168 / 216
ざわつき
弟が1番マシな感性 ⭐︎
しおりを挟む
食事が終わったらまた手押し車で山脈を越える、これぐらいになると魔法と文化陣営は恥じることなく疲れてもいないのに荷台になっている。前衛職業の人たちも口では不平等だと言いながら、多少重量が増えるぐらいでは痛くも痒くもないようで、放り出すこともなく車を引いている。ついでに襲いかかってきたモンスターを羽虫のように追い払っている。怖い。
だが色々巻物を読む時間を貰えるから嬉しい話だ。草書だから全体的にふんわりと読むことも一苦労。長文見るだけで頭が痛くなる俺としてはこれだけである種の修行だ。煮詰めてはいけないと腕立てでもしようと思い顔を上にあげると、今更ながら周りが暗いことに気がついた。こんな所で本を読もうものなら目が悪くなってしまう。巻物を占めて懐にしまった。暗い中でもキャンプ場まで歩いてくれているんだなと、ギコギコ動いている荷台の中で考えていた。
「なあ兄貴……」
「ん、どしたんだ、タマモと遊んでたんじゃないのか?」
「もう寝た……晩飯の時間じゃないと起きないと思う」
天才だとはいえ元々は弟だ。歳上らしい対応を求められるタマモとの交流はいささか骨が折れたのだろう。友達なんて作らないタイプだし後輩育成なんて尚更だ、それにタマモはまだおとなしい方だ。子供が苦手そうな蓮くんでも面倒を見ることができたのはそれのおかげもあるだろう。……自分と同じ顔の男の子を世話するのはさぞ変な気分だろうけど。
疲れた顔で俺の隣にもたれる蓮くんの頭を撫でてあげる。周りを一瞬確認してみたけどみんな寝ている、色々はしゃいでたみたいだから疲れたのだろう。昔はしてたけど今はめっきりすることがなかったそれを今になってするのは恥ずかしい気もしたが、いつまで経っても弟は弟だなとジジイみたいな思考で正当化する。実際本人は嫌がっていないから問題なしだ……何故か金魚帯を握られているのは少し怖いけど。
「その……俺の帯そんな変か? ひょっとして色合ってない?」
「いや、それはない。流石はプロだ、色彩も完璧だしコテコテのピンクじゃないのがいいよな、兄貴には黄色が似合うって分かってる」
どうやら俺には黄色が似合うみたいだ。初めて知った、だからピンクを基調としてるけど帯は黄色なんだな、小学生みたいだと恥ずかしがっていたが、ちゃんと考えてくれていたのか。では何故握っているのか褒める気持ちはわかった、でもそれは何故しつこく握っているのかの理由にはなっていない。
「だって……解きやすくて脱がせやすいじゃん」
「え? ん!? ちょっと待て!」
「うるさい。聞こえるぞ」
聞き返す間も無く、突然金魚帯をほどき始めた。あっさりと解かれた帯で口を塞がれる、鼻はまだ平気だから呼吸はできるけど、声を出すことはできない。何が起きたんだ、というより何する気だよ、みんなに見られてもいいんか!
「や、やめ……」
「兄貴が見られるのが好きな変態ならどんどん起こしてもらって構わないし、今一生懸命車押してくれてる彼氏に助け求めてもいいよ」
やばいこいつ何がなんでもヤるつもりだ。出したんだよ急に欲求不満になって。兎に角話し合おう話せば俺たちは分かり合える。疲れからかちょっと病み気味の蓮くんの肩を揺すった。俺が怖がってるのを気が付いてくれたのか、動きが止まった。
あーなるほど。長いこと兄貴……いや家族やってたら色々わかるもんだ。なにか思い詰めてんなとか、悩み事あるんだなとか、今の蓮くんはちょうどそんな感じの顔してる。少しだけ身体をポンポンしてやると、崩れるように俺に抱きついてきた。ほらやっぱりな。
「おーおー何が合ったんだ。お兄ちゃんに話してみろ」
「……なんでアイツオレと同じ顔なの? 異世界のことも記憶はあるけど意味わかんねー」
「さあなんでだろうな」
さあって……と消えそうな声で言われるが、本当に知らない。まあ2人で話した時にだいたいの目星ならついたけど、確証に至っていないから、今の状況の蓮くんに話したら逆効果というものだ。
「魔王なんて知らねーから、2人で帰ろうぜ」
「それは出来ない。魔王の悪事はきっちり止めてから元の世界に帰ろう」
「……でもコイツの魔力が無くなったらオレだけ強制送還なんだろ?」
「そん時は晴雄のことだ、魔力が戻ってまた機会があれば呼んでくれるよ」
頭を撫でてもご機嫌斜めのままだ。元気になってもらうにはどうすればいいのだろう。ここからは俺の兄力ではどうにもならない領域まできつつある。結局独自の会見で、こういう時は何して欲しいか聞いてあげるのが1番だなと思ってしまった。
「……セックスしたい」
「それはただ性欲とかの話でやりたいだけだろ」
「ならおっぱい吸わせて」
ひょっとして蓮くんは俺のおっぱいが好きなのか? 前にも吸わせてとせがまれた時があった、俺はそれよりレベルの高い搾乳手コキまでやったことあるからそれぐらいなら怖いもの無しだけど……
「……やる。疲れたからもう話さない」
「え? ちょっと!?」
沈黙は肯定と捉えられたのか、いきなり口に含まれる。帯を取られて一張羅のような状態だったもんで乳首が晒されていたことを今になって思い出した。舌を中で動かされるだけで体が震える中、異世界転移で思った以上にやさぐれ気味の蓮くんの世話が始まった。
だが色々巻物を読む時間を貰えるから嬉しい話だ。草書だから全体的にふんわりと読むことも一苦労。長文見るだけで頭が痛くなる俺としてはこれだけである種の修行だ。煮詰めてはいけないと腕立てでもしようと思い顔を上にあげると、今更ながら周りが暗いことに気がついた。こんな所で本を読もうものなら目が悪くなってしまう。巻物を占めて懐にしまった。暗い中でもキャンプ場まで歩いてくれているんだなと、ギコギコ動いている荷台の中で考えていた。
「なあ兄貴……」
「ん、どしたんだ、タマモと遊んでたんじゃないのか?」
「もう寝た……晩飯の時間じゃないと起きないと思う」
天才だとはいえ元々は弟だ。歳上らしい対応を求められるタマモとの交流はいささか骨が折れたのだろう。友達なんて作らないタイプだし後輩育成なんて尚更だ、それにタマモはまだおとなしい方だ。子供が苦手そうな蓮くんでも面倒を見ることができたのはそれのおかげもあるだろう。……自分と同じ顔の男の子を世話するのはさぞ変な気分だろうけど。
疲れた顔で俺の隣にもたれる蓮くんの頭を撫でてあげる。周りを一瞬確認してみたけどみんな寝ている、色々はしゃいでたみたいだから疲れたのだろう。昔はしてたけど今はめっきりすることがなかったそれを今になってするのは恥ずかしい気もしたが、いつまで経っても弟は弟だなとジジイみたいな思考で正当化する。実際本人は嫌がっていないから問題なしだ……何故か金魚帯を握られているのは少し怖いけど。
「その……俺の帯そんな変か? ひょっとして色合ってない?」
「いや、それはない。流石はプロだ、色彩も完璧だしコテコテのピンクじゃないのがいいよな、兄貴には黄色が似合うって分かってる」
どうやら俺には黄色が似合うみたいだ。初めて知った、だからピンクを基調としてるけど帯は黄色なんだな、小学生みたいだと恥ずかしがっていたが、ちゃんと考えてくれていたのか。では何故握っているのか褒める気持ちはわかった、でもそれは何故しつこく握っているのかの理由にはなっていない。
「だって……解きやすくて脱がせやすいじゃん」
「え? ん!? ちょっと待て!」
「うるさい。聞こえるぞ」
聞き返す間も無く、突然金魚帯をほどき始めた。あっさりと解かれた帯で口を塞がれる、鼻はまだ平気だから呼吸はできるけど、声を出すことはできない。何が起きたんだ、というより何する気だよ、みんなに見られてもいいんか!
「や、やめ……」
「兄貴が見られるのが好きな変態ならどんどん起こしてもらって構わないし、今一生懸命車押してくれてる彼氏に助け求めてもいいよ」
やばいこいつ何がなんでもヤるつもりだ。出したんだよ急に欲求不満になって。兎に角話し合おう話せば俺たちは分かり合える。疲れからかちょっと病み気味の蓮くんの肩を揺すった。俺が怖がってるのを気が付いてくれたのか、動きが止まった。
あーなるほど。長いこと兄貴……いや家族やってたら色々わかるもんだ。なにか思い詰めてんなとか、悩み事あるんだなとか、今の蓮くんはちょうどそんな感じの顔してる。少しだけ身体をポンポンしてやると、崩れるように俺に抱きついてきた。ほらやっぱりな。
「おーおー何が合ったんだ。お兄ちゃんに話してみろ」
「……なんでアイツオレと同じ顔なの? 異世界のことも記憶はあるけど意味わかんねー」
「さあなんでだろうな」
さあって……と消えそうな声で言われるが、本当に知らない。まあ2人で話した時にだいたいの目星ならついたけど、確証に至っていないから、今の状況の蓮くんに話したら逆効果というものだ。
「魔王なんて知らねーから、2人で帰ろうぜ」
「それは出来ない。魔王の悪事はきっちり止めてから元の世界に帰ろう」
「……でもコイツの魔力が無くなったらオレだけ強制送還なんだろ?」
「そん時は晴雄のことだ、魔力が戻ってまた機会があれば呼んでくれるよ」
頭を撫でてもご機嫌斜めのままだ。元気になってもらうにはどうすればいいのだろう。ここからは俺の兄力ではどうにもならない領域まできつつある。結局独自の会見で、こういう時は何して欲しいか聞いてあげるのが1番だなと思ってしまった。
「……セックスしたい」
「それはただ性欲とかの話でやりたいだけだろ」
「ならおっぱい吸わせて」
ひょっとして蓮くんは俺のおっぱいが好きなのか? 前にも吸わせてとせがまれた時があった、俺はそれよりレベルの高い搾乳手コキまでやったことあるからそれぐらいなら怖いもの無しだけど……
「……やる。疲れたからもう話さない」
「え? ちょっと!?」
沈黙は肯定と捉えられたのか、いきなり口に含まれる。帯を取られて一張羅のような状態だったもんで乳首が晒されていたことを今になって思い出した。舌を中で動かされるだけで体が震える中、異世界転移で思った以上にやさぐれ気味の蓮くんの世話が始まった。
5
お気に入りに追加
350
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる