クラスで異世界に転移するまではいい、でも175㎝の俺が踊り子って誰得だよ!

荒瀬竜巻

文字の大きさ
上 下
125 / 216
これはきっと伏線

触手 ⭐︎

しおりを挟む
「言っとくけど、僕の触手達は10本じゃないからね。まあ大元は10本で間違い無いけど、他の奴らは下っ端だよ。君の名前は……梓だよね。梓は下っ端触手で拘束できるから問題ないよね」

畜生。俺にもうちびっと筋力があれば、こんなもの違ってやったのに。しかも俺に気を遣ってんのか知らねえけど、大雨に濡れないように少し上の空中に幕を貼られた。これで濡れずに済むよね感謝してもいいよとかほざきやがって、大きなお世話だ。

そうこうしてると、いよいよ触手が服の中に入って、体を弄り始めた。意思があるのかこれもイカ野郎の仕業なのかは知らないが、ちゃんといい場所をわかってる。2つの触手が迷わず乳首を責めだしたのは流石に驚いた。メイド服つまり下半身が布巻いてるだけの超低装備だから、てっきり下半身に来ると思っていただけに、いきなりそこかよと容赦のなさを噛み締めることとなる。それでも耐えてみせるけど。

「気持ち良くなったらすぐに言うんだよ、なんなら今言ってもいいよ。そうだよね、この僕にこんな事されるなんて国宝級の悦び。本来ならめんどくさいけど今回は特別に許す、歓喜し泣き喚く権利をあげよう」

「誰がやるかイカ野郎! うぅ、ふ……そんな権利押し返してやらぁ!」

「うーん……せっかくこんなに可愛いのに勿体ないな。素直になったらもっと妃に相応しいのに、第一この世界の海が手に入るって言ってんのにどうして嫌がるのさ?」

やばい、声が出てしまう。こんな情けない声出したくない、特にコイツの目の前では絶対に。身体がビクビクと感じていて仕方がないが、まだしゃべる事が出来る。お前みたいなガキにはわからねえだろうけどな、……俺にはもう好きな人がいるんだよ、嫁探しなら他所を当たってくれ。

「餓鬼じゃないよ、キミと同い年さ! 好きな人……? この僕に言い寄られてもまだそいつが好きだなんて、ずいぶん我儘だね」

「我儘はどっちだよ、同い年だろうとガキはガキだ! お前なんてただ偉いだけの赤ちゃんだ。実際お前ば部下に任せて何もしていない、下を見てみろ、お前のために戦ってるクラーケン達がどんどん倒されてる! 自分のために頑張ってくれてる人の事見えてないなんて、同情するぜ」

まあ自分も一時期そんな感じだったけどな。でもこのイカ野郎は、俺を軽く超えている。感謝の気持ちはもちろん抱いていないのは気が付いてないだけ、それ以上にまずいのは、自分以外を全て下等だと見下しているところだ。最初から変だと思っていた違和感はここでハッキリした。

コイツは俺の方が好きなようだが、妃にしてやるだの権利をあげようだの、上から目線にも限度があるだろう。多分イカ野郎にとって他人ってんのは、何かをしてくれる存在でしかないのだろう。今までそんな人間や魔物としか出会うことができなかったのは不幸というべき悲劇だが、それでも人をこんな目に合わせてもいい理由にはならないってもんだ。

「ふーん。わかった、もう手加減しない。身体は綺麗なままで、でも心はズッタズタ。いいね。今のキミにはそれが一番お似合いだ」

どうやら地雷を踏んでしまったようだ、目に見えていたものとは言え、やはり不安が先行してしまう。でも大丈夫だ。俺は魔王からの責めにも耐えられた実績がある。触手が初めてとはいえ、なんかもうなるようになれと言うか、なんとかなるぜの精神だ。これを俗に精神論という。

「おら来いよ。ビビってんのか、ひゃあ!」

「誰がビビってるって? 徹底的に壊してやるよ、イキまくれ」

今まで手加減していたのか、おざなりだった下半身の責めが急に強化された。いきなり陰茎を触手で弄られた時は、肩どころか身体で全体がぶっ飛ぶような気がした。ヌメヌメした触手は思ったよりも器用かつテクニシャンな動きで遂に体全体を覆い尽くした。

「くぅ……や、めろ! ああ、いやぁ♡……気持ち悪い、、」

「気持ちよさそうだけど? 一思いに堕とすなんてしないよ。四肢を落とすみたいに、ゆっくりと気持ちいい事をして、プライドをこそげ落としていく。今決めた事だから」

やっぱコイツクソだな。そんな性格じゃあ一生奥さんなんて出来ねえよ、そう思いつつ、俺は精神崩壊いいぜ来いよな勢いで覚悟を決めた。

「あーずーさー!!! 助けに来たぜ!」

……ああごめん。精神崩壊はもうちょっとと言うか、無くなりそうだ。

「ん? オマエは?」

「真田仁。梓の彼氏、そして婚約者だ!」

彼氏から婚約者に昇格していた(俺は知らんかった)仁は、俺の元まで飛んできた。イカ野郎みたいに飄々と立つのではなく、必死に俺のところまで駆け上がってきた仁を見て、ゆっくりと手を伸ばした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~

m-kawa
ファンタジー
第5回集英社Web小説大賞、奨励賞受賞。書籍化します。 書籍化に伴い、この作品はアルファポリスから削除予定となりますので、あしからずご承知おきください。 【第七部開始】 召喚魔法陣から逃げようとした主人公は、逃げ遅れたせいで召喚に遅刻してしまう。だが他のクラスメイトと違って任意のスキルを選べるようになっていた。しかし選んだ成長率マシマシスキルは自分の得意なものが現れないスキルだったのか、召喚先の国で無職判定をされて追い出されてしまう。 一方で微妙な職業が出てしまい、肩身の狭い思いをしていたヒロインも追い出される主人公の後を追って飛び出してしまった。 だがしかし、追い出された先は平民が住まう街などではなく、危険な魔物が住まう森の中だった! 突如始まったサバイバルに、成長率マシマシスキルは果たして役に立つのか! 魔物に襲われた主人公の運命やいかに! ※小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しています。 ※カクヨムにて先行公開中

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

処理中です...