の湯飲みを手に取り、ゆっくりとお茶を飲んでいた。
まるで日常の一コマのように、穏やかな時間が流れている。
お茶を飲み終えた幽子は、台所で湯飲みを片付けながら、ふと思い出したように口を開いた。「そうそう!彼に言い忘れてしまったんだが……」と言ってきた。
どうやら、陽介のことらしい。
「陽介に~?」と自分が尋ねると、幽子は少し身を乗り出して、「彼に用意してもらいたい物があるんだ」と言ってくる。彼女は自分のところに来て、具体的な内容を説明し始めた。
その意図をすぐに理解した自分は、「分かったよ」と頷いた。さらに幽子は続けて、「あと、しんいちにも調べておいてほしいことがあるんだ」と言った。
何だろう?と考えていると、幽子は「地図アプリを使って、彼の家の近くを調べてほしいんだ」と告げた。
「地図アプリ?」と自分が尋ねると、幽子は嬉しそうに説明を始めた。「今は登記簿を調べなくても、過去の地図を手に入れられるんだよ。出来れば上空から撮った航空写真が良いなぁ、周辺の状況も知りたいから。」
自分は「へぇ~」と感心しながら、「調べておくよ」と了承した。
幽子は微笑みを浮かべて、「じゃあ、私はそろそろお邪魔するよ」と言い、冷凍庫の方へと向かった。「あった!あった!」と歓喜の声を上げ、報酬の「抹茶雪見だいふく きな粉マシマシ黒蜜添え」を手に取り、満面の笑顔を浮かべていた。
自分は苦笑いしながら、「送ってこうか?」と提案するが、幽子は「大丈夫!大丈夫!」と元気よく断り、「じゃあ、またな!」と言って、嬉しそうに帰っていった。
彼女の後ろ姿が見えなくなるまで、心の中で彼女の笑顔を思い浮かべていた。
彼女の穏やかな姿を見て、さっきの緊張感がどこへ行ったのかと心の中で呟きながら、椅子に座り、少し気になることを聞いてみることにした。
「ねぇ、幽子。陽介に会った時、不言不語の術って言ったよね?いつも以上にあの人見知りの術、展開してたでしょ?陽介に何か憑いていたの?」と、疑問を深めながら尋ねた。
幽子はちらっと自分を見てから、再び漫画に目を戻しながら話し始めた。
「ううん。彼には特に悪いモノは憑いていなかったよ。というより、彼には弟さんの霊が守っていたんだ。なぜ彼にだけその子がついていたのかは分からないけど、余程弟さんに頼られていたんじゃないかな?」
その言葉に驚きを隠せず、「それで陽介には何も影響ないのかぁ」と考えていると、幽子は続けた。
「彼は元々、精神力も強いと思う。それであの家の影響から逃れてこられたのだろうけど、そろそろ限界かもしれない。弟さんの件やお母さん、妹さんも大変らしいし。
見た目には出していなかったが相当に疲れているのだろ。
少しずつ蝕ばられているのが分かったよ。
自分では気づいていないみたいだけど、彼にも少し異変が出ているかもしれないな。」
自分は寒気を覚えた。彼の表情はいつもと変わらないが、幽子の言う通り、彼は相当疲れているに違いない。逆の立場だったら、自分なら逃げ出してしまうかもしれない。
心配が募る中、陽介に連絡を取るべきか悩んでいると、「一つ言っておくが、私が彼に警戒していた理由はその件ではないぞ」と、幽子はこの緊迫感を打ち消すような事を言ってきた。
「えっ!他にも何かあるの?」自分は心配になり、彼女の言葉を待っていると、彼女は「私はどうも彼みたいな優男は苦手なんだ……。」
その言葉に、自分は思わず呆気に取られて「はぁ!」気の抜けた声が漏れてしまった。
そんな自分の声を無視するように幽子は少し不満げに続けた。「まぁ、優しい人というのは確かに分かるんだが、男は優しいだけじゃなぁ。」と漫画を読みながら淡々と語ってきた。
自分はすっかり緊張感を削がれてしまったが、幽子の言葉が心の奥に引っかかり始めた。
普段は人を寄せ付けない彼女が、まさか男性に興味を持っているとは思わなかったからだ。
そんな理由で幽子と恋愛の話をすることもほとんどなかった自分は、彼女の好みが気になり、「それじゃ、幽子はどんな男性がタイプなの?」と、思わず尋ねてみた。
その瞬間、幽子の表情がぱっと明るくなった。まるで待ってましたと言わんばかりに、本を閉じ、彼女の目が輝き始める。彼女は少し身を乗り出し、語りだした。
「そうだなぁ……先ずは落ち着いていて、冷静で無口な感じが良いなぁ」と、幽子が言葉を紡いだ。
自分は机に置いてあったペンを手に取り、得意のペン回しをしながら、リラックスした状態で彼女の話に耳を傾けていた。
「落ち着いた男性かぁ?確かに情緒不安定な幽子にはあってるかなぁ」と心の中でイメージを浮かべながら、「それで?」と彼女に話を振った。
幽子は少し考え込むように目を細め、「あとはやっぱり長身でガッチリした筋肉質の男性が良いなぁ!やっぱり男らしいだろう」と続けた。
その言葉に、自分は思わず驚いた。「へぇ~意外……。幽子ってそんな感じが良いのかぁ、イメージないなぁ」と心の中でつぶやく。
盛り上がってきた幽子は、そのまま止まらなかった。
「あとは……、殴る時の掛け声はオラ!オラ!オラ!と言うのがやっぱりカッコいいなぁ」と、彼女は不穏なことを言い出してきた。
自分は思わず目を丸くし、「んッ???」と、頭の上に疑問符の束が浮かび上がるのを感じた。
そして、幽子はとどめとばかりに、「やっぱり時間は、4秒以上は止められないとな!」と、頬に両手を当てながら少し照れたように言った。
「ゆ、幽子さんそれって……」と、思わず言葉が漏れてしまった。幽子は、手にしていた漫画の表紙を自分の方に向けて、まるで自信満々に言い放った。「彼に決まっているだろ。」
その漫画の表紙は、主人公が奇妙な冒険を繰り広げる有名漫画だった。
自分はすぐに理解した。幽子が言っているのは、第三部の主人公、白金の分身体を操るあの有名なキャラクターのことだ。彼の名は、誰もが知る伝説的な存在。
自分はこのシリーズが大好きで、全巻揃えていた。どうやら最近、幽子は自分の本棚からその漫画を漁って読んでいたらしく、いつの間にかファンになっていたらしい。
自分は苦笑いをしながら「アハハハ、幽子も好きなんだぁ」と呆れ顔で答えると、幽子は満面の笑みを浮かべて「もちろんだ!特にあのシーンが好きなんだよなぁ」と、嬉しそうに語り始めてきた。
そんな幽子の熱い思いに応えるように自分は乾いた笑いをしながら聞いて上げていた。
幽子の彼氏になるにはどうやら時間を4秒ほど止めないとなれないらしい…、なかなかにハードルが高そうである。
そんなことを考えていると、幽子が突然、目を輝かせて言った。「実を言うとな、私にも出来るんじゃないかと思って練習してたら、できるようになったんだ!まだ2秒ほどだけどな!」
その言葉に、自分は呆気にとられた。「はっ!何言ってるの?時間を止めるってこと?無理!無理!」
幽子はその反応に驚いた様子もなく、むしろ楽しそうに笑って、「本当にできるんだって!今、試してみるよ!」と言ってくるのだ。
「いくら幽子でも、そんなことできるわけないだろ。まったく~ぅ」と呆れ返りながら一瞬幽子から視線を外した。すると、幽子は「ほらっ!」と言って、手にペンを持って見せてきた。
「んっ?」と、自分はペンに視線を移した。
先ほどまでペン回しに使っていたペンに似ている。ふと、机の上を見やると、ペンがない……全身に鳥肌が立ち、驚愕の表情で幽子を見直す。
幽子は無邪気な笑顔を浮かべ、「ほら!」ともう一度自分に言ってきた。
その瞬間、心臓が高鳴り、思考が混乱する。「えっ!幽子さん、嘘だよね…なんかのトリックだよね?」と頭の中で繰り返すが、上手い返しが出てこない。
震える声で「へぇ~、す、すごいね、ゆ、幽子」と言うが、自分の声が小刻みに揺れているのが分かる。
幽子のニコニコしている顔が、どこか恐ろしい。そんな時、下から母の大きな声が響いてきた。「しんいち、幽子ちゃんご飯出来たわよ!」その声に、自分は現実に引き戻された。
幽子は「おっ!ご飯が出来たようだな、行くか!」と言ってリビングに向かう。
自分は「おう!」と言って答えるのだが、幽子の背中を見ている自分の背中からは大量の冷や汗が流れていた。
リビングの扉を開けると、ふんわりとした香りが鼻をくすぐった。目の前には、色とりどりの美味しそうな料理が並んでいる。特に、味噌汁から立ち上る湯気が、心をほっこりと温めてくれる。
今日のメニューは、渡辺惣菜店の名物コロッケだ。ここの揚げ物は本当に美味しい。
サクサクの衣に包まれたその一口は、まるで幸せを運んでくれるかのようだ。幽子は、思わず笑みを浮かべた。
彼女は自分の家に大切に置いてある、愛用の茶碗と箸を手に取る。心の中で小さな感謝を込めながら、元気よく「いただきます」と声を上げていた。
夕飯を食べ終えた幽子は、満足そうに自分家に置いてある愛用の湯飲みを手に取り、ゆっくりとお茶を飲んでいた。
まるで日常の一コマのように、穏やかな時間が流れている。
お茶を飲み終えた幽子は、台所で湯飲みを片付けながら、ふと思い出したように口を開いた。「そうそう!彼に言い忘れてしまったんだが……」と言ってきた。
どうやら、陽介のことらしい。
「陽介に~?」と自分が尋ねると、幽子は少し身を乗り出して、「彼に用意してもらいたい物があるんだ」と言ってくる。彼女は自分のところに来て、具体的な内容を説明し始めた。
その意図をすぐに理解した自分は、「分かったよ」と頷いた。さらに幽子は続けて、「あと、しんいちにも調べておいてほしいことがあるんだ」と言った。
何だろう?と考えていると、幽子は「地図アプリを使って、彼の家の近くを調べてほしいんだ」と告げた。
「地図アプリ?」と自分が尋ねると、幽子は嬉しそうに説明を始めた。「今は登記簿を調べなくても、過去の地図を手に入れられるんだよ。出来れば上空から撮った航空写真が良いなぁ、周辺の状況も知りたいから。」
自分は「へぇ~」と感心しながら、「調べておくよ」と了承した。
幽子は微笑みを浮かべて、「じゃあ、私はそろそろお邪魔するよ」と言い、冷凍庫の方へと向かった。「あった!あった!」と歓喜の声を上げ、報酬の「抹茶雪見だいふく きな粉マシマシ黒蜜添え」を手に取り、満面の笑顔を浮かべていた。
自分は苦笑いしながら、「送ってこうか?」と提案するが、幽子は「大丈夫!大丈夫!」と元気よく断り、「じゃあ、またな!」と言って、嬉しそうに帰っていった。
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