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魔王の陰謀 上
ショーへの不安
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チルトさんという通り確かに街の人には囲まれたけど、暴動なんて今の今まで聞いたことがない。何よりショーって言った?この俺が出るのかよ。踊り子のショーというと思い浮かぶのはダンスやミュージカルだが、もしかしたらストリップって可能性もあるのか……?
「ど、どんな感じのショーですか?」
「ポールダンスだ」
予想外。しかしストリップよりかは数倍マシだ。例えばポールダンスとストリップどっち取るって聞かれたら、少なくとも俺は絶対にポールダンスを取るからな。地方によるが、グルーデンの踊り子はポールダンスが主流らしい。
ショーのシステムは至ってシンプル。お客さんはチケットを買うときに、今日一番気になってる踊り子の名前が書かれたチケットを買う。10数人の踊り子が順番に踊って、最後は一番人気だった子がおおとりで踊るという現実世界でいう地下アイドルと同じだ。
「お前が稼いだ売上やチップは好きに使っていい。こっちも無理難題頼んでる自覚はあるからな」
「俺ポールダンスした事ないっスよ」
「異世界特典を忘れたのか」
そうだった。俺には踊り子の職業《クラス》特典で踊ろうと思えば踊れるという踊り子としては万々歳な能力を持っていたんだった。それに関しては何も問題なしか……でも次は本命だ、俺が最も心配している事。
「俺が踊ると、見た人が魅了にかかってしまうみたいで……」
「おう、そうなんだよ……」
流石の王様も頭を抱えていた。だよな、暴動もストライキもヤバいのに、まだまだ不安要素あるんだからな。
「お前のダンスは場合によっちゃあ、全員に回される事もあるからな」
「やめてください」
「間違いなくショーの舞台がイカ臭くなるから維持費がヤバいし」
「ちょっと」
「大体お前も発情体質持ってんだもんな」
遠慮も何もなく、不安になる事たくさん言ってくるトルチさんに何か一つでも言い返してやりたい。しかし悔しいかな、頭から尻尾まで嘘がないんだこれが。それでも全員にレイプされるとか嫌すぎる、俺の尻壊れる。誰かボディーガードをお付けできないだろうか。
「ボディーガードねぇ……ショーの邪魔にならない所、例えば舞台の脇とか天井やらにはいてもいいと思うぜ。だが……」
いてもいいんだ。と安心した矢先、またまた地獄に叩きつけられる。
「あいにくこの国には、お前の魅了に耐え切れる程の魅了耐性を持った戦士はいないと思ってくれ」
み、魅了耐性、急にRPG感出してきたな。それにしてもピンと来なかった。クラスメイト達は俺のことを可愛いと言いながらも、普段はそれなりに正気?を保てていると思う。ダンス踊った時はおっ勃ててたけど……
「お前達からしたら信じられんだろうが、お前達の魅了耐性は俺たちの世界でいうとMAXを軽く超えている。これもまあ転移特典の1つだな」
聞けば聞くほど異世界転移便利だな。ベルトルトさんが自分の魔力を大量に使ってまで、勇者を徴収した理由が今になってよくわかる。でもそうなったら自分の身は自分で守るしかないかな……
数では叶わないけど、逃げるぐらいなら……と淡い期待を描いていた時、真後ろの王室と廊下を繋ぐ扉がガラリと開いた。重々しい木の音と共に大河、英智と成、そして落ち着きを取り戻した仁と明がいた。
「すまん梓。大河に殴られてやっと正気になった」
「……どうしたお前ら。悩み事か?」
大河は相当な荒治療をしたらしい。明ならまだわかるけど、不良の仁相手に殴るとかなかなかできることではないと思う。白魔術師とは思えん味方の治し方、そして度胸だ。それにしても明の洞察力には驚いた。ついさっきまで俺のおちんちん大パニックに興奮してたのに、さすがは忍者だ。
2人にことの顛末を一通り話した。2人、特に仁の反応を見るのは怖かったが、残りの4人含めて思った以上に余裕そうだった。
「なんだよそんな話か、心配かけんな」
俺の問題とはいえ他人事だと思いやがって。そう思ったのは最初だけだ。
「そんなの、俺たちで守ればいいだけじゃないか。ここにはお前以外に39人も勇者がいるんだぜ?」
ハッとして後ろを見た。皆能力は違えど、いずれはともに魔王を倒す仲間達だ。全幅の信頼をおくべき相手。しかしながらそれでも……
「申し訳ないが、俺の魅了は踊っている間は制御不当な上に、お前達でも耐え切れるかわからない。そんな怖い賭けに出るわけには」
「なーんだ。いい方法があるのによ」
話の途中で違を挟んできたのは大河だ。さっきクラスメイトを殴ったのに反省の色を見せないある意味頼りになるこいつは、白魔術師だ。魅了から守ってくれる魔法でもあるのだろうか。
「正気を失うなら殴って治せばいい、俺が真田にやったみたいにさ。流石に街の人を殴るのはあれだけど、同じクラスメイトの頭なら容赦なく殴れるだろ」
こいつほんとに白魔術師かよ。俺が思ってたんと違う。そんなのみんな痛いし嫌がるだけだろう……
「なるほど!」
「確かに遠慮なく殴れるし殴ってくれる!」
「七海頭いいな」
まさかの大絶賛だった。これはあれだ、男子校だからできたことだろうな。もし共学ならお互い躊躇っただろう、ある意味そこんとこは強いよな俺ら。
こうして大河の機転?によって俺の意思とは無関係にダンスのショー出ることが決まってしまった。踊り子とは、想像以上にハードなもののようだ。
「ど、どんな感じのショーですか?」
「ポールダンスだ」
予想外。しかしストリップよりかは数倍マシだ。例えばポールダンスとストリップどっち取るって聞かれたら、少なくとも俺は絶対にポールダンスを取るからな。地方によるが、グルーデンの踊り子はポールダンスが主流らしい。
ショーのシステムは至ってシンプル。お客さんはチケットを買うときに、今日一番気になってる踊り子の名前が書かれたチケットを買う。10数人の踊り子が順番に踊って、最後は一番人気だった子がおおとりで踊るという現実世界でいう地下アイドルと同じだ。
「お前が稼いだ売上やチップは好きに使っていい。こっちも無理難題頼んでる自覚はあるからな」
「俺ポールダンスした事ないっスよ」
「異世界特典を忘れたのか」
そうだった。俺には踊り子の職業《クラス》特典で踊ろうと思えば踊れるという踊り子としては万々歳な能力を持っていたんだった。それに関しては何も問題なしか……でも次は本命だ、俺が最も心配している事。
「俺が踊ると、見た人が魅了にかかってしまうみたいで……」
「おう、そうなんだよ……」
流石の王様も頭を抱えていた。だよな、暴動もストライキもヤバいのに、まだまだ不安要素あるんだからな。
「お前のダンスは場合によっちゃあ、全員に回される事もあるからな」
「やめてください」
「間違いなくショーの舞台がイカ臭くなるから維持費がヤバいし」
「ちょっと」
「大体お前も発情体質持ってんだもんな」
遠慮も何もなく、不安になる事たくさん言ってくるトルチさんに何か一つでも言い返してやりたい。しかし悔しいかな、頭から尻尾まで嘘がないんだこれが。それでも全員にレイプされるとか嫌すぎる、俺の尻壊れる。誰かボディーガードをお付けできないだろうか。
「ボディーガードねぇ……ショーの邪魔にならない所、例えば舞台の脇とか天井やらにはいてもいいと思うぜ。だが……」
いてもいいんだ。と安心した矢先、またまた地獄に叩きつけられる。
「あいにくこの国には、お前の魅了に耐え切れる程の魅了耐性を持った戦士はいないと思ってくれ」
み、魅了耐性、急にRPG感出してきたな。それにしてもピンと来なかった。クラスメイト達は俺のことを可愛いと言いながらも、普段はそれなりに正気?を保てていると思う。ダンス踊った時はおっ勃ててたけど……
「お前達からしたら信じられんだろうが、お前達の魅了耐性は俺たちの世界でいうとMAXを軽く超えている。これもまあ転移特典の1つだな」
聞けば聞くほど異世界転移便利だな。ベルトルトさんが自分の魔力を大量に使ってまで、勇者を徴収した理由が今になってよくわかる。でもそうなったら自分の身は自分で守るしかないかな……
数では叶わないけど、逃げるぐらいなら……と淡い期待を描いていた時、真後ろの王室と廊下を繋ぐ扉がガラリと開いた。重々しい木の音と共に大河、英智と成、そして落ち着きを取り戻した仁と明がいた。
「すまん梓。大河に殴られてやっと正気になった」
「……どうしたお前ら。悩み事か?」
大河は相当な荒治療をしたらしい。明ならまだわかるけど、不良の仁相手に殴るとかなかなかできることではないと思う。白魔術師とは思えん味方の治し方、そして度胸だ。それにしても明の洞察力には驚いた。ついさっきまで俺のおちんちん大パニックに興奮してたのに、さすがは忍者だ。
2人にことの顛末を一通り話した。2人、特に仁の反応を見るのは怖かったが、残りの4人含めて思った以上に余裕そうだった。
「なんだよそんな話か、心配かけんな」
俺の問題とはいえ他人事だと思いやがって。そう思ったのは最初だけだ。
「そんなの、俺たちで守ればいいだけじゃないか。ここにはお前以外に39人も勇者がいるんだぜ?」
ハッとして後ろを見た。皆能力は違えど、いずれはともに魔王を倒す仲間達だ。全幅の信頼をおくべき相手。しかしながらそれでも……
「申し訳ないが、俺の魅了は踊っている間は制御不当な上に、お前達でも耐え切れるかわからない。そんな怖い賭けに出るわけには」
「なーんだ。いい方法があるのによ」
話の途中で違を挟んできたのは大河だ。さっきクラスメイトを殴ったのに反省の色を見せないある意味頼りになるこいつは、白魔術師だ。魅了から守ってくれる魔法でもあるのだろうか。
「正気を失うなら殴って治せばいい、俺が真田にやったみたいにさ。流石に街の人を殴るのはあれだけど、同じクラスメイトの頭なら容赦なく殴れるだろ」
こいつほんとに白魔術師かよ。俺が思ってたんと違う。そんなのみんな痛いし嫌がるだけだろう……
「なるほど!」
「確かに遠慮なく殴れるし殴ってくれる!」
「七海頭いいな」
まさかの大絶賛だった。これはあれだ、男子校だからできたことだろうな。もし共学ならお互い躊躇っただろう、ある意味そこんとこは強いよな俺ら。
こうして大河の機転?によって俺の意思とは無関係にダンスのショー出ることが決まってしまった。踊り子とは、想像以上にハードなもののようだ。
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