悪役転生した奴隷商人が奴隷を幸せにするのは間違っていますか?

桜空大佐

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<第二巻:温厚無慈悲な奴隷商人>

第三十話:奴隷商人は、ルイに求婚させる

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 大工のドワーフ達が見守る中、オンハルトは入り口のドアをはめ込んだ。
 どっと、拍手が沸き起こる。

 小屋の竣工が今日だと知り、俺たちも集まって見ていたのだ。
 オンハルトは、拍手をする俺たちへ頭を下げる。
 これで自ら火を放った小屋を再建し、みそぎは終わったと言えるだろう。

「オンハルト、ご苦労さま。まあ、自分で焼いちゃったんだから仕方ないんだろうけど、よく頑張ったね」

 マリレーネがそう言いながら、オンハルトの尻を叩くとスパーンと良い音がしたため、ドワーフ達がどっと笑い声をあげた。

 大工の見習いとして、毎日額に汗を流して小屋を作る姿をマリレーネは見ていたし、弱音も吐かずに黙々と仕事をしている姿に感心もしていた。
 もちろん、オンハルトの状況は逐一、俺に報告させている。特に怪しい動きもなく、真面目な仕事ぶりだったとようで、ホッとした。
 もう、過去の俺の悪行は水に流してくれたようだ。
 
 マリレーネは、俺のところに来ると中をご覧になりますか? と聞いた。

「いいや、やはりこの家に住む二人に先に入ってもらうべきだろう」

 俺は、振り返ってルイとミアを見た。人間ヒューマンの男女の奴隷。
 騙されて奴隷の身分に堕とされ、二人が引き離されて売られていたのを、俺が救った。
 本来であれば、そのまま解放するべきだが、買い取った白金貨の分は働いて返してもらうことになっている。
 そのため、二人は俺の奴隷としてこの屋敷で暮らすことになった。
 いずれは、奴隷の身分から解放してやりたいと思っている。だからこそ、二人に家を与えて自活できるようにしてやりたいと思っている。


「ルイ、まずはお前たちが中を見てこい。やはり最初に足を踏み入れたいだろ?」
「いえ、そんな……この家は私のものではなく、ニート様の物です。お借りする立場で、厚かましいことなどできません」
「そうか。ミア、お前はどうだ? 早く中を見て見たいと思わないか?」

 ルイより一歩前に出たミアは、言葉を発せず頷いてみせた。早く見たい、しかし俺を差し置いて見てもいいのかわからないという感じに見える。ミアの方が性格がはっきりしていていいな。

「俺のことは気にするな。この家はお前たちのために作ったのだからな」

 そう言うと、マリレーネがミアの手を引き小屋に向かった。
 当然、手を繋いでいたルイもその後を追う形になる。
 入口ドアのノブに手をかけたルイは、一度俺の方を振り向いて頭を下げてから中に入った。

「わあ、すごい! 部屋が二つに、こっちは内風呂もあるぞ!」

 ルイは部屋に入ると、完成したばかりの家を見回して、ミアに言った。
 ミアは、感無量となり目を潤ませ、俺の方を見るとその場で床に手をついて土下座をした。
 慌ててルイも、床に平伏する。

「ニート様、ありがとうございます。本当に……感謝します。こんなきれいな家を、私たちにお与えになるなんて……。夢みたいです。あの時、死ななくてよかったと心から思います。あの時、ニート様が来てくださったから、今の私たちがあります。今後も身を粉にしてニート様にお仕えします」

 ミアは涙で、声をしゃくりながらもはっきりとした口調で言った。
 感謝されるのはうれしいが、そこまで感動させるとは思わなかった。
 ふと、後ろで鼻をすする音が聞こえるので振り返ると、マリレーネがおいおいと涙を流して泣いている。こんな涙もろい子だったっけ?

「身を粉にして働くのもいいが、まずはお前たちの意思を確認したい。ルイ、お前はミアのことを愛しているか?」
「あ、はい。もちろん、愛しています」
「では、ミア。お前はどうだ、今も変わらずルイを愛しているか?」
「はい。当然です。もし離れ離れになったとしても、死ぬまでルイのことを愛しています」

 お互いに目を見合わせ、頷く。お互いの意思が確認できたようだな。

「そうか……。お互い愛し合っているということは、お前たちは結婚したいか?」
「け、結婚ですか? それは考えたことはありますが、奴隷ですので今こうやって二人で一緒に居させていただいているだけでありがたいです」

 ミアは、顔を上げると俺を見てから、後ろのマリレーネやパオリーアの顔を見回した。そして、わなわなと唇を震わして涙を流した。

「わ、私は……結婚したいです! ルイと夫婦になりたいっ!」
「おいっ、ミア。旦那様の前で、そんなことを言うもんじゃないよ」
「ううん、旦那様の前だからこそ、命を助けてくださった旦那様の前だからこそ、正直にいたいの。奴隷同士の結婚なんて認められていないことは存じています。だからこそ、夢見たいのです。好きな人と、いつまでも一緒にいたい。共に生きたいと……」
「……ミア……お前……」

 ルイは、ミアの言葉を聞くと両手をついて頭を床にこすり付けてもう一度言った。

「結婚したいです。旦那様、どうかミアの願いを、そして私の願いをお聞きください」

 俺は、この二人の強い気持ちを聞いてジーンと心に響き、感動していた。
 このまま、話をしたら涙が出て来るだろう。涙腺崩壊なんてカッコ悪い。
 だから、しばらく黙って上を向いた。涙が引くまで黙った。

 しんと静かになり、俺の言葉を待っている。
 マリレーネもパオリーアも、そしてドワーフの親父たちも固唾を飲んで見ていた。
 二人の気持ちを確認したいだけだったのだが、思ったより感動の場面になってしまった。

 俺が、二人に結婚しろと命じることもできたのだが、そんな風にして結婚したくないだろうと思ったのだ。特にミアは女だ。
 この異世界の女も、元いた世界の女のように結婚を夢見るのかどうか知らないが、やはりお互いの意思で結婚したいはずだ。

「ルイ、そして、ミア。二人の気持ちはよくわかった。まずは、引越しをしろ。二階の部屋をきれい片付け、荷物をこちらにもってこい。他の奴隷に手伝ってもらって構わない。その後、パオリーアの指示に従ってくれ。ルイは、部屋の片付けが出来たらアルノルトを訪ねてこい。お前に試練を与える」

「「はいっ!」」

 深く平伏した二人を残し、俺はパオリーアとマリレーネを共に小屋の外に出た。

「旦那様、どういうことですか?」
「やっぱり、プロポーズって大切なんだと思うんだ。あそこで結婚を認めてしまったら、プロポーズの言葉がないじゃないか」
「「プロポーズとは、なんでしょう?」」

 パオリーアとマリレーネが、ハモって聞く。

求婚きゅうこんすることだ。ルイから、きちんとミアに結婚の申し込みをさせる。パオリーアは、ミアが来たら身なりを整えて中庭の花壇のところに来させてくれ。マリレーネは、赤い薔薇ローザでできるだけ大きな花束を作ってくれ。出来たら、俺の部屋に持って来てくれよ。くれぐれもミアに見つからないようにな」
「はい、わかりました。花束を、ルイからミアに渡して求婚するってことですよね。それ、すごくいいと思います。絶対、ミア喜ぶと思う!」

 マリレーネは、俺の腕におっぱいを押し付けると庭へと走って行った。俺が喜ぶことをさりげなくしてくれる……ありがとう、おっぱい。

「では、私の方もミアに来てもらう服を選びますわ。着飾った方がいいですか?」
「いや、着飾るのは結婚式だ。今は、普段着でいいだろう。髪を整えて、化粧をしてやってくれよ」

 俺の腕にしがみついたパオリーアもまたマリレーネと同じく、ふわふわの胸を押し付けた。
 これ、何かの儀式かな? 最近はライラも、何かあるたびに俺の腕に胸を押し付けて来るんだけど……いいけどさ。


 俺は、厨房でハイルとアーヴィアに夕食の指示を出していたアルノルトの元へと行った。
 もちろん、ルイにプロポーズさせるための服を用意させるためである。
 アルノルトは俺から説明を受けると、嬉しそうに頷いた。今夜はお祝いですね、と言う。

「ハイル、悪いが明日、ルイとミアの結婚式を大広間でしたい。その時は奴隷たちも含めてみんなで料理を食べようと思う。食材は大丈夫か?」
「大丈夫です。ひさしぶりに、腕が鳴りますよ! アーヴィアも、この奴隷むすめたちもいますので、大人数でも大丈夫です」
「そうか。では、頼むぞ。今夜の食事は少なくても構わないから、明日しっかりと料理を並べてくれ」
「わかりました!」

 俺は、アーヴィアと厨房係の奴隷娘たちにも、よろしく頼むと部屋を出た。


 ◆

 中庭の茂みの陰、俺は身を潜めていた。

「シーっ! お前たち、なんでこんなに集まっているんだよ!」
「旦那様、私も二人の歴史的瞬間を見とうございます……将来のためにも……」

 中庭の中央に、ミアがこちらに背を向けて立っている。
 パオリーアが、ルイが来るまで振り向いてはならないと伝えていたのだ。
 何がはじまるのかはミアは知らない。ただ、良いことがあるというパオリーアの言葉を信じて静かに佇んでいた。

「ルイはまだか?」

 俺は、茂みの陰から頭を出し、屋敷の裏庭に通じる扉を見た。
 すると、ちょうどルイが出てくるところが見えた。手には、薔薇の花束を両手で抱えている。
 いいぞ、ルイ。そのまま、当たって砕けろ! いや、砕けちゃまずい、勝ち取れ!

 俺の後ろには、パオリーア、マリレーネ、ライラ、アルノルトが同じように茂みから頭を出してルイを見る。

「来ました……うーん、ドキドキしますねっ!」
「うん、私までドキドキしていますわ」
「ウチも! 息するのを忘れてしまいそう。頑張ってルイ」

 ゆっくりとミアに歩み寄るルイ。サテン地のハーレムパンツに白いシャツ。ビシッと決めて見えるのは髪型をオールバックにしているからか。
 アルノルトよ、やってくれたな! 振り返り、アルノルトを見るとドヤ顔で俺を見返して来た。
 くそ、なんか腹たつ……。

 俺たちは、口を閉じて耳をすませる。がんばれ、ルイ!
 ルイは、花束を背中に隠すようにして持つと、ミアに声をかけた。

「ミア……待たせたか?」

 ルイの問いかけに、振り向いたミアは一瞬驚きの表情を見せた。そして、クスッと笑う。

「なに、その髪型。それに、その服どうしたの?」
「いや、その……アルノルトさんが貸してくださって……。お、おかしいかな?」
「ううん、かっこいいよ。その、背中に持っているもの、何?」

 ミアは、ルイの背中に持っているものを覗き込もうと体を傾けた。
 見られまいと、ルイは体を捻って隠すが意を決して差し出すと、片膝をついた。

 芝に、片膝をつき花束をミアに差し出す。おおー、神々しい!
 夕日を背景に、まさに二人のシルエットが絵はがきの写真のように見えて、俺は感動した。さぁ、プロポーズだ!


「ミア、俺はお前を一生大切にする。だから……、その……俺と結婚してください」

 プロポーズの言葉は自分で考えろと伝えていたが、シンプルでいい言葉だ。
 ミアは、驚きのあまり両手で顔を隠す。
 その手が、顔から離れた時、大きな瞳から涙が流れ出た。嬉し涙だ。

「はい。こちらこそ……。ルイを一生大切にするわ。結婚しましょう」

 花束を受け取ったミアは、膝をついたルイの首に抱きついた。
 二人の姿に、俺の後ろから鼻をすする音が聞こえてきた。
 振り返ると、女たちが涙を流して二人の姿を見ていた。

「ミア、良かったね……ほんとうに良かったね……」
「感動しましたわ。こんな、瞬間に立ち会えるなんて……」
「私もいつか、旦那様にあのように求婚されてみたいです」

 あ、ライラさん、今それを言う?
 ライラの言葉に、私も、ウチもとそれぞれが俺にしがみついてくる。ちょっと、待て、二人に気づかれるじゃないか……。

「ニート様! パオリーア様! ありがとうございますっ!」

 ルイが、俺たちの方を見て頭を下げる。俺たちがここにいたこと、気づいていたのか。
 ミアも、ルイから離れるとその場で両膝をついて俺に向かって礼をとった。

 もう隠れていても意味がない。俺たちは、茂みから出た、

「おめでとう。二人とも。いつまでもお幸せにね」

 パオリーアとマリレーネは、拍手をしながら二人を祝福した。
 俺は何もしゃべる機会がない……いいんだけど、何を言えばいいのかわからないし、気の利いたことも言えそうにないし。

「いい思い出になったな、ミア。これから、お前たちは喧嘩することもあるだろうが、今この場で言ったことを思い出せよ。一生大切にすると言うお互いの気持ちを拠り所にすれば、きっとうまくいく」
「はい。ありがとうございます」

 再び、拍手が湧き上がり二人を祝福した。

「明日、お前たちの結婚式をする。法的な手続きもあるので、明日は仕事を休んで良いから、朝から俺の部屋に来てくれ」

 俺は、そう言うと自室へと戻った。
 あとは、女の子同士でおしゃべりして楽しんでくれたらいい。
 振り返ると、案の定ミアを囲んでパオリーアとマリレーネがキャッキャと話ししているのが見えた。
 うん、やっぱり女の子は笑顔が一番だな。

「お優しいのですね、旦那さま」

 いつの間にか、俺の後ろにライラが歩いていた。

「ライラは残らなかったのか?」
「ええ、私は旦那さまと一緒にいたいですから……い、一緒にいたいって、わ、私、なんて積極的なことを……」

 ライラは、あたふたと自分で言って恥ずかしがっている。
 俺は、ライラの手を握ると引き寄せた。黙って、肩を合わせて歩くとライラは静かについて来た。チラチラと俺の横顔を見る視線を感じる。
 自分でも、なぜそうしたのかわからない。きっと、ルイのプロポーズを見て俺の気持ちが高ぶっているのだろう。

「旦那さまぁ……、あの、えっと……もしや、これからサプライズでも?」
「ない! そんなサプライズはありません!」

 俺は、にべもなく言い放つと笑いがこみ上げて来た。ライラもクスッと笑う。

「明日のルイたちの結婚式を取り仕切ってくれるか? お前ならこの世界の結婚式のやり方に詳しいだろう」
「はい、喜んで。……ところで、『この世界の』ってまるで旦那様はこの世界の人ではないような言い方ですね」

 しまった、つい口を滑らせてしまった。
 俺は、ライラの質問を聞き逃したふりをして、部屋へと戻ったのだった。
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