小柄コンプを拗らせていた俺、魔術学校ものの異世界に飛ばされた挙句デカ男達から天使扱いされる

荒瀬竜巻

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はじまり

食べられるの待つ子羊 ※R15

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 学園長の無茶振りに驚き焦ったのはほんのひと時。後から滲み出て来たのは、自分がこれほどまでに邪な人間であったのかと、疑いたくなるほどの喜びの数々だった。

 薄汚くて申し訳ありません天使様。しかし、貴方が僕の目の前で痴態を晒して下さる。その僕が両腕で覆えば包み隠せてしまうほどの儚げな玉体、それでいて心の強さを忘れない気高い眼差し、今宵だけは全て僕のもの。そう思うだけでこれ以上ないほどの胸の高鳴りが巻き起こる。

 しかし天使様を怖がらせるわけにはいかない。まずはゆっくり触れ合っていこう。自分のドス黒い欲望がバレないように、天使様への劣情を勘付かれないように。

「__勝手にしろ」

 僕の身勝手な頼み事もこのように聞き入れてくださった。無意識に魔力を欲しているのがバレバレの物欲しそうな目をしながら、ぶっきらぼうにそう答えた。

「あー……暑いから上脱ぐ」

 今……何とおっしゃった? 天使様が、自発的に脱ぐ?

 今にも止まりそうな思考中、必死に考えを巡らせる。ベッドに居て、天使様が自分から脱ぐ、これはもう同意って事なのでは? 僕があの至宝のお体に触る、その権利を下さったという事では?

「え!? は、はい! お手伝いします」

 夫婦の営みにおいてもこう言ったことは旦那側がするのが基本というか、甲斐性だと聞いたことがある。こうしちゃいられないと僕も手伝った。装束を脱ぎ、その下にあった半袖のブラウスを脱ぐと、汗でじっとりと濡れた白い身体が露わになる。

「わぁ……」

「何見てんだよ」

「いやあの、本当に華奢で、美しいなと……」

 幼児のような掌、触り心地の良さそうな二の腕、薄く激しく触れようものなら壊れてしまいそうな肩、胸板。思わず生唾を飲み込んだ。それと共に初めてが自分であってよかったとも考えた。もし何処の馬の骨かも知らない下衆に襲われていたら、怒りや嫉妬に狂い切っていただろう。

 最初は何もかも自分がいい、そう思うあまり少し足早に身体に触れてしまった。一瞬だけぴくりと動いたのが可愛らしくて悶絶しそうだったのは内密に。掌、二の腕、そして胸板、全てのところで違った表情を見せる天使様に夢中になってしまった。しかし直に揉まれるとは思っていなかったのか、声を上げられた。

「ま、待て待て! まだ心の準備が! 第一その、こんなん触って何が楽しいんだ」

「……すみません、我慢ができなくて。あと、天使様の表情の変化を見ながら触るのが楽しくて、つい」

 天使様の顔が真っ赤に染まる。ほんとにこの人は、拒否しているのか煽っているのかわからない。堪えきれず悩ましげな吐息を発し始めているというのにらまだ恥ずかしがっている。
 しょうがない、ここは僕が悪者にならないと。

「んぅ……もういいだろ」

「……もう少々お待ちをまだ触っていないところがあります」

 何やら静止の声が聞こえた気がしたがそれどころではない。天使様、僕という邪な欲望を募らせた醜い悪魔が、ここを触ることをお許し下さい。胸板にあるピンク色の果実に触れると、天使様は大きな喚声とともにお身体を大きく揺らした。
 すると最後の意地なのか、キリッとした目つきで僕のことを睨みつける。

「お、おいやめろよ、、これ以上やったらマジで打つぞ」

 目の形と声色こそは完璧な威嚇だった。しかしその瞳は今にも涙が溢れ出そうで、身体もぐったりと脱力し僕に任せている状態だ。先ほどの刺激が強すぎたのか心なしか声も震えていて、加虐欲を煽るにはあまりにも十分なシロモノだ。
 それでも天使様が拒絶するならば仕方がない。命令や拒否に背くことが出来ないぐらいにはまだ自分に理性があったのかと感心する。しからば__

「__分かりました。では、下の方を失礼しますね」

「え」

 抵抗の暇を与えない内に、下の装束も脱がさせて貰った。流石に予期してなかったのか身体を震わせては呆気に取られている。
 意地っ張りな天使様。お言葉ですが、今の貴方のお姿はさながら、食べられるのを待つ子羊のようでございます。

…………………………

 やっぱりスターは何を考えているのかわからない。優しいと思えば急にオラオラとくるし、それでも丁寧な言葉は絶対に無くさないし。高身長を敵認定して威嚇しまくるしか脳のない俺には到底理解できない領域だ。

 今だってそうだ。ズボン剥ぎ取られて、いよいよくるのかと身構えても、想像していた激しい刺激はまだこない。いつの間にか半勃ちしているそれを見て可愛らしいですねと言いながら、パンツ越しに手のひらで転がしているだけだ。

「ッッ……それ、いつまでやんだよ」

「天使様からお許しを頂くまでです」

 最初からクライマックスじゃなくてよかったと思ってはいたものの、こういったもどかしい刺激も続くと辛い。しかも今コイツ許しを得るまでやるつったよな。えっとそれは……俺がおねだりしないとダメってことなのか?
 そんなのずるいぞ。最初は許しなんて得なくとも好き勝手やったくせに、ここに来て俺の口から言わせるってか。いいぜ言ってやるよ、だがめちゃくちゃ煽り込めてな。これでリテイク食らったら逆恨みビンタではっ倒してやる。

「生温い触り方しやがって、素人かよ。もっとガツガツ扱いてみろや。このままじゃ俺の中に出すのに何時間かかるんだよ、出してみたくないのか? 俺のケツ処女だけど? 今から他の生徒呼んだら何人が喜んでぶち犯してくるんだろうな」

 ……スターの手が止まった。やば、ちょっと言いすぎたか? 昔だから毒舌な自覚はある。口の悪さだけでツキノワグマも倒せるというと思ってるぐらいにはな。それでも優等生なスターにはいろんな意味で刺激が強すぎたのか。

「天使様……貴方は本当に……」

 覗き込んだ時、その瞳は据わっていた。それと共に思い出す。コイツがマジの時は狼の目じゃない、据わってるんだ。後悔しても遅い。奴は見せびらかすように、湿っていた俺のボクサーパンツをずらした。
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