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JBからの挑戦状
ゲームスタート ※R15
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「……ゲームを始める前に、1ついいか?」
「なんだ?」
「イカサマとか関係なく、7対1で1人の方にハンデを設けるのは当たり前だと思うんだけど。特にアサヒナはこのゲームやった事ないらしいし」
沈黙を貫いていたジョセフが手を挙げた。確かに、そうしないとフェアじゃないしイカサマじゃないにしてもやり過ぎだと言う声は多少あった(主にブルーブックと先生から)。少しバツの悪そうにしていたJBだが、友達と先生の一押しには逆らえなかったようで、
・このゲームは最長で5ターン。5ターン経った時点でアサヒナ・ハジメが敗退していなかった場合、アサヒナ・ハジメの勝利として扱う
という特別ルールを設けることに成功した。よし、ありがとうジョセフ、感謝永遠に。どれだけ長引いても5回成功したらOKって事だな。それに続くようにスターも手を上げた。わざわざゲームの為に机と椅子を並べ直し、不要な物を教室の奥に押し込めた後だというのに全然疲れた様子がない、やっぱ魔術の力なんだろうか。
「JBが作ったそのカード、本当にタネも仕掛けもないのか確かめる為に、一度机の上に広げてくれ」
それを聞いてハッとした。確かに。勝つことしか頭になくてそこまで考えが至ってなかった。ジョーカーやAが最初から無かったりしたら大変だ。幾つか準備してあったデッキの中きらスターが無造作に1組選んで、それを確かめるよう訴えた。
「えー疑念はもっともだけど、イカサマしたら威力半減するの忘れた?」
「……今のお前は、半減するとしてもイカサマをする確率が高い。そのカードが無事でも僕は見てるぞ、妙な動きをしたらすぐストップかけてやる」
「……へえ、まあいいよ。疑ってたらゲームを楽しめないからね」
ただならぬやり取りを終えた後、JBはカードを机の上に滑らせ、扇形で並べた。まだ一度もシャッフルしてないせいか、綺麗に♡、♤、♢、♧で4種類のAからKまでの数字が並んでいた。そして最後の♧Kの横にはジョーカーがある、ちゃんと53枚だ。何ともなさそうだが、一応1枚ぐらいは手に取って確認しようか。
「1枚触っていいか?」
「どうぞ、好きなだけ手に取ってくれ」
許可が降りたので、1番近くにあった♤7を手に取った。表はスペードが7つ配置されているシンプルなタイプの絵柄で、裏もありがちな赤い模様があるだけの至って普通のトランプだ。
しかし大丈夫そうだと思う余り油断していた。元あった場所に返そうとしたその瞬間、カードから白い粘液がドピュッと噴き出たカードを持っていた右手に絡みつき、その瞬間身体が歓喜した。
「うんぁ♡♡う……んだこれ!?」
声をすんでの所で抑える。ぶっちゃけ手遅れな感じはしたけど抑えれただけ及第点だ。もう一度カードを恐る恐る確認するが、白い液は出てこなかった。
「これが純度の高い魔力ってやつ。マジに気持ちよくなるみたいだな。元々の魔力がないお前だけに反応するようになってるんだ……そんでオレがエロい感じに仕掛けておいてアレだけど、想像以上にクるな」
「なんか……ぶっかけられてるみたい。ナニがとは言わないけど」
「そこまできたらもう言ったも同然な気がするけど。あ、他のデッキも確認する? 結構長引くゲームだから幾つか準備してるんだぜ」
いや、もういい……ひとつ確認したら順番だろう。ってかまだ始まってすらいないのにもうこれ以上味わいたくない。震える手で♤7を戻した。曰く触る度に発動してたら流石にキリがないから、一度噴き出るとそのカードはただのカードになるみたいだ。
たしかに♤7からもう1発噴き出ることはなかったし、魔力も感じない。……悍ましいが、下半身がゾクリとくる感覚で魔力の有無の判別がつくようになってしまった。
「……天使様、ご安心ください。この変態の用意したカードはたった今全て確認しました。忌々しい魔力が込められている以外はタネも仕掛けもありません」
「うわ、スターのやついつの間に。しかも変態ってお前にだけは言われたくないぞ、さっきのちょっと漏らした喘ぎでもう勃ち始めて」
「黙れ、大人しくカードを配れ」
……色々問い詰めたいところがある会話だったが、1番気をつけるべき不正は無いからよしとしよう。JBが適当にデッキを選び、シャッフルする。器用に落とすことなくシャカシャカと音を立てている。アレ全部に気持ちいいのが沢山……って馬鹿なことを考える心の中の俺は今さっきボコしておいた。
懸念点があまりにも多いが、何にせよもう後には引けない。心の臓がバクバク言いすぎて一周回って止まりそうだ。何とか呼吸を整えたが、俺の一生を決めるのとこれから間違いなくくるであろう快楽、それらを思うだけでも体が重くなる。俺が持つ物を総動員して何とか切り抜けるぞ……!
「じゃ、ゲームスタート。楽しめよ」
煽りみたいな楽しめよが憎たらしい。8人分、最初の16枚のカードが無事配り終わった。スターとジョセフが凝視しているが何も言わないあたり、JBは本当にただカードをきっただけのようだ。
裏向きに配られたカードを恐る恐る2枚めくった。♧8とジョーカー……のっけからジョーカーかよ!そう思った瞬間、またカードから噴き出た粘液、こと魔力が今度は俺の体目掛けて飛びついてくる。腹部にやってきた2箇所の快楽は、一瞬とはいえ俺の理性を確実に奪う代物だった。
「ああぁあ♡♡♡、まだ、にまい、なのにぃ♡」
周りから本来聞こえるはずのない生唾を飲む音がした気がする。みんなが俺をエロい目で見る、そんな視線が気持ちいい、恥ずかしいのが気持ちいい、見られるだけで抱かれている心地になり腰が動く。それでも堕ちないのは、最後に残された意地にも近い男としての矜持だった。波打つ快楽に身を任せ、のけ反って喘ぎ散らかしたいところをグッと堪えて背を丸めて堪えた。
目にグッと力を入れる。
♧8とジョーカーなら、ジョーカーを10にすれば1ターン目は何もしなくてもクリアだ。良々幸先がいい、もっと気持ちいいカードが欲しいとかほざいてる心の中の誰かさんはお口チャックしろよな。
「なんだ?」
「イカサマとか関係なく、7対1で1人の方にハンデを設けるのは当たり前だと思うんだけど。特にアサヒナはこのゲームやった事ないらしいし」
沈黙を貫いていたジョセフが手を挙げた。確かに、そうしないとフェアじゃないしイカサマじゃないにしてもやり過ぎだと言う声は多少あった(主にブルーブックと先生から)。少しバツの悪そうにしていたJBだが、友達と先生の一押しには逆らえなかったようで、
・このゲームは最長で5ターン。5ターン経った時点でアサヒナ・ハジメが敗退していなかった場合、アサヒナ・ハジメの勝利として扱う
という特別ルールを設けることに成功した。よし、ありがとうジョセフ、感謝永遠に。どれだけ長引いても5回成功したらOKって事だな。それに続くようにスターも手を上げた。わざわざゲームの為に机と椅子を並べ直し、不要な物を教室の奥に押し込めた後だというのに全然疲れた様子がない、やっぱ魔術の力なんだろうか。
「JBが作ったそのカード、本当にタネも仕掛けもないのか確かめる為に、一度机の上に広げてくれ」
それを聞いてハッとした。確かに。勝つことしか頭になくてそこまで考えが至ってなかった。ジョーカーやAが最初から無かったりしたら大変だ。幾つか準備してあったデッキの中きらスターが無造作に1組選んで、それを確かめるよう訴えた。
「えー疑念はもっともだけど、イカサマしたら威力半減するの忘れた?」
「……今のお前は、半減するとしてもイカサマをする確率が高い。そのカードが無事でも僕は見てるぞ、妙な動きをしたらすぐストップかけてやる」
「……へえ、まあいいよ。疑ってたらゲームを楽しめないからね」
ただならぬやり取りを終えた後、JBはカードを机の上に滑らせ、扇形で並べた。まだ一度もシャッフルしてないせいか、綺麗に♡、♤、♢、♧で4種類のAからKまでの数字が並んでいた。そして最後の♧Kの横にはジョーカーがある、ちゃんと53枚だ。何ともなさそうだが、一応1枚ぐらいは手に取って確認しようか。
「1枚触っていいか?」
「どうぞ、好きなだけ手に取ってくれ」
許可が降りたので、1番近くにあった♤7を手に取った。表はスペードが7つ配置されているシンプルなタイプの絵柄で、裏もありがちな赤い模様があるだけの至って普通のトランプだ。
しかし大丈夫そうだと思う余り油断していた。元あった場所に返そうとしたその瞬間、カードから白い粘液がドピュッと噴き出たカードを持っていた右手に絡みつき、その瞬間身体が歓喜した。
「うんぁ♡♡う……んだこれ!?」
声をすんでの所で抑える。ぶっちゃけ手遅れな感じはしたけど抑えれただけ及第点だ。もう一度カードを恐る恐る確認するが、白い液は出てこなかった。
「これが純度の高い魔力ってやつ。マジに気持ちよくなるみたいだな。元々の魔力がないお前だけに反応するようになってるんだ……そんでオレがエロい感じに仕掛けておいてアレだけど、想像以上にクるな」
「なんか……ぶっかけられてるみたい。ナニがとは言わないけど」
「そこまできたらもう言ったも同然な気がするけど。あ、他のデッキも確認する? 結構長引くゲームだから幾つか準備してるんだぜ」
いや、もういい……ひとつ確認したら順番だろう。ってかまだ始まってすらいないのにもうこれ以上味わいたくない。震える手で♤7を戻した。曰く触る度に発動してたら流石にキリがないから、一度噴き出るとそのカードはただのカードになるみたいだ。
たしかに♤7からもう1発噴き出ることはなかったし、魔力も感じない。……悍ましいが、下半身がゾクリとくる感覚で魔力の有無の判別がつくようになってしまった。
「……天使様、ご安心ください。この変態の用意したカードはたった今全て確認しました。忌々しい魔力が込められている以外はタネも仕掛けもありません」
「うわ、スターのやついつの間に。しかも変態ってお前にだけは言われたくないぞ、さっきのちょっと漏らした喘ぎでもう勃ち始めて」
「黙れ、大人しくカードを配れ」
……色々問い詰めたいところがある会話だったが、1番気をつけるべき不正は無いからよしとしよう。JBが適当にデッキを選び、シャッフルする。器用に落とすことなくシャカシャカと音を立てている。アレ全部に気持ちいいのが沢山……って馬鹿なことを考える心の中の俺は今さっきボコしておいた。
懸念点があまりにも多いが、何にせよもう後には引けない。心の臓がバクバク言いすぎて一周回って止まりそうだ。何とか呼吸を整えたが、俺の一生を決めるのとこれから間違いなくくるであろう快楽、それらを思うだけでも体が重くなる。俺が持つ物を総動員して何とか切り抜けるぞ……!
「じゃ、ゲームスタート。楽しめよ」
煽りみたいな楽しめよが憎たらしい。8人分、最初の16枚のカードが無事配り終わった。スターとジョセフが凝視しているが何も言わないあたり、JBは本当にただカードをきっただけのようだ。
裏向きに配られたカードを恐る恐る2枚めくった。♧8とジョーカー……のっけからジョーカーかよ!そう思った瞬間、またカードから噴き出た粘液、こと魔力が今度は俺の体目掛けて飛びついてくる。腹部にやってきた2箇所の快楽は、一瞬とはいえ俺の理性を確実に奪う代物だった。
「ああぁあ♡♡♡、まだ、にまい、なのにぃ♡」
周りから本来聞こえるはずのない生唾を飲む音がした気がする。みんなが俺をエロい目で見る、そんな視線が気持ちいい、恥ずかしいのが気持ちいい、見られるだけで抱かれている心地になり腰が動く。それでも堕ちないのは、最後に残された意地にも近い男としての矜持だった。波打つ快楽に身を任せ、のけ反って喘ぎ散らかしたいところをグッと堪えて背を丸めて堪えた。
目にグッと力を入れる。
♧8とジョーカーなら、ジョーカーを10にすれば1ターン目は何もしなくてもクリアだ。良々幸先がいい、もっと気持ちいいカードが欲しいとかほざいてる心の中の誰かさんはお口チャックしろよな。
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