小柄コンプを拗らせていた俺、魔術学校ものの異世界に飛ばされた挙句デカ男達から天使扱いされる

荒瀬竜巻

文字の大きさ
上 下
71 / 71
いつかは辿り着く

あいつから見た俺

しおりを挟む
「本当に、朝日奈さんの事何も知らなかったんだな」

「なに? いつでもクラスの嫌われ者な捻くれ男がこんなに面倒見がいいなんて思ってもみなかった?」

俺の小さな体に隠れるようにみっともなくしゃがんで歩く虎杖。そりゃそんなでけえイチモツを勃起させた状態で堂々と歩くなんざ無理な話だよな。それが判断できてるってことはちったあ落ち着いてきたってことか。


「その、恋もあるけど憧れもあったんだ。朝日奈さんは寄ってくる人をいとも簡単に躱して自分だけの時間を作れる才能があるから……新しい一面を知れて惚れ直したよ」

「才能ってほどでもねーよ。むしろお前が下手くそなだけだわ。お前は人間嫌いの癖に世界への憎しみが足りんからな」

「憎し……そうなんだね」

遠回しに八方美人を指摘したつもりだがどうやら通用しなかったみたいだ。まあコイツ素直だもんな、俺と違ってよ。……別に虎杖と仲良くするなんて俺の人生設計にはなかったが、そういう類の人種とも話してみるべきだな。こうして何で中心人物になれるのかがよくわかる。人のいいところを見つけるのが無駄に上手い。

そうこうしているうちに目的地のトイレに到着だ。後ろで虎杖は胸を撫で下ろす。

「さ、早よ処理してこい。俺は待ってるから」

「別に待たなくても……」

「バーロー1人で出すもん出したところで帰り道はどうする気だ。……それに俺がこの世界に来た直後はめちゃくちゃ具合悪くてな。そうならないとは限らんから、監視ってやつだ。なんかあったら呼べ」

「……わかった」

申し訳なさそうにそそくさと入っていった。勃起アイツの大きかったなぁとさしょうもない事考えていたら、中から声がかかる。

「その、えっと……助けて下さい」

めちゃくちゃ嫌な予感がしたが、なんかあったら呼べと言ってしまった以上拒否するのは忍びない。意を決して中に入る事にした。

……

…………

……………………

「その、出しても治らないんです、はい……そんな顔しないで」

「__俺に、どうしろと?」

「わ、わかんない。こんなに大きくなることもムラムラする事も初めてだし。怖くなっちゃって」

「はぁー……」

「ご、ごめんなさい」

「いや、別に謝らなくていい。……で? 保健の先生でも呼ぶか?」

「待って! その、朝日奈さんが良ければなんだけど……」

あ、これダメなやつ。俺はこのあとの展開がなんとなく読めてしまった。そして同時に俺の中の警鐘が鳴り始めた。これはまずいと本能が叫んでいる。

「……抜いてください!」

……やっぱりな。そんな気はしていたんだ、どうやらこの世界は俺をエロい目に合わせないと気が済まないらしい。

虎杖は俺に向かって土下座している。フルチンで。俺はというと、この展開が読めていたのに回避しなかったことを後悔していた。しかしあまりにも大きなイチモツを前に頭がおかしくなった俺は変な思考に行き着いた。一応とまだ他のあいつらとは全員性的なことをしたんだから、後のトラブルを回避するためにも平等に性的なことをすれば解決では?

……

…………

………………

とりあえず個室に避難する。トイレの便座に座った俺とその前で立つ虎杖。俺の目の前にはバキバキに勃起したイチモツ。……でけえな。

俺はそのバキバキのイチモツを優しく握る。すると虎杖がビクッと震えた。
そして、ゆっくりと上下に擦り始める。

……改めて言わせてもらうが意味不明だ。なんでこんなに鼻息荒くして男のモノをしごいてるんだろう。なんでこいつは俺の目の前でフルチンを恥じらいもなく見せびらかせるんだ? そもそもなんでこんなことになってるんだ? 疑問は次々と浮かぶけれど、空っぽなくせに無駄に熱だけを持った脳が今は目の前のこれを処理するのが先だと判断する。

「んっ、ふっ……あっ」
虎杖の吐息が聞こえる。その声が妙に艶めかしくて俺の耳を犯していくように感じた。間違いなく俺はこの行為に興奮している。

「……っ、あ、朝日奈さん! もう出そう!」

「ん? あ、そうか」

「うぁ!? な、何で早めるの! ……ッ!」

考えがまとまらないまま俺が手を早めると、抗議する虎杖を無視してそれはより硬くなる。そして先端から白い液体を放出した。それは俺の手や服を汚す。生暖かいその液体はどろりとしていて、俺の手からこぼれ落ちていく。

「あー……」

「……あー! って、そんな他人事みたいに言わないでよ!」

すっかり淫乱になった自分を認識する。そう遠くない未来に俺は目の前のコイツとそういう行為に及ぶ日がくるのかな、なんて思いながら虎杖のイチモツについた精液をトイレットペーパーで拭き取る。そしてそれを備え付けられているゴミ箱へ捨てた。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

淫愛家族

箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。 事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。 二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。 だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

俺が総受けって何かの間違いですよね?

彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。 17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。 ここで俺は青春と愛情を感じてみたい! ひっそりと平和な日常を送ります。 待って!俺ってモブだよね…?? 女神様が言ってた話では… このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!? 俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!! 平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣) 女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね? モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話

gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、 立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。 タイトルそのままですみません。

聖獣王~アダムは甘い果実~

南方まいこ
BL
 日々、慎ましく過ごすアダムの元に、神殿から助祭としての資格が送られてきた。神殿で登録を得た後、自分の町へ帰る際、乗り込んだ馬車が大規模の竜巻に巻き込まれ、アダムは越えてはいけない国境を越えてしまう。  アダムが目覚めると、そこはディガ王国と呼ばれる獣人が暮らす国だった。竜巻により上空から落ちて来たアダムは、ディガ王国を脅かす存在だと言われ処刑対象になるが、右手の刻印が聖天を示す文様だと気が付いた兵士が、この方は聖天様だと言い、聖獣王への貢ぎ物として捧げられる事になった。  竜巻に遭遇し偶然ここへ投げ出されたと、何度説明しても取り合ってもらえず。自分の家に帰りたいアダムは逃げ出そうとする。 ※私の小説で「大人向け」のタグが表示されている場合、性描写が所々に散りばめられているということになります。タグのついてない小説は、その後の二人まで性描写はありません

弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。

あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。 だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。 よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。 弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。 そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。 どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。 俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。 そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。 ◎1話完結型になります

処理中です...