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弟に捧ぐ

そういうところ ⭐︎

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蓮くんに言われた、兄貴は誘い受けならぬ煽り受けなんだって。別に文句はない、思い当たる節が多すぎるからだ。例えば今とか丁度そんな感じ。

薫が背後で軽めに俺の身体をギュッと締めてくる。もちろん痛みは伴わないしなんなら動こうと思えば動くことができる。でも目と鼻の先にいる弟はというと、この筋肉が衰えて来た柔らかいおっぱいが大層気に入ったようで、上へ下へともみもみしてくる。熱の籠った目に貫かれてはへなへなと力を抜くしかないこの身体は、今か今かと新しい刺激を待ち侘びている。

「……やっぱ本当なんだな、強制発情体質」

「エロいでしょ? 本当に男に抱かれるための能力みたいでさ、みんながメロメロになる訳だよ」

「うるさい。どんなにお前らが好きになろうと兄貴はオレのだ、嫁にはやらん」

色々ツッコミたいな、嫁にはやらんって昭和のなんだかんだ娘を溺愛してる頑固親父か。それを言うにはもう手遅れと言ってもいいぐらいの回数をこなしてしまったけれどこの際知らんぷりしよう、どうせそのうちバレるんだから今のうちは綺麗でいよう。

それ以上に、言われた通りに体が熱くてたまらん。風呂の熱と、体を循環している疼くような熱さ、さらには顔が違うとは言え実の弟というステータスが備わった人間と初めて行為に及ぼそうとする恥ずかしさから来る顔から火が出るような羞恥の熱の三つ巴となっている。胸を揉みしだいてくるその手は次第に突起へと移ってくる、声が漏れるのなんて慣れてるはずなのに、弟というステータスがいかに俺にとって強いのか現在身をもって理解している。

「気持ちいいんだろ、いつもオレ以外の男にあんあん言って媚び売ってるだろ、それみたくないてみろよ」

「う、ひぅ……いやだ……」

「へぇー弟であるオレの前では出来ないと?」

「わーい、弟くん結構なドSだね。イケメンで女子にモテそうなのに勿体ない、そんなんだから梓が怖がるんだ」

「黙れ。お前に兄貴の何がわかる、ゴタゴタ言ってないでさっさと拘束しろ」

「ほいほーい」

いつものように冷たい風に見せかけて、実際の手つきは物凄く優しい、快楽といいなんといいそんなに一度に処理できない頭が混乱する。わかることといえばこれだけだ、蓮くんはちょっと年上に対して無礼な反応が目立つな。うるさいだの黙れだの、そしてその言葉に従う薫もどうかと思う。それは自分の方が有能だから何を言ってもいいという挫折を経験しない人間ならではの感性によって出てくる発言なのは重々承知だ。

態度に似合うぐらいには有能なわけだけれど、シンプルに弟を思うお兄ちゃんとしては今後の不安の方が勝ってしまう。友達が出来ないのは別にいいんだ、それはどうしても得意不得意があるし実際に俺はめちゃくちゃ苦手、でも仲間がいないのは焦るべきだ。天才は仲間ですら足手纏いだと思ってしまうのかもしれないけど。……それに俺に弟の何がわかるんだろうな。次第に愛撫の手が下へと移動するとともに、諦めに近い感情が湧き出す。

「蓮くん、ごめんなぁ……ちゃんと性処理はするから許してくれないか?」

「……はぁ?」

元々俺の無意識に漏れ出してる魅力ステータスのせいでこんなことになってんだから、責任とって出すもん出させてあげたらそれでいいんだろ。どこの誰かもわからない赤の他人とは違う、体が違くても弟が相手だ、恥ずかしさと罪悪感は5割り増しとは言え不安の要素が皆無だから精神衛生的には心も軽くてやりやすい。好きな男を存分に性処理として使えるんだから文句は言わないだろうよ、既成事実を作るのにちょうどいい証人も俺の後ろに居るんだからな。

でも蓮くんはさっきの倍ぐらい不機嫌になった。なんで、ちゃんと謝ったし性処理するって言ったのに。そうだわかった中に出していいのかとか言わなかったからせいぜい手コキが脚だと思ってるんだろうな。大丈夫だ、魔王やイカ野郎なら全力で抵抗してやるけど大切な家族だ、中に入れてもいいしオナホみたいに扱っても構わん。好きなだけ何発でも出していいぞ。

「ほんっとふざけてんのか?」

「梓ってたまに自分のことをそこら辺のイタチみたいにいうよね」

「い、イタチってどういう事? ……ンァ!? ま、まって、ひゃ! なんで急に!」

「気が変わった。お仕置きセックスしてやるつもりだったけど、徹底的に甘やかす」

本当どこが地雷なのか本気でわからない。だけども事実しっかりと地雷を見事に踏み抜いてしまったようだ。口調こそは荒いけど、手は的確に下半身を責める。柔らかいもが好きなのかケツを揉まれ、そして秘所をそっと撫でられてときには情けない声が溢れた。まさか、前いじらないの? それはその、出来なくはないけど疲れるんだよ。

助けを求める意で後ろを振り返っても、薫は因果応報だよと言った態度を一切として崩さない。すっかり入り口という新しい役割が追加されたそこは、ヒクヒクと次なる刺激を待っている。それに追随するように、俺の身体はぶわりと揺れた。
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