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第二章:勇者ベルと三姉妹
第十一話:若衆団結
しおりを挟む東地区は、その全域が貧民街だ。
石造りの家もあるが角が欠けていたり、壁の一部が剥がれている。
道には、大きめの石が転がり、整備されていない。
荒れ放題で手入れされていなかった。領主からも、ほとんど見放された地区なのだ。
ナミは、若衆の第一隊、第二隊に死体に刺さった矢を回収させた。矢を補給するためだ。
もともと武器で戦う必要がないナミは、矢を多くは持たない。矢一本でも無駄にはしない。
第三隊から六隊の二十人と、俺とナミは東地区にただ一つある三階建ての建物の、二十メルチほど離れた位置に立っていた。
「ナミ、中の様子はどうだ」
「それが、さっきから何も聞こえないど。話し声も、足音も……もぬけの殻じゃないか?」
ナミは、うさ耳をピンと伸ばし、手を添えて音を聞き漏らすまいと集中したが、やはり聞こえないようだ。
「俺が見てくる。お前たちは、周囲を囲み出てくる者がいたら殺せ」
「はいっ!」
若衆たちは、意気揚々と隊ごとに行動を開始した。
俺は、ポケットから弓を取り出し、ナミに手渡す。
「兄貴、気をつけるんだど!」
「ああ」
木製のドアの前まで来て、俺はナミの方を振り返った。ナミは何も聞こえないと、首を横に振った。
俺は、ドアを押し一呼吸置いてから中に入った。やはりもぬけの殻だ。
奴らはどこへ行った。ナミの事前の情報では、悪魔爪組の幹部たちがいたはずだった。
それが今はいない。逃げたか、拠点を別の場所に移したか……
その時、ナミが走り寄って来た。
「兄貴、マイラ隊の方で小競り合いの声だど! 剣を打ち合ってる!」
「すぐに、三隊とも向かわせろ」
俺はそう言うと、ドアを閉め呪文紙を貼り付けた。
魔族最強のマーリンの封印呪詛が発動する。
誰も中に入れず、外に出られなくなる。呪文紙も俺以外が剥がすことは不可能だ。
「おーい、みんな、急いでマイラ隊のいる河川敷へ行けー!」
ナミの一声に、第三隊から六隊の若衆たちは、何事かと顔を見合わせ、そして頷くと全員走り出す。
指示されて、どうしてですか、なぜですかといちいち理由を聞く愚鈍な奴はいない。
いい奴らが集まっている。
「今は、第一隊と第二隊がマイラ隊に加勢に入ったみたい」
「そうか……残党か……それとも敵の幹部たちか…… ナミ、先に行って加勢してやれ」
「はいの!」
そういうと、若衆から受け取った矢筒を背負い、一気に走り去った。
あの足なら、若衆を追い越しマイラたちに加勢できるだろう。
◇
◇
河川敷に着くと住人を守るように、ナミとマイラ隊が見えた。
怯えた住人は、肩を寄せ合いしゃがみこんで固まっていた。
守りやすいように固めたようだ。
少し離れた先に、一番隊、二番隊と街人とが剣を交えている。
奴らは、街人に変装して抜け出そうとしていたようだ。
まんまと街人になって抜け出そうとしたが、ここに誘導され、そして抜け出す機会がなくなったのだろう。
ナミが矢をつがえ、放つと剣を打ち合っている敵の一人の眉間を見事に撃ち抜いた。
矢を食らって倒れる男を見た男たちは一瞬たじろいだが、すぐ、後ずさりしながら若衆たちと剣を打ち合っていた。
俺は、悪魔爪組の親玉を探した。河川敷で戦うあの集団の中にはそれっぽい奴はいない。
すると突然、ナミが一帯に聞こえるように声を張り上げた。
「みんな、気をつけて。魔法の詠唱が聞こえるど!」
ナミがそう言うと同時に、戦闘中のあちらこちらに魔法円が地面に浮き出てくる。
魔法円は、対象を捉えると回転を始めた。青く光るルーン文字が魔法円に浮かび上がる。
地面が光り魔法円が浮かび上がると、男たちはとっさに、魔法円から飛び出た。
すると、間をおくことなく稲妻が魔法円めがけて、轟音を立て、稲光がし、稲妻が落ちた。
敵も味方も見境なしに魔法が放たれていた。仲間が死のうが関係ないのか。
次々に起こる落雷の音で街人たちが悲鳴をあげ、耳を塞ぐのが見えた。
その前で、ナミが耳をまっすぐに立て、周囲を確認し、詠唱する魔術師を探している。
俺も、魔法の詠唱をしているヤツを探した。
魔法円が次々と現れる位置は、今まで味方の若衆がいた位置だ、確認しながら稲妻を落としている。
必ず、近くにいるはずだ……
「兄貴、わかったど。あの建物の屋上だ!」
ナミが指差した方向へ、俺は走った。二階建ての建物の切妻屋根の上に煙突がある。
その横に立つ人影が見えた。アイツか!
俺は、外壁の石の凹凸に足をかけ、一気に二階へと上がり、さらに窓枠に手をかけて上体を起こすと屋根に手を掛けて屋上へ一気に上がった。
煙突の陰に、一人のローブをかぶった小さな奴が詠唱を繰り返している。
一気に、屋根の上を駆ける。屋根材がガチャガチャと音を立てた。
魔術師は、その音に気が付き詠唱をやめて背を向けて走る。茶色の粘土瓦が走るたびに割れて破片が飛び散る。
俺は、顔の前で腕を出し、破片を避けながら一気に魔術師の首根っこを捕まえ、後ろに引き倒した。
魔術師は、後ろに倒れると後転し、跳ね起きる。立ち上がった瞬間に、一気に俺に飛び込む。
早い。手元がキラッと光った。ナイフが握られている。
ローブで顔は見えないが、背は低いが素早い。ナイフを鋭く俺の胸に向けて刺す。
それを、体の回転で避けて、ナイフを持つ右手をかわしつつ、左手の掌底で敵の顔面を殴った。
ぐふっ、うめき声をあげ1メルチほど吹き飛ぶ敵を、さらに追いかけ右足首を掴み、一気に魔術師を屋根の上から地上に向かって放り投げた。
俺も、後を追うように屋根から飛び降りる。
地面に背中から叩きつけられた魔術師は、胸をおさえ丸まって悶絶している。息ができないのだろう。
背中を強く打ち付けたのだ。
「おい、お前……」
ローブのフードが外れ悶絶している魔術師は、年端もいかない女だった。
目を固く閉じ、口をパクパクさせ息を吸おうとしている。
俺は、女を後ろから羽交い締めにすると胸を反らせた。胸を反らせることで呼吸を戻すことができる。
「殴って悪かった。女だとは思わなかった。 ……慌てるな、死ぬことはない。背中を強く打って呼吸が一次的にできないだけだ」
「うぐぐぐ…… はひ、はひ……」
胸と背中が押しつぶされたような感覚は俺も経験したことがある。時間がたつと呼吸は戻る。
だが、女は初めての経験なのか、涙を流し必死に息をしようともがいた。
「このまま、胸を反らしてゆっくりと呼吸を戻せ。このくらいでは死なん。だから泣くな」
しばらく、すると呼吸が戻ったのか落ち着きを取り戻した女が涙を拭いて俺を見た。
「参った。……降参する」
観念したのか地面に座ったまま、まだ小さな女の子が言った。
「お前たちの仲間も全員降参したみたいだ」
河川敷を見ると、敵たちは武器を放り両手を頭の上に組んで膝まづいているのが見えた。
ナミが指揮をとり、敵を一人ずつ武装解除させ捕らえていく。ナミに支持されて動く若衆たちも大したものだ。
デイモンが連れてきた連中は想像以上に統率が取れていた。マイラたちも役割をこなしている。
「ところで、悪魔爪組の親玉はどこだ」
「……オレだ」
「いや、組長だ。逃げたのか…………お、お前か?」
「そうだ、オレがデビルクロウの二代目組長だ」
さすがの俺も言葉が出なかった。まだ、十歳くらいに見える少女だ。幼女といってもいいだろう。
そんな小娘が組長とは、どういうことだ。
確か組長は筋骨隆々でデイモンよりも大男だったはずだ。
「組長は、どうした」
「は? お前たちが殺したんだろうがっ!」
「何の話だ」
「お前たち竜牙会が、親父を殺したって言ったんだ」
「覚えがないが、誰にそう聞かされたんだ」
ナミがやってきて少女を見て驚いて、俺の方を見る。
「この子は?」
「さっき魔法を撃ってきた奴だ」
「この子が?」
「二代目組長らしい…… 知らなかったのか?」
ナミは首をかしげると、マジマジと少女の顔を見ていた。
「この子は確かに見たことがある。組長の娘に間違いないよ。でも、悪魔爪組の組長が死んだって聞いてないけど」
「そりゃそうよ。だって、生きてることにしていたんだから……」
少女は、ナミが同じ子供に見えたのかナミの方に近寄ると手をとって言った。
「親父の仇が打ちたいの。この男を倒したいの……」
スッと涙が頬を落ちた。その涙を指でぬぐい取るとナミが答えた。
「あんたの親父を殺したって、セイヤが? それはないと思うど。セイヤは自分からは人を殺したりしないど」
少女は、そんなの嘘よと疑りの声をあげたが、何となく感じるものがあったのだろう、シクシクと泣き始めた。
「俺はお前の親父を殺すほど暇じゃない。お前もだれかにそう言われて信じ込まされたのだろう」
「信じ込まされた……」
「そうだ。 騙されたのだ」
俺はしゃがんで、少女と同じ目線に立つとまっすぐに涙で充血した少女の瞳を見た。
「俺ではない。だが、親父さんが殺されたのなら、必ず殺した奴がいるはずだ。復讐したいか?」
少女は、こくんと頷く。
ジョーの時と同じだ。誰かが裏で手を画策している。
俺を嵌めるためか、それとも俺を利用しようとしているのか……
「ナミ、事後処理は頼む」
「おう、まかせてちょーだい!」
住人には、東地区とビズリーの一帯は、今後竜爪会の縄張りとなったことを告げた。
喜ぶものも多かったが、ほとんどが不安そうにうつむいていた。
街を仕切る組が変わっただけと思ったのだろう。
そして、肩を落として方々に帰っていく。娼婦たちだけは、一箇所に集めマイラたちに名簿を作らせた。
一人一人、後からナミが身辺調査をし、他の仕事に就かせた方がいいものは娼婦をやめさせる。
適材適所、それが金を生む。その金は俺のものじゃない、女たちが稼いだものだ。
悪魔爪組の残党は、現組長の少女から解散することを宣告され、膝をついて涙していた。
残党の中から、使えそうなものはナミが声をかけ、吸収していくだろう。また、この二代目組長は俺が引き取ることになった。
まだ少女だ。いくらでもやり直せる。
一組の男女が近づいてきて、頭を下げる。
「あのー、セイヤさん」
振り返ると、レオンとマリンが立っていた。
「あの、俺たちもセイヤさんのお役に立ちたいです」
「そういえば、お前たちは、まだここに住んでいたんだな。いつ、俺のところにくるのかと思っていた」
「はい、そのことなんですが…… マリンとさっき話し合って、セイヤさんなら信じてもいいって
……だから、お願いします」
レオンとマリンは深々と頭を下げた。
「わかった。だが、お前たちは戦うことはできないだろう。普通に働いてもらうが、それでいいな」
「はいっ!」
二人は最高の笑顔を見せてくれた。
もっと、早く俺のところに来るかと思ったが、二人で頑張っていたようだ。
「ところで、兄貴。この女の子どうする?」
「俺が面倒を見ようと思う」
「こんな小さな子じゃ、兄貴の慰み者にもならないど」
「そんなことはしない。魔法の腕前は大したものだったから、冒険者にしようと思う」
「あぁ、わかったど! キッドと組ませるんだな、兄貴!」
この少女は、魔法が使える。こんな小さな体でも、魔法は体の大小は関係がない。
この先、鍛えてやればキッドとティルシーとパーティーを組ませることができるだろう。
ナミは、一番隊から六番隊、そしてマイラ隊を整列させた。
そして俺に褒めてやれと促してきた。
「お前たち、よくやった。怪我をした者も多いが、生きているだけ大したものだ」
わっと、歓喜の声が上がる。親分に褒められたと涙ぐむ男もいた。
みんな、それぞれが充分に健闘した。
「これから、西地区に戻る。この東地区もこれからは俺たちの縄張りになった。だが、街の人に迷惑をかけるな。街の人を守るのが俺たちの仕事だ。わかったか!」
「おう!」
「はいっ!」
俺のやり方に逆らうものは容赦しない、とも言ったが全員が同意した。
「お前たちの中で竜爪会に入るものは、残れ。自分の仕事を持つものは、戻ってくれていい」
誰一人、戻るというものはいなかった。東地区の立て直しに人手がいる、人数が多いほうがいい。
だがリーダー格がまだ育っていない。舎弟の七人はまだまだだ。
さぁ、戻って酒だ!宴会だ! ナミが高らかに言うと、男たちからどっと笑いが起こった。
<つづく>
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